アドテクを解説!今更聞けない基礎知識からわかりやすく紹介します!
「アドテクって何?」「アドテクって言葉は聞いたことはあるけども、、」このように感じている人もると思います。アドテクは広告収益を最大化したいと考えている人にとっては必要な知識です。この記事ではアドテクについて基礎知識からご紹介します。アドテクの意味から、歴史まで幅広く解説しています!ぜひご一読を。
目次
アドテクとは
アドテクとは広告(advertisement)+テクノロジー(technology)「アドテクノロジー」の略称で、広告における技術のことです。広告の効果を最大化するためのシステムを指す、Webマーケティング業界でよく使用される言葉です。
テクノロジーを利用して、広告主、広告を出稿するメディアの利益を最大化するべく導入されています。広告を出稿するとなると、広告資金は莫大にかかりますが、どのくらいの広告効果が表れるかは出稿してみないと分かりません。
また、どのような媒体に出稿すればどれくらいの効果があるか見込めないため、それらを最適化するためのテクノロジーがアドテクです。
そもそも広告とは
そもそも広告はユーザに商品を認知してもらうための周知活動です。一昔前のようなテレビや雑誌の広告ではなく、インターネットが普及しWeb上での広告が主流になってきています。
まずは広告の種類の変化と、広告をご紹介する上で重要なユーザ、メディア、広告主の3つについてもご紹介します。
純広告と運用型広告
Web上での広告はこれまで純広告と呼ばれるものが一般的でした。
純広告とは掲載期間と表示回数が契約により決められたもので、例えばYahoo! JAPANの右上の枠のようにWebサイト上で掲載場所が決まっています。
運用型広告は予算やサイト、広告内容などとの関連性を踏まえたうえで最適な広告枠に広告を表示させる仕組みのことです。
両者の大きな違いは費用形態と運用面です。
純広告は広告掲載枠に対して決められた価格を支払い、広告主が日常的に手を動かさずとも多くの人の目に触れやすい場所に掲載されるため認知度向上やブランディング効果が期待できます。
運用型広告ではその名の通り、配信の途中でもクリエイティブやテキスト、ターゲティング、予算などの調整が可能です。
運用型広告が登場したことで、急な掲載変更に対応できず多くの広告主や媒体側のチャンスを逃していた純広告の課題を解決し、広告枠ではなく見ている人に対して最適な広告を表示させることができるようになりました。
広告は、下記の3者が関わり合っています。
①ユーザー
広告を見る側で広告によって商品を認知し、購入するのがユーザーです。
広告を見るためにネットサーフィンをしているわけではないため、むやみやたらに広告を貼り付けていると邪魔に感じ、嫌悪感を抱いてしまいます。
アドテクを用いればユーザが何に興味があって、どのような広告だと興味を持ってクリックしてくれるのか情報を収集できます。
②メディア
メディアは広告を表示させる媒体のことで、ここではインターネット媒体を指します。広告を出稿できる広告枠を設けているネット上の広告看板のようなもので、広告枠に広告を掲載する代わりに報酬をいただいています。
多くのメディアに少ない工数で多く広告を貼ったり、高く広告枠を売りたいと考えています。
③広告主
商品をユーザに認知、購入されるために広告を出稿するのが広告主です。メディアや広告代理店にお金を支払って広告を出しています。
お金を支払って広告を出す以上、効果が一番高い出稿をしたいと考えています。低予算で、ターゲットにピンポイントに出稿できるのが理想です。
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アドテクの種類
アドテクは3つの技術に大別できます。
広告効果を確認する技術
一つ目は広告効果を確認する技術です。
広告を出稿してからどれだけの人が閲覧して、クリックしてくれたのか、それによってどれだけ売り上げが向上したのかをデータを用いて解析します。広告の効果を最大化するためには非常に重要な技術です。Ad NetworkやSSP、アドエクスチェンジと呼ばれるものがよく利用されています。
メディアに関わるアドテクノロジーです。
Ad Network
複数のメディアの広告枠を一元管理するシステムです。広告の一括配信が可能で工数削減というメリットがあります。
アドネットワークによってメディアがカテゴリー管理されているため、指定したカテゴリーに関連したメディアのみに広告を配信することも可能です。
SSP
SSP(Supply Side Platform)は、インターネット広告におけるメディアの収益最大化を目的としたサービスです。
広告枠を販売するメディア側が条件を指定することで、複数のDSPやアドネットワークの中から最も掲載費が高い広告を自動で配信するため、収益向上につながります。
アドエクスチェンジ
複数のアドネットワークが管理している広告枠を交換できるシステムです。
メディアや広告枠を一元管理できるアドネットワークに対し、そのアドネットワークをもまとめられるのがアドエクスチェンジです。入札型インプレッション課金というかたちで広告を配信する上でのルールが統一され、費用対効果を向上させます。
広告を表現する技術
広告を表現するというのはWeb上のどこにどのような広告を掲載するかという技術です。
Web広告といっても多種多様な出稿方法があり、広告出稿者の規模やジャンルに応じて、最適な掲載方法を提案します。DSPやRTBなどがよく利用されます。
広告主に関わるアドテクノロジーです。
DSP
DSP(Demand-Side Platform)は、広告出稿における費用対効果の最大化を目指すシステムです。
広告のターゲットや使用する予算をあらかじめ設定しておけるので、出稿金額を抑え費用対効果よく広告を配信できます。
RTB
低予算で結果を出したい広告主側と、収益を上げたいメディア側とを結ぶシステムです。
広告枠における「インプレッション」が発生したタイミングで入札が行われ、オークション形式で選定された広告を表示してくれます。
広告効率を良くする技術
