【転職活動中の方必見】選考官のテンションを下げる履歴書・職務経歴書とは?
転職活動中の方であれば殆どの方が通る道である「書類選考」。履歴書・職務経歴書に記載されている経歴が評価されることは勿論ですが、実は経歴そのもの以外にも選考官の印象を左右しうる要素があります。今回は、その中でも選考官に良い印象を与えない、すなわちテンションを下げてしまう履歴書・職務経歴書のポイントを紹介します。
目次
書類選考は最初の関門
経歴以外にも大事な要素がある
転職活動をする際、殆どの人が始めに受けることになる選考が書類選考です。
書類選考とは、提出された履歴書・職務経歴書等(便宜上、これらを纏めて「書類」と呼びます)を元に、自社の採用要件に合う人材なのか、すなわち「会ってみたい人材か」を判断するために企業が行う選考のことを指しています。
書類選考というと、「これまでの経歴の中身が大事なんでしょ?」と思っている方も多いかと思いますが、実はそれだけではありません。実は、同じ経験・スキルを持った人の書類でも、選考官にいい印象と悪い印象を与える書類があるのです。
そこで今回は、書類の選考官に聞いた、テンションを下げてしまう書類、略して「テン下げ書類」のポイントを4つ紹介します!
テン下げ書類を企業に提出してしまうと、
・具体的な経歴を見る前にネガティブな印象を与えてしまう
・万が一書類が通過しても、ネガティブな印象を与えた状態で面接がスタートしてしまう
・そもそも書類不合格にされてしまう
といった影響を及ぼす可能性があります。反面教師にして、良い書類を作る参考にしてくださいね。
テン下げポイント①どこを評価していいか分からない!!
キャリア概要があまりにも「概要」すぎると△
職務経歴書に必ず記載するキャリア概要。
営業職の方であれば、扱っていた商材、顧客、営業スタイルを記載したり、エンジニアの方であれば、携わっていたプロジェクトの概要や自分の担当業務、役割、開発環境等を記載するかと思います。
例
上記例は、その点概要がよくまとまっているような気がしますが、どこがテン下げポイントなのでしょうか?
答えは、工夫したポイントや改善した点、実績の詳細等が全く書かれておらず、評価できるポイントが明確でないことです。
業務の中でその人が何に対して課題を抱き、解決のためにどのような行動をしたのか、その結果どのような成果を得たのかを見ることができず、評価がしにくい点がテン下げポイントなのです。
工夫したポイント等が書かれていないことで、「特に実績らしい実績を出していなかったのではないか」「ただ言われた仕事を言われた通りにやっていただけなのではないか」という想像も膨らんでしまい、選考官にネガティブな印象を与えてしまう可能性もあります。
テン下げ書類を改善!
テン下げ書類の例ではなかった【ポイント】の項目が追加されています。
こちらの方が営業職としての実績が分かりやすく記載されていると思いませんか?せっかく実績に書けることがあるのに、文字通り「概要」しか書かないのは勿体ないです。企業に評価してもらえるポイントを明記しましょう。
未経験の場合は、学習内容を記載しましょう
キャリアチェンジで未経験のポジションに応募をしている場合、そのポジションにつくための努力の跡が書類の中から読み取れないことも、テン下げポイントのひとつです。
未経験の転職の場合、即戦力ではなくポテンシャルでの採用になるため、選考官に熱意や覚悟を伝えることは非常に重要です。それにも関わらず書類から勉強した跡が見えないと、「熱意が見えない」と評価されてしまう可能性が大きくなってしまいます。
自己学習を行ったのであれば、何の目的でどんな学習をしたのかを記載するようにしましょう。
テン下げポイント②どの情報を信じていいのかわからない!!
最も多いのは履歴書、職務経歴書の内容ズレ
書類を企業に提出する際には、履歴書・職務経歴書・ポートフォリオ等複数の書類を提出することが殆どですが、その内容に不整合な点があると、選考官はテン下げになってしまいます。
よくある例としては、企業の在籍期間やプロジェクトへの参画期間が履歴書と職務経歴書でズレてしまっているといったものが挙げられます。
テン下げになってしまう理由は大きく2点あります。
1つ目は、書類のどの情報が正しいものなのかの判断がつかないために、後の面接の中でいちいち確認をしなくてはならないためです。
限られた面接の時間の中では、会わなければ分からない人柄やカルチャーフィットの見極め、詳細のスキル感の確認にできるだけ時間を使いたいにも関わらず、わざわざ時間を割いて書類内容の整合性を取らなければならないことに選考官はストレスを感じてしまうのです。
2つ目の理由は、履歴書・職務経歴書が転職という人生において重要なイベントに関わる書類であるのにもかかわらず、その内容にミスがある時点で、「仕事でもミスをするのではないか」というイメージを抱かせてしまう、という点です。
「少し厳しすぎるのでは…?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、仕事の性質上絶対にミスが許されないようなポジションの選考では、こういった細かい点まで見られていることがあります。
作成後に一度確認すれば防げることですので、必ず書類間の内容に整合性があるかを確認するようにしましょう。
テン下げポイント③UIが悪く読みづらい!!
