自前主義を貫き、走りながら考える「2032年に3000店舗、売上高3兆円の達成」をリードする、ニトリデジタルベースの仕事観とは
「住まいの豊かさを世界の人々に提供する。」をロマン(志)に、商品の企画から、製造・物流・小売までを自社でコントロールする独自のビジネスモデルをもつ「株式会社ニトリホールディングス」。
実は、ITについても”自前主義”を貫き、25年以上前から長年にわたりフルスクラッチでシステム開発を行っています。今回は、2022年に新設された「株式会社ニトリデジタルベース」のS.F様、M.N様に、チームのミッション、現場のリアルな話、仕事を通して感じるニトリらしさについて語っていただきました。是非ご覧ください。
目次
【株式会社ニトリデジタルベース インタビュイー】
S.F様/組織戦略・教育改革チーム シニアマネジャー
2008年、ニトリに入社。
店舗販売システムの刷新やEC刷新をPMとして牽引。
現在は組織・教育・文化づくりに従事。
【株式会社ニトリデジタルベース インタビュイー】
M.N様/商品供給システムチーム
2010年、ニトリに社内SEとして入社。
会計/CRM/SCM系業務案件の開発に携わった後、店舗運営や商品部などの実務も経験。
産休・育休を取得し、現在はSCM刷新PJに参画中。
ニトリのロマン(志)とビジョンを牽引する、”IT開発の基地”こと「ニトリデジタルベース」とは
―「ニトリデジタルベース」はどのようなミッションのもと、業務を推進されていますか?
S.Fさん:まず、「ニトリデジタルベース」についての説明ですが、2022年4月に設立された、ニトリのIT人材を集約する拠点であり、ニトリ全体のIT・デジタル分野を担う組織です。
ニトリには「住まいの豊かさを世界の人々に提供する。」というロマンがあり、ロマンを実現するためのビジョンが「2032年に3000店舗、売上高3兆円の達成」という長期目標です。
この目標の実現に向けたIT・DXの更なる推進がニトリデジタルベースのミッションであり、中長期的な課題としては、お客様が楽しく買い物ができるような顧客体験の充実や、屋台骨を支えるバリューチェーンの仕組みづくり、急速な海外展開やビジネス領域の変化・拡大に合わせたスピード感のあるシステム構築・改修などが挙げられます。
―ニトリのロマンを背負う、貴社「ニトリデジタルベース」の業務内容について教えてください。
S.Fさん:リテールやロジスティクス、SCM、デジタルコマースなど各領域のシステムを、チーム毎に企画から開発・運用まで幅広く担っています。
また、システム開発だけでなく、インフラ基盤やセキュリティ、データサイエンスなどを担うチームもあり、システム領域の幅広さとITエンジニアの層の厚さが特徴です。
案件の大小はありますが、1日平均7.5件のリリースというスピード感も自社開発ならではだと思います。
先に挙げた中長期的な課題である、顧客体験の充実の一例として、グループ全体のECサイト・モバイルアプリ刷新があります。
これまでニトリは36期連続で増収増益を達成してきましたが、適切な品質の商品を安くお客様に提供し続けてきた結果として、売り上げを伸ばすことには成功してきた一方で、プロモーションやマーケティングの観点が手薄になっていたことも確かです。
そのため、プロモーションやマーケティングを強化すべく、パーソナライゼーション等データの一元管理も含めた共通基盤づくりが、ニトリデジタルベースとして現在取り組んでいる課題のひとつです。
例として、プロモーションツールとしてモバイルアプリに注力しており、内製化を進めるためにこれまで募集していなかったモバイルアプリエンジニアやUI/UXデザイナーなども含め採用を強化しています。
ニトリは毎日利用するようなお店ではありませんが、アプリなら24時間接点が持てますし、現在1700万人ほどのお客様にご利用いただいており、会員数は増加中です。
―「ニトリデジタルベース」の現在のフェーズと、今後叶えていきたいことについて教えてください。
S.Fさん:1996年頃から4名体制で始まったニトリのIT組織ですが、現在は「2032年に3000店舗、売上高3兆円の達成」という大きな目標のためにも、組織拡大をより推進しています。
具体的には、現在400名超のIT組織を、2025年までに700名、2032年までに1000名体制にしたいと計画しています。
紙で管理していたものをシステム化するといったフェーズから始まったニトリのデジタライゼーションですが、組織が大きくなるにつれ、協力会社との連携が強化されるようになりました。
それによって分散されたスキルや知識、ノウハウを自社に再度集約したいと考え、そのためにも社員を増やそうと考えています。
デジタライゼーションの推進と組織の拡大が目下の課題であるといえます。
事業に精通した人材とIT技術で”ニトリの強み”を支えていく組織
―顧客体験の最適化、バリューチェーンの効率化などを推進する「ニトリデジタルベース」が大切にしている仕事観について教えてください。
M.Nさん:私はお客様と直に接する実店舗、商品の企画から供給のコントロールまでを担う商品部、IT部門である情報システム改革室と、3つの部署を経験しました。
店舗で勤務していたころはフロアマネジャーとして、商品の配置で売り上げが左右することや、現場目線での作業効率化の視点を学びましたが、それだけでなく「どうしたらニトリ全体でも売り上げを伸ばし、且つお客様に喜んでいただけるか」という考え方が身に付きました。
そしてビジネス部門も経験したからこそ、ニトリデジタルベースでは社員とお客様のどちらもユーザーと捉え、双方が納得いく要件でシステムを作り上げるという考え方につながったのだと思っています。
S.Fさん:配転文化を通して”現場主義”を重んじるニトリでは、店舗とビジネスそれぞれがお互いを理解し合う考え方が根付いています。
