『労働法』を徹底解説!その概要・種類、知っておきたいポイントまでわかりやすく解説します!!

「労働法」という法律は正式名称ではなく、労働問題に関する法律全般のことを指します。雇用者と労働者の間で雇用契約を結ぶ際に、労働者が不利な立場で働かされることを回避するために設けられています。今回は、労働法の基本や種類、働く上で覚えておきたい法律の内容まで、詳しく解説していきます。

 

労働法の概要とその背景

 

 

労働法は労働に関わる法律の総称

 

労働法は、労働問題に関わる法律全体の総称です。特に重要なものとして、

「労働基準法」「労働組合法」「労働関係調整法」があり、これらは「労働三法」と呼ばれています。

 

労働法は何のためにある?

 

 

労働法が生まれたのは資本主義が広く浸透しだした近代以降です。

その頃は特に、雇用者と労働者の間の「雇う側と雇われる側」という力関係が顕著にみられました。長時間労働、低賃金、雇用者による搾取など、労働者が不平等かつ劣悪な労働条件下で働くことを強いられていました。

そうした労使間の関係性が社会問題となり、労働者の人権を守るための法律として生まれたのが労働法です。

労働法はその後も、その時その時の社会背景を反映し改正を重ね、今の形になっていったわけです。

 

労働法の代表格・労働三法の役割

 

 

労働基準法は、最低基準の労働条件を定める

 

恐らく、労働三法の中で最も耳にしたことのある法律でしょう。

1947年(昭和22年)の策定された法律で、最低基準の労働条件を示したものです。例え労使間での労働契約が結ばれていたとしても、労働基準法に反するものがあれば、その部分については強制力が認められないとするものです。

例えば、賃金が労働基準法で定められた最低賃金を下回る場合は、労働基準法違反となり労働基準法で定める最適基準に自動的に置き換えられることになります。

よって雇用者は、労働基準法を基本として就業規定を策定する必要があります。

 

このように、労働基準法は雇用者、労働者にとって非常に重要な法律です。

雇用者側は自社の就業規則や実際の労働環境が労働基準法に反していないか、労働者側は労働条件や環境が自身にとって不条理なものになっていないか、それぞれの立場から義務と権利を守る必要があるのです。

 

労働組合法は、労働者同士が団結する権利を守る

 

 

労働組合法は1945年(昭和20年)に制定され、1949年(昭和24年)に全面的に改正された法律です。

労働組合法は雇用者と労働者の立場を対等とすることを示したものです。

労働組合とは、労働者が主体となって構成された組織のことを言います。満足ではない労働条件や労働環境における交渉をこの組織体制で行い、改善を求めるということを保障するのが、労働組合法になります。

労働組合法の第一条には、以下のようにあります。

 

「労働者が使用者との交渉において対等の立場に立つことを促進することにより労働者の地位を向上させること、労働者がその労働条件について交渉するために自ら代表者を選出することその他の団体行動を行うために自主的に労働組合を組織し、団結することを擁護すること並びに使用者と労働者との関係を規制する労働協約を締結するための団体交渉をすること及びその手続を助成することを目的とする」(出典:労働組合法第一条)

労働者個人が企業という大きな組織と交渉を行うことが、難しい局面もあるでしょう。そうした場合に、同じく企業に対してなんらかの改善を求める気持ちがある労働者同士が団結し、企業と交渉を行うことを推進するという趣旨の内容です。

労働組合法が生まれた背景には、雇用者と労働者間の闘いの歴史があります。

特に産業革命後のイギリスでは、過酷な労働条件や労働者の人権侵害が相次いでおり、労働者の権利を守るために労働者が団結し、雇用組織と闘ってきたのです。

 

現代でも、メディアでストライキが起こっている様子が放送されていることがあります。このストライキが実行できるのも、労働組合法があってのことなのです。

 

労働関係調整法は、労使間の公平性を保つ

 

