「業種」と「職種」の違いって何?最適の転職先を見つけるために知っておくべきこととは!
「業種と職種って何が違うんだろう」「転職するときにはどちらが重要なんだろう」このように思う人も多いのではないでしょうか。転職活動をする上で、この業種と職種の違いを明確に区別しておくと、企業研究や業界研究もしやすくなります。そこで本記事では、「業種」と「職種」の違いについて例を見ながら再確認し、加えて「職業」と「業界」についても解説します。
目次
「業種」と「職種」の違い
「業種」と「職種」の違いを曖昧にしかイメージできない人も多いのではないでしょうか。
双方の違いについては、就職活動中やサービスへの登録時など、普段の生活でも限られたシーンでしか意識しないので忘れてしまっても無理はありません。
しかし、この2つの違いを明確に理解しておくことは、自分にあった最適な仕事を見つけるために重要です。
本記事では、「業種」と「職種」の違いについて解説します。
業種とは
業種とは、一般的な産業を分野別に区別した種類のことです。
代表的なものでは、「製造業」や「サービス業」といったものが挙げられます。
例えば、メーカーならば「製造業」、プログラマなら「情報通信業」といった具合です。
業種と職種が表す範囲の大小関係は次のようになります。
・業種 > 職種
業種は職種よりも大きな分類を表すということです。
基本的には総務省の「日本標準産業分類」で大分類としてA〜Tまでの20種類に分けられています。
また、大分類の中にも細かく中分類として99に分かれており、業種は非常に細かく分類されているのです。
中には「宗教」や「公務員」、「分類不農産業」も含まれていますので、転職時にこれら全てを把握する必要はありません。
もちろん、あらゆる業種に興味がある、またはチャレンジの場を広げたいということであれば、総務省の資料に一通り目を通しておくのも良いでしょう。
総務省:日本標準産業分類(平成25年10月改定)(平成26年4月1日施行)ー分類項目名
職種とは
業種が産業の大まかな分類であったのに対し、職種はあなたが就職先で行う業務の種類です。
例えば、営業であれば「営業職」、プログラマであれば「プログラマ」といった具合に表現されます。
前述したように、業種と職種が表す範囲は「業種>職種」であり、業種は産業としての大まかな分類、職種は産業の中であなたが担当する仕事内容に近いものだとイメージするとわかりやすいでしょう。
ただし、転職サイトやエージェントサービスによって表現が異なる場合もありますので、職種を探す場合には総務省の「日本標準産業分類」の中で小分類を参考にしてください。
必ずあなたの探す職種に当てはまるものがあるはずです。
総務省:日本標準産業分類(平成25年10月改定)(平成26年4月1日施行)ー分類項目名
「業種」と「職種」の例
業種と職種をもっと身近にイメージできるよう、ここではいくつかの例を紹介します。
「あなたの仕事はどのような業種ですか?」
「あなたの仕事はどのような職種ですか?」
このように質問されたときに備えて、あなたの業種や職種に当てはめてみてください。
業種を表現するときの例
【現職の業種を説明する場合】
例えば、あなたが「メーカーのプログラマ」として働いている場合です。
このとき、あなたの仕事はIT系ですが、あなたがいる業種は「製造業」に分類されます。
ですので、「あなたの仕事はどのような業種ですか?」という質問に対する答えは「製造業です」が正解です。
【転職先の希望業種を説明する場合】
あなたが転職先にインターネット事業をしている会社を希望した場合です。
ITサービスを提供する産業は「情報通信業」に分類されますので、転職先を絞り込む場合には「情報通信業」をターゲットにします。
ですので、「あなたが希望する業種はなんですか?」という質問には「情報通信業を希望します」が正解です。
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職種を表現するときの例
【現職の職種を説明する場合】
上記と同じ例えですが、あなたが「メーカーのプログラマ」として働いていることをイメージしてください。
このとき、あなたは「製造業」という業種の「プログラマ」という職種に当てはまります。
ですので、「あなたの職種はなんですか?」という質問に対する答えは「プログラマです」が正解です。
【希望する職種を説明する場合】
次に、あなたが転職先で営業がしたい場合をイメージしてください。
このとき、「あなたの希望する職種はなんですか?」の質問に対する答えは「営業職です」が正解です。
メーカーなどの「製造業」でもインターネット事業を行う「情報通信業」でも、営業職はあります。
つまり、営業職という職種を希望する場合、転職先に求める業種について選択肢が広がるということです。
転職先を見つけるときにはどちらを基準に考えるのか
ここまでで、業種と職種の区別が理解できたのではないでしょうか。
それでは、転職先を見つけるときには、業種と職種のどちらを順に考えれば良いのでしょう。
