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『就域』って何?!リクルートが注目の新卒採用の新しいカタチを徹底解説!

2018年12月17日、株式会社リクルートキャリアは新卒採用領域における2019年のトレンドを『就域』と発表しました。新卒採用領域においては毎年新たな取り組みが行われています。『就域』とは一体何なのでしょうか?その目的は?企業や学生にはどのようなメリットがあるのでしょうか?実際の取り組み事例をもとに解説していきます。

リクルートがトレンドに予測した『就域』って何?

 

 

地方の企業が行政などと協力する採用活動の形

 

毎年ニュースになるほど話題になる新卒採用の取組み。

2018年12月17日に株式会社リクルートキャリアが『就域』というワードを新卒採用領域におけるトレンドワードとして予測したと発表しました。

それでは『就域』とはいったいどのような就職活動・採用活動の形なのでしょうか?

簡単に言うと地方の企業が周辺の企業や行政などと協力して行う採用活動のことです。

 

今までの企業の採用活動は、1社1社が独立して行う形をとっていました。

しかし『就域』においては、地域の中小企業や行政が協力し合い、地域を挙げて若者の獲得をするという取り組みです。

例えば会社説明会を地域にある複数の中小企業で合同開催したり、入社後の研修も同様に合同で行うなどをして、周りの企業と一緒に新卒採用に関わる施策を行っていきます。

 

 

『就域』の目的

 

 

従来のやり方とは異なり、地域にある複数の企業が協力して採用活動を行うことに、どのようなメリットがあるのでしょうか?

採用競合が増え、「人材の取り合いになるのではないだろうか」と思うのが普通ですが…。

『就域』の目的はどういったことなのでしょうか。

紹介していきます。

 

地域振興が最大の目的

 

『東京一極集中』という言葉がありますが、これが示すのは人口の都市圏への集中が目立つということです。

地方自治体は人口流出に歯止めがきかず、頭を抱えています。

「地方には魅力がない」、「地方には仕事がない」など、地方に対するマイナスイメージが先行してしまい、地方の本当の良さが伝わっていないということです。

これを打破するために地域が一丸となって、その魅力を伝え、人口の流出を防ぐとともに、地域の活性化を図ることが『就域』を行う行政の目的になります。

 

Uターン・Iターンでの地方圏への優良人材確保

 

地方の中小企業は新卒・中途共に人材の確保に苦戦をしています。

都市圏にある企業と同じような条件であれば、都市圏の企業を選ぶ人材が多いからです。

地方の企業が抱える問題は深刻で、次世代の育成をしていきたいのですが、それを担える若手人材が不足しています。

そこで、「優良人材を確保できない」という問題を解決するため、周辺の企業と協力しあい、地域の魅力を伝えたり、知られざる企業を知ってもらうことで、地域における優良人材確保をしやすくすることが企業側の目的です。

 

 

『就域』のメリット 企業・行政の場合

 

 

『企業』 良質な若い人材確保の可能性が拡がる

 

今までは一社で採用活動を行っていました。

そうすると、地域の魅力を発信する力に限界がありました。

本来魅力がある地方の魅力が、学生に届かないという事態に陥っていました。

しかし『就域』においては、地域の企業や行政と協力することによって、U・Iターン希望学生を対象としたイベントや、行政というバックボーンも得ることができ、地域の魅力や、地域にある良質な雇用を伝える発信力が高まります。

そうすることで、地域の魅力を理解した学生や、良質な雇用が地域にもあるということを理解した若者たちが地域に戻ってきやすくなります。

 

良質な若い人材を地域に確保しやすくなり、新卒採用の採用力も強化しつつ、数年後の中途採用の種まきにもなるということで、企業には人材確保の可能性が拡がっていきます。

これは、地方の中小企業にとっては大きなメリットです。

採用に掛かる費用を削減できる可能性も高くなり、1人当たりの採用単価を抑えることができます。

さらに、地域に人口が増えるということで事業の可能性も拡がります。

 

 

『就域』は企業にとってもメリットがある採用活動の施策といえます。

 

『行政』 人口流出の抑止力

 

地方自治体は人口流出という大きな問題を抱えています。

東京一極集中の弊害です。

都市圏に人が集まる大きな理由としては、良質な雇用機会が豊富にあるからです。

逆に言えば、地方には良質な雇用機会が不足しているということになります。

 

人口が流出してしまうと、地方の財源が不足してしまい、その地域に住んでいる人たちに対する行政サービスが満足にできなくなってしまう恐れがあります。

現在だと水道局の民営化を国が進めています。

これも地方の財源が不足していることが要因になっています。

人口が少なく、水道料金を適正な価格で供給することが厳しくなっていることから端を発しています。

行政が協力して地域の企業に良質な雇用があるということをアピールすることで、人口の流出を防ぐとともに、人口の増加にも繋げていくというメリットがあります。

 

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『就域』のメリット 学生の場合

 

 

就職活動は学生にとって一生を左右する一大転機です。

より良い企業に就職して、自分のライフプランを実現していきたいと考えることは当然のことです。

そうすると、良質な雇用の機会が豊富な都市圏で就職したいと考えるのは当然のことだと思います。

そう考えると『就域』は学生にはメリットがあるのでしょうか?

