求人票の見方のポイント7つ!転職を成功させるために必ず見るべき項目一覧
就職活動や転職活動において、企業への応募のひとつの基準となるのが求人票です。ハローワークや転職サイトによっても仕様は多少異なりますが、見るべきポイントは同じです。求人票の見方を知ることで、効率的な活動を行うことも可能なのです。そこで今回は、求人票の正しい見方を確認しながら、見るべきポイントを解説します。
目次
求人票とは
求人票とは、企業が人材確保のために公表する書類のことです。求人票には、職業安定法に定めてある労働条件を表記し、求職者に向けて開示します。
求人票に定められる記載要項は次の通りです。
- 労働者が従事すべき業務の内容に関する事項
- 労働契約の期間に関する事項
- 就業の場所に関する事項
- 始業、終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間および休日に関する事項
- 賃金の額に関する事項
- 健康保険、厚生年金、労働者災害補償保険及び雇用保険の適用に関する事項
(引用:厚生労働省『労働者募集の原則』)
求人募集を行う企業には、これらを全て開示する義務があります。
求職者は記載事項を元に、自身が求める条件を選別し企業への応募を行うことで、企業と求職者をマッチングする仕組みです。
インターネットが普及した現代でも、仕組みの根本に変更はありません。
求人票の正しい見方
求人票に記載されている内容の見方を確認しておきましょう。ここでは、求職活動における代表としてハローワークの求人票を例とします。
▼受付年月日・紹介期限日
求人事業者が求人申し込みをした日が記載されています。紹介期限に達していなくても、採用が確定した段階で求人は終了となります。
▼就業場所
実際に勤務する場所です。原則、最初の勤務地となります。求人事業者の所在地とは異なる場合もあります。
▼職種
応募職種が記載されています。「一般(フルタイム)」などの記載が多いようです。
▼仕事内容
具体的な仕事内容が記載されています。
▼雇用形態
雇用形態には「正社員」「正社員以外(契約社員、嘱託社員等)」「登録型派遣労働者」「常用派遣労働者」のどれかが記載されています。
▼雇用期間
日々雇用されるか、又は1ヶ月未満の雇用期間が記載されます。契約期間が無期か有期か不明な場合は面接で確認しましょう。
▼必要な経験等 必要な免許資格
求人事業者が重視する経験や資格が記載されます。
▼年齢
年齢制限は原則禁止されていますので、求人事業社が求める目安が記載されています。
▼賃金
基本給(税込)や手当が記載されています。賃金についてはこの後詳しく解説しています。
▼賃金形態
時給や月給(月給制や日給月給制)を確認できます。
▼賞与
記載事項は保証条件ではなく、前年度の実績に関する記載です。
▼就業時間
1日あたりの就業時間が記載されます。
▼休日等
求人事業者の就業規則に則った条件が記載されます。
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求人票で見るべきポイント7つ
求人票には多数の条件や規則が記載してありますが、その中でも特に見るべきポイントをチェックしておきましょう。
- 賃金
- 仕事内容
- 勤務地
- 保険
- 勤務時間
- 休日
- 募集背景
賃金
働く目的は様々ですが、雇用される上で重要な項目のひとつが給与です。
求人票の賃金項目に記載されている金額は、通常は額面(総支給額)であり、手取りではないことに注意しましょう。
実際に受け取るいわゆる手取りは、記載されている金額から所得税などの税金や保険料(健康保険料、厚生年金保険料など)、また企業によっては組合費などが差し引かれた金額になります。
おおよその手取り計算であれば、額面の20%が差し引かれることを想定しておきましょう。
また額面には残業代が含まれている場合もありますので、確認が必要です。
交通費は上限が設定されていることもありますので、注意してください。
給与形態の種類
給与形態は固定給、基本給、年俸制、日給制、月給制、完全出来高制と完全歩合制などさまざまです。
各種手当が含まれる固定給、含まれない基本給や、月給制なら賞与によって変動する、年俸制であっても1月ごとに支払われるといったそれぞれの給与形態の特徴を確認しておく必要があります。
