アンガーマネジメントって何?その効果やメリットデメリット、ポイントについてご紹介します。
怒るつもりはなかったのに怒ってしまった、という経験はあるのではないでしょうか。怒りは誰しも持っている感情です。ですが時には人間関係に悪影響を及ぼすこともあります。このような怒りはアンガーマネジメントという方法でコントロールできます。アンガーマネジメントの意味や、怒ることのメリットデメリット、アンガーマネジメントの実践方法などについてご紹介します。
目次
アンガーマネジメントとは?
アンガーマネジメントとは「怒り」の感情をコントロールするための心理トレーニングです。
人はさまざまな感情を持っています。その中でも怒りは人間関係に悪影響を及ぼしやすい感情です。
怒りたくなくても怒ってしまう、怒りやすい性格だと感じている、など怒りに対して悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
アンガーマネジメントはこのような怒りとうまく付き合うための方法になります。
そもそも怒りとは?
アンガーマネジメントとは怒りをコントロールする方法だと説明しましたが、そもそもなぜ人は怒るのでしょうか。
怒りという感情は、他人から妨害されたり、傷つけられたりするような時に相手から自分を守るための防衛感情といわれています。また単純に傷つけられるだけでなく、相手が自分の思惑と外れて思い通りに動かなかった場合にも怒りという感情は生まれます。
ただしご存知の通り、そのような事象が起こったからといってすぐに怒りの感情があらわれるわけではありません。怒りは二次感情だと言われており、まず先のような事象が起こった場合は、一次感情があらわれます。
一次感情とは、不安や悲しみ、嫌悪感といった感情です。そのような感情が限度を超えると、二次感情である怒りがあらわれます。
このように怒りの感情というのは正しい感情です。そのため怒ることによるメリットもありますが、怒りは相手を攻撃してしまう一面もあるためデメリットも存在します。そこで怒ることによるメリット・デメリットをご紹介します。
怒ることのメリット
怒ることのメリットとして、以下の2つが挙げられます。
・自分の価値観を振り返るきっかけになる
・相手に真剣な気持ちが伝わりやすい
怒りの感情が起こる要因として、自分の思い通りに相手が動かないためということを説明しました。
こうすべきだ、という思いがあるのに相手がそのように動かないという場合、まず自分がどういう価値観を持っているかということを再認識することができます。そして相手がそういう価値観でないということも認識することができます。怒りの感情が収まり冷静になると、そのように振り返り新たな気づきを得ることができるでしょう。
また、怒りという感情はとてもエネルギーを使います。そのため、怒るということはその事象に対してエネルギーをかけるほど真剣なんだ、ということを相手に伝えることにもなります。そのため、怒ることで相手に真剣な気持ちが伝わりやすいということもメリットとなるでしょう。
怒ることのデメリット
それでは、怒ることによるデメリットとは何でしょうか。以下2つが挙げられます。
・ストレスが溜まる
・人間関係が悪化する
怒りという感情は、大変エネルギーを要するので、怒りの感情が続くとストレスが溜まり体調を崩しやすくなってしまいます。また、怒ることは相手にとって攻撃されていると感じることも多々あります。そのため、人間関係が悪化することもあります。真剣さが伝わるというメリットと紙一重だと言えるでしょう。
アンガーマネジメントの実践方法とポイント
怒ることによるメリットとデメリットを説明しました。メリットはあるものの、いつも怒ってばかりいるとデメリットにも繋がります。そのため、怒りという感情をうまくコントロールし効果的に使える方が良いでしょう。ここではその怒りをコントロールする方法であるアンガーマネジメントの実践方法についてご紹介します。
実践方法①:6秒我慢する
怒りという感情は、その感情が生まれてから6秒間がピークといわれています。とても瞬間的で衝動的な感情なので、まずはこの6秒間我慢するところからスタートしましょう。
怒りを感じたら6秒間は深呼吸をして頭を真っ白にしてみましょう。もしも頭を真っ白にできなかったり、その場でただじっと我慢する、というのが難しいのであれば、少しその場を離れてみるのも1つの手です。
