【採用担当者向け】2021年5月 IT転職市場レポート | ギークリーの利用者から見えるIT転職市場をご紹介!
新年度から1ヶ月が経過した5月。各企業とも新年度の慌ただしさが落ち着き、中途採用の募集を考えるタイミングかもしれません。4月からの1ヶ月で、5月のIT転職市場はどのような変化があったのでしょうか。ギークリーの利用者から見える、2021年5月のIT転職市場と求職者の傾向を徹底解説します。
目次
2021年5月 各社IT採用ニーズ
IT転職専門のギークリーで取り扱っている求人情報を分析し、各社のIT採用のニーズをまとめました。
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▼調査について
調査目的 :求職者集客および求人の仕入れ状況からIT業界の転職市場を知る
調査対象 :5月に当社をご利用いただいた求職者および企業
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2021年5月の主な各社IT採用ニーズは以下の通りです。
開発エンジニア採用競争が激化
IT専門転職エージェントのギークリーにて、2021年4月から5月にかけて最も求人が増えた職種が「開発エンジニア」でした。(MonM 6%増)
この求人を増やした業種として、Webサービス、SaaS企業が目立ちました。
SIerの求人がまだまだ大半を占めるものの、コンサルティングファームや非IT企業の参画も見受けられ、開発エンジニアの競争が激化しているように感じます。
これに伴いWebサービス・SaaS企業・SIerは、要件緩和を進めることで競争を制することができるでしょう。
5月の要件変化事例を3点ご紹介します。
【事例1】SaaS・Webサービス企業は全職種トータルでポテンシャル採用へ
採用予算を2020年度中に余らせたSaaS・Webサービスの企業は、技術職・分析職・営業職にてポテンシャル採用を実施しました。
【事例2】SIerでは46歳以上の採用事例が多数
技術力が確かなミドル、シニア層のエンジニアに対して、年齢や転職回数に対する条件を緩和する事例が多く見られました。
代わりに未経験者採用には至っていないという面もあります。
【事例3】DX要請の強いコンサルティングファームが、開発エンジニアの採用を強化
SAPなどのソリューション導入だけでなく、開発工程をベンダーに投げず内製化する動きがあります。
自社のマネタイズを、サブスクリプションモデルに変更するためのサービス再設計といった動きが非常にホットです。
2021年5月 集客トピックス
ギークリーでは転職エージェントの面談に訪れた方にアンケートを実施し、1ヶ月ごとにIT転職市場のニーズや傾向を分析。採用担当者向けに、毎月情報をまとめて発表いたします。
新年度から1ヶ月が経過した2021年5月、主な集客トピックスは以下の通りとなりました。
① 求職者の転職意向度はここ半年間で一番腰が重い状態へ
企業側の採用ニーズは高まる反面、5月に入っても求職者の転職ニーズは低くなりました。
これは1月以降から続き、ここ半年間で一番腰が重い状態にあると考えられます。
「転職するかどうか検討中」比率が過去最高の40%を超えました。
転職意欲の高い求職者の「退職している」比率は、年度の切り替わりの影響が落ち着き減少してきています。
② エンジニア比率が引き続き60%以上をキープ
過去最高水準だった4月に引き続き、5月もエンジニア比率は60%以上をキープできています。
コロナ禍の真っただ中でIT職種に集客を振り切っていた時期と比較しても、エンジニアを集客できている状況です。
③ 20代若手層の集客拡張が、インターネット企業の採用ニーズとマッチ
3月以降、20代若手層への集客に着手した影響が継続しています。
企業サイドとしてもポテンシャル採用を強化しており、若手層の仕入れがかみ合っていると言えるでしょう。
各トピックスについて、実際のデータとともに詳細解説をします。
① 求職者の転職意向度はここ半年間で一番腰が重い状態へ
面談者の退職状況の分析
面談者の退職状況を分析した結果、4月に比べ5月は「退職している」比率が16%から13%に減少しました。
しかし「退職日が確定している」は5%から6%に増、「退職の意思は伝えているが退職日は未定」は3%から4%に増と、在職中で退職することが決まっている人は、合わせて2%増加しています。
「退職する予定だが、まだ意思は伝えていない」は37%から36%に減、「退職するか検討中」は39%から41%に増となりました。
求人企業と求職者の潮目は1月の傾向を維持
求人企業サイドは4月から引き続き採用ニーズの高まりを見せています。
求人数は12,000件にのぼり、過去最高水準をまた更新する結果となりました。
一方で、求職者サイドの5月は退職している比率が減り、退職に迷っている人材が増えていることから、転職意欲は低い傾向が続いています。
ここ半年間の結果を鑑みても、一番腰が重い状態にあると言えるでしょう。
1月から続く求人企業と求職者のニーズの違いによる潮目は、5月になっても傾向を維持している状態となりました。
