ワークライフバランスの充実には何が必要?働き方や制度だけではない重要なポイントを独自データとともにご紹介します!
ワークライフバランスの充実していると感じられる要因は何だと考えられるか。近年よく耳にするワークライフバランスについて、弊社で転職希望者にアンケート調査を行いました!その結果からワークライフバランスの充実に重要であると考えられる点について、ワークライフバランスとはそもそも何なのかと関係する制度等とあわせてご紹介します。
目次
そもそもワークライフバランスとは?
ワークライフバランスは現代社会において大きな課題であるとともに、ニュース記事やSNSなどでも関連する話題をよく見かけるようになりました。
このワークライフバランスという言葉は、働きながらも私生活を充実させて生産性を高めていくといった考え方で、「どちらもほどほどに」といったニュアンスで一般的には理解されています。
個人によって理想の仕事とプライベートのバランスの割合や価値観は異なるというのも特徴ではあります。
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仕事と生活の調和
内閣府ではそのワークライフバランスが実現した社会を下記のように「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章」として定義しています。
「国民一人ひとりがやりがいや充実感を感じながら働き、仕事上の責任を果たすとともに、家庭や地域生活などにおいても、子育て期、中高年期といった人生の各段階に応じて多様な生き方が選択・実現できる社会」
国民が柔軟に働き方の選択ができることと、国全体としても仕事の生産性向上を目指したものとなっております。
企業と従業員双方にメリット
先述の通り、一番期待されているメリットは私生活の充実による仕事の生産性向上です。
そして企業はより優良なイメージを保ち、新しい人材の確保や優良人材の流出を防ぐといったメリットを享受する事ができます。
ただし企業側がいくら「勤務時間や働き方の多様性」「福利厚生の充実」といった施策を講じたとしても、それは手段であって目的ではありません。
本来の目的は「従業員が働き方を選べて、結果プライベートが充実し生産性向上につながる」という事です。
これは従業員側も企業が目的を見失った施策を行っていないか考慮すべきでしょう。
他にも企業には優秀な人材の確保や定着、特に女性の雇用には大きな影響を与えるとされています。
厚生労働省の調査によると、女性の離職理由の第1位「個人的理由」には「妊娠・出産」が含まれており、これは全体の11.5%という割合です。(参考:厚生労働省「離職理由別離職の状況」)
ライフステージの変化に応じた働き方ができる環境は、女性従業員の定着において非常に重要なポイントです。
ワークライフバランスの充実
ワークライフバランスは個人によって基準が異なります。重要なのは充実していると感じられているかどうかです。
転職希望者に対して支援を行っている弊社では、プライベートを充実させるために「残業時間を改善したい」、「働き方を改善したい」という方の転職支援を実際に行っています。
そこで今回は、弊社にご来社いただいた20代~40代の方を対象に、面談後ワークライフバランスの実態についてアンケート調査を実施しました。
アンケート調査
概要
【アンケートの概要】
期間:2021年8月2日~2021年8月31日
調査対象:弊社にご来社いただいた20代~40代の転職希望者様
調査方法:面談前にアンケート調査を実施
対象人数:422名(未回答を取り除いた有効回答のみカウント)
調査内容:下記3つについてアンケートを取りました。
1.直近でお勤めの企業のワークライフバランスはいかがですか?
2.平日にプライベートの時間を取れていますか?
3.どうすればワークライフバランスがよりよくなると思いますか?※複数選択可
お勤め企業のワークライフバランスはいかがですか?
結果としては「なんとも言えない」と回答している方が僅差で最も多く、「良い」と回答している方が次いで多くなっています。
「悪い」と回答している方は全体の2割ほどで、自身の現職企業のワークライフバランスについて「悪い」とまで感じている人は全体で見ると多くはないということがわかりました。
「なんとも言えない」と回答している方が多いことからは、「悪い」とまではいかないものの改善の余地や理想の働き方が個々人にあるとも考えられます。
「悪い」と回答している方の残業時間
月間の残業時間が20時間以上という方が81%となっており、1日に平均すると1時間以上残業している方が殆どとなっています。
中には残業時間が100時間を超えるとの回答もありましたが、過度な残業時間に関しては働き方を見直す必要があるでしょう。
また、ワークライフバランスに関して「悪い」と回答した方の中で、月間残業時間が20時間~40時間の方が最も多かったことから、この残業時間がワークライフバランスが悪いと感じるか感じないかのひとつの境界線とであるとも考えられます。
平日にプライベートの時間をとれている方は多い?