いままでご紹介してきた「広告効果を確認する技術」「広告を表現する技術」の2つのデータから最も効率のよい広告活動を提供してくれます。
広告の配信を自動化したり、より詳細なターゲットへのアプローチを実現し、広告効果計測ツール、DMPなどが利用されています。
ユーザーの分析に関わるアドテクノロジーです。
広告効果計測ツール
広告を見たりクリックしたユーザのその後の行動を分析することで、広告の効果を知ることができるサービスです。広告ごとのデータが自動集計されるので一目で成果を確認できます。ABテストも簡単に行えるという点もメリットです。
DMP
DMP(Data Management Platform)はユーザデータを管理するためのプラットフォームです。
インターネット上に蓄積されているデータを使用することでターゲティングの質を高めます。工数削減による費用対効果も期待できるサービスです。
リターゲティング
サイトへの訪問履歴があるユーザに対し再度広告を配信できるシステムです。自社のサービス・製品の認知度向上や購買につながる確率をアップさせるメリットがあります。
適切な広告配信回数の分析も行えるため、リターゲティングの効果をより高めることも可能です。
アドテクの歴史
いままでは当たり前なアドテクですが、アドテクが無かった時代はどのように広告を出稿していたのでしょうか。
アドテクがない時代
アドテクがない時代は広告を一つ掲載するのも一苦労でした。大変だったのは主に広告主(広告代理店)です。広告を出稿するにも広告効果が高そうなWebサイトを自らで選定したり、一つ一つのWebサイトに広告掲載の旨をお願いしていました。
また広告効果を分析するツールも普及していなかったため、広告効果の信憑性も怪しいものでした。さらに広告を貼るにも運用の仕組みが整っておらず、莫大な工数を費やしており、そこで登場するのが次に紹介するアドテクの一種のアドネットワークです。
アドネットワークの普及
アドネットワークとは、複数の広告媒体にまとめて広告を出稿できる仕組みのことです。このアドネットワークが普及することでアドテクが急速に発展しました。アドテクがない時代に比べると業務が非常に効率的になりました。
アドネットワークはいまや当たり前の存在になっています。有名どころになるとGoogle AdSenceやYDNなどの広告出稿サービスがあり、低価格で出稿できるようになりました。
アドテクのこれから
アドテクの業界は今後も拡大の一途を辿ると予想されています。そのなかでも動画広告に関するテクノロジーが進化するといわれています。
動画広告は画像などより、ユーザが受け取れる情報量が多く、費用対効果が高いためです。ユーザの興味によって動画広告の展開が変化し、ユーザー1人1人に適切な広告を配信できる時代になっていくでしょう。
また、IoTでありとあらゆるものがインターネットと繋がるようになり、そのコンテンツにも広告を出稿できる可能性があり、広告の幅が広がると予想されます。
デジタル広告市場は今後も拡大
広告市場では世界においてもデジタル広告が業界をけん引する存在です。
特に日本では2021年にインターネット広告の市場規模は2兆7,052億円となり、2兆4,538億円だったマスコミ4媒体9広告を初めて上回りました。
媒体別でもインターネットは着実に成長を続けています。
(参考:総務省『令和4年版 情報通信白書』)
利用時の注意点
近年「アドフラウド(広告詐欺)」による被害が増加しています。
例えば広告の表示回数やクリック数の水増しによる高額な費用請求などです。
実は日本はアドフラウド率で世界のワーストを争う状況にあります。ディスプレイ広告のアドフラウド率は改善傾向にあるものの世界ワースト2位です。(参考:PR TIMES)
違法な行為によってブランド価値が下がってしまうようなさまざまなトラブルがアドテクの仕組み上で発生しているため、不正な広告利用には注意しなければなりません。対抗措置として、広告品質の確保・向上や、不正が行われていないことを確認するための監視システム「アドベリフィケーション」に注目が集まっています。
不正な利用や問題のある掲載状態を確認するだけでなく、効果があまり出ていない広告を判断する方法としても役立ちます。
アドテク導入具体例
アドテクにはどういったものがあるのか、実際にアドテクを導入している会社を例に挙げながら説明していきます。ここでは効率の良い広告出稿システムと広告効果測定ツールを導入している企業についてみていきましょう。
株式会社フリークアウト
株式会社フリークアウトはマーケティングテクノロジー企業です。
RTBとよばれるアドテクを日本に持ち込みました。
Web広告はわたしたちがWebページにアクセスし、サイト閲覧履歴から興味のある分野を分析し、適切な広告内容を決定し出稿しています。これをアクセスしてからWebページが開くまでの数秒で行っており、この手法をRTB(リアルタイムビッディング)といいます。
広告主側も無駄な広告出稿を抑えることもできますし、ユーザも興味のない広告を閲覧する必要がなくなった、革新的なアドテクを導入しているのが株式会社フリークアウトです。
株式会社イルグルム
株式会社イルグルムはアドテク事業を手掛ける企業です。この会社は「アドエビス」と呼ばれる広告効果測定システムを導入し、国内シェア1位を獲得しています。
出稿した広告の成果データを正確に把握し、分析するシステムです。広告効果を分析することで、より広告効果が洗練していき、投資対効果を最大限に高めることができます。
アドテックに取り組む企業については下記を参考にしてみてください。
まとめ
アドテクについての基礎知識をご紹介してきました。アドテクは広告を出稿するテクノロジーのことで発展目覚ましい分野です。
日々、ユーザ、広告主、メディアにとって最適なテクノロジーが進化しています。Webマーケターの方でしたら知っていて損はない分野です。メディアの成果を向上させるためにも適切なサービスを導入するようにしましょう。
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