フリーアドレスオフィスとは!メリットデメリットや、業種による向き不向きを徹底解説!
一日中同じ場所にとどまって仕事を続けることを苦痛だと感じる人もいますし、部署以外の社員とも交流をしたいという人もいるでしょう。社内で仕事をする上である程度の自由が欲しいという人に最適な環境がフリーアドレスオフィスです。今回は、フリーアドレスオフィスとはそもそも何なのか、メリットやデメリットを交えながら徹底解説します!
目次
フリーアドレスオフィスとは
近年登場した新しいオフィスの在り方
フリーアドレスオフィスとは社員個人の定められたデスクは無く、誰もがオフィス内の好きな場所で仕事をするスタイルです。
従来のオフィスには個人個人のデスクが並べられ、更には部署ごとの島に分けられているといったスタイルでした。近年流行り始めたフリーアドレスオフィスでは、個人の”決められた場所“という概念が取り払われ、各自がオフィス内の好きな場所で作業ができるつくりになっています。
例えば、オフィスの真ん中には大きなテーブルが置かれ、窓際にはカフェスタイルのテーブル、ソファーなどが置かれたスペースや畳のスペースをもつなど、各々が仕事のスタイルを選べる環境が提供されているのです。
フリーアドレスオフィスでは部署やチームが分かれて配置されるといった概念は無く、あらゆる社員が自由に作業を行なっています。一つの場所に複数の部署の社員が意見を交換しながら作業をしていたり、集中したい場合には誰もいない場所で一人黙々と作業に没頭することができるのです。
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フリーアドレスのメリット
他部署の人と刺激し合う
フリーアドレスオフィスのメリットには、さまざまな部署の社員と顔を合わせることができるという特徴があります。
従来のオフィスでは、部署ごとに配置されたデスクから動かずに仕事をするため、他部署の社員と接する機会はほとんどありませんでした。
しかし、フリーアドレスでは全ての社員が自由に好きな場所で仕事をするため、隣にいる人が別の部署であることは珍しくありません。隣り合わせて座った二人が全く違うプロジェクトに携わっている可能性もあるのです。
普段、同じ部署で同じプロジェクトの仲間同士でしかコミュニケーションを取ることができなかった環境よりも、違った部署やプロジェクトメンバーと接することで新たな発想や気づきを得るチャンスをもたらします。
場所を変えて気分もリフレッシュ
同じ会社の同じデスクで毎日を過ごすよりも、自分の好きな場所へ移動しながら作業をすることでマンネリ化しない工夫を取り入れられます。
一箇所にじっとしているよりも目に入る景色や光の角度が変わるだけで、リフレッシュする効果があります。集中が途切れたら別の場所に移動して作業を続けるというのも効率的な仕事を行う一つの方法です。
もちろん、人によって向き不向きがありますので、いつも決まった場所で仕事をしたい人もいます。ですが、そんな人にとってもフリーアドレスオフィスのつくりは開放感を感じることができるでしょう。
必要最小限の道具だけ
フリーアドレスオフィスでは、いつでもどこでも仕事ができる環境です。
無線LAN設備もありますし、電源の取り回しも完備しています。移動する場合に持ち歩くものは、基本的に必要最小限の仕事道具であるPCやメモ帳くらいです。資料のほどんどは電子データとして共有ファイルサーバーやPCの中に保存しています。
逆にいえば、紙ベースで多くの資料が必要な場合やさまざまな機器が必要な業務では、非常に使いにくいオフィス環境だと言えるでしょう。
省スペース化
企業のオフィスの広さは、従業員や設置する道具などによって決めます。その際にはデスクを人数分用意する必要があります。また、書類が多い業種であればそれに合わせた書棚なども必要になり、ある程度のスペースを”モノ“で埋めることになります。
しかしフリーアドレスオフィスでは、社員数分のデスクを用意する必要はありません。
企業の趣向によってテーブルやソファーを置くなど”みんなが共有できる“広さのスペースを用意します。デスクを敷き詰めるよりも空間を自由に使い、配置することができるため、うまく導線を置くことでオフィスの省スペース化も実現できるのです。
フリーアドレスオフィスのデメリット
集中力は本人次第
