株式会社ブックリスタのビジネスモデル分析!書籍から広がるサービスに迫る【エンタメ×IT企業への転職】
デジタル化が進む中、書籍分野においても電子書籍が広く普及してきました。「本を買うより安い」「本を置く場所を取らずにすむ」という理由から、利用者も年々増加しています。そのため、電子書籍は今後ますます成長していくエンタメ業界の1つといえるでしょう。その電子書籍に関わるIT企業に「株式会社ブックリスタ」があります。今回はこの会社のビジネスモデルを分析してお伝えしていきましょう。
目次
株式会社ブックリスタの概要
株式会社ブックリスタは、2010年にソニー、凸版印刷、KDDI、朝日新聞の連携によって設立されました。
一言でいえば電子書籍の取次会社となっています。
電子書籍を取り扱っている会社はよく知られているストアだけでも10社以上。
取次会社もメディアドゥやモバイルブックなどがあります。
ブックリスタはその中で「Reader Store(株式会社ソニー・ミュージック)」。
そして「ブックパス(KDDI株式会社)」の2社とパートナーシップを結び、事業展開を行っているのです。
株式会社ブックリスタのビジネスモデル
次は株式会社ブックリスタのビジネスモデルを紹介していきます。
電子書籍の分野で、この企業はどのような特徴を持っているのでしょうか。
電子書籍の利用は年々増加している
電子書籍の利用は年々増加しています。
公益社団法人全国出版協会・出版化学研究所によると、紙媒体の出版物は2019年で前年比4.3%減となっています。
推定販売金額は、1兆2,360億円です(内訳:書籍が同3.8%減の6,723億円、雑誌が同4.9%減の5,637億円)。
紙媒体の販売金額は15年連続でマイナスとなっているそうです。
対して電子書籍は、前年比23.9%増。
推定3,072億円となります(内訳:電子コミック同29.5%増の2,593億円、電子書籍が同8.7%増の349億円、電子雑誌が同16.7%減の130億円)。
単純に金額だけ見るとまだまだ紙媒体の方が金額は大きいように思えます。
しかしながら近年は紙媒体利用の減少。
そして、電子書籍利用の増加という状況を見れば、この先電子書籍の利用が伸びていくことは容易に想像できることです。
展開していく事業は大きく分けて2つ
ブックリスタは大きく分けて2つの方面で事業展開を行っています。
まず1つはストア運営に関わる事業です。
ストアの編成やプロモーション、書評サイトの運営などを行っています。
もう1つは、ソリューション事業です。
こちらではストアシステムの提供やWebアプリ「ブラウザビューア」の提供や、ストリーミングサービスの展開を行なっています。
これら2つを要として、今後も事業を展開していくことでしょう。
パートナーの電子書籍ストアはそれぞれ特徴のあるストア
ブックリスタが取次をしている電子書籍ストアは2社ありますが、どちらも配信数の多い人気のあるストアです。
「Reader Store」は配信数60万冊以上で無料の試し読みもできます。
このストアは音声や映像付きのコンテンツを提供しているのが特徴です。
「ブックパス」は、配信数60万冊以上で無料の試し読みも可能です。
本を購入する方法だけでなく定額の読み放題プランなど、3プランに2種類のコースがあります。
プランを選択することで、自分に適した形で本を読むことができるのです。
電子書籍ストアも多彩になってきている中、それぞれに電子書籍ストアとしての特徴を持っています。
ブックリスタはその両方とパートナーとして事業を行なっているため、業界の動向を多岐にわたって調査、分析することができます。
多様化するエンタメ業界は新たな人材を求めている
特徴が異なる2社と関わることは、人々の嗜好が多様化していく中、多くのユーザーのニーズにいち早く応えることにも繋がります。
また、ブックリスタがあらゆる世代に対応できる戦略を展開し、多様なサービスを提供できる企業であることがわかるでしょう。
また、パートナー企業の特徴を生かすことで、音楽・映像などの他ジャンルのエンタテイメントでも幅広く事業展開しているのです。
書籍に留まらない事業展開は、この企業の強みともなっています。
このことはそれぞれのスキルを持った人材を幅広く求め、また、多くの人材を受け入れることに繋がっていきます。
株式会社ブックリスタは働き方を積極的に変えていける会社
昔の会社は、終身雇用が当たり前でした。
しかし世の中が変わり、働き方も同じく大きく変化してきています。
転職そのものが不利になるどころか、自分が評価される会社があれば積極的に転職する人もいます。
働き方が変わるだけでなくIT企業が増えていく中で、仕事に対しての専門性も必要になってきています。
専門性は会社が成長するに必要な要素です。
しかし、能力のある転職者を積極的に受け入れないなど、人材育成にあまり力を入れていない会社はまだまだあります。
もちろん職種によって条件はあるものの、ブックリスタは積極的な人や熱意のある人を受け入れている会社です。
