パッケージシステムってなに?導入のメリット・デメリットを徹底解説!
仕事や生活を便利にしてくれている様々なシステム。そのシステムの中には『パッケージシステム』と呼ばれるものがあるのは、ご存知ですか?「そんなの知っているよ!」という方も多いと思いますが、本当に理解されていますか?今回は「今さら聞けない!」というパッケージシステムについて、徹底的に解説していきます。
目次
パッケージシステムとは
既に出来上がっているシステム
パッケージシステムとは、既に出来上がっているシステムのことを言います。既製品のことです。
例えば、洋服を例にあげます。
量販店で洋服を買うときには、既に出来上がっている洋服が店舗に並んでいます。
店舗にある、既に出来上がった洋服の中から、自分が気に入った洋服を買うと思います。
上記の例だと、既に出来上がっている洋服(製品)を購入します。
この例のソフトウェア版に当てはまります。既に出来上がっているシステム(ソフトウェア)を導入するということになります。
独自開発システムとは
オーダーメイドで「0」から構築するシステム
「パッケージシステム」の対になるものが「独自開発システム」です。
これは「パッケージシステム」とは違い、「0」からシステムを開発して、導入していくというシステムになります。
先ほど同様に洋服の例にしますと、「オーダーメイド」になります。
スーツをオーダーメイドするとしましょう。まずは体に合ったものを作るための採寸をして、素材となる布を選びます。スーツの型を決め、詳細を決めていきます。その後。いよいよ制作します。
一点ものを作るので、職人の手作業になり、時間がかかります。
このようにして作られたスーツは、オーダーした人にピッタリのものとなります。
システムも同様に、完全オーダーメイドで、需要に合ったシステムを構築、導入することができます。
「独自開発システム」とは、需要に合わせて「0」からシステムを構築、導入していくオーダーメイドシステムのことです。
基幹システムのパッケージ製品
- 企業の核に関わるデータの管理を一元管理
- 保守や運用を開発他社に任せることもできる
- クラウド型は多機能なものが増えている
基幹システムは、読んで字の如く経営の基幹(主要な業務)を担うシステムのことです。在庫管理や購買記録の管理など、単純かつ膨大なデータの管理を一元管理してくれます。以前は人の手で管理されていたものですが時間と手間がかかってしまうため、最近は基幹システムで自動化させることが多くなっています。
会社の経営には是非欲しいところですが、わざわざ自社で独自のシステムを組むのも大変という会社もあるでしょう。こんな時に便利なのがパッケージシステムですが、基幹システムのパッケージ製品はあるのでしょうか。
パッケージ製品はERPが一般的
結論からいうと、基幹システム単体のパッケージ製品はあまりないようです。一般的なのは、ERPという基幹システムを含めた統合データベースです。日本語では基幹システムと訳されることもありますが、厳密には違うものといえます。
ERPから自社の仕様にカスタマイズするのはほぼ困難です。基幹システムは独自で開発して作ることがほとんどでしょう。
ERPは特徴として基幹システムと違う部分はありますが、経営の業務を自動化してくれるという点は同じです。
また当然の話ですが、パッケージシステムは市販の製品になるほどのクオリティがあります。企業の持つスキルによっては、手組みの既存システムではうまく機能できないこともあるでしょう。パッケージでERPを導入することで、業務の標準化を図ることができます。
クラウド型のシステム
昨今のパッケージシステムはクラウド型と呼ばれるタイプのパッケージが増えてきています。
政府も普及を後押しする程の最先端システムです。よく店頭で販売されているディスクのパッケージ製品と違い、データのみで使い始められます。ディスクを読み込む必要がないのも大きな特徴といえるでしょう。
クラウド型システムはもちろん「クラウド」であるということから、一つのシステムを企業の社員共同で使うことができます。カスタマイズも更なるシステム開発も不要ですぐ使うことが可能です。
その裏返しに機能が少なく、以前は「システムが画一的」とされていましたが、最近のクラウド型パッケージは多機能なものが増えました。機能面も操作性も、オンプレミス型とほとんど変わりません。
またクラウドといえば安価という印象がありますが、毎月定額で費用が掛かります。そのため長く使えば使うほどお金がかかるという側面もあるようです。さらに一月の費用は、そのシステムを使用する人数が多いとその分高価になります。
「パッケージ」と「独自開発」はどっちを導入すべき?
『パッケージシステム』と『独自開発システム』については、ご理解いただけたと思います。双方のシステムに違いがあります。
実際に導入する際には、どちらのシステムを導入すると良いのでしょうか?