フリーアドレスオフィスでは、部署やプロジェクトチームが思い思いの場所で作業をしますので、自身のスタイルに合わせた移動も可能です。
しかし、自分一人だけが利用できる個室スペースはないため、必ず誰かが隣り合わせたり、視界に入ります。これにより集中力を失ってしまうという人もいるかもしれません。
本人の仕事のスタイルにもよりますが、周りが気になって集中できないというデメリットが懸念されます。
場所が自然と固定される
作業を行う場所が自由であっても、人は自然と同じ場所を選んでしまうものです。
例えば自宅でも、毎日過ごす自分の“位置“が決まっている人も多いのではないでしょうか。思い返せばいつもソファの左端にいるなど、自然と自分の位置を決めてしまっているのです。
いくらフリーアドレスオフィスとはいえ、同じ人がいつも同じ場所で作業をしていると、大体の配置が決まってしまうといったデメリットも潜んでいます。
部署単位などの管理がしにくい
フリーアドレスオフィスでの一番のデメリットは、チームや部署単位での管理が難しくなることです。
オフィス内ではチームや部署に関係なく、個々が自由に場所を選んで仕事をするため、一見誰がどこにいるのかを把握することは非常に困難です。フリーアドレスを導入している企業の中には、周知事項はチャットやメールを利用し、スケジュールは社内共通のサービスを導入しているところもあるでしょう。
しかし、部長やリーダーといったポジションの人が、従業員ひとりひとりの行動(体調の変化や何かを訴えたいそぶり)などを察知することは難しくなります。
従業員全ての人が自立した組織でなければ、意外なデメリットが見えてくるかもしれません。
フリーアドレスオフィスに向いている業種
フリーアドレスオフィスに向いている業種は、やはりITをメインに業務を進められる業種です。
主に以下のような条件を満たす業種であれば、フリーアドレスオフィスの導入が可能でしょう。
・書類はデータ化されていること
・コミュニケーションはチャットなどのリアルタイムで行えること
・情報共有は社内共通のサービスをりようしていること
・移動時の持ち物が少ないこと(PCのみで業務を進められるのが理想)
・基本的にはチームが集る必要のない業務であること
・極論を言えばリモート業務が可能であること
これらを満たす業種は、ほとんどの場合、ソフトウェア開発などを主としたIT企業になります。
また、書類のデータ管理や情報共有の仕組みをIT化している営業職などでもフリーアドレスオフィスを取り入れることは可能です。
フリーアドレスオフィスに不向きな業種
フリーアドレスオフィスに不向きな業種には、業務に利用する”モノ”が多いといった特徴や数人で行う物理的な作業をともなう業種です。
また、社内のIT化が進んでいない業種もフリーアドレス化は向いていません。
主に、以下のような条件がある場合にはフリーアドレスオフィスは向いていないと言えます。
・書類のほとんどを紙ベースで扱わなければならない
・物理的な”モノ“を数人で同時に扱う作業がある
・コミュニケーション手段や情報共有手段がIT化されていない
・部署やチームごとに強固なセキュリティを必要とする
全ての業務がオフィス内で完結する業種でも、上記の条件があるならばフリーアドレスオフィス化には向いていません。
特にセキュリティに関して、社内であっても共有できない情報を扱う部署はフリーアドレスオフィスにすべきではないのです。フリーアドレスはひとつのオフィスがオープンな環境です。オフィスの出入り口に強固なセキュリティを施しても、繋げる無線LANネットワークを分けたとしても、必ずセキュリティ上の穴ができてしまいます。
まとめ
フリーアドレスオフィスをもつ数々の企業に共通する印象としては、やはり開放感と明るさです。“明るさ”ひとつとっても「光量」と「雰囲気」の両方の明るさが際立ちます。
これらの要素は、業務を行う上でメリットも多く取り込めますが、その影でデメリットも存在します。
近年のIT企業ではフリーアドレス化はひとつのブームとなっていますが、これから転職をする際にフリーアドレスで働ける環境を目指す人も、企業としてフリーアドレスオフィスの構築を目指す場合も、メリットとデメリットをしっかりと把握しシミュレーションした上で環境を選ぶことが大切です。
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