ストレス耐性を面接で聞く意図と答え方のコツは?耐性が高い人の特徴3つも
転職の際によく聞かれると同時に答えづらい質問の1つが「ストレス耐性」にかかわるものです。普段は聞かれないような質問にこそ聞かれた側はストレスを感じてしまうものでしょう。そのような不安をなくす為、本稿では質問例と答え方をその意図と共に解説していきます。
目次
転職活動とストレス
そもそも働いている中で「ノーストレス」などということは滅多にありません。
多かれ少なかれ不安や重圧とも戦いながら、あるいは目標数字に追われながら働いています。
まずストレスとは働いている限り、向き合うことが多い問題なのです。
ストレスを感じたから転職を目指す
もしも今の仕事にストレスをもっていないのなら、わざわざ時間と労力を費やして転職などしないでしょう。
転職したいと思ったからには何かしらのきっかけがあるはずです。
したがってストレスというものはどこにでも存在します。
またストレスそのものが悪ではないということをおさえておきましょう。
ストレスを抱え込んだ時にふさぎ込んだり逃げ出したりしてしまう負の思考と行動が問題なのです。
ストレス耐性とは何か?
ストレスから目をそらし逃げることが問題だと書きました。
ストレスがそこにあるのだと認めた上でうまく付き合う方法は実はたくさんあります。
・仲間と自分の気持ちについてシェアをする
・先輩や上司に相談し助けを求める
・余暇に趣味でリフレッシュする
・恋人や友人とゆっくり食事を取る
これらすべてがストレスと付き合う方法の一例です。
ストレスと適度な距離を取り原因を解決しようと取り組める人がストレス耐性の高い人と定義できます。
またストレスをしんどいと感じる人がいれば感じない人もいて、感じないのならばストレスにはなり得ません。
このようにストレスに対しての感度が鈍いことも一般的にストレス耐性が高いというカテゴリーに分類されます。
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なぜ採用担当者は「ストレス耐性があるか」を知りたいのか?
それではなぜ採用担当者は転職者のストレス耐性を聞くのでしょうか?
最も避けたいのはミスマッチ
そもそもなぜストレス耐性というものが転職で企業側からそれほど重要視されるのでしょうか?
企業が採用活動でもっとも避けたいのは採用した人材の早期退職です。
「思っていたのと違った」はお互いの立場にとって非常に勿体ないミスマッチとなります。
ストレス耐性がない人はストレスに弱い人といえますので環境の変化に適応しづらいといえるでしょう。
もし新しい職場環境が思っていたのと違ったらすぐに退職してしまう危険性が高いと企業は判断しがちです。
「少々のことに動じない人」のほうが安全性が高く成功率が高いと考えるのではないでしょうか。
ストレスチェック制度の義務化
2015年12月より、「労働安全衛生法」が改正され、ストレスチェック制度の導入が義務化されました。
ストレスは多くの人にとって転職理由の上位でもあります。従業員のメンタルヘルスの不調を防ぐことは企業にとって義務になったことも、企業がストレス耐性が低い人を避けたいと考える大きな理由のひとつでしょう。
国が推奨するストレスチェックの項目は57項目にのぼり、結果によっては医師による面接指導が必要と判断されることもあるのです。(参考:厚生労働省『ストレスチェック制度導入マニュアル』)
ストレス耐性と圧迫面接の関係
目の前の人がストレス耐性の高い人なのかどうかを履歴書から見極めるのは難しいでしょう。
しかし、短期間で職を転々としている人は、堪え性がなく「ストレス耐性が低い人」と自ら物語っていると考えるべきです。
また志望動機や気に入ったポイントという質問ではストレス耐性が高いか低いかは見えてきません。
転職者と企業の双方において友好的かつ誰でも答えやすい、準備しやすい質問だからです。
そこで答えづらい質問や答えづらい環境を作ってストレスを与えてその反応を見てストレス耐性に迫ろうとします。
しかし、圧迫面接は必要悪だという意見がある一方で「企業の品位を落とすだけ」という意見も多くあります。
就職超氷河期といわれた頃ならまだしも今の時代ではリスクが大きくなるばかりです。
その為圧迫面接そのものはずいぶんと減ってきているといわれ、ストレス耐性との関連性はさほどありません。
面接でストレス耐性について聞かれたときの答え方は?
