職能給の上がり方や上げる方法は?メリットデメリットや基本給との関連性も解説します
職能給という言葉をご存じでしょうか?企業には様々な人事制度や評価制度、給与システムがあります。今回は職能給のメリットや職務給・基本給との関連性など、職能給について詳しく見ていきましょう。
目次
職能給とはどいういう仕組み?
職能給とは、その名の通り「職務能力に合わせて給与を支給する」仕組みのことです。
現在行っている業務に対する能力と、潜在的に持ち合わせているものとを総合的に考えるものとなっています。
ただこの「職務能力」を何に基づき設定しているのかが重要なポイントで、職能給については企業によって変わるのが実際のところです。
例えば学歴などもその1つで、高卒か大卒かで給与が変わる求人を見かけることがあるかと思いますが、そういった制度も職能給となります。
また経験年数が上がることによって職務能力が向上すると考えられているので、基本的には年次が上がるごとに昇給する企業が多いです。
職能給は殆どの企業で導入されており、年功序列の仕組みと近いため日本の人事制度として馴染み深い給与制度となっています。
職能給と職務給について
職能給とよく似た言葉で、職務給という給与制度があるのをご存じでしょうか?
字がよく似ているのでよく混同されてしまいがちですが、実は全く違う内容ですので下記に詳しく紹介します。
職務給とは?
職務給とは、任せられる職務内容に合わせて給与を支払うという内容です。
もともとはアメリカで開発され、普及していった給与制度で、日本では1955年頃から導入され始めました。
日本ではあまり導入されていませんが、海外ではこちらの制度の方が一般に広く普及されています。
職務給は任せられた職務内容に基づいて給与設定されるため、非常に明確で公平性が高く、学歴や雇用形態に左右されないという点が魅力です。
また日本でも2020年4月から同一労働同一賃金とすることを決定し、不合理な労働条件の差を解消するため職務給の導入に動き始めました。
職能給と職務給との違いは?
それぞれ職務給と職能給について説明してきましたが、どういった違いがあるのでしょうか?
まず1番の違いとしては、任せられた仕事内容が同じであれば雇用形態や学歴・年齢によらず同一の給与が支払われるかどうかです。
職能給では潜在的な能力や職務遂行能力といった、評価基準次第で評価が変わってしまう給与制度ですが、職務給にはそれがありません。
加えて年次の長さによって給与が変わるのが職能給、どれだけ年次が高くても職務内容が変わらなければ給与が変わらないのが職務給です。
現在は外資系企業の参入や同一労働同一賃金の導入もあり、職務給に切り替える企業が増えています。
成果主義や年功序列との違い
職能給や職務給について知ると、年功序列や成果主義といった他の人事制度と混同してしまう人もいるかと思います。
実際に共通する点もありますので、それぞれどんな人事制度となっていているのか成果主義と年功序列の仕組みについても見ていきましょう。
成果主義について
成果主義とは年次や性別・雇用形態・職務能力に関係なく、出した実績や成果に基づいて給与が支給されるという仕組みです。
インセンティブ制や歩合制が導入されている企業の多くは成果主義となっています。
外資系の企業では非常に多く採用されており、ユニクロやリクルート、ソニーなどが成果主義の企業として有名です。
グローバル化の影響も強く、多くの企業が年齢や勤続年数ではなく実力で評価する人事制度へ切り替え始めています。
年功序列について
年功序列とは勤続年数の長さに応じて給与や役職といった待遇を与える制度のことで、職能給に近い人事制度となっています。
日本が高度成長期の時代に定着した人事制度となっており、技術力の高い人材を確保するために開発されたシステムです。
職能給との共通点はありますが、年功序列では学歴などの潜在的能力に基づき給与を決定するという仕組みはありません。
基本給との関連性は?
給与は様々な内訳があり、交通費や役職手当を含まない基本賃金となる「基本給」が代表的で、殆どの企業で基本給は支払われています。
賃金制度について
そもそもの賃金制度の考え方ですが、「仕事給」「属人給」「総合決定給」の3つに分かれており、基本給はこれらに基づいて考えるものです。
それぞれ仕事給は仕事の難易度や能力、 属人給は学歴や勤続年数など個人の特性、総合決定給はこの2つを総合したものとなっています。
この基本給に役職手当やインセンティブ・交通費などを合算したものが給与として支払われると考えてください。
例えばインセンティブ制の会社なら、総合決定給をもとに基本給が設定され、そこに実績や成果から策定されたインセンティブが加算されます。
職能給と基本給について
そして肝心の職能給ですが、これは上記で紹介した「仕事給」に属した考え方です。
もともと仕事給は職能給と職務給の2つに分類されるもので、仕事の能力や評価によって人事考課を行い、それを基準に給与を支払います。
そのため職能給は基本給に含まれることが殆どです。
しかし明確な決まりがあるわけではなく、企業の裁量に因るところも大きいので基本給とは別で支給される場合もあります。
職能給のメリットとは?
