株式会社エクサウィザーズのビジネスモデル分析!金融×AIで目指す世界とは【FinTech企業に転職】
昨今様々な業界で参入を続けているIT技術。特に金融とIT技術が合わさったFinTechは世界規模で注目を集めています。日本も例外ではなく、多くのFinTech企業が設立されている状況です。今回は数あるFinTech企業の中でもAIに力を入れている株式会社エクサウィザーズのビジネスモデルを解説します。口座の見守りや高齢者の財産をサービスを提供している企業ですが、どのような人が在籍し、どのような雰囲気の職場なのでしょうか。FinTech企業に興味がある人は是非参考にしてみてください。
目次
会社の概要
株式会社エクサウィザーズは、2016年に株式会社エクサインテリジェンスとして設立した企業です。
創業した翌年、静岡大学発ベンチャー企業であるデジタルセンセーション株式会社と合併し、現在の社名に変更しました。
AIサービスの開発をすることで社会課題を解決することが基本理念です。
超高齢化社会や労働人口の減少、安心・安全な生活環境の構築など、身近な課題は山のようにあります。
株式会社エクサウィザーズの事業
これらの解決のために、AIを活用した様々なソリューションを提供する事業を展開しています。
設立当初は、AIの得意とするシステム開発の事業を行っていました。
・文章解析、画像/映像認識
・Rの形態素解析などに代表される、言葉の関連性の可視化や文章の要約
・CT画像の診断
・建物の外壁の不良検出
など、現場で即戦力となる人工知能のプラットフォームexaBaseの開発/提供を行なっていた経歴があります。
AI事業
様々なサービス開発を行ったあと、AIに関する教育サービスを開始しました。
・人事サポートサービス「HR 君」
・力触覚伝達型遠隔操作システムのAIとの連携
・介護関連データを用いた要介護度予測AI開発
・医薬品メーカーとのプロジェクト
人事・建設・医療など、分野を問わずAIの活用ステージを広げ続けてきています。
その後は福岡銀行と連携するなど、2020年時点ではFinTech分野にも注力しています。
またリンクトインによるTOP STARTUPSという注目のスタートアップランキングで、2年連続1位を獲得しました。
このように、非常に勢いのあるスタートアップ企業です。
業績も毎年改善傾向にあり、急成長可能なポテンシャルが感じられます。
ビジネスモデル
エクサウィザーズが主催する、企業の変革リーダーが集う国内最大級のAI・DX推進コミュニティ「exaCommunity」。
このSNSを運営することで、世の中の多彩な各業界知識・ノウハウを蓄積することに成功しています。
採用面では、介護士・看護師や薬学博士のエンジニアなど、多様な知識を有する人材を求めているようです。
また、各領域の第一人者をアドバイザーとして迎え入れており、あらゆる課題に対しAIを活用した解決策を提供しています。
社員はAIエンジニアだけではなく、ソフトウェアエンジニア、外資系コンサル出身の戦略コンサルタントなども在籍。
企画から実装までワークフローの見える化に基づいた、AIによる業務課題のソリューションを提供しています。
異分野との交流からAIによる新たなソリューションを生み出しつづけているのです。
その知財をベースに、新たな展開へと繋げていくという雪だるま式のビジネスの展開を推進しています。
FinTechについては、スマートフォンによる送金…というような一般的な技術を開発しているわけではありません。
「詐欺や払いすぎを検知する口座見守りサービス」といった技術を開発し、独自のソリューションを提案しています。
以上のことから、エクサウィザーズのビジネスモデルは、内外の「知」を集結しているのです。
AIイノベーションによる産業革新と社会課題の解決という、新たな市場を連鎖的に生み出しています。
会社が解決する社会課題
表題のFinTechビジネスは、エクサウィザーズにとってはまだこれから発展していく事業です。
先述の口座見守りサービスなど、高齢化社会における独自の視点で、新たなイノベーションを提案し始めました。
高齢者と金融
昨今金融機関では、紙の預金通帳の繰越に手数料を課し、ネットワークによる預金管理の方向にかじを切りつつあります。