面接の場でストレスの耐性に関する質問された時、ネガティブな内容であるため評価がマイナスになってしまわないか気になったり、うまく言語化できなくて回答に迷う場合は多いと思います。
基本的には、ストレスに対して柔軟に対応できることをアピールすることが重要となってきますので、以下の内容をぜひ参考にしてみてください。
発散ではなく、解決できるもので答えよう
ストレス耐性について質問された時には「どうやって発散しているか」ではなく「自分で解決のためにどう行動したか」について答えましょう。
起こった事象や課題に対して目を向けずに「発散方法」を伝えるだけでは、仕事に対して責任感がない、都合が悪いと逃げてしまうと捉えられてしまう可能性があります。
ストレスに対して、根本的な解決策を考えて実行できる力があることを伝えましょう。
ストレスに対して、自分で解消・対応できると伝える
面接官側はストレス耐性を聞くことで、仕事においてもストレスを感じたときに、自分でストレスに対して解決のために行動できる人物かどうか判断しています。
ストレスについて質問された時には、ただ単にストレスとなった事象を述べるのではなく、ストレスにきちんと向き合うことができるという内容を伝えます。
組織の中で仕事をしていく以上、様々なストレスがかかる場面がでてきます。自分はストレスに対してどのように解決をするのかという前向きな姿勢を見せましょう。
自分自身のエピソードをもとに回答を準備しておく
どのようなストレスに対して、どう解決してきたのを話すとき、自分自身の具体的な経験談を出して答えることはとても重要です。
具体的な経験談がないと、予想ベースで自分のストレス解決法を話すだけで面接官が知りたい内容ではありませんし、結果としてちぐはぐな回答をしてしまうことになります。
そのため、「ストレスを感じるとき」を答える時は、自分の経験に沿って話をしましょう。
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圧迫面接でストレス耐性を図っている?圧迫面接と感じたときの対処法
ストレス耐性を図るために、威圧的な質問をされる場合もあります。
実際に、中途採用であっても「圧迫面接をされた」と答える方は一定数います。
圧迫面接と感じた際の対処法について、以下解説します。
圧迫と感じないことが断然得
転職者からすれば、相手は強い立場であり自分は弱い立場だと感じるのも無理はありません。
そのギャップによって悪い印象をもってしまったのならそれはもう相性としかいいようがないでしょう。
しかしはっきり言えるのは、あまりにも問題のある態度をされた場合を除いて「圧迫面接だった」と感じない方が断然得だということです。
そのことが少々のことに動じないというストレス耐性の高さそのものにつながります。
同じ質問を受けた時肯定的に捉える方が新たなチャンスをつかみやすいのではないでしょうか。
圧迫面接の必勝法「置き換える」
面接ではストレスを感じにくいほうが得だと理解できたとしても実際に感じにくくするのは難しいかもしれません。
そんなときにお勧めなのが発想の転換、答えづらい質問は答えやすく置き換えてしまいましょう。
それこそが転職者自身の魅力を採用担当者に直球で伝える近道です。
上記したように質問を肯定的に捉えるか否定的に捉えるかはどちらが正しいかという話ではありません。
嫌だと感じてしまうことそのものは感じ方や心の問題で人それぞれでしょう。
しかし、考え方や態度を変えればストレスは自分でコントロールできることをぜひ覚えておいてください。
ストレス耐性を試される質問例と回答例
ここからは実際の面接での具体的な答えづらい質問と置き換えのテクニックを見てみましょう。
置き換えは、はぐらかすことや逃げることとは異なります。
真っ向から受け止めつつより魅力的なアウトプットを行う「合気道的な受け答え」といえます。
ネガティブな点を上手くポジティブに置き換えている回答例を、実際の例文と共に解説します。
「どんなときにストレスを感じますか?」
「私はストレスを感じにくい性格です。対人関係でもまずはいいように捉えるようにしているのです。
ですから怒りを感じることもあまりありません。
ただ、強いて言えば、自分が宣言したことを守れないときや、納期に遅れてしまうときなどは理由がどうであれ自分の責任だなと感じます。」
この回答はストレスを感じる場面を答えてくれという質問なのに答えていません。
むしろ自分はストレスを感じにくい、ストレス耐性の高い人間だと最初に定義しています。
質問を逆手に取り自分のよい印象をPRするという巧みな置き換えといえるのではないでしょうか。
しかし、最後の方でこういうことは嫌だなという具体例を出してネガティブな側面も補足しています。
この場合もストレスではなく「責任感が強い」というポジティブな印象に置き換えられているのです。
「何が原因で転職活動をしているのですか?」
「商品企画に携わりたいと思っているためです。現在は法人営業でお客様とコミュニケーションを取りながらお客様のためになる新たな提案を行っています。
こうした顧客のニーズをつかむという特技をより活かすために、貴社で商品企画を志望しています。
これまで培ってきた力も活かせると思いますし、必ずや貴社製品の価値向上にも貢献できると思います。」
今の会社に何が不満か?という質問に対して自分の長所を伝えることに置き換えています。
自身の能力をもっと活かせると思ったから転職を考えている、というのは実に王道的な伝え方です。
もちろん何かしらに不満や問題点がなければわざわざ転職活動などしない方が大半でしょう。
しかしそれを面接の場で正直に答える必要はありません。