そのうえで不明な点はかならず企業に確認するようにしましょう。
仕事内容
応募するにあたって、仕事内容もしっかりと確認することが大切です。
仕事内容については、求人事業者が記載できる内容にも限りがあり、その枠はA4用紙を縦割りにして8行(ハローワークの求人申込書)です。
ですので、詳細を細かく記載することが物理的に困難な場合もありますので、大まかな仕事内容としてとらえなければなりません。
詳しく確認したい場合は、求人を掲載しているハローワークや転職サイトに問い合わせることで、詳細確認を代行してもらうことも可能です。
勤務地
毎日通勤することになりますので、勤務地も重要です。あまりに離れている場所であれば、応募をしても採用されにくいことが考えられますので、しっかりとチェックしておきましょう。
求人事業者の拠点とは異なる場所を記載してある場合がありますが、この場合は出向先であることが想定されます。
保険
雇用される側にとって必ずチェックしておきたいのが保険関連です。従業員を雇用する場合に義務付けられている保険は次の2点のみです。
・雇用保険
・労災保険
その他「健康保険」や「厚生年金保険」は義務が企業によって異なりますので、必ず確認しておきましょう。
また、法人企業に入社する場合は短期雇用契約を除き「社会保険」の加入対象となりますので、こちらもチェックしましょう。
※実労働時間や日数によって違いがあります。
勤務時間
勤務時間も確実にチェックしておく必要があります。フレックスタイムなどを導入している企業も増えていますので、その内容を把握しておきましょう。
フレックスタイムとは、始業時間と就業時間を個人が自由にえらべる制度です。ただし、昼でも夜でも適当に働けるという意味ではありません。
企業によって設けられる“コアタイム”が存在します。コアタイムとは、「必ず勤務しなければならない時間帯」です。
例えばコアタイムが11時〜15時であれば、この時間帯は必ず勤務をしなければなりません。
始業時間や就業時間の調整は、コアタイムである11時〜15時を避けた時間帯を選択する必要があるのです。
休日
休日の記載もしっかりと理解する必要があります。よく勘違いしてしまうのが「完全週休2日制」と「週休2日制」です。
この2つの違いは以下の通りです。
・完全週休2日制:毎週必ず2日の休日がある
・週休2日制:1ヶ月の中で、最低1週は2日間の休日がある
これらを勘違いして就職してしまうと、求人の不一致となってしまいますので、応募をする前にしっかりと確認しましょう。
募集背景
募集背景には、企業の方向性や理念が反映されています。
自身の志望動機や転職軸が合っているかどうか、求人票から情報を得ることでミスマッチの防止にもつながるため、注意しておきたいポイントです。
例えば「新規事業」を募集背景としている場合、その企業にとっての新規事業なのか、それともまだ世の中にないまったく新しい事業なのかを見極める必要があります。
なぜならそれによって求められる人材の人物像と自身が合致しているか、スキルを保有しているかが変わってくるからです。
しっかりとこれらのポイントをおさえて求人票を見ることで、入社後のズレをなくしましょう。
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求人票から読み取れること
求人票には大まかな情報しか書かれていないので、いわば目次と認識したほうが良いでしょう。
求人票から読み取れることは以下の就業条件です。
- 給与の総支給額と手当
- 大まかな仕事内容
- 雇用形態
- 必要な経験や資格
- “想定されている”勤務地
- 休日の扱いや大まかな働き方(フレックスタイム制など)
- 加入できる最低限の保険
もちろん、これらを把握することで十分だと思う人もいるかもしれませんが、実際に就職してみると想定していた条件と違ったということも珍しくないのです。
例えば、求人票には書ききれなかった仕事内容、勤務地の変更、フレックスタイム制の利用率など様々です。
ですので、求人票で分からない部分は応募前にハローワークや転職サイトに問い合わせをしてもらい、それでも疑問が残る場合には、質問事項をしっかりとメモしておき、面接時などに直接聞くことが大切です。
注意するポイント
①「年齢不問」と記載されていることもある
求人事業者が人材を募集する場合にはいくつかのルールがあります。