全体では
もっとも多い回答は「まあまあ取れている」という回答でした。約40%の方がそのように回答しており、23%の方が「十分に取れている」と回答をしていました。
むしろ、全く取れていないという回答に関しては10%であり、「まあまあ取れている」と「十分に取れている」と回答している方を合わせると全体の60%以上が平日にプライベートの時間を取れているということになります。
年齢別では
さらに年代別で見てみると上記のような結果になります。
もっとも平日にプライベートの時間を取れている(「十分に取れている」と「まあまあ取れている」を足した値)という回答の割合は30代が最も多く20代、40代と10%以上も差があります。
30代はキャリアが安定している方が多い傾向にあるのではないかとも考えられます。
若手である20代はキャリア形成をし始める段階であることや、40代は責任を負う立場になることが多い傾向にあります。30代ではそういったことがないということでは決してありませんが、傾向としてはそのようなことが考えられます。
仕事へのやりがいとワークライフバランス
より良いワークライフバランスを実現するためには
「どうすればワークライフバランスがよりよくなると思いますか?」(複数選択可)という質問に対して、最も多い回答は「仕事にやりがいを感じられる」でした。
このことから、働き方や福利厚生などの制度の改善というよりも、仕事に対してのモチベーションを向上させるということが最もワークライフバランスをより良くすると考えられます。
ただ、次いで多い回答は「働き方が柔軟」、「働く時間や日数が適正」となっていますので、制度の部分が整っていることもワークライフバランスを充実させる上では重要であると考えられます。
自己分析からキャリアプラン作成まで
役立つワークシート
こんな方におすすめ
- キャリアプランを見つけたい
- キャリアの方向性を再確認して仕事のモチベーションを上げたい
- 能力や興味に合った新しいキャリアの方向性を見つけたい
ワークライフバランスを改善する制度
スーパーフレックス
スーパーフレックス制度は、通常のフレックス制度よりも更に自由度の高い働き方が可能になる制度です。
通常のフレックス制度と大きく違う点としてはコアタイム(1日のうちで必ず就業しなければならない時間)の有無であり、コアタイムが無いスーパーフレックス制度は月間総労働時間さえ満たせば出退勤時間を自由に設定することができます。
労働者自身の都合で勤務時間を柔軟に設定できることから、プライベートのバランスが取りやすくなります。
時短勤務
時短勤務は、1日の勤務時間を通常よりも短縮した働き方です。
子育てや介護などにも対応できる制度ということで、プライベートで固定の時間を確保しつつ、正社員としても働きたいという方にとって適した制度です。
週休3日制
週における休みは多くの企業が2日ですが、そこにさらに1日追加して週休3日とする働き方に近年注目が集まっています。
成功した企業もあれば、上手く行っていない企業もあるため、現段階では一概に良いとは言えません。
1日休みが増えることからその分日々の業務でもメリハリのついた時間管理の意識づけや、企業の生産性の向上が必然となります。
ワークライフバランスを向上させるにあたって、生産性の向上は重要です。そのうえで休日が1日増えれば、ワークライフバランスは大きく改善されます。
ワークライフマネジメントとの違い
ワークライフバランスと似た言葉で「ワークライフインテグレーション」という言葉がありますが、これも意味はほぼ同じで公私共に向上させる事を目的とした考え方です。
一方で「ワークライフバランスはもう古い」とも言われており、仕事と生活の両方をマネジメントしてどちらも成功を収めるといった考え方もでてきています。
この「ワークライフマネジメント」という考え方は、ワークライフバランスと比較するとより積極的かつ自発的です。
マネジメントという言葉通り、自らを分析し、適宜変化を加え人生をより豊かにしていこうとするスタイルで、実は働き方改革の一環として取り入れる企業も増えています。
広まった背景
もともとワークライフバランスという言葉には、「仕事と生活の調和(ワークライフバランス)憲章」にもあるように「私生活や個人の自己実現にも力を注ごう」といった意味合いがありました。
しかし冒頭でもお伝えしたように、日本ではすでに「ほどほどに」という風潮が強くなりつつあるのです。
これでは「どちらにも力を入れる」といった本来の意味合いからかけ離れてしまいます。
さらに個人による自発的な考え方であったはずの言葉が、いつしか企業がいって当然といった認識が広まっている状況です。
現に勤務時間が短い、働き方を選べる企業が当たり前で、勤務時間が長ければブラックと言われる風潮が根付き始めています。
こういった状況を改善するべく株式会社ベネッセコーポレーションが用いた言葉が「ワークライフマネジメント」で、これは多くの企業に受け入れられるようになって来ました。
ワークライフバランスとの比較
先述の通り、従業員側が主体となる考え方がワークライフマネジメントです。
勤務時間の管理を企業に任せるのではなく自ら考える事によって、短時間で集中的に仕事を終わらせたいという意識が働き、より生産性が上がるとされています。
これは企業・従業員どちらにとってもメリットと言えるでしょう。
また、ワークライフバランス、ワークライフマネジメントどちらにおいても私生活の充実や意欲の向上は期待できます。
しかし主体的に行動を変える事によって得られる満足感の差や、結果として現れる心の安定や仕事における成功といった意味合いでは違いが生じると言えそうです。
ワークライフバランスの充実に必要なもの
ワークライフバランスに関して、問題視している方は決して多くなかったということが今回のアンケート結果からわかりました。
ワークライフバランスの充実という面で見ると、「仕事へのやりがい」というモチベーションの向上が必要な要素であり、その上で「制度や福利厚生を整えて柔軟な働き方を実現すること」が重要であると考えられます。
ワークライフバランスの充実に対して、各企業が制度を整えることで叶えられる部分もあります。
しかし、労働者個人が適切なキャリアプランを考え、そのために動くことで実現できる「仕事へのやりがい」の部分も実現していく必要があります。
もしキャリアに悩んでいる方は是非転職エージェントにご相談ください。最適なキャリアプランのご提案をいたします。
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