職能給と職務給の違いや、混同しやすい制度についてご紹介してきました。
それでは職能給のメリットについてみていきましょう。
異動先でも給与が変わらない
職能給は能力や経験年次の長さ・学歴などによって決定されるので、基本的に全く違う部署へ異動しても給与が変わりません。
そのため一度年収を上げてしまえば、会社に大きな損失を与えるようなことがない限りは年収が下がる可能性は非常に低いのです。
また資格を取ることで、同一職務を行っていても年収を上げることが出来る会社もあります。
特にIT業界の技術職などは非常に多くの資格がありますので、新たに資格取得をすることで資格手当を得られる企業が多いです。
長く勤めるほど待遇が上がる
例え職務内容や役職が変わらなくても、勤続年数が上がれば待遇がアップするのが職能給のメリットです。
年功序列制度と共通ですが、長く勤めることで職務遂行能力が上がるとされているので、役職等に付かなくても昇給するケースが多くなります。
そのため50代60代になる頃には好待遇を見込めますし、成果を出さなければいけないという緊張感に捉われず務めることが出来るのです。
またこうした給与形態では終身雇用となることが多く、企業としても優秀な人材を逃さず自社で確保できるというメリットがあります。
職能給のデメリットとは?
職能給のメリットについてお伝えしましたが、もちろプラスの面があればマイナスの面もあります。
そこで職能給のデメリットについても見ていきましょう。
仕事の難易度と給与が合致しない
職務給と違って仕事の難易度は給与設定に反映されません。
そのため任せられる仕事の難易度と支給される給与が比例しないこともあり、その点で違和感を覚える人も実際に居ます。
例えば同時期に入社したスタッフに待遇の差はないのに、仕事の難易度や専門性に大きな差があり、不条理だと感じてしまうケースです。
これは年次が上がることで解消されるか、職務内容よりも好待遇を受けられるようになるため、先を見据えて頑張っていく必要があるといえます。
社員のモチベーションが上げにくい
上記の通り成果や実績に基づかない給与体系のため、仕事で頑張って成果を出そう、成長しようと考えなくても昇給します。
そのため社員一人一人がモチベーション高く働こうと考えず、安定志向の社員が増える傾向が強いです。
会社や事業の成長を考えた時に、社員の成長やスキルアップは必要不可欠となります。
そのため職能給を採用する企業側としては、社員のやる気を引き出すマネジメントが肝といえるでしょう。
職能給を上げるためのポイント2選
職能給を取り入れている会社で働いている人や、これからそうした会社に転職する人は、どうやってお給与を挙げていけば良いのでしょうか?
職能給の職場でお給与を上げるためのポイントについてお伝えします。
社内で評価される資格を取得する
先ほども少しご紹介しましたが、まずは社内で評価される資格を取得するのが1番の近道となります。
IT業界などは、基本情報技術者やITパスポートを中心としたプログラミング言語の資格がたくさんあり、資格取得に合わせた昇給が多いです。
例えば基本情報技術者を取得で月5,000円、Javaディベロッパを取得すれば月15,000円アップなど明示されている企業もあります。
そのため職務能力や評価に直結するような資格を取得することで、大きく年収を伸ばすことが可能です。
またIT業界以外なら、宅地建物取引士(宅建)や社会保険労務士(社労士)の資格なども資格手当が付きやすい傾向にあります。
もちろん企業によって差はありますが、高度な知識が求められ、国家資格がたくさんある専門職や技術職の仕事では非常に有効です。
人事考課の評価点でスキルアップする
職能給の特徴として、人事考課の際に評価ポイントとなる項目について明確に定義されていることが多いという点があります。
そしてその評価が高ければ年収も上がりますので、年収アップを目的にするなら、その評価ポイントに合わせて仕事を頑張れば良いのです。
例えば顧客対応の仕事なら、顧客満足度やNPS(顧客推奨度)、売上の目標達成率によって評価が決まる傾向にあります。
それぞれどの項目が評価点になるのかが分かれば、自分がどういった方向性で努力やスキルアップをすれば良いのかが一目瞭然です。
まずは社内の評価制度について情報収集するのが良いでしょう。
まとめ
今回は職能給の詳細や職務給との違いを中心に、会社の人事制度や給与制度について詳しく説明してきました。
社会はグローバル化が進み、社風や考え方・人事制度などの多様化が進んでいます。様々な企業がありますが、どの人事制度・考え方が正しいということは決してありません。
今回紹介した職能給にもメリットやデメリットが存在しますし、それが合うかどうかは人によって違います。そのため自分に合った企業を選べるように、自己分析や企業研究をするのがおすすめです。
もし転職を考えていて、自分に合った会社選びが出来るか不安な人は転職エージェントを使ってみましょう。転職や仕事選びのプロである転職アドバイザーに相談することで、自分の志向性を整理することも可能です。
あわせて読みたい関連記事
この記事を読んでいる人におすすめの記事