「交渉力」とは?転職の選考でアピールするためのポイント
転職活動で企業にアピールするために必要となる「交渉力」。なぜ、「交渉力」が転職活動に必要なのか疑問がある人や、どう交渉したら良いかわからない人のために、転職活動で有利になる自己PRの方法やエントリーシートの例文までご紹介します。実は、既にエントリーシートの段階から企業への交渉は始まっているのです。
目次
転職活動では交渉力が試される
転職は新卒とは違い、これまでの経験値やスキルをどのようにアピールするかが大きなポイントになります。
既に素人ではなくプロ意識を持って「面接」というよりも「交渉」と捉えて臨むことをおすすめします。なぜなら、面接はあなたが希望する企業とこれからどのように仕事をするのか、条件面も含めて決定づける大切な交渉の場だからです。
交渉力とは?
まず、交渉力とは何かについて解説します。
交渉力はいかなる職業や職種でも必要とされるスキルです。なぜなら、社内であれ取引先であれ、仕事をする以上は利害関係で成り立っているからです。
大きなプロジェクトに取り組むチーム内や取引先とのやり取りの中で、双方の主張や要求があわないときに調整力や納得させる能力が必要とされます。
政治的な場面の問題解決のためにどちらかが妥協して折り合いをつける「折衝」とは異なり、交渉は「お互いが納得して合意する」ことが目的とされます。
自己PRの正しい理解とアピールのポイント
転職は、自己PRの仕方ひとつで採用の可否が決定されてしまいます。あなたがどれだけスキルや経験を持っていても、上手にアピールできなければ不採用となる可能性があります。
アピールの方法を間違わないためには、「自己PR」についての正しい理解が必要です。
自己PRと自己紹介の違い
まず、転職活動で職務経歴書を書くときも面接のときにも必須となる「自己PR」ですが、この解釈を間違うと大失敗になりかねません。自己PRと自己紹介は異なるものです。
自己紹介とは、一般的に見て「あなたが何者なのか?」を分かりやすく簡潔に人物像の情報をまとめて紹介することです。
一方で、自己PRとは、企業にとって必要な人材とされるであろうあなたの魅力を具体的にプレゼンすることです。
基本的に、これらは別物なので重複する内容はないと覚えておきましょう。
交渉力がある人は「聞く力」と「質問力」に長けている
自己PR、つまり自分のことをアピールすることは必要不可欠です。アピール上手で交渉力がある人に共通することがあります。それは、「聞く力」と「質問力」に長けているという特徴があることです。
「聞く力」と「質問力」がある人は、多くの情報収集ができるので、その中で企業側が何を求めているかニーズを把握することができます。それによって、相手側の心を動かすポイントは何なのかを掴んで交渉ができるのです。
交渉力がないと企業が取り扱うサービスや商品は売れませんし、あなた自身も売れません。あなた自身を売り込むには、まずは「聞く力」に意識を向けることが第一歩です。
この「聞く力」と「質問力」は、これから一緒に仕事をしていく上で確実な仕事をしていけるコミュニケーション能力が備わっているかどうかも見られます。
企業側に何を貢献できるか具体的にアピールする
企業側が何を求めていてどういうことを課題としているかの情報収集ができたら、次はあなたの能力やスキルで具体的に貢献できることを考えてアピールしましょう。つまり、自己PRです。
例えば、同業他社に転職をするための面接で以下のような質問に回答したとします。
Q「なぜ、うちの会社を選んだんですか?」
A「前の会社は残業が多かったので残業が少ない会社を選びたくて応募しました。」
このような回答では間違いなく不採用でしょう。
まず、転職の原因がネガティブな理由であること自体が企業側としては良いイメージではありません。前向きな転職の意識を持っていることをアピールすることは鉄則です。
同業の場合は、必ず会社によってサービスに差別化された異なる特長があるはずです。その特長をしっかり掴んで、なぜ魅力を感じたかを伝えましょう。その上で、どのように貢献できるかをアピールすることが重要です。
「この会社でこそ自分の能力や強みを発揮できると思った。」ということを伝えるのがポイントです。
Win-Winの関係を築ける交渉をする