さらに、専門性を磨くことができるように支援も行っています。
それだけでなく、福利厚生にも力を入れており、社員が気持ちよく働き、仕事に集中できる環境を作っているのです。
これは、1つの会社だけの問題ではなく、社会全体の問題です。
しかし、ブックリスタのように積極的に働き方の改善に力を入れる会社が増えることで世の中全体が変わってきます。
他にも同様の企業は多くあるかもしれませんが、ブックリスタもまた、そういった意味で先進的な会社だといえます。
株式会社ブックリスタの今後の事業展開
概要で説明したように、ブックリスタは電子書籍を通して多くの方に感動を届けるIT企業です。
それと同時に設立に携わった会社を見ると分かるように、電子書籍の分野以外でも事業を展開しています。
すでに行われている改革の1つは分析ツールの統合
ブックリスタのデジタルマーケティング部門では、分析をする際、担当者ごとにそれぞれのツールを使用し属人化していました。
使うツールが違うと、結果に差が出てしまったり作業を共同で行うことができない状態になってしまったりします。
ブックリスタは、この状況を改善するために、分析環境の統一を目指しました。
ITインフラをAWSで構築していたこともあり、この問題を解決するためのツールとして「Amazon SageMaker」を採用。
デジタルマーケティングの環境を新しく整備することで、以下のようなメリットが生まれました。
・情報の共有化
・共同作業の可能
・データの正確性の向上
・分析のレベルアップ
・コストの軽減
ブックリスタは、社内環境・業務の変革だけで終わらず、機械学習やAIを用いた新たなツールの活用も今後の視野に入れています。
このように環境を刷新することによって、今後はそれらのツールの特徴を活かして事業を展開していくことでしょう。
10年経ってもなお変化していく企業
ブックリスタは設立されてから10年が経ちます。
その間にもいろいろと変わってきたことはあるでしょう。
この事例を代表するように、ブックリスタは10年を経てもなお、内部製作体制の変革や新たな事業展開を進めているのです。
あらゆる人々に新しい体験や感動を提供する企業へとなるべく、さらなる成長が期待できます。
転職採用例
ブックリスタでは、同じ業界からの転職者が多く、「自分の経験をブックリスタで活かしたい」という方が在籍しています。
「新しい会社で挑戦してみよう」「ブックリスタの将来性を感じて」と、それぞれ自身で決断して転職しているのです。
ここではブックリスタに実際に転職した方々の例を通して、採用後の業務などを紹介していきます。
システムエンジニア
システムエンジニアではシステムの開発に留まらず、ストアの企画などからプロジェクトに携わることになります。
そのため、広い視野で仕事に取り組める上、専門分野以外に関しての知識も習得できることでしょう。
営業や編成といった部分に携わる職種とも直接コミュニケーションを取れるのが、ブックリスタの特徴です。
そのため、サービスを多角的に見る能力が鍛えられます。
データアナリスト
データの分析を業務とするデータアナリストは、電子書籍ストアの企画や運営を、データ分析でサポートするのが主な業務となっています。
そのほか、機械学習を利用したソフトウェアの開発などにも携わります。
ブックリスタのチャレンジを応援する姿勢から、分野を超えてデータアナリストの視点から提案をする機会もあることでしょう。
自分から進んで動くことで、今まで培ってきたデータアナリストとしての自身の強みを活かすことができます。
内製化に伴い、人材を必要としている
ブックリスタでは、業務を内製化することで人材が必要となることがあります。
タイミングによって求人に変化があるかもしれません。
しかし、これからも成長を続けていく会社のため、求人もその都度出されることでしょう。
仕事内容の詳細は採用情報で確認するのが1番です。
しかし会社が電子書籍ストアの運営に関わっていることから、どんな部署でも会社として業務の対象が書籍に関わることは確かです。
そのため、電子書籍に関しても知識を蓄えておく必要があるでしょう。
株式会社ブックリスタの転職ポイント
電子とはいえ、本を取り扱うということで本好きの方は興味が湧く会社の1つだといえるでしょう。
もちろん社員は読書が好きな方が多いですが、IT企業ということもあり、それだけでは仕事は務まりません。
ブックリスタにおいて、会社が求めるのは、本が好きなだけでなく、仕事に関連するスキルを持ち、熱意のある人材です。
好きなことは仕事をする上でも大切
電子書籍とはいえ書籍を扱う会社のため、やはり業務に関わる内容や業界が好きなことは大切です。
ブックリスタ社長、村田氏のメッセージでは以下のような方々が活躍できると謳っています。
・エンタテイメントが好き
・テクノロジーが得意
・チャレンジ精神がある人
・自分の意見を出せる人
社員の多くが本を好きであったり、エンタメ業界が好きだったりします。
社員が読む本の数が平均11冊/月となっていることからも、本好きの社員が多いことが伺えます。
