離職率って何?計算方法やIT業界の平均について紹介します。
就職や転職で企業選びをする際に気になる離職率。安定した職場を求めている方であれば、できるだけ離職率の低い企業に入社したいと考えているのではないでしょうか。その一方「離職率の確認方法」や「離職率が低い業界」についてよく分からない方も多い思います。この記事では、離職率の意味や計算方法、業界別の離職率についてご紹介します。後悔しない就職・転職活動をするための参考になるかと思いますので、ぜひご一読ください。
目次
離職率とは?
離職率とはその名の通り、企業を離職する人材の割合を指します。
厚生労働省による用語の定義では、常用労働者数に対する離職者数の割合と記載してあります。
常用労働者とは、期間を定めずに雇われる者で、1ヶ月以上の期間を定めて雇われている労働者のことです。(参照:厚生労働省)
離職率が高い企業はブラック企業と揶揄されることが多く、従業員に適切な対応をしてない可能性が高いです。もちろん離職率だけで企業の判断はできませんが、離職率が高い企業というのはそれなりの理由があるのも事実です。
労働環境が劣悪であったり、適切な評価がされなかったり、パワハラやセクハラが横行していたりする可能性もあります。
会社に長く勤めあげるためにも、離職率は確認しておきたい項目なのです。
離職率の計算方法は?
離職率を計算する方法をご紹介します。
厚生労働省によると離職率は、1年間の離職者数を常用労働者で割った数字に100をかけて求めます。たとえば常用労働者が1,000人、1年間の離職者数を10人とすると離職率は10/1000×100=1%となります。
企業の離職率を計算する際に参考にしてください。
離職率の調べ方は?
ここでは、離職率の調べ方についてご紹介します。
調べ方をいくつかあるので、自分に適した方法で調べるようにしましょう。
企業の人に直接聞いてみる
企業の人に直接質問することで離職率を確認することができます。
企業の人は、離職率を調査し把握しているためです。面接での逆質問の時間であったり、担当の方に直接電話をして聞いたりして確認できます。
しかし、離職率についての質問は印象を下げるため、質問をしにくいと考える方もいるかと思います。
そのため、企業の人に直接聞く場合は内定後に確認することをおすすめします。
ハローワークの求人票を確認する
ハローワークの求人票で確認する方法もあります。
企業の人に直接聞かなくて良いので、心理的ハードルが低く調べることができる方法です。ハローワークの求人票には、企業に関しての情報が詰まっています。年収であったり、勤務形態であったり、福利厚生であったり、もちろん離職率の項目も記載があります。
離職率に関しては過去3年分の企業への応募者数や採用者数、離職者数が分かるので、計算して離職率を確認できます。
転職エージェントを介して確認する
転職を考えている方であれば、転職エージェントを介して確認することができます。
転職エージェントとは転職活動をサポートしてくれるエージェントのことで、あなたの経歴や希望の条件を伝えるとあなたに適した企業を見つけてくれます。
転職エージェントとコミュニケーションを取りながら、一緒に企業を見つけていくうような形式で転職活動を進められるので、気になる企業があればさりげなく離職率も聞いておきましょう。
企業の方に直接質問することに抵抗がある方は、転職エージェントを通して間接的に聞く方が楽ですよ。
就職四季報を確認する
各会社のデータが記載してある就職四季報も、離職率を確認する際に使えます。
業界別に多くの企業情報が網羅されているため、他の業界の離職率と比較することも可能です。
離職率に関しては全ての会社が開示しているわけではなく、中にはNA(No Answer)と情報公開をしていない企業もあります。離職率を公開しているのであればその離職率を参考にすれば良いですし、離職率について公開されていないのであれば、離職率の高さを隠すために非公開にしている可能性があります。
そのためNAと記載してある企業は避ける方が良いかもしれません。
業界別の離職率の平均は?