結論としては、どちらから先に決めても構いません。
あえていうならば、世の中に特定のサービスを提供したいなら業種を、特定のスキルを身に付けたいならば職種を基準にすると良いでしょう。
では、それぞれの視点から見ていきます。
業種から絞り込む場合
業種を基準に転職先を絞り込む場合は、メーカーならば「製造業」、IT企業なら「情報通信業」を選択することになります。
この場合あなたは、その企業でどのような仕事がしたいかではなく、働く企業がどのような産業を行っているかに焦点を当てているでしょう。
今後のキャリアパスを思い浮かべる中で、その業種に関わる業務のことを全体的に学んでおきたいという人は、業種から絞り込んで転職先を決定するのも一つの手段です。
さらなる転職を前提に、テレビCMを流す規模の会社、あるいは家電で有名な企業に勤め実績を得たいというのは、決して間違っていない選択です。
その場合は、その業種の中でどのような職種に就くことがあなたのキャリアパスのために最適なのかまで考えて転職活動を進めましょう。
職種から絞り込む場合
職種を基準に転職先を絞り込む場合は、営業職やプログラマといった実務を先に決めることになります。
営業職は多くの業種で就けるポジションですので、何をお客様に売りたいのかを基準に業種を絞っていきましょう。
また、プログラマに関しても、組み込み系やWebプログラミングの中から、あなたがどのプログラムに携わりたいのかを決めて、業種を決定しましょう。
職種を先に決めた場合には、業種の選択肢は広がります。
プログラマならば、情報通信業でも製造業でもそのポジションがあるからです。
特定の技術を身に付け、専門的な技術を持つ人材となりたいならば、職種を明確に絞っていくことをおすすめします。
「職業」と「業界」という言葉も区別して覚えよう
就職活動をしていると、業種や職種といった用語の他にも「職業」や「業界」といった言葉がでてきます。
言葉を混同してわからなくなってしまう人もいるのではないでしょうか。
ここで、「職業」と「業界」の意味も合わせて覚えておきましょう。
職業とは
職業とは、生活をするための仕事を表現するものです。
三省堂国語辞典では、以下のように解説されています。
それで暮らしをたてて行くための仕事。職。
引用元:三省堂国語辞典 七
例えば「会社員」や「自営業」、「公務員」や「主婦」のように表現します。
賃貸契約などを含めた契約書に記載することが多いのではないでしょうか。
つまり、あなたが日々の生活をどのように送っているかを表すのが「職業」ということです。
就職活動では、職業という用語はなかなか使わないので、上記の例を覚えておけば良いでしょう。
業界とは
業界とは、同種の仕事を大きな枠で表現する用語です。
三省堂国語辞典では、以下のように解説されています。
同じ種類の事業をしている人々の会社。
引用元:三省堂国語辞典 七
例えば、テレビに出演する音楽アーティストや笑いを提供するお笑い芸人は、ユーザーに届けるサービスに違いがありますよね。
しかし、芸をユーザーに提供しているという共通点があり、それは同類の事業を行っているという意味から、「芸能業界(芸能界)」という業界で表されます。
同じように、プログラマやITサービスを提供する人たちがいる事業は、IT業界と表現するのです。
このように、世の中に提供するサービスに共通点がある人たちが集まる事業を、大きな範囲を表すのが業界だと言えます。
ですので、あなたが転職してプログラマになりたい場合には、プログラマが活躍する情報通信業界(IT業界)を中心に業界研究を行います。
もちろん、ITに関わる業界を見渡す必要がありますので、職種にプログラマなどのIT技術が含まれる製造業界も研究する必要があるでしょう。
現職・前職の職種経験を生かして転職面接に挑むと有利
転職先を見つけるときは、業種や職種または業界を意識することで選択肢が広がります。
また、現職や前職で経験した業種や職種を生かすことで、面接のときにもPRしやすいでしょう。
例えば、あなたがこれまで情報通信業という業種でプログラマという職種を経験していたとします。そして、転職先にはメーカーでのプログラマを希望する場合です。
このとき、転職の面接では「前職でもプログラマとしての実績がありますので、異業種ではありますが前職種を生かせます」といったPRが可能なのです。
転職先で業種を変えたとしても、経験職種を生かすことで転職は有利に進めることができるでしょう。
まとめ
業種と職種は、一見わかりにくく混同してしまいがちです。
しかし、その違いをはっきりと知ることで、転職活動でやるべき業界研究や企業研究の対象が明確になります。
また、業種・職種の経験は、転職面接でのアピールポイントになることを覚えておきましょう。
全ての業種や職種を記憶する必要はありません。
まずは、あなたが思い描く仕事が、どの業種のどの職種にあたるのかを知ることから始めれば、転職先も絞り込みやすくなりますし、適した転職先を見つけやすくなるでしょう。
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