労働三法の最後は、1946年(昭和21年)に制定された労働関係調整法です。

前述した労働組合法と密接に関係しており、労働争議の予防や解決を促し、産業の平和を維持、興隆するといった役割を持っています

雇用者と労働組合との仲裁役が労働委員会ですが、労働委員会が労使間の争議を調整するのも、この労働関係調整法の下で行っているのです。

例えば、雇用者と労働組合との意見が合わず、争議が長引いたり、そのために業務が滞ったりする状態を迅速に解決するために労働委員会が両者間に介入することを認めるために定められたものです。

 

知っておきたい労働法の種類/賃金について

 

 

 

 

給与の定義と法定

 

労働基準法十一条において、賃金は「賃金、給料、手当、賞与その他名称の如何を問わず、労働の対象として使用者(雇用者)が労働者に支払うすべてのものをいう」(出典:労働基準法第十一条)と定義付けられています。

労働基準法第二十四条では、通称「賃金支払の5原則」において以下の原則が定められています。

 

通貨払いの原則:賃金は通貨で支払うことを原則とします。ただし、労使間の合意がある場合、労働者が指定する金融機関への振込み、労働協約を結んでの現物給与については、例外が認められています。

 

Geekly Media ライター

小石川 あおい

3+

『勤務間インターバル』を徹底解説!その概要から対策すべきポイントまで幅広くご紹介します。

『勤務間インターバル』という制度をご存知ですか?働き方改革の一つとして、大企業が導入し始めている制度です。導入することで、助成金も出るとされていますので、働き方改革関連法案が成立され、2019年の4月から、企業に対して努力義務として規定されます。今回は、この制度に対して解説をしていきます。

 

勤務間インターバルとは

 

勤務間インターバルの概要

 

 

『勤務間インターバル』という制度はいったい、どういった制度なのでしょうか?

単純に考えれば、勤務の間にインターバルをおく、というものになりますよね。『勤務間インターバル』は、勤務終了後に、一定時間以上の休息を設けることです。

 

例えば、勤務間インターバルの設定時間が12時間とします。

20時に勤務が終了した場合に、翌日は12時間後である、8時までは会社に来ないということになります。21時終了であれば、翌日の9時、22時終了であれば、翌日の10時となります。

このように、勤務終了時刻から、定められた時間が経過するまでは、会社に来ないというような制度を、『勤務間インターバル』制度といいます。

 

勤務間インターバル制度の目的

 

健康確保が第一の目的

 

 

『勤務間インターバル』制度の概要はご理解いただけたと思います。では、この制度の目的はどういったものなのでしょうか?

勤務終了時刻から、一定時間のインターバルを設けることで、様々な効果が得られます。

 

一番重要なことは、一定時間の休憩時間を確保することで、健康確保することです。

一定時間の休憩時間を得ることで、睡眠時間の確保や、健康に関する時間を確保することで、過労や、健康を損ねる要因を排除することにあります。

 

次に、ワーク・ライフ・バランスの確保です。

仕事に偏った生活をすることなく、私生活の時間も確保することで精神的な充実を図ることも、この制度の目的です。

 

勤務間インターバルのメリット

 

 

『勤務間インターバル』制度の概要と目的は、理解していただけたと思います。確かに労働者のことを思って作られた制度です。翌日の仕事までの間を確保できることはメリットが大きいと言えます。

 

では、どのようなメリットがあるのでしょうか?

様々なメリットがありますが、今回紹介するのは以下の3つです。

 

・ワークライフバランスの充実

・業務効率化

・負荷分散

 

では、この3つについて細かく解説していきましょう。

 

Geekly Media ライター

Terrace Factory

4+

『働き方改革関連法』を徹底解説!その概要から対策すべきポイントまでわかりやすく解説します!

「働き方改革」とは、安倍内閣により公表された「1億総活躍社会」を実現するため、労働制度、従来のワークスタイル、雇用形態、労働環境などを抜本的に見直そうとする取り組みのことです。この働き方改革を進めるための具体的な法案が「働き方改革関連法」です。今年の4月から施行される法案もあり、ますます注目を集めています。

 

2019年4月施行!年次有給休暇の義務化

 

 

有給をとらせない企業は罰則も

 

皆さんは年次有給休暇(以下有給)、とれていますか?