 

地元は安心できる

 

地方出身の学生は、いい環境のある企業があれば地元の企業に就職したいと考えている学生も多くいるようです。

 

理由としては、安心できる環境にいたいと望んでいるからです。

 

両親の近くにいたい

都市圏は住むところではない

都市圏の人込みにストレスを感じてしまう

 

などの理由で安心できる環境を求めているようです。

しかし、「地方には雇用の機会が少なさそう」や、「職種が限られてしまうのではないか」という恐れがあることから、都市圏を選んでの就職を考えているそうです。

その流れも『就域』によって変わってくるのではないかと思われます。

 

今までは限界があった地元企業の雇用情報も、『就域』という地域の取り組みによって多くの学生の目に触れる機会が増えます。

『就域』によって、学生は安心して地元を選択できるようになります。

 

同年代の学生同士のつながりができる

 

『就域』の主な取り組みの一つに、雇用した若者を地域で育成していくという取り組みがあります。

これは内定後、入社後の孤立防止と定着を目的としています。

入社前の研修や、入社式、入社後の研修を『就域』で作ったコミュニティで行うことによって、採用人数が少ない企業でも、地域にいる若者とのつながりができます。

今までの形式だと、入社後に唯一の新入社員が中々会社になじめずに、入社後早々に会社を辞めてしまうという事態に陥りがちでした。

これは、お互いの苦労を共有できる仲間がいないことが最大の原因だと思われます。

いくら面倒見がいい先輩がいる会社でも、立場が同じ仲間がいないということは、心のよりどころが持てないということです。

 

『就域』は会社こそ違いますが、地域にいる同じ境遇の若者たちとのつながりを持つことができます。

同じ立場の仲間ができることで、お互いを励ましあい、社会人としての階段を上っていくことができます。

 

 

『就域』の取組み事例

 

 

ここまでは『就域』のメリットを伝えてきました。

企業・行政・学生の3方にとってメリットがあることだということはご理解いただけたと思います。

では実際に、『就域』を取り入れている但馬エリアと十勝エリアの取り組みについて紹介していきます。

 

但馬の場合

 

但馬エリアのコンセプトは『人口減少の全力抑制』です。

但馬エリアとは、兵庫県の豊岡市・養父市・朝来市・香美町・新温泉町のことを言います。

中でも中心となっているのは豊岡市です。

移住者を増やしたい豊岡市では『就域』に目をつけて、豊岡市役所内にUターン戦略室というものを設け、14の企業と協力して『就域』に取り組んでいます。

 

取り組みの具体的な内容は【人事情報共有会】と【合同キャリア開発研修】です。

人事情報共有会では地域として、採用力を向上させることを目的としています。

自社の説明会での内容や取り組み、どのように地域の魅力を伝えているのかなどを共有して、地域の採用力を高めています。

とある企業では会社説明会の前に但馬エリアの魅力を伝える取り組みを行っているそうです。

しかし、自社だけでは魅力を十分に伝えきれていない場合には、積極的に他社を紹介しているそうです。

合同キャリア開発研修では、社員の孤立を防ぐことを目的に、『就域』に取り組んでいる企業で合同で行っているそうです。参加する社員は、同世代とのつながりが持てることや、悩みを共有できることで励みになるそうです。

(参考:https://www.recruitcareer.co.jp/news/pressrelease/2018/181217-02/

 

十勝の場合

 

北海道帯広市を中心とした十勝エリアでは、帯広市を中心に周辺の企業と協力して『就域』に取り組んでいるそうです。

取り組みの具体的な内容は【とかち業界研究フェア】と【合同内定式】です。

 

業界研修フェアでは十勝エリアの企業を認知してもらうことを目的としています。

しかし、200名程度いた参加者も、現在は60名前後になってしまっているとのことです。

すべてがうまく成果につながるわけではないのですが、取り組みを行うことによって新たな課題が見えてくることもあるようです。

 

合同内定式では内定者同士で横のつながりを構築してもらうことを目的としているとのことです。

実際に別の会社の同期入社の方のことを「別の会社の同期」と呼称し、連絡を取り合うこともあるようです。

『就域』の取り組んでいる企業の方は、「十勝のどこかの企業に入社してくれればいい」「自社の利益を追い求めているだけではだめ」と考えているとのことです。

(参考:https://www.recruitcareer.co.jp/news/pressrelease/2018/181217-02/

 

 

最後に~『就域』は就活の当たり前になるのか

 

株式会社リクルートキャリアが発表したトレンド予測の『就域』というワードに関して紹介してきました。

企業の採用活動は、毎年様々な施策があり、話題になることもあります。

『就域』に関しては、行政と地域の企業と協力することで、地域の採用力を高めるとともに、地域に人材を確保しておくことで、人口の減少を防ぐという狙いもあります。

ただし、この取り組みでは、自社の利益だけを追求してしまうと、効果が薄れてしまうという心配事もあります。

地元で就職したい学生にとっては非常に大きなメリットがあるため、新卒採用領域のトレンドではなく、『当たり前』になってほしいです。

 

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この記事の監修者

ギークリーメディア編集部

主にIT・Web・ゲーム業界の転職事情に関する有益な情報を発信するメディアの編集部です。転職者であれば転職市場や選考での対策、企業の採用担当者様であればIT人材の流れ等、「IT業界に携わる転職・採用」の事情を提供していきます。

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