また、自分に問いかけてみるのも良いでしょう。「大丈夫」「今度このことを友達に話して聞いてもらおう」など、自分が安心する言葉や前向きに捉えられる言葉を自分自身にかけてみてください。そうすれば怒りのピークは過ぎ、冷静に考えられるようになるでしょう。
実践方法②:「~すべき」の価値観を見直す
怒りを感じる要因として、自分の思い通りにならないというのを挙げましたが、これは自身の価値観により引き起こされます。「~すべき」と考える範囲が広ければ広いほど、自分の思い通りにいかないことが増えてしまいます。
できるだけ「~すべき」という考えを減らしていくことで、どんな状況でも受け入れることができるようになり怒る要因が減っていくでしょう。
ただしここで大事なことは、やみくもに「~すべき」という考えを減らさないことです。なんでも受け入れることが正しいわけではありません。絶対に譲れない「~すべき」を持つことはその人のアイデンティティでもあります。そのため、日頃から自分の価値観を考えるようにしてみましょう。
実践方法③:怒り方を工夫する
価値観を見直し自身が考える「~すべき」を減らしたとしても、生活していれば必ず怒りの感情が沸き起こる場面は出てきます。
アンガーマネジメントでは怒りは相手への「リクエスト」と考えられています。そのため、感情に任せて怒るのではなく、相手に依頼するつもりで自分の考えを伝えてみましょう。その際は、自分の要望を明確にし、相手が分かるように説明することを心がけてください。どう伝えるかを考えると冷静になれるので、怒りの感情をコントロールすることができるでしょう。
アンガーマネジメントの効果
生活の大部分の時間を仕事に使っている方は多く、怒る場面も仕事が多いという方は多いのではないでしょうか。アンガーマネジメントを実践することでさまざまな効果が得られ、それは仕事においても同様です。
それでは特に仕事においてどのような効果が得られるかご紹介します。
効果①:ストレス減少
怒ることでストレスが溜まるとすでに説明しましたが、これは怒られる側も同じです。怒る側だけでなく怒られる側も同時にストレスが溜まります。
また、特に上司に対して怒りの感情を感じた時に、それを表に出せずによりストレスが溜まることもあるのではないでしょうか。
このような時にアンガーマネジメントを実践することで、少しでもストレスを減らすことができるでしょう。もしもご自身が上司の立場であったならば、怒りをぶつけられる側のストレスも減少させることができます。
効果②:生産性の向上
アンガーマネジメントの実践は仕事の生産性も向上させます。
アンガーマネジメントを実践すれば、怒るという行為を業務時間に使うことがなくなるので余計な時間を使わなくなります。そして心が乱されることが少なくなり、仕事に集中することもできるでしょう。
それでも仕事中に怒りを感じることは多々あります。そのような時は、相手に適切な言葉と態度で、「要望」に変換して伝えれば人間関係も円滑になり仕事もスムーズに進みます。このようにアンガーマネジメントを実践することで仕事の生産性の向上に繋がります。
効果③:パワハラ防止
怒る内容によっては、怒られる側が理不尽に感じることもあります。そしてそれがパワハラだと認識されることもあるでしょう。怒った側はそんなつもりでなくても、怒る態度によっては相手を攻撃しているとみなされることがあります。
特に部下を持っている方で怒りっぽいと自覚のある方は、アンガーマネジメントを実践することでパワハラを防止することに繋がるでしょう。
アンガーマネジメントを実践して怒りとうまく付き合おう
アンガーマネジメントの意味や怒ることのメリット・デメリット、そしてアンガーマネジメントの実践とその効果についてご紹介しました。
怒るという感情は誰しもが持っている感情で、正しい感情です。しかし怒りにはデメリットも存在しています。怒りをコントロールし、うまく付き合っていくことでさまざまな効果がえられますので、ぜひアンガーマネジメントを実践してみましょう。
しかし、アンガーマネジメントを実践してもそれでも職場や人間関係に対して怒りを感じ続けてしまうこともあるでしょう。
すでに述べましたが、怒りを感じ続けるとストレスとなって体調を崩しやすいです。その場合は職場が合わないと考え、異動や転職なども視野に入れてみましょう。
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