【5G】ビジネス環境はどう変化する?具体的な事例とともに徹底解説!
ついに5G技術が今年2019年にプレサービスが導入され、普段使用している通信環境に大きな変化をもたらすと期待されています。本記事では、そもそも5Gとは、その変革や5Gが実現された際にどのような変化があり、どのようなことが実現するのかを具体例を含めながら紹介します。5Gが実装される前にチェックしてみてください!
目次
5Gとは
第5世代通信システム
5GのGはgenerationの略で、直訳すると世代という意味になります。つまり、5Gとは第5世代の通信システムのことを指しており、2020年に実用化に向けて開発が進められています。
2019年3月現在では、4Gや4.5G回線を利用してスマホやPCを利用していますが、5Gになると従来の通信システムよりも格段にアップグレードされることになります。
これにより、将来くるであろう物のインターネット化(IoT)に対応することが出来るようになるため、5GはIoT技術のための通信システムといっても過言ではありません。
従来の移動通信システムとの違いとその歴史
1979年に第一世代の1Gが誕生し、アナログ携帯に利用されるようになりました。通信料が高く、携帯自体も数キロとかなり重いため、ビジネスで使用することがメインで一般の人が携帯を持つような時代ではありませんでした。
その後第2世代のモバイル通信サービス2Gが誕生し、ネットの閲覧やメールの送信などが可能になりました。この時期を境に一般の人も携帯電話を持つようになり、携帯が爆発的に普及したのです。
第3世代のモバイルブロードバンド通信サービスは初の国際規格として誕生し、高速かつ大容量のデータ通信を可能にしました。これにより動画の閲覧や高いクオリティーのコンテンツが不自由なく閲覧できるようになりました。
そして、現在ほぼ100%の人が利用している第4世代の4Gが誕生し、3Gよりも遥かに高速かつ大容量のデータ通信が可能になりました。
この流れを見てわかるように、5Gは4Gと比較して遥かに早い通信速度と容量を備えながら、多くのデバイスへ同時接続できるようになります。
5Gで実現する3つの要素
高速・大容量
5Gでは4Gと比較して、100倍以上の通信スピードと容量を備えており、驚くべきスピードで通信を行うことができます。
今私たちはNetflixやHulu、YouTubeなど多くの動画コンテンツを視聴しています。4Gでもストレスなく動画を見ることはできますし、LINEやウェブサイトを見るだけで困るようなことは少ないです。
しかし、今後より高いクオリティーの動画やゲーム、映像技術が使用されるようになると自然とそのデータ容量も格段に上がります。
そういった場合に5Gであれば動画の視聴や高性能ゲーム、VRなどのコンテンツに対してもストレスなく使用、閲覧することができるようになります。
また従来の動画であれば、一瞬でダウンロードできるようになってしまいます。
大量接続
5Gになると、1㎡あたりの接続数が100万になります。4Gでも数千の接続が可能ですが、5Gになるとその100倍の接続数を実現することができます。
これは、将来IoT技術が発達した際に役に立ちます。
例えば、テレビ、冷蔵庫、洗濯機、信号、車など全ての物がインターネットに接続される未来がきた時に何万というデバイスに同時接続する必要があります。
しかし従来の4Gではどうしても接続できる回線に限りが出てきてしまいます。そういった際に5G回線であれば100万台との同時接続が可能になるため、IoT化する未来に対応することができるのです。
低遅延
5Gにより、4Gの50ミリ秒から1ミリ秒に縮めた低遅延を実現します。低遅延と聞くとイメージが湧きづらいかもしれませんが、これは情報を伝達した際に発信元とユーザーの間の誤差が1ミリ秒以下になるということです。
例えば、海外に住んでいる人や遠方との連絡、ビデオ通話の際に数秒遅れて相手が反応するといったようなことが起こります。この遅延を極限まで抑えてほぼ同時に通信することができるようになることが低遅延です。
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5Gによる私たちの生活への変化