交渉は、あくまでWin-Winの関係を築けることが大切です。つまり、どちらかだけが得をするのではなく、お互いにとってメリットをもたらす関係を築けることです。
自分の利益ばかりを考えないこと
自分の利益ばかりを優先して考えている人は交渉力があるとはいえません。
相手側がどのような問題や課題を持っていて、それをどう解決できるかを考えることからサービスは始まります。転職でもその意識をしっかり持って、まずは企業側に利益となることをアピールしましょう。
企業側にメリットを与えられること
転職をする場合は、これまでの経験値があるので、スキルだけではなく人脈も既に持っているはずです。
技術的なスキル面だけではなく、あなたがこれまで築いてきた仕事の人脈やノウハウをどのように企業で活かしてメリットをもたらすかを問われます。これらが具体的に描けていると企業側にとって欲しい人材となる可能性は高まります。
交渉力はエントリーシートの書き方から見られている
転職活動の際に、交渉力が試されるのは面接だけではありません。実は、職務経歴書やエントリーシートの段階で既に試されていて、交渉力があるからこそ次のステップに進めるのです。
自分のキャリアについて分析する
まず、自分のキャリアについて明確に分析することが必要です。これまでの経験やスキルは漏れることなく箇条書きで書き出してみましょう。
あなたのキャリアや能力が企業の募集内容や条件にマッチングしているかを見極める必要があります。
企業側のニーズとプロジェクトの目的を分析する
募集をしている企業側が取り組んでいるプロジェクトやサービスの課題と目的が何なのか、具体的にリサーチをしっかりしておきましょう。企業側のニーズを読み取って理解できているかどうかは採用されるか否かの鍵となります。
複数の会社に応募をする場合でも、それぞれのニーズに応えられる職務経歴書やエントリーシートを個別に作成しておきましょう。
ニーズに合った自分の強み・スキル・実績を論理的にアピールする
交渉力がある人は、自分の強みやスキルを論理的にアピールできます。
これまでの実績が必ずしも他の企業でも活かせる実績とは限りません。企業のサービスの特徴とニーズに合った強みや実績を論理的に文章化してまとめる能力が問われます。
交渉力をアピールできる自己PRの例文
最後に、エントリーシートに記入する際に交渉力をアピールできる自己PRの例文をご紹介します。以下、営業職の場合についての例文です。
【営業職の自己PRの例文】
広告の企画・運営を行う広告代理店で新規顧客獲得・既存営業を担当いたしました。企業や地方自治体などに電話のアポイントメント、メールなどでアプローチをしました。顧客の課題に寄り添ってヒアリングを行い、競合他社や市場の緻密なリサーチをすることで、最も効果が見込めるプランを提案して顧客を獲得してきました。また、数値を軸とした問題解決の提案をすることで集客を上げることに貢献し、リピーターとなる顧客との関係を築いてきました。20XX年には、売上○○○○万円を達成し、その後も順調に売上を伸ばしました。以下、過去の実績になります。
●2017年度実績:年間売上前年比120%
●2018年度実績:年間売上前年比150%
●2019年度実績:年間売上前年比180%
職種にもよりますが、数値で実績を表せる職種の場合は、数字を使って一目でわかりやすく見せることがポイントです。
自己PRの書き方は、あくまでも企業側のニーズにマッチングしているかどうかを考えながら書くということを覚えておきましょう。
まとめ
今回は、転職の選考でアピールするためのポイントになる「交渉力」についてご紹介しました。今までの経験を活かしてステップアップをするための転職はいかに上手く交渉するかが決め手となります。
ポイントとして、自分の希望を叶えるためにも相手にどのようなメリットを与えられるかを意識することが重要です。
そのためには自己分析や企業のニーズを知ることからはじめましょう。もし自分の強みや弱みがよくわからないという方は、転職エージェントの利用をおすすめします。
転職のプロとして、職務経歴書の書き方から知りたい企業の情報の提供まで手厚くサポートしてくれます。心強い味方になることでしょう。
ぜひ、この記事を参考にして「交渉力」を磨いてみてください。
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