個別の最適解を目指すのではなく、全体像を捉えた上で全体最適としての解決策を考えることが大切にされていると思います。
―ニトリデジタルベースならではの雰囲気や考え方など、 ”ニトリらしさ”を感じるときはありますか。
S.Fさん:「走りながら考える」という前向きなマインドを全員が持っているところがニトリの文化だなと感じます。
課題解決の手段やビジネスを成長させるための道具としてITを位置づけ、業務変更とバランスをとって適宜対応している方が多い印象です。
M.Nさん:全社を通し、変化と挑戦をとても大切にしています。
現状否定の文化が浸透していて、今がベストだと思わず改善を続けるのが当たり前だという考え方がニトリらしさだと思います。
ひとつの組織にいながら経験領域を広げることができ、キャリアの幅が広がるような環境なので、楽しく飽きなく続けられる点もニトリデジタルベースならではの特徴です。
―”自前主義”を貫いて成長するために、日々求められていると感じることはありますか。
S.Fさん:「変化と挑戦」を追及することを前提として、最新のスキルを常に身につけていること、全体最適を考えることが求められていると感じます。
「お客様第一優先」がひいてはニトリの最適化につながると考え、日々学習しています。
M.Nさん:ニトリでは何かをしたいと思った時に、「できる・できない」ではなく「やるためにどうするか」という考え方を大事にする人が多いです。
課題解決には、新しいスキルや知識の習得、情報収集、ITがどのように活用できるか、そしてバックグラウンドにも目を向ける多角的な考え方が求められていると思っています。
個人ではなく”オールニトリ”で達成感を得られる「ニトリデジタルベース」の魅力
―お二人が感じている、「ニトリデジタルベース」でシステム開発に携わる魅力を教えてください。
M.Nさん:お客様の声を聞くことができる、近くに感じることができるという点に魅力を感じています。
お客様から嬉しいご意見を直接伺えるため、「何のためにこの仕事をやっているのか」という点が実感しやすいです。
これは前職のSIerではなかなか感じることのできなかった経験だと思います。
そして、ユーザー部門と一体となり「オールニトリ」として達成感を感じられることも大きな魅力です。
S.Fさん:部署という概念に固執しておらず、他部署との距離が近いこと、メンバー同士の距離感も近くフラットな環境であるところが弊社の大きな特徴でもあります。
実際に、オフィスもフリーアドレスのため、お互いの意見を言い合いやすく、仕事を通して自分の介在価値を感じやすい点も魅力だと思います。
―ニトリデジタルベースのいち技術者として、ステップアップしていると感じるときはどのような時ですか?
S.Fさん:私は2つあると思っています。
1つは、会社全体の方針を決めるような意思決定の場で、上層部と意見を交わすことができた時です。
経営に一番近いところにいる人たちと、直接会社の方針を決めるような打ち合わせに出て、「できる・できない、こうすればできる」など会社の意思決定に関わるようなところで話ができる点は、大変ですがおもしろいなと感じるところです。
そしてもう1つは、社内でこれまでになかった規模のプロジェクトを取りまとめる役割を果たした時です。
協調性を保ったまま動くことは大変ですが、全体を任される立ち位置がおもしろいと感じられる時にステップアップを実感できました。
M.Nさん:私はビジネス部門を経験したことで考え方の幅が広がり、業務のつながりを感じることができた時です。
ひとつの会社内で、幅広い業務に携わりながら知識や情報を増やすことでいろいろなキャリアが描けるのは、内製化を進めてきたニトリならではの魅力だと思います。
―「ニトリデジタルベース」で活躍し、輝いている方はどのような方ですか。
S.Fさん:人々の暮らしが好きで、暮らしの豊かさの障壁になる問題点を各部署と連携して見つけ、解決していく、好奇心や行動力があるような方です。
まさしくM.Nさんのような方だと思います。
M.Nさん:ニトリデジタルベースは、何かしたいと手を挙げた時に否定されない環境なので、「実現するためにどうするか」を前向きに考えている方が多いと感じます。
実現のために、周りを巻き込んで行動できる人が活躍している印象があります。
最後に、貴社「ニトリデジタルベース」にご興味をお持ちの方へのメッセージをお願いします。
S.Fさん:「2032年に3000店舗、売上高3兆円」の達成に向けて、ニトリにとってITは欠かせない存在です。仲間になってくれる方が増えて更に強いIT組織になっていけたらいいなと思っています。
顧客体験の充実のためのEコマース領域の強化や、バリューチェーンの仕組みづくり、急速なグローバル展開やビジネス領域の変化・拡大に合わせたシステム開発など、様々な案件で採用を強化しています。ニトリの成長とともにエンジニアとしての成長を実感いただける環境がニトリデジタルベースにはあります。
M.Nさん:ニトリの真髄であり楽しいところは商品供給、サプライチェーンです。
業務のつながりを実感できますし、ニトリの商品やサービスをこれから世界単位で最適化するフェーズにあるなかで、私が所属する商品供給システムチームは、適切な時期に適切な数量の商品が迅速かつ効率的に供給されるようなる、そんなシステムを構築することに挑戦しています。
1人ではやりきれないこともたくさんありますが、働く方が増えるにつれ、できることも何倍にも増えます。
難しい課題を解決することにやりがいを感じたい方、自分の中でやりたい事を持っている方にとっては楽しい環境だと思います。
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