② エンジニア比率が引き続き60%以上をキープ
エンジニア比率は60%台をキープ
面談者の職種を大きく分類し、職種別の増減を調査した結果、4月に比べ5月はエンジニアの割合が63%から60%に微減しました。
エンジニアが減少傾向ですが、60%以上の占有率はキープできていることから大きな問題はないと捉えます。
また5月は、営業の割合が14%から16%に増加したことが目立ちます。
この理由としては、インターネット企業の営業職の採用ニーズ高騰を受け、ギークリーが営業職の集客を注力した結果が反映されているためだと考えられます。
職種の占有率(月での比較)
面談者の職種を更に詳細に分類して占有率を4月と比較した結果、SE上流の占有率が3%増加しました。
また、営業の占有率も2%増加しています。
一方、社内SE/テクサポは4%減少となりました。(「社内SE(開発)」が3%、「テクニカルサポート」が1%減少)
これは営業職の採用ニーズの高まりを受けて、営業職の集客を強化したことが反映されていることが要因と考えられます。
職種の占有率(年での比較)
先程と同様に面談者の職種別の占有率を昨年5月と比較した結果、SE下流の占有率が4%増加しました。(Web系SEが3%増加)
また、Webマーケティングの占有率が2%増加、営業も3%増加しています。
一方YonYでみても、社内SE/テクサポが6%減少となりました。
1年前はちょうどコロナ禍の真っただ中だったため、集客のターゲットとしてIT系の技術職にフォーカスを当て強化しておりました。
その当時と比較してもWeb系SEの集客を増やせているのは、企業側のポテンシャル層の採用ニーズが高まってきていることを受け、第2新卒に当たる2020年度卒の層の集客を実施できていたことが要因だと考えられます。
③ 20代若手層の集客拡張がインターネット企業の採用ニーズとマッチ
面談者の年齢別の分析
面談者を年齢別に分析した結果、3月大幅に伸長した25歳以下の若手層は、5月に入っても15%の横ばいとなりました。
これは20代若手層の集客を積極的に始めた影響が継続していると考えられます。
また、採用予算を2020年度中に余らせたSaaS・Webサービスの企業は、技術職・分析職・営業職にてポテンシャル採用を実施しており、企業側と求職者側の仕入れ状況がかみ合っているようです。
一方で、46歳以上の集客は9%から7%に減少傾向です。これも若手層に注力したことが影響していることが原因です。
しかし、直近46歳以上のエンジニアも採用事例が複数あります。引き続き、高年齢層の集客も行ってまいります。
2021年4月集客トピックス振り返り
2021年4月の集客トピックスを振り返り、その後の動向を確認します。
求職者の転職意向度は2020年12月以降の傾向を継続
企業側の採用ニーズは高まる反面、求職者の転職ニーズは2020年12月以降は低い傾向にあります。
一方で、転職意欲の高い求職者の「退職している」比率は増加し、年度の切り替わりの影響が出ていると考えられます。
企業側の採用ニーズは高まる反面、依然として求職者の転職ニーズは低い傾向です。「転職するか検討中」求職者の比率は過去最高レベルとなり、転職に迷っている人材が多いことをうかがい知れます。
エンジニア比率が59%と直近半年でも最高の水準
面談者の職種を分類した結果、エンジニア比率が増加し直近半年でも最高の水準となりました。SE上流は減少しつつも、それ以上にSE下流(特にオープン系SE)が増加しています。特に、スカウト集客での20代エンジニア集客比率の増加が見られます。
エンジニア比率は、引き続き60%以上をキープできています。
20代若手層集客拡張の影響が継続
直近のポテンシャル採用枠のニーズの高騰を受け、3月以降は若手層(微経験)への集客に着手した影響が継続しました。今後は若手層のご支援実績まで見ていき、IT職種以外の拡張も行う予定です。
ポテンシャル層の集客は引き続き注力しています。企業側による、ポテンシャル採用のニーズ高騰とかみ合っている状況です。
まとめ
2021年5月は、企業サイドの採用ニーズの高まりを更新する一方で求職者サイドの転職意向の低下が続き、両者のニーズの違いに広がりが見られました。
退職している比率が減少し、退職を検討中している比率が増加していることから、転職に迷いがある面談者が増えている傾向です。
そのような中、5月に一際目立ったのが営業職による占有率の増加です。
インターネット企業の営業職の採用ニーズの高騰から、営業職への集客を注力した結果が現れました。
ギークリーでは、面談いただく求職者はもちろん企業の採用担当者へのニーズも鑑みて、IT転職市場の動向を探っております。
企業と求職者のニーズが1件でも多くマッチングできるように、IT転職のエキスパートとして分析をしてまいります。
引き続き来月もレポートを公開しますので、ぜひ企業の採用担当者の皆様はご参考ください。
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