その一つが求人募集において「年齢制限は原則禁止」ということです。若い人材を募集している企業も、限定された年齢を書くことができないのです。
ですので、若い人材が欲しい企業は「年齢不問」と記載するケースがあります。
②仕事内容で採用されやすい性別も分かる
求人事業者が人材を募集する際には、性別指定をすることができません。これは法令で禁止されているからです。
しかし、仕事内容を確認することで、女性を採用したいのか、あるいは男性を採用したいのかを想定できる場合があります。
女性の多い職場だとアピールされていても、仕事内容に「運搬作業」などのいわゆる力仕事が記載されている場合は、男性の人材を求めている可能性があるということですね。
③インターネットでも確認する
求人票に記載されている項目では、極端な話でいうと募集内容しかわかりません。ですので、気になる案件がある場合には、インターネットも活用して企業情報を集めましょう。
とは言っても、インターネットを活用することは企業研究の一環ですので、みんなが行なっていることでもあります。
インターネットには、企業のホームページをはじめとして、様々な評価や噂も確認することができます。
それらを総合した評価サイトなどもありますので、実際の会社の雰囲気や仕事内容に対する対価が満足いくものであるかの参考になります。
④職種の呼称や仕事内容は企業によって違う
求人票の表記が希望する職種と異なるからと言って、自分がやりたい仕事ではないと判断するのは注意が必要です。例えば「営業事務」と「営業アシスタント」のように、企業によって呼称が異なる職種は案外多いものです。
一方で、同じ職種であっても業務範囲が企業ごとに異なる場合もあります。
職種名だけでなく、仕事内容にはしっかりと目を通すようにしましょう。
採用意欲が高い企業の特徴は?
「急募」と記載がある求人案件の場合、採用ニーズが高く、スピード感を重視する傾向にあります。
選考スピードに対応できると、選考通過率を高める可能性があるのです。
この時、採用側の求める条件を把握し的確にアピールすることがポイントになります。
これまでの業務内容との共通点が多い、そのまま活かせるスキルがある、求められる役割で提示できる実績があるなど、確実に魅力だと感じてもらえる長所を集めて伝えることが大事です。
ただし、スピード感を重視するあまり企業研究を怠るとその魅力が伝わりません。
求人票を見ながら職務経歴書を手直ししましょう。
コツは求人票に記載されている表現やキーワードを使うことです。
採用担当者の本音
求人票には、企業や採用担当者の本音が隠れていることがあります。
注目するのは繰り返し使われているキーワードです。
例えば「即戦力」という言葉が複数回使われているようであれば、より業界を熟知した人、マネジメント経験が豊富な人を求めていると考えられます。
企業が求める人物像にマッチしていると示すことで、より魅力的な人物だと感じてもらえる可能性があるのです。
他にも「人物重視」であればポータブルスキルを、「研修制度充実」とあれば挑戦したいという熱意を、事業内容やビジョンを押しているようであれば、求職者自身の将来性や描くキャリアパスとマッチした人物を求めていると考えられます。
このように掘り下げて面接対策に活かすと良いでしょう。
転職エージェントに相談し、理想の求人を紹介してもらおう
- 企業が人材確保のために公表する書類
- 求人票から読み取れるポイントを把握して読む
- 求人票以外からもしっかり調査して応募する
求人票には様々な情報が記載されていますが、ただ読むだけでは表面上の数字や決め事しか分かりません。求人票を書いた企業がどのような目的で“そのような記載”にしているのかを読み解くことも大切です。
また、応募前に分からないことを事前に確認する手段もありますので、それらを十分に活用して活動を行いましょう。
転職エージェントを活用すれば、求人の紹介と併せて求人票を見て感じた疑問や不安をその場で解決することができ、より効率的に希望の求人を発見し応募する企業を選定することができます。
一人で読み解こうとせず、企業との直接のリレーションがあるからこそ得られる情報を入手して、希望のキャリアを手繰り寄せてみてはいかがでしょうか?
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