グローバル企業でゲームビジネスのゼネラリストへ|言語の壁を超える企画でグループ中に名を広めたい
ギークリーの転職支援サービスを利用して転職された方へインタビューを実施し、転職活動の体験談をお届けする本企画。第19回は契約期間の満了をきっかけにご転職活動をされた野中さんにお話を伺いました。ゲーム業界のなかでは比較的ユニークなキャリアをもつ野中さんならではのキャリア戦略や、ゲームプランナーの転職におけるコツをぜひご参考ください。
目次
33歳 ゲームディレクター(2022年6月時点)
大学をご卒業後、ソーシャルゲームのプランナーをご経験。その後、アートディレクターやゲーム専門学校の講師などもご経験された後、2社にてプランナー、リードプランナーをご担当されました。現在はネットマーブルジャパン株式会社にて様々な業務を兼任されています。
偶然飛び込んだゲーム業界の楽しさが、現在まで続く仕事の原点に
―まずは簡単にご経歴を教えてください。
野中さん:大学卒業から一貫して、ゲームに関わってきています。
1社目でゲームプランナー、その後ゲーム制作の知識を深めたいと考え、2社目はゲームのイラストや3Dモデルを作る会社でアートディレクターを経験しました。約3年務めた後、再びゲーム会社2社を経験して、現在のネットマーブルジャパンに至っています。
―野中さんはゲームの専門学校ではなく、四年制大学をご卒業されています。どんな経緯でゲーム業界に飛び込んだのでしょう。
大学では生物学を専攻していましたが、専攻を活かした企業への就職が厳しく、急遽別の会社を探すことになりました。それなら長年の趣味だったゲーム業界を目指そうと考え気軽に応募してみたところ、運良く内定をいただけたかたちです。
―偶然的な要素もあったのですね。そこから今まで仕事としてゲームに携わっていらっしゃいますが、今のキャリアに繋がる原点はなんでしょうか。
原点というと、1社目での経験ですね。
1年間は品質管理兼ゲームプランナーのトライアウトという形で入社したのですが、初月から企画がうまく通ってしまいました。その後も企画がどんどん通り、3ヶ月目にはディレクターのポジションに就いていました。バグの早期発見やテストケースのリスト化をして共有することなど、単におもしろいだけでなくどう売上げに繋げるかを意識したゲーム作りが評価されていました。
この経験から作り手としてもゲームが好きになり、仕事にしていこうと思えたのです。
―野中さんが考えるゲーム作りの楽しさを教えてください。
制作段階ですと、色々な職種の方とゲームのことをあれこれ考えている時ですね。「こうしたらユーザーが喜ぶよね」と想像しながら細かいデザインやゲームの仕組みを詰めていくことが楽しいです。
ゲームのリリース後にお客様の声を聞けたときにも楽しさとやりがいを感じています。おもしろかった、おもしろくなかったという意見がすぐに飛び交うため、真摯に受け止めつつゲーム開発に活かしてきました。
ビジネスへの考え方が合う会社で、ゼネラリスト経験を活かしたい
―実際の転職活動の話にうつります。そもそもの今回の転職理由を教えてください。
5年の契約期間が満了を迎えたことがきっかけです。そのまま残りたいとは思いましたが、大手グループのゲーム会社だったので正社員になるハードルも高く、転職を決意しました。今回の転職は次の職場を探さなきゃという気持ちが強かったです。
そのなかでも条件としていたのは、「リモートワークを含む働き方」「自分の幅広い経験を活かせるか」「ゲームに対する考え方が合うか」の3点ですね。
―「ゲームに対する考え方」について詳しく教えてください。野中さんはゲームづくりをどのように捉えているのでしょうか。
私は、おもしろさとビジネスのバランス、SNSなどのゲームを取り巻く環境を全て考えつつ、論理的に議論ができることが重要だと考えています。
一般的にはゲームのおもしろさを最優先に制作をしている会社が多いですよね。そこに私が入社しても異質な存在になってしまうので、自分の考えるゲーム作りをしているかを基準としていました。
―最初はゲーム業界を目指されていなかった野中さんならではかもしれませんね。ただ、考え方が合うかは求人票ではわかりにくいですよね。
そうですね。まずはとにかく応募して、実際に面接をして、印象や業務内容から自分とマッチするか見極めていました。
ゲームプランナーは、シナリオやレベルデザインなど、何かに特化している方が多いのですが、私はゼネラリスト寄りのやや特殊なキャリアなので、その経験が活きるかも面接で確認していました。
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―確かにプランナーだけでなくディレクター、アートディレクターなどもご経験されています。一つの役割に特化していこうとは思わなかったのですか。
特化しようと思ったこともありましたよ。一時期は、パズルゲームに特化したプランナーになることも考えました。