PCやスマートフォン、ネットワークにあまり詳しくない人には大きな負担となり、下手をすると詐欺などのターゲットになりかねません。
また、高齢者などの場合は認知症を発症すると、銀行は本人の意思確認ができないとして口座の凍結を進めます。
高齢者が保有する全金融資産は年々増え続け、2030年には215兆円にも膨れ上がると予測されています。
高齢者と金融というキーワードは、今後更に大きな社会問題となってくることが容易に予想されている状態です。
介護系AI技術を蓄積してきたエクサウィザーズだからこそ、参入可能な事業分野といえます。
中小企業の存続
一方ビジネス分野に目を向けると、後継者不足により廃業を余儀なくされる中小企業が増加しつつあるのが現状です。
世界的にも評価され得る優れた技術を持ちながら、その技術の継承が途絶えてしまうのは、日本にとって大きな損失となります。
今後も大きな社会課題として、多くの場所で議論されることになるでしょう。
介護のみならず、ビジネスの多様な知識を有するエクサウィザーズのコンサルとAIの連動により解決できる課題です。
今後の事業展開
医薬品やロボット、さらには介護関連のAI技術の開発・実装には長い時間が必要ですが、FinTechは短期間でのAI実装が可能です。
FinTech部のコンサルは、多様な分野に携わる研究者との横の繋がりで、介護と金融の課題などをいち早く察知しています。
長い期間蓄積し続ける介護系AI技術の応用を企画し、多くのソリューションを短期間で提案をすることができます。
転職採用例
エクサウィザーズの採用情報ページにアクセスすると、多くのメンバーの経歴が掲載されています。
経歴は様々で、機械学習や応用物理学などを履修され、コンサルティング会社を経由してエクサウィザーズに採用された人が多いです。
しかし様々な経歴を持つ人も採用されているため、前職が弁護士や看護師だったという人も在籍しています。
エクサウィザーズの魅力
実際に入社した一例を見てみましょう。
もともと化学メーカーや外資系コンサル会社に入社し、エクサウィザーズに入った社員がいます。
エクサウィザーズを選んだ理由は、社会的課題の解決という大きな目標に加え、裁量の大きさに魅力を感じたそうです。
この人も含め、多くの転職者が口にするエクサウィザーズの魅力は、その裁量範囲の大きさ。
一つの事業を自身の裁量で動かすことができることに、もちろん大きなプレッシャーは感じるようです。
しかし常にチームとして動いており、その分プロジェクトが成功した時の喜びは格別なものという、現在の充実度合いを述べられています。
社長はリクルートマインドの継承者
このような社風は、社長の石山 洸(いしやま こう)氏が株式会社リクルート出身であることに大きく影響しています。
リクルートは個人が事業を企画し、社内ベンチャー的に個人の裁量で事業を進めることを推進する企業です。
そのためなのか、多くの優秀な人材と新しい事業を生み出しています。
石山氏もリクルート時代に米国のスタートアップ投資を手掛けていた経験が、今の経営に大きな影響を与えているといえます。
転職ポイント
エクサウィザーズでは、経営に近いところから、
・技術系
・コンサルタント
・マーケティング
・営業
・人事
など、幅広く人材を募集しています。
社員のほとんどが外部から転職してきた経歴を持つ方々です。
そのためなのか、各職種でそれぞれ特有の経験・知識を積んできた人材が求められています。
求められる経験と知識・能力
リーダー(責任者)の職では、全体を通してAI・機械学習の知識が無論求められます。
更に歯日本語・英語でのコミュニケーション能力も重要なポイントです。
その他にも、プロジェクトマネジメント経験やアライアンス組成経験などが生きてきます。
マーケティングマネージャーになると、Web/IT系企業でのマーケティング実務経験は強みになるはずです。
技術系責任者の場合はソフトウェア開発、システム構築経験などがあると良いでしょう。
新規事業の担当であれば、FinTechなら金融領域の知識が必要です。
CareTechなら介護領域の知識、MedTechなら医療/医薬業界の知識が重要となります。