会社の在籍年数が長い方は、有給が貯まってしまっているという状況を、よく耳にします。有給という制度はあるものの、実際に使われずに失効してしまう(有給は2年間で失効する)人も少なくないのではないでしょうか。

このように、形骸化してしまっている制度の改正が、2019年4月に行われます。

 

この4月からは、1年間に10日以上の有給取得が可能な労働者について、使用者(雇い主)は5日の有給を必ず取得させなくてはならなくなります。

どんな企業でも例外なく対象となり、違反すると刑罰の対象になります。

 

「なんとなく休みづらい」はもう通用しない

 

働き方改革の取り組みとして、労働環境を整えるために「有給の取得率を上げる」試みを実施する企業もありましたが、それは全体のごく一部分にとどまり、多くの労働者は有給を取得することができていないのが現状でした。

また、「何となく休みづらい」「休むことに罪悪感がある」という理由で、有給が取りづらい環境にある人も多かったと推察されます。

 

それが、4月からは有給取得が「義務」となるのです。「有給がとりづらい」「忙しいから休めない」などと言っている場合ではなくなります。

この法改正は労働者はもちろん、企業にとっても大きな変化となることでしょう。

 

2019年4月施行!労働時間に関する変更点

 

36協定にも影響。労働時間の上限が変更に

 

 

36(サブロク)協定はご存知でしょうか。

労働基準法36条における労使協定(労働者、雇用者間の協定)のことです。雇用者が労働者に法定労働時間(1日8時間/1週40時間)を超えて労働させる場合や休日労働をさせる場合に、予め労働組合と雇用者間とで書面による協定を締結する必要があります。

 

逆に言うと、36協定を結んでおけば、雇用者は法定労働時間を超えて、労働させることが可能なわけです。

もちろん、今までも労働時間超過の上限はありました。1か月45時間まで、1年で360時間までが超過時間の上限とされていましたが、これはあくまで行政基準だったため法的な効力はありませんでした。

それが、4月の法改正により、36協定締結後でも労働時間の上限は同じですが、法定化することになります。ここが大きな変更点です。

 

さらに、36協定には特別条項の上限というものがあります。上記の労働時間を超えた場合でも、特別条項付き36協定を結んでいれば、その労働時間の超過上限を延長することができるのです。

従来は条項付き36協定において、厳密な労働時間の上限は定められていませんでした。それが、今回の法改正により上限が設定されることになりました。

今までの、曖昧で緩みのある時間管理では、行政の厳しい指導が行われるかもしれません。

 

単純に労働時間が減って嬉しい面もありますが、これまでの業務上の時間管理が通用しなくなる局面が出てくることが予想されます。普段の仕事において、基本的な時間の使い方から見直さなければならないかもしれません。

 

勤務間インターバル制度の実施

 

 

勤務間インターバルとは、勤務終了後、一定時間以上の間を空けなければ次の勤務を認めないという労働時間に関する考え方です。

例えば、9:00~18:00が仕事の定時だとします。仮にトラブル対応で前日23:00まで業務にあたっていたとしても、勤務間インターバルを取らない場合には9:00に出勤する必要があります。

 

このように前日と翌日のインターバルが短いと、社員は十分な睡眠時間がとれず、体調を崩す原因となります。それが長期間行われると、深刻な病気に原因にもなりえます。

こうした事態を引き起こさないために制度化されるのが、2019年4月に施行される勤務間インターバル制度です。

 

しっかりと休息時間が確保できるので、労働者にとっては嬉しい制度ですね。しかし、この制度は強制ではなく、導入努力が義務となっています。インターバル時間も、決まりはなく企業の判断に委ねられています。

労働者の心身の健康に関わる重要な制度なので、積極的に導入されることが期待されます。

 

Geekly Media ライター

小石川 あおい

3+