福利厚生とは?転職する時に確認すべき点についてご紹介
求人票などに記載されている福利厚生。その内容は企業によって様々です。利用したことがある人がいる一方で、具体的にどういうものなのか、そもそも福利厚生って何かわからない、という人もいます。今回はそんな意外と知られていない福利厚生と、転職の際に確認すべきポイントなどについて紹介していきます。
目次
福利厚生ってどんなもの?
社員の働く意欲を維持するための施策
転職サイトの求人募集などを見ると目にする福利厚生。そこには様々な手当やサービスなどが記載されています。もちろんその内容は会社によって様々です。そもそもこれはどういうものなのでしょうか。言葉は聞いたことがあるものの、どういうものなのかわからない、という人もいるはずです。
福利厚生は社員の働く意欲を維持したり、より多くの人材を確保したりするためのものです。基本的に、これらは給料とは別のものとされています。そのため給与とは別に記載されているのです。
時代とともに変わる内容
この制度の知名度が上がり始めたのは、戦後からといわれています。とはいえ当時の内容と現在では、定義が大きく異なります。戦後の高度経済成長期は、職を求めて地方から多くの人が大都市に移動してきました。そのような人たちのための宿舎や寮を用意する企業が多く、これが福利厚生としている企業が多くありました。
現在でも社員寮などを用意している企業はありますが、どちらかというとレジャーやスポーツなど、プライベートを豊かにするサービスなどが主流となっています。このように、時代の流れや人々の生活などによって定義が常に変化しているのです。
福利厚生には2種類ある
社会保険料なども?
この制度の内容などは様々あり、どれを取り入れるかは企業によって異なります。実は内容によって大きく2種類に分かれており、法定福利と法定外福利に分かれています。法定福利というのはその名の通り、法で定められている福利です。
法定福利とされているものは、主に社会保険料です。雇用保険や労災保険などの社会保険料も、実は法定福利の一つなのです。ちなみに、求人票などで書かれている住宅手当や交通費などは、法定外福利とされています。
意外とバラエティ豊か?
ここ最近、多くの企業では専門会社によるサービスを用いることが多いです。例えばある会社に入社する際、会社の人から様々な割引を受けられる、お得なサービスを紹介されることがあります。もちろんこれもれっきとした福利厚生です。
この福利厚生サービスは、意外にもバラエティ豊かなのです。主に割引料金で利用することができることがほとんどですが、その対象となるサービスが、ホテルやレジャー施設、育児や健康管理、さらにはエンターテイメントなど、幅広いサービスが用意されています。
なぜ企業は福利厚生に力を入れる?
優秀な社員を残すため
ではなぜ会社は福利厚生に力を入れるのでしょうか。最初の部分で、福利厚生は優秀な社員を定着させたりするためのもの、と説明しました。当然、福利厚生を用意するということは、費用もかかってしまいます。
それでも企業が力を入れる理由としては、それだけ社員に居続けてほしい、という強い思いがあるためです。優秀な社員が多ければ多いほど会社は順調に経営できるため、その環境づくりにはなんとしてでも力を入れるべき、という考えがあるのです。
人材確保を左右する
もう一つ実は理由があります。それは、福利厚生が人材確保を左右するためです。戦後間もない時代は、この制度を導入している企業の多くは大企業がほとんどでした。しかし、時代の流れとともに導入する企業も増え、現在ではほとんどの企業で導入しています。
もちろん導入する企業が増えれば増えるほど、福利厚生があるだけでは太刀打ちできなくなります。その結果今度は、福利厚生の内容で勝負をする企業が増えてきたのです。時代の流れによって内容は異なるものの、福利厚生の重要性自体は日々高まっているのです。
福利厚生についてどう思っている?
意外と注目度が高い
ここまで企業側の視点で紹介しましたが、では働く側である私たちはこの制度についてどう思っているのか、という部分について解説していきます。転職先を選ぶ時のポイントは人それぞれですが、真っ先に挙げられるポイントとしては給与です。ではその次に確認するポイントは何かというと、意外にも福利厚生なのです。
最近では、働き方などで選ぶという人も増えてきていますが、それでも福利厚生で選ぶ人がかなり多いです。企業間で福利厚生の内容で勝負することが増え、その結果転職者である私たちも、おのずと福利厚生で選ぶようになったのです。
不満も少なからずあり
どれだけ充実していても、少なからず不満はあります。時代の流れとともに人々の生活も多様化し、消費者のニーズも比例して多様なものとなっています。様々なサービスが用意されているとはいえ、すべての人に対応しているのかというと、決してそうでもありません。
さらに、転職した会社の福利厚生を確認したところ、前の会社で用意されていたものが転職先では用意されていない、ということもよくあります。今まで当たり前のように利用してきたことが、転職先で使えなくなった、ということがきっかけで再び転職してしまう人が、意外にも少なくありません。
転職時に確認したい福利厚生のポイント
求人票などで内容を確認しよう
ではこうした不満を少しでも減らすにはどうすればよいのか、これから転職を考えている人に向けて最後にポイントを解説していきます。まずは求人募集のページなどで、しっかりと福利厚生は確認しておきましょう。特に、今後自分が使いそうなものや、現職で利用していたものがあるかどうかを中心に、確認しておくことがおすすめです。
転職サイトなどに掲載されている企業の多くは、どのような制度が用意されているかについてしっかりと記載されています。もちろんすべて記載されているわけではないため、わからないことがある場合は転職先の企業の担当者などに聞いてみましょう。面接試験などの場で聞くのも良いでしょう。
現職の福利厚生と比較しよう
そしてもう一つ、転職時にやっておくべきことがあります。それは、現職の福利厚生と比較することです。先ほどの部分で出てきた、転職先の福利厚生に現職で利用できたことが使えない、という不満を回避できます。
不満というのは、当たり前だと思っていたことが、突然当たり前ではなくなった瞬間生まれるものです。この当たり前という感覚は、どうしても生まれてしまうものです。だからこそ転職の際は、改めて現職の福利厚生について確認することが、かなり重要なのです。もし福利厚生で選んでいる場合は、この作業も忘れずに行っておくとよいでしょう。
福利厚生は比較すべき時代
今回は福利厚生とはどういうものなのか、そして転職の際どのようなことに気を付ければよいのかについて解説しました。
2つのプラン
今回少しだけ出てきた福利厚生サービス、実はこちらも2種類に分かれています。現在主流となっているものはパッケージプランと言われるものであり、その名の通り割引が使えるものがあらかじめ多くまとまっているものです。
一方で最近注目されているものが、カフェテリアプランというものです。こちらは選択型と言われており、従業員が好きなものを選べるようになっています。福利厚生も、これからは選べる時代となりつつあるのです。
最後に
時代の流れとともに、様々なものの選択肢が増えました。特にここ最近では、働き方の選択肢はもちろん、今回紹介した福利厚生においても選択の自由が広まりつつあります。一見良いことのように聞こえますが、その一方でどれを選べばよいのか迷ってしまう、という人も実際多くいます。
ワークライフバランスを意識することが重要とされている時代、自分がどういう生活をしていきたいのか、という部分が注目されています。選択肢が多すぎてあらゆるものに翻弄されるこれからの時代、自分がどうしていきたいかを考えることは、かなり重要になるのかもしれません。
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