各業界カテゴリーを経験してきた人で、かつAIに興味のある人であれば即戦力としてやりがいを見つけられます。
コンサルタントはさらに幅広い経験と知識、そして言語力やコミュニケーション能力が求められるでしょう。
エンジニアとなると、開発のための知識と実務経験が重要です。
PythonやC++など、主要な言語の内一つまたは二つ程度の高い知識、そして開発実績があると良いでしょう。
また、どのような環境での開発経験があるかも重要視されています。
AI開発やWeb開発、モバイルソフト開発などに興味があるエンジニアは、チャレンジのし甲斐があるのではないでしょうか。
エンジニアといえども、コミュニケーション能力はもちろん要求されます。
とくに英語によるコミュニケーション能力は高いほど評価は上がるでしょう。
新天地で働くためにはマインドも重要
どこも同じですが、企業が採用する判断基準の一つ、その人の「やる気(マインド)」はとても重要なポイントです。
優秀な人材として採用しても、職場の雰囲気を壊してしまう人や、周りに悪い影響を与える人は企業には適した人材とはいえません。
AIや機械学習/深層学習に興味があることはもちろん、クライアントの期待に応えようとする誠実性や責任感はとても重要なことです。
また、エクサウィザーズの理念に共感でき、社会の課題を解決したいという高い志のある人は、チャレンジしてみる価値があるといえます。
新たなポテンシャルを持つ人材の発掘
その他にも、エクサウィザーズでは「オープンポジション」という募集の仕方も行っています。
これは全職種を平面に置き、その人が最も力を出せる部門への配属を会社が決定するというものです。
これは、「今まで経験してきた仕事で圧倒的成果を残した人であれば、既存の職種や経験は問わない」という採用枠になります。
採用後にどの職種に配属になるかは会社の判断です。
ポジション例としては
・AIエンジニア
・ソフトウェアエンジニア
・プロジェクトマネージャー
・プロダクトマネージャー
・ソリューションコンサルタント
・UI/UXデザイナー
・SRE
・人事
・広報
・経理
・知的財産
などが掲載されています。
会社情報
エクサウィザーズは、本社を東京都港区に置き、京都・浜松・名古屋もオフィスがあります。
自身の経験値・能力値を高める最適な環境
従業員は2020年8月現在220名、半数はエンジニアで、15%が外資系コンサルファームの出身者で占められています。
また海外出身の社員も多く、全体の10%が在籍しています。
エンジニアでは25%にも上り、毎日異国の文化や考え方に接し、刺激し合える職場環境になっています。
勤務体系は裁量労働制となっており、個人に裁量と責任を与え、自由で自立した働き方を実現しています。
その他にも博士課程進学支援制度があり、対象者は社会人博士としての研究に加え、平日の週1日、大学で研究を行うことが可能です。
また、卒業までの学費(入学金・授業料など、上限総額200万円)が補助されます。
※2020年10月時点
社員はみなフレンドリーでまじめ
エクサウィザーズの社員は協力的な人が多く、自分だけでなく他の社員のことを考えて仕事を進める雰囲気ができているそうです。
また、静かな職場というよりは和気あいあいとした環境が整っています。常に雑談しながら仕事に取り組んでいる職場のようです。
環境は楽しい雰囲気ですが、最初から事業をスタートさせる仕事なので厳しく責任があります。
社員は仕事に関しては非常にまじめに取り組み、チームで目標に向かって進められているようです。
まとめ
将来的にはAI無くしては成り立たない社会が、知らず知らずのうちに出来上がっていくことは避けられません。
エクサウィザーズの理念の中の「AIを用いた社会課題解決」も、あらゆるステージで実施されることが容易に想像できます。
冒頭述べた通りエクサウィザーズは赤字経営が続いていますが、売上高はIPOのレベルをクリアしている状況です。
これからの数年で一気に飛躍できる大きな可能性を持ったスタートアップといえます。
FinTech業界への転職を検討している方はぜひ転職エージェントにご相談ください。
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