転職後の成功イメージまでプレゼンするという二重にポジティブな答え方といえるでしょう。
「弊社は目標も高く中身はかなりきついですが大丈夫ですか?」
「前職とルールや雰囲気が違うのは当たり前だと思っています。
また個人的には厳しい環境に身を置いた方が、モチベーションを高く保つことができる性格だと感じております。
目標は高いほうが成長できると思っているので、私も貢献させていただきたいです。」
聞き方はともかくとして、こちらの覚悟を問う質問はよくあります。
しかしここで怯む程度の志ならば入社したいという言葉に説得力は生まれません。
また、絶対にムッとしたり慌てたり黙ってしまったりするのもNGです。
意欲の高さと同時に勉強させて欲しいという謙虚な姿勢を見せると好印象に繋がります。
合気道のように相手の向かってくる力を利用して置き換えることが可能です。置き換えの回答を身に着けることができれば、相手がどんな質問をしてきても動じることがなくなります。
ストレス耐性が高い人の3つの特徴
ストレスを逆手に取った面接対策に加えて、常日頃からストレスをコントロールしてみましょう。
それにはストレス耐性が高い人のまねをすることが有効です。
ストレス耐性が高い人の特徴について以下解説します。
ピンチをチャンスだと思う
ピンチのときこそ能力を発揮する人や急に生き生きする人がいます。
誰もがしり込みするようなシチュエーションこそがこの人たちの大好物なのです。
その思考を自分のものにする最大の方法は「ピンチはチャンス」を口癖することでしょう。
口に出して言い続けることで面接時にもプラスに作用します。
とにかく明るい
明るさはストレスを遠ざける最大の奥義であり、大抵のことは笑い飛ばしてしまいます。
周りに些細なことで怒りを感じている人がいたとしても物事を良いほうに捉える傾向が強いです。
ストレスに強いというよりも、ストレスをストレスだと思わないようにしています。
切り替えが早い
ストレスに強くても仕事にある程度のミスはつきものなので落ち込むこともあります。
しかし、そのことを翌日まで引きずったりせず次から次と切り替えが早いのも特徴です。
結局のところミスや失敗を引きずれば引きずるだけで落ち込む時間は長くなります。ストレスを与えるものにさらされる時間が長くなりストレスが溜まるでしょう。
また、プライベートと仕事のオンオフを切り替えるのも上手です。
仕事も遊ぶときも全力という思考と行動パターンを持っています。
ストレス耐性が高い人のそばで学ぶ
前項を読んで自分が当てはまるなと感じた人はぜひ自信を持ちましょう。
しかし一方で特徴が当てはまらないと思った方もそのことを後ろ向きに捉える必要はありません。
特徴が当てはまらないという方は1番明るいと思う人や切り替えが上手だと感じる人と積極的に関わりをもちましょう。
そして独特で前向きな思考法に出会ったら最初は無理にでも真似してみることです。
そうすれば少しずつ自分の力でピンチをチャンスに置き換えられるようになります。
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ストレス耐性を高める方法
そもそもストレス耐性とは
ストレス耐性は以下の6つの要素で構成されます。
- 感知能力
- 回避能力
- 処理能力
- 転換能力
- 経験
- 容量
感知能力は、ストレス要因(ストレッサー)に気づく能力です。
例えばストレス要因があったとしても気づかなければストレスにはなりませんので、感知能力が低いほどストレス耐性は高いということになります。
回避能力はストレッサーをストレスと感じる前に回避する力を指します。
自律神経系や内分泌系、免疫系と関連が深いとされており、心身が健康であるほど高まる能力だと言われています。
ストレッサーに働きかけ、無力化する力が処理能力です。
一方でポジティブに置き換える力が転換能力です。
ストレスの要因に対し、自ら改善策を講じ対処できる人、前向きにとらえることができる人はストレス耐性が高い人と言えます。
そして関連する能力として、ストレスに対する慣れという意味での経験、ストレスに耐えうるキャパシティもストレス耐性を構成する要素です。
ストレス耐性を高めるには?
まず、働きすぎないことで心身共に余力を残すことができます。
回避能力や処理能力、転換能力は本人の容量に対しいかに余裕があるかによって左右されるため、時間外労働や休日出勤による負担がある場合は減らすようにすると良いでしょう。
暴飲暴食を避ける、睡眠をしっかりとる、適度な運動を行うといった心身を健康に保つ工夫もストレス耐性の向上に効果的です。
完璧主義をやめる、自分の意見が言える環境を作るといった仕事に対する向き合い方の工夫もあります。
また、職場におけるストレスは、人間関係によるものの他に騒音や温度・湿度といった室内環境も影響します。
自身で調整できる部分に関しては工夫することでストレス軽減できる場合もあるでしょう。
最後は熱意と動機が内定の決め手になる
ここまでストレスについて面接と絡めて様々な方向から学んできました。
ストレス耐性に関する質問への対応テクニックや思考方法も解説しましたが、最強の切り札は熱意です。ここで働きたいという強い気持ちや真剣なまなざしに勝るものはありません。
また、ここで働きたいのはなぜなのかという動機がストレス耐性の有無よりもはるかに重要です。
したがって、どのような質問であっても最後は転職者自身の気持ちをどれくらいはっきり伝えられるかになります。
ストレス耐性などに惑わされず自身の力を出し切って素敵な転職活動にしてください。
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