「読みやすさ」に関するポイントです。パッと書類を開いた時点で「読む気にならない…」と思わせてしまうような書類はテン下げ書類です。
代表的な例は2つ。長すぎる書類と、改行がない書類です。
職務経歴書は4枚以内に抑えて
長すぎる書類がテン下げ書類になってしまう背景には、選考官の忙しさがあります。
規模の大きな企業であれば、選考官は一日に何件もの面接をこなしつつ、大量の応募書類の合否を判断しなければなりません。規模が小さめな企業であれば、書類選考をマネージャー等の役職者が行うこともあります。1件の書類選考に何時間も時間を投下することはなかなかできないでしょう。
そんな中5枚も6枚もある職務経歴書の内容全てに目を通さなければならないとなると、テン下げになってしまうことは想像に難くないですよね。
在籍企業が多い方や、参画したプロジェクトの件数が多い方は、全てを書こうとするとどうしても長くなってしまいますので、その企業に評価してもらいたい経歴の記載はボリューミーに、あまり評価に繋がらなそうな経歴は概要のみに留める等、分量に強弱をつけるようにしましょう。
また経歴以外にも、自己PRが長すぎる書類も、テン下げに繋がりかねません。
書きたいこと、書けることがどれだけあったとしても、3分の1ページ程度の分量に抑えておくのがベターでしょう。文章を纏める力が無い、という印象を与えてしまうこともあるので、要点を絞って記載しましょう。
改行をうまく使いましょう
以下の例②、③をご覧ください。
例②
例③
実は例②、③の書いてある内容は殆ど同じものです。皆さんがもし選考官だったら、どちらの書類の方が見やすいと思うでしょうか?
多くの方が例③と答えると思います。例②はテン下げ書類です。
例②は一目見て、何についての記載があるかが分からないため、内容の把握に時間がかかってしまいますが、例③はすぐに【プロジェクト概要】【担当フェーズ】【担当業務】の3点が記載されていることが把握できますよね。
例②のように文章で説明することは職務経歴書には向いていません。適度に改行を入れつつ、できるだけシンプルな内容になるように心がけましょう。
テン下げポイント④細かいところが抜けている!!
最後に見直せば必ず防げること
最後のテン下げポイントは、項目の抜け漏れや、書式が揃っていない、誤字脱字といった細かいポイントです。こちらに関しては多くの具体例が寄せられたため、一挙に紹介します。
履歴書
・西暦、和暦が統一されていない
・作成日が古いまま、以前の転職活動で使った日付が残っている
・住所や連絡先の欄が空白のまま
・履歴書で学歴と職歴の記載が分けられていない
・フォーマットではふりがなと平仮名で書かれているのに、記載している振り仮名ががカタカナ
・写真の背景が明らかに自室(カーテンが映りがち)
・写真の服がしわくちゃ
職務経歴書
・資本金、売上高などの単位(〇〇〇〇〇万円、〇〇億円)を統一していない
・職務経歴の記載順が時系列になっていない
・記載されているページ数と実際のページ数にズレがある
・履歴書に書いてある内容が職務経歴書にも書いてある
・「以上」しか記載されていないページがあり、無駄にページを増やしてしまっている
・フォントが小さすぎる
・フォントがビジネスに適したフォントでない
これだけで不合格にするということは無くても、「見るとガッカリしてしまう」といったものがラインナップされています。細かいところに気を配れない人なのではないか、と選考官に想像させてしまうことが、テン下げポイントになってしまう原因です。
ひとつひとつはとても簡単なことであり、書き終わった時点で読み返せばすぐに気づくことができるものばかりですので、最終チェックを怠らないように気を付けましょう。
さいごに
書類は自分という「商品」を売り込むためのもの
本記事では、選考官のテンションを下げてしまう書類、という観点で、書類作成時のポイントを挙げていきました。テン下げ書類にならないためのポイントは以下の通りです。
・評価してほしいポイントを明確にする
・内容に不整合が無いようにする
・読み手の気持ちを考えて読みやすく書く
・細かいミスが無いように必ず読み返す
過去の経歴は変えられなくても、選考官の印象を悪くしない為の努力は誰にでも出来ます!
自分で作成した書類に自信が無い方は、自分の経歴を知る身近な方に見てもらってフィードバックを頂いたり、エージェントの書類作成アドバイスのサービスを利用すると良いでしょう。
面接とは違い、表情や声色が伝えられない限られた情報の中での選考になりますので、その少ない情報を徹底的に磨き上げることで、少しでも選考を有利に進められるようにしていきましょう。
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