ゲームプランナーがきついと言われる理由│向いている人の特徴や目指し方を紹介
子供から大人まで、夢中になる人が多いゲーム。ゲーム好きな人が、ゲームに携われたらとても楽しい仕事になると思いませんか?今回は、そのゲームに携わる仕事の中から、ゲームプランナーについて解説していきます。仕事内容はもちろん、求められるスキルや資格、なり方や将来性まで、わかりやすく解説していきます。
目次
ゲームプランナーとは?
「ゲームが大好き!」「自分でもゲームを作ってみたい!」とゲーム業界で仕事をすることに憧れを抱いている方も多いのではないでしょうか。
中でも、ゲーム制作において企画立案から携わることができる「ゲームプランナー」は、今人気の職種として注目を浴びています。
今回はゲームプランナーの仕事内容と担う役割、平均年収からゲームプランナーになるために必要なスキルまで、詳しく解説します。
ゲームプランナーの仕事と役割
ここでは、ゲーム制作の過程でゲームプランナーがどのような仕事をし、各工程においてどのような役割を担っているのか、図とともに紹介します。
ゲーム制作の工程は、主に「企画立案」「制作準備」「制作」「販売・統括」の4つからなります。
ゲームプランナーは「企画立案」とゲーム制作中の「進行管理」、そして販売後の「集計・分析・改善」に携わります。
企画立案
企画立案ではゲームディレクターやゲームプロデューサーの要望や、市場ニーズの分析結果をもとに、ゲームのテーマやコンセプト、ターゲットとする年齢層などの概要を決めていきます。
その後、決まった概要を基に企画書を作成し、社内会議でプレゼンテーションを行います。「このゲームは売れるな」「このゲームは間違いなく人気が出るな」と周りの人を納得させるためには、「自分が面白いと思うポイントを論理的に説明することが求められるでしょう。
制作準備
無事に企画が通ったら、次は「制作準備」です。
まずは仕様書を作成し、ゲームの細かい設定を決めていきます。
ゲームの世界観やシステム、画面遷移の仕方やレイアウトなど、ゲームを構成するあらゆる要素を記載します。そうすることで、ゲームを制作するプログラマーやデザイナーにゲームのテーマやコンセプトを齟齬なく伝えることができます。
制作中の進行管理
仕様書が作成できたら「制作」です。
デザイン・シナリオ・プログラミングなど各工程に適したメンバーをアサインし、仕様書に沿って作業が行われているか確認したり、現場からの質問に応え指示を出すなど「進行管理」を担います。
ゲームが形になったら仕上がりを検証するデバッグという作業が必要です。試作品で実際にプレイして、ゲームに問題やバグがないかを確認することで、クオリティの高いゲームを目指します。
販売後の集計・分析・改善
ゲームがリリースされたら、最後に「集計・分析・改善」の仕事を行います。
販売数の集計やゲームの反響を分析し、制作時の反省点を出したり細かくクオリティチェックをすることで、次回作に向けた改善案を策定することもゲームプランナーの仕事です。
「作ったら終わり」ではなく、リリース後のユーザーの声や反応を受けて改善を加えることで、より面白く人気が継続するゲームを生み出すことができるでしょう。
ゲームプランナーは、ゲーム制作の全工程に携わっています。
ゲームプランナーになるには?
ではゲームプランナーになるためには、どうすればいいのでしょうか?