今まで職場で本の話ができなかったけれど、できるようになったと言う声もあります。
もちろん本を読まないといけないわけではないのですが、本好きな人は必然的に仕事にも力が入ります。
本やエンタメが好きな人には向いている会社です。
ブックリスタには年齢や勤務年数に関係なく意見を出せる環境があります。
会社そのものが、積極的でチャレンジ精神がある会社だからこそできることです。
スキルと意欲の両方を重視
スキルは必須ですが経験年数が絶対条件ではないので、情熱と学習意欲のある人にはチャンスがあります。
もちろん転職者には同じ業種から移動されてきた方が多いのですが、未経験者もいます。
電子書籍とは縁のない方がブックリスタに転職した事例はいくつもあります。
仕事内容も様々なので、この会社で働いてみたいという熱意があれば採用される可能性があります。
ブックリスタは仕事への意欲の高い人を積極的に迎え入れてくれる会社です。
株式会社ブックリスタの会社情報
オフィスは、東京都港区の「みなとモデル二酸化炭素固定認証制度」にプレ認証されました。
港区で作られたこの制度は、建物等に木材の使用を促進するもので、地球温暖化防止に役立ちます。
これによって、具体的にどのような効果を生み出すのでしょうか。
木を使って作られた場所というのは、人は温かみを感じるものです。
木と本があることで、穏やかで過ごしやすい空間となっています。
ライフワークに沿った働き方ができる
ブックリスタでは、リモートワークを活用し、それぞれのライフワークに沿った働き方が可能です。
場所や時間の自由度が高い会社といえるでしょう。
家庭の状況に合わせて作業のスケジュールを調整したりリモートワークにしたりするなど、仕事とプライベートを上手く両立することができます。
それだけでなく有給休暇を取っている社員も多く、有給休暇が取りやすい会社といえるでしょう。
会社に縛られる時代から変化する中、勤務時間が決まっているなどまだまだ自由のきかない会社もあります。
ブックリスタではプライベートも大切にした働き方ができることでしょう。
福利厚生も充実しており、趣味を楽しむこともできる
福利厚生では、ブックリスタは「関東ITソフトウェア健康保険組合」に加入しています。
他の一般的な保険組合よりも保険料が安いだけでなく、給付金も充実しているのです。
また、少ない自己負担金額で健康診断や人間ドックを受けることができる分、健康面でも安心を得やすいでしょう。
温泉をはじめとする保養施設の利用もでき、家族連れで仕事の疲れを癒すことができます。
それだけでなく、全国各地の宿泊施設の補助を受けることも可能です。
会社ではサークル活動も行われています。
会社公認のサークルならば補助金も支給され、会社内で同じ趣味を持った仲間と幅広くコミュニケーションをとることができるのです。
車内で新しいサークルを作り、仲間を見つけることもできます。
※各制度は2020年11月時点の情報です。
スキルアップを目指す人への支援も充実している
社員のスキルアップをサポートするシステムとして、会社ではキャリアパスとして2つのコースがあります。
それは、「専門性を磨くコース」と「マネジメント力を磨くコース」です。
基本的に入社時にコースは決まりますが、変更することもできます。
自身が思い描く未来に進めるよう、コースを変更したいと考えた時は上司に相談すると良いでしょう。
他にも以下のようなスキルアップの支援も会社で行っています。
・全社的なビジネスセミナーの実施(プロジェクトマネジメントやプレゼンテーションなどの各種研修)
・必要な専門性や技術を磨くためのセミナーを受講するための費用のサポート
・資格取得のための補助金の支給
ただ毎日仕事をこなすのではなく、キャリアアップを目指すことで充実した日々を送ることができるでしょう。
仕事と子育てが両立できるよう会社でバックアップ
ブックリスタでは、仕事と子育ての両立ができる働きやすい環境作りを目指し、行動計画を策定しています。
子育ては女性だけではなく、男性も積極的に関わる時代です。
そんな時代だからこそ、仕事と子育てが両立できるようなサポートがあるのは魅力的な会社のシステムの1つです。
女性が取得する育休に関していえば、出産後の復職率は100%となっています。
短時間勤務も可能となっており、子育て中の女性にとっても働きやすい環境であることは間違いありません。
まとめ
電子書籍は市場動向を見るとこれからさらに伸びる事業です。
そのため、そこに関わる企業もおのずと成長していくことでしょう。
これから電子書籍を取り扱う企業もさらに増え、事業にも力を入れていくことが予想されます。
ブックリスタは今後も成長を続けていくことが予想される企業の1つのため、電子書籍業界の転職先として最適な企業だといえるでしょう。
転職を考えている方は、この企業への転職を検討してみてはいかがでしょうか。
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