私たちの生活で使用するデータ通信量は年々増加しており、2020年には個人個人の消費データ量が毎秒1.7メガバイトまで上昇すると言われています。
さらに物がIoT化し、自動運転車、仮想現実、家電、交通機関など全てがインターネットと繋がり、何をするにしてもインターネットと接続している状態になります。ユーザーの情報を分析し、個人個人の生活に合わせてカスタマイズされた広告や動画などがあらゆるところで表示されるようになるかもしれません。
そうなると、例えば、洗剤が切れたら洗濯機が自動で商品を注文し家まで届けてくれたり、遠隔での連絡がよりリアルタイムになったりなど私たちの生活はより便利になる未来になります。
ビジネスへの応用
5Gを利用することで我々の生活が発展することについて何度も言及してきましたが、具体的にビジネスにどのように影響されていくのでしょうか。
これについて2018年10月にソフトバンクグループ会長兼社長の孫正義氏はスマホを中心としたBtoCビジネスからBtoBtoXのサービス共創時代がやってくると言及しています。
それと同時に、VR、電気産業、自動運転、ヘルスケア産業、自動マニュファクチャリングなど多くの分野で5Gのビジネス応用を行うことが出来ると期待されています。
新たなビジネスモデル
BtoBtoXのビジネスモデルの確立
従来通信事業者は、スマートフォンを対象とした通信回線サービスを提供してきました。そのため、通信概査と企業・ユーザーの2者間でのビジネスモデル(BtoC)が一般的でした。
しかし、モノが何にでもネットに繋がる時代においてそれぞれの通信ニーズは変わります。
そのため、それぞれの産業毎に必要なアプリケーションの開発や通信システムを創出する「バーティカル・プレーヤー」の存在が必要になるのです。
バーティカル・プレーヤーによるサポートの元、ニーズにあった通信手段を企業やユーザーに届けるモデル(BtoBtoX)に変わっていきました。
VR分野での5G導入
5Gを利用したVR領域での応用は、スマホやVR機器を通して多くの期待が寄せられています。
例えば、産業向けにVR空間でのショールーム提供や、観光産業向けに文化財のVRストリーミング、また教育機関向けにはVR空間での講義やセミナーなどの開催が期待できます。
もちろんこれらは通信システムだけでなく、VR環境自体の発展も必要になりますが、このような高い容量を遅延なく届ける必要があるコンテンツは5G通信がなければ円滑に動作することができません。
自動車分野での5G導入
自動車分野での応用はKDDIやNTT、トヨタなど様々な企業が実証試験を行っています。
車など1秒以下の誤差を必要とする物においては、5G回線が非常に重要になってきます。5G回線を利用して、自動車に取り付けられたカメラから送られてくる情報を元に解析サーバーが異常を検知し、車の動作を決定するからです。
このような取り組みが問題なく成功すれば自動運転車の実用にぐっと近づくことができるのではないでしょうか。
ヘルスケア分野での5G導入
カリフォルニア大学・バークレー校のDavid Teece氏はヘルスケア業界に5Gを導入すると、2035年頃には1.1兆米ドルを超える経済効果を発揮すると発言するほど期待されています。
遠隔による医療サービスや遠隔手術、生活支援など操縦者と患者の通信遅延間隔が短くなればなるほど様々な分野で応用することができます。
まとめ
5Gは高速・大容量・低遅延の3拍子そろった未来の技術として前々から話題になっていましたが、既に何度も実証実験が重ねられており、実用化が目前に迫っています。
日本では2020年実用化を目指していましたが、オリンピック前までに実用化させるために今年2019年を実用化の年として前倒ししました。そのため、早ければ本年度中に5Gの通信速度をスマホで体験できる可能性があります。
今後IoT機器やVR、自動運転車など未来の機械が誕生するための基盤として5Gがどのように作用するのか、今後の情報に期待です。
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