業界別に離職率を見ていきます。
業界の特徴が離職率に影響を与えている業界もあるので必見です。
日本企業の離職率の平均は15.0%
離職率の計算方法や調べ方についてご紹介してきましたが、離職率の平均を知らなければ結局その離職率が高いのか低いのか判断がつかないかと思います。
実は日本企業の離職率の平均は15.0%と言われています。
(参照:厚生労働省)
15.0%とは7人に1人以上の方が離職している計算になります。
15.0%を一つの基準として、業界別の離職率を確認していきましょう。
IT業界(情報通信業)の離職率は10.5%
ここでは業界別の離職率の平均をご紹介します。
厚生労働省の「平成29年雇用動向調査結果の概要」によると業界別の離職率は以下の通りです。
業界 | 離職率 |
宿泊、飲食サービス業 | 30.0% |
生活関連サービス業、娯楽業 | 22.1% |
サービス業(他に分類されないもの) | 18.1% |
不動産業、物品賃貸業 | 16.5% |
医療、福祉 | 14.5% |
卸売業、小売業 | 14.5% |
教育、学習支援業 | 13.9% |
学術研究、専門・技術サービス業 | 13.0% |
運輸業、郵便業 | 12.4% |
金融業、保険業 | 11.8% |
情報通信業 | 10.5% |
製造業 | 9.4% |
建設業 | 8.4% |
複合サービス業 | 7.7% |
宿泊、飲食サービス業が業界トップの30.0%の離職率を誇っています。
激務である上に平均賃金が極めて低いことが離職率を引き上げる原因の一つでしょう。また、年中無休や24時間営業、深夜営業などを実現するため長時間労働になりがちな業界なのです。
一方、IT業界(情報通信業)は離職率10.5%と宿泊・飲食サービス業の約3分の1の離職率です。
他の業界と比べても離職率が低く、働きやすい業界だと言えるでしょう。
離職率の高い企業の特徴3選
ここでは、離職率の高い企業の特徴を3つご紹介します。
・労働時間が長い
・適切な評価を受けられない
・給与が少ない
順にみていきましょう。
労働時間が長い
離職率の高い企業の特徴一つ目は、労働時間が長いことです。
慢性的な人手不足や業務過多に陥っている企業だと仕事を業務時間内で終了させることが難しくなり、必然的に残業により労働時間が長くなってしまいます。
深夜残業や休日出勤が常態化している可能性が少なくありません。
労働時間が長い期間が続くほど心身へのダメージが大きくなり、離職する人が多い傾向にあります。
適切な評価を受けられない
離職率の高い企業の特徴二つ目は、適切な評価を受けられないことです。
職場で昇進するために必要な項目として、上司からの適切な評価が挙げられます。
自分の職場での頑張りを上司や企業が適切に評価してくれることで、役職や給与が上がったり、モチベーションの向上に繋がります。
しかし、自分がどれだけ頑張って結果を出したとしても正当な評価がされないのであれば、モチベーションが低下し、離職の要因になり得ます。
労働に見合った給与がない
離職率の高い企業の特徴三つ目は、労働に見合った給与がないことです。
一生懸命働いたとしても、適切な給与が支払われなければ仕事へのモチベーションが湧かないでしょう。残業時間分の給料が支払われず、全てサービス残業になったり、土日休みなく働いているのに給与が少なかったりなどです。また、福利厚生やボーナスの充実も影響します。
不満なく仕事を続けるためには、労働に見合った適切な給与が支払われるというのは非常に重要な項目なのです。
まとめ
この記事では、離職率についてや離職率の計算方法、業界別の離職率についてご紹介しました。
離職率とは、企業に在籍している人材が一定の期間でどれだけ退職したかを示す割合です。
離職率が高い企業=悪い企業と一概には言えませんが、離職率が悪い何かしらの原因があることは確かです。労働時間が長かったり労働に見合った給与がなかったり、適切な評価を受けられなかったりすることが少なくありません。
長く企業に勤めるためにも、離職率を確認するというのは重要です。
ハローワークや就職四季報、転職エージェントの利用、企業の人に直接聞くことで離職率を確認できるので、ぜひ調べるようにしましょう。
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