ゲームプランナーはゲーム制作の全てに携わるため、幅広い知識と経験が必要とされる仕事です。しかし、必ずしも経験者でなければ採用されないというわけではありません。
以下で紹介するようなスキルを身につけたり、資格を取るなどの自己研鑽をすれば、実は未経験からでも採用される可能性が十分にある職業です。
ゲームプランナーに向いている人とは
ゲームプランナーに向いている人の特徴、転職市場において企業が求める人物像は3つあります。
論理的思考ができる人
企画したゲームについて社内でプレゼンテーションを行い、社内の人間の共感や賛同を得なければなりません。ゲームの面白さだけでなく、市場や顧客のニーズにどのように応えられるのかなど、分かりやすく伝える必要があります。
自分の企画を通すためにも、論理的思考力はゲームプランナーに必要なスキルの一つと言えるでしょう。
コミュニケーション能力がある人
ゲーム制作には、ゲームデザイナーやゲームプログラマーなど多くの人が関わります。
チーム内でコンセプトや制作の意図などの認識をずらさず、ゲーム制作をスムーズに進行させるためには、情報を正確に伝え相互理解を促すスキルが必要です。
そのため、コミュニケーション能力が高い人はゲームプランナーに向いていると言えるでしょう。
ゲームが好きな人
「ゲームが好きである」という要素は必要不可欠です。
「何時間ゲームをしても飽きない」というほどゲーム好きな人や、話題のゲームや新しくリリースされたゲームをすぐプレイする人など、ゲーム市場のニーズやトレンドを敏感に把握できる人はゲームプランナーに向いていると言えるでしょう。
必要なスキル
企画・プレゼンテーション力
ゲームプランナーの重要な業務かつやりがいでもある、新作ゲームを企画立案する力は何より大事だと言えます。
コンセプトや世界観、キャラクターはもちろん、ゲームシステムにも目を向ける必要があります。また、継続的に利用してもらう工夫や運用のシナリオ、システム更新など広い視野が求められます。
ゲームの面白さだけではなく収益性も重要ですので、予算も含めデータ分析を用いた信ぴょう性の高いプレゼンテーション力も欠かせません。
パソコンスキル
社内会議でのプレゼンテーションや制作スタッフへの指示など自分の意図を伝える場面が多い仕事ですが、そこで重要になるのが資料作成です。
企画書・プレゼン資料・仕様書など、ゲームプランナーは作成するものが非常に多くなります。作成資料が分かりやすいとゲームの魅力を存分に伝えることができ、周囲から高い評価を得られる可能性も上がります。
伝えたい情報の要点を洗い出し、分かりやすく資料としてまとめられる資料作成能力が必要です。「Word」や「Excel」、「Power Point」などを使いこなすパソコンスキルを身につけておくとよいでしょう。
また、ゲームの制作段階ではゲームデザイナーやゲームプログラマーとの連携が求められるので、ある程度デザインやプログラミングの知識を持っているとコミュニケーションが円滑になります。
情報収集力
トレンドを見逃さない市場調査力も欠かせません。
ゲーム市場は常に変化し続けているため、最新の情報やユーザーの声には常にアンテナを張る必要があります。同時にターゲットを絞るためには分析力も求められます。
好奇心が旺盛で流行に敏感、情報収集源を複数持っていて普段から使い分けている人はゲームプランナーに必要な素養があると言えるでしょう。
従来の手法にこだわらない柔軟さが求められる部分でもあります。
マネジメントスキル
開発現場の責任者はゲームディレクターですが、ゲームプランナーにもマネジメントスキルが求められるシーンが多々あります。
ゲーム制作は各分野のスペシャリストが集まりチームを組んで進めるため、人の管理、時間の管理は全体の進捗を左右するのです。そのため、スケジューリングの経験がある人材は重宝されます。
クリエイターは個性が強い人も多いので、チームを1つにまとめる能力や様々な職種の人と関わった経験は強みになります。やはりコミュニケーションスキルは業務を円滑に進めるうえでなくてはならないものだと言えるでしょう。
おすすめの資格
ゲームプランナーになるために必要な資格は特にありませんが、情報処理技術者やCGデザインに関する資格を取得しておくと、あなたの市場価値を上げることが可能です。
デザインに役立つ資格
デザイン制作に必要なPhotoshopやIllustratorの資格を取得すれば、デザイン制作に必要な知識を身に着けながらスキルを証明する事ができます。
代表的なものは次のとおりです。
・Illustratorクリエイター能力認定試験
・Photoshopクリエイター能力認定試験
・CGクリエイター検定
プログラミングに役立つ資格
プログラミングスキルを持ち合わせていれば、コミュニケーションを円滑に進める事にも役立ちます。
代表的なものは次のとおりです。
・情報処理技術者試験
マネジメントに役立つ資格
ゲームプランナーとしてプロジェクトマネジメントの補佐に携わる場合にも役立つ資格があります。
代表的なものは次のとおりです。
・プロジェクトマネジメントアソシエイト資格
・PMOスペシャリスト認定資格
・Microsoft Office Specialist
ゲームメーカーやゲーム制作会社への就職が一般的
ゲームプランナーになるには、ゲームメーカーやゲーム制作会社への就職が一般的です。
未経験であっても上述のスキルを磨いたり、資格取得を目指す事で採用を目指す事ができるでしょう。
専門学校へ通う事で、プランナーとしての素養を身に着け即戦力として活躍する事も期待できます。
また、現時点でのスキル・経歴でゲームプランナーとして具体的にどのような仕事に挑戦できるか知りたい方は、転職エージェントに相談する方法もあります。
ゲームプランナーがきついと言われる理由は?