簡単に比較はできない
簡単に比較できない理由として、どちらにも導入するメリットとデメリットがあるからです。
まず「独自開発システム」のメリット、デメリットについてご紹介します。
独自システムのメリット
「独自開発システム」の最大のメリットは、必要に応じて自由にシステムを構築することができるという点です。
業務系システムでは、会社の業務に合わせたシステムを自由に構築することができます。余分な機能がなかったり、必要な機能を使い勝手の良いインターフェイスで構築することができる点は、大きなメリットです。
また、ビジネスの成長や、ビジネスの変容に合わせて、必要な機能を追加していくことができます。独自にシステムを構築しているので、バージョンアップなどの必要もなく、システムを長く使うことができるのです。
独自システムのデメリット
オーダーメイドのシステムにはデメリットもあります。
システムの導入までにかかる時間が長いことです。また、一点ものですので、システム導入に掛かる費用は既製のシステムよりもかなり高額になってしまいます。
「すぐにシステムを導入したい」や、「なるべく費用を抑えてシステムを導入したい」と考えている企業には、不向きといえるでしょう。
現状に合わせた導入を選択すべき
では、「パッケージシステム」と「独自開発システム」のどちらかを選択する際に、どのような観点で選択していけばよろしいのでしょうか?
それは「予算や導入までの準備期間をどのくらい確保できるか」によります。
またその上で、必要な機能を有しているパッケージシステムがあるかどうかも重要な選択のための要因になります。
必要な機能を有しているパッケージシステムがあれば、パッケージシステムを導入することをお勧めします。価格も抑えられるし、導入までの準備期間も短くて済みます。
しかし、必要な機能を有しているパッケージシステムが見つからない場合、独自開発システムを導入することをお勧めします。
このように、双方に一長一短あり、現状に合わせて、問題を解決できるシステムを導入していくことが最善の選択といえます。
パッケージシステム導入のメリット
さて、それではパッケージシステムに焦点を当てていきます。
まずはメリットについて紹介していきます。
- コストを低く抑えられる
- 導入までの期間が短い
- 品質が良い
安価に導入が可能
独自開発システムに比べて、安価に導入することができます。
ソフトウェアに限らず、量産品や既製品は、大量に作る分、コストを抑えることができます。
しかし、オーダーメイドの製品はその製品のためだけに生産されるので、コストも割高になります。
パッケージシステムは、一度システムを構築してしまえば、その後、特に作る必要がないので、コストは本当に安く済みます。
導入までの準備期間が短い
既にできているシステムなので、基本的には導入に推奨される環境が整っていれば、すぐにでも導入することができます。
独自開発のシステムだと、まず、どのようなシステムを作るのかというところから打ち合わせが必要になります。
この打ち合わせは、膨大な時間をかけて、行うことになります。
またその後、システムの構築を開始しますので、その分、導入にも時間がかかります。
ゼロベースからシステムを構築するということは、年単位でのプロジェクトになりますので、年体位で導入の準備を行う必要が出てきます。
パッケージシステムを導入するということは、この準備期間が短くて済む、ということになります。
品質が保証されている
パッケージシステムは、基本的には導入実績も多数あります。
ということは、実際にうまく稼働しているということになります。
その実績が多数あるということは、パッケージシステム自体の品質が『良い』ということになります。
システム自体の品質が『良い』ということであれば、そのシステムは信頼できるシステムであり、効果が得られるシステムであるということになります。
独自開発されているシステムは、基本的に、効果が得られる実績がありません。
基本的にオーダーメイドのため、一点もののシステムになります。
そのため、そのシステムは品質が保証されていません。
導入して、初めて効果があるかどうかの実証ができるということになります。
パッケージシステムは、品質が保証されているというメリットもあります。
パッケージシステム導入のデメリット
- 必ずしも必要とするシステムがあるとは限らない
- 不要なシステムまでついてくるケースがある
- 機能拡張にも限界があり、その場合時間と費用がかかる
決められた機能しか使用できない
パッケージシステムは、既に出来上がっているシステムです。
そのため、不要なシステムがある場合や、必要なシステムがない場合があります。
不要なシステムがあるだけならいいのですが、必要なシステムがない場合には、大変なことになります。
業務に必要なシステムを網羅していないと、せっかく導入したシステムも意味がありません。
しかし、機能を拡張することもできます。
ただし、パッケージシステムには、その拡張にも限度があります。
そのうえ、費用も時間もかさんでしまいます。
この点では、オーダーメイドの独自開発システムのほうがメリットがあると言えます。
最後に~メリットとデメリットを見極める
- 費用を抑えたい、導入時間を短くしたい場合はパッケージシステム
- パッケージシステムを選ぶなら自社に適したものを。誤れば逆に効率やコストを下げる結果になる
- 独自開発システムとパッケージシステムの選択方法は状況によって判断すべき
ここまで、パッケージシステムについて、解説してきました。パッケージシステムにも、独自開発システムにもメリット、デメリットがあります。
そのメリット、デメリットをきちんと整理することで、導入するシステムを見極めることができます。
自身に合ったシステムを見極めることで、非常に効率的なシステムの導入を行いましょう。
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