ただ、今後のゲームの進化を考えた時に、コンシューマーゲームに近づいていくと思ったんです。ゲームはあらゆる機能が増えて、無制限に動きを出せるハイクオリティなものになるだろうと。
そのゲームの進化に対応できるように、自分が対応できる幅も広げていく必要性を感じました。いまは「何でもできる」ことを伸ばしていきたいと考えています。
面接官がヘビーユーザー。ネットマーブルジャパンの考え方に惹かれ入社
―ご入社されたネットマーブルジャパンは、考え方が合う企業だったということですよね。まず、応募のきっかけはなんでしたか。
ネットマーブルジャパンがリリースした『七つの大罪~光と闇の交戦~』が好きだったんです。原作のアニメも見ましたし、ゲームにもハマっていました。
私もアニメIPのゲームを担当することが多かったので得意分野を活かせますし、自分がプレイしている分馴染みやすいという点で、気軽に応募しました。
―実際に面接で話を聞かれてみて、どんな印象だったのでしょう。
かなりおもしろそうな印象を受けました。
求人ではプランナーの募集だったので、運営上のお知らせやデータを作るくらいだと思っていたんです。でも実際には、ゲームのビジョンも含めた企画、売り上げ戦略なども任されるとのことでした。他にもデザインをみたり、ゲームの生放送を管理したり、特設サイトやSNSプランの設計をしたりと、「ゲームプランナー」では担当しない幅の広さで、自分の成長につながることを考えるとワクワクしましたね。
―印象に残っているやり取りなどはありましたか。
二次面接の面接官が偶然、私が制作に携わっていたゲームのヘビーユーザーだったんです。そのゲームの理論も全部理解されていて、二次面接はそのゲームに関する質問攻めでした(笑)
質問を受けることで、どういうプロセスでゲームのことを考えているのかは伝わりますよね。論理的にゲームのおもしろさを言語化して、どんなサイクルでゲームを動かすかを考えていて、ぜひ入社したいと思いました。
外資系企業ならではの経験にやりがい
―現在の業務内容を教えてください。
今は1つのゲームのプロジェクトチームに入っていて、ゲーム企画の提案やスケジュール管理、ゲーム内でのお知らせやデザイン確認など、ディレクターのような業務をしています。
他にも、私がゲームに関する生放送のディレクションをすることもありますし、チームの中ではIPタイトルの監修対応をする人などもいて、本当に現在の業務は幅広いですね。いわゆるゲームプランナーが行うデータ入力のような業務はほぼありません。
―今回はディレクターに近い業務をされているんですね。やりがいや楽しさを感じる場面としてはどうでしょうか。
今まで以上にユーザーの反応を最前線で見ることができて嬉しいです。ネットマーブルのゲームは規模が大きいので、ツイッターで情報を出すとすぐに反応をもらえます。英語、フランス語、韓国語など様々な言語で反応が来ておもしろいですよ。
あとは、韓国に本社があるので、言語の壁を超えて企画を通せた時にもやりがいを感じますね。翻訳通訳を通しての協議は苦労もありますが、企画がしっかり通った時はかなりおもしろいと思えます。
―外資系企業ならではのご経験ですね。社風の面では違いはありますか。
まず勤怠面で驚きました。経験上、ゲーム会社は終電まで残業するイメージがありました。ただ、ネットマーブルでは「残業を悪」とするんです。本当にゲーム会社か、と思うくらい残業がありません。
人事評価では、業務のプロセスも重視しています。入社前は厳しく結果を求められる社風を想像していましたが、実際は普段の頑張りも評価してもらえます。上長もメンバー一人ひとりを見てくれていて、ありがたいことに私自身も良いフィードバックをいただけています。
―ご活躍いただけているとのこと、とても嬉しく思います!今後の意気込みを教えてください。
ネットマーブルジャパンの組織内だけでなく、ネットマーブルグループ全体に名前が広まるくらいに結果を残そうと思っています。
そのために少しずつ韓国語の勉強をしています。コロナが明けたら韓国本社への出張があるかもしれないので、いつでも渡航できるように。他にも、ゲームの企画は積極的に韓国側に提案していて、部長からも次の企画への要望をいただいています。
今後もこの様な動きを継続していきたいですね。
―最後に、転職を考えている人へのメッセージをお願いします。
面接対策はしっかりすることをおすすめします。今回の転職活動で、リモートでの面接や、履歴書と職務経歴書だけでは伝わらないことも多くあると感じました。今までの実績をまとめたポートフォリオを用意して、画面共有などでプレゼンできるようにしておくと良いと思います。何度も繰り返し見直して仕上げた資料とポートフォリオがあれば、自分の経験をしっかりアピールできるはずです。そうすれば、きっとうまくいくと思います。
―インタビューは以上です。本日はありがとうございました!
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