業務範囲が広い
ゲームプランナーがきついというイメージを持たれる方は、体験談を見聞きした事が大きな理由となっているのではないでしょうか。
ゲームプランナーの経験談からは、企画や仕様書作りからイベントの企画、ゲームのデバッグ作業、さらにはバグや不具合への対応、カスタマー対応などあらゆる業務を担当していることが分かるはずです。
担当するタイトルに関することはなんでもやるのがゲームプランナーです。
多くの業務を並行して行う必要があるために、きついという印象を持たれがちだと言えます。
スケジュール管理
上記の通りあらゆる業務をこなすゲームプランナーですので、他のクリエイターの作業の遅れや問題が発生した場合はすべての影響を受けることになります。それでも納期は守らなければなりません。
一般的に、ゲームを制作する上でリリースから逆算して3か月から6か月先に納期のスケジュールが組まれます。納期にあわせて動くため、残業や長時間労働がどうしても増えがちになってしまいます。
「残業が多い」というイメージもこういったスケジュール管理の都合上と言えるのです。
納品後も対応が必要
納品が完了したからといって、ゲームプランナーの業務は終わりではありません。
新作ゲームのリリース後、アップデート後、不具合が生じた際には問い合わせが集中することもめずらしくありません。
納品後も業務に追われることも、ゲームプランナーがきついと言われる理由のひとつになっていると言えるでしょう。
ゲームプランナーの年収
ゲームプランナーの仕事の平均年収は約499万円とされています。日本の平均年収と比較すると高い傾向にあります。
正社員全体の給与幅としては336〜768万円と広くなっているなかで、498〜552万円の層が多くなっています。
このようなゲームプランナーにおける年収の違いは、企業の違いや、同じ企業でもゲームプランナーとしての経験や実績によっても発生していると考えられます。
IT人材年収診断を利用すれば、年収がどのくらい上げられるかを調べることができます。
適正年収を知りたい方はぜひ利用してみてください。
ゲームプランナーの将来性
では、ゲームプランナーのニーズや将来性はどうなのでしょう?
結論、今後も需要は上がり続けます。
現在日本では、スマートフォンやiPadのようなタブレットの普及によりソーシャルゲームやアプリが人々の生活に広く浸透しているほか、長い歴史を持つコンシューマーゲームも変わらぬ人気を誇っています。
また、ゲーム制作会社の数も増加傾向にあり、新しいサービズが次々と生まれゲーム業界の市場規模は拡大する一方です。このような成長真っ盛りの業界で熾烈な競争に勝つためには、ただ面白いゲーム・人気のゲームを開発するだけでなく、その人気を継続させることが重要になってきます。
ゲームプランナーとして活躍するためには、市場の動向に敏感であり、顧客のニーズに応えるサービスを創れることが成功の鍵です。ゲームプランナーとして経験を積み成果を上げることで、上位職のディレクターやプロデューサーにキャリアアップできれば、あなたの市場価値はさらに上がり企業にとって、そしてゲーム業界にとって必要不可欠な存在になれるでしょう。
転職エージェントに相談してゲームプランナーを目指そう
ゲームプランナーの仕事内容や必要なスキルについて、お分かりいただけたでしょうか。
ゲーム業界で仕事をするうえでは、ゲームへの興味・モノづくりへの興味、そして何よりも「ゲームが好き!」という気持ちが大切です。
この気持ちがあれば、自然と市場のニーズや人々のニーズへのアンテナも高くなり、面白くて魅力的な、そして人気が継続するタイトルを生み出すことができるでしょう。
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