人物重視とは?書類選考で落ちる理由や企業の本音を解説します!
転職求人に「人物重視」と書かれていると、必ず面接が行われると考える方もおられることでしょう。しかし、募集要項に「人物重視」と書かれていても書類選考で落ちることはあります。なぜ落ちてしまうのか、いったい「人物重視」とはどのような意味なのか気になる方は多いはずです。そこでこの記事では、落ちる理由や企業側の本音、採用を勝ち取るための対策について詳しく解説します。
目次
募集要項における「人物重視」とは
求人の募集要項に「人物重視」と書かれていると、必ず面接してもらえるのかと期待しますね。
しかし、人物重視と書かれていたからといって、全員が面接に進めるとは限りません。
あくまで「重視」であって、人物像だけで選考が行われるわけではないからです。
それではいったいどのような意味があるのか、若手採用とキャリア採用に分けてご説明します。
若手(新卒や第二新卒)採用における「人物重視」とは
人物重視の採用活動は、新卒や第二新卒など若手の採用活動で多く行われます。
なぜなら若手は社会人経験がないもしくは浅く、まだ社会人としてのスキルを保有していないからです。
そのため人物や人柄でしか判断できず、おのずと人物重視の採用活動となります。
若手募集で人物重視と書かれている場合は、学歴で躊躇する必要はないと考えられるでしょう。
キャリア(転職)採用における「人物重視」とは
転職者募集の際に人物重視の採用が行われないわけではありません。
人柄そのものが仕事上重要なスキルの場合もありますし、仕事に必要な知識は入社してから学べばよいと考える会社もあります。
しかし一般的には、「一定の知識や技術を保有した人の中から最終的には人物を重視して採用する」という意味で考えるのが賢明です。
もしくは「スキルが無くてもすぐに習得できそうだ」と感じられる、熱量や根拠がある人物が採用される場合もあります。
これまでの経験とは異なる分野へチャレンジする場合には、熱意が伝わるような履歴書を仕上げる必要があるでしょう。
企業が「人物重視」の採用を行う理由
企業によって社員や従業員に求めるものはさまざまです。社風も企業によって大きく変わります。
たとえば、とにかく正しく早く仕事を片付けられる処理能力の高い人材が必要な企業があります。
一方でひとつひとつ確認しながらじっくり仕事を進める就業スタイルの会社もあります。
スタッフ同士のコミュニケーションが不可欠で、人見知りな方は働きづらい職場もあるかもしれません。
他にもデリケートな商品を扱うため慎重で真面目な性格の人が望ましいなど、職種によって求める人物像が決まる場合もあるでしょう。
このように、企業や会社・職種によって、人柄や性格がマッチしなければ仕事に支障をきたす場合があります。
ミスマッチによりせっかく採用した人材が早期退職してしまうのを防ぐことが、人物重視で採用する大きな理由のひとつです。
また応募が集まりにくいため、少しでも多くの人に興味を持ってもらおうと人物重視を打ち出す企業もあります。
「人物重視」の求人で企業が求めているものとは
人物重視採用で企業が求めるものは社風や職種によって違いはありますが、おおむね次のような内容です。
熱意がある
仕事における熱意を感じられる人物は企業や面接官に好印象を与えます。
意欲・向上心が伝わることで熱意も伝わるでしょう。
特に「この会社でなければならない」という強いアピールがあると、より魅力的です。
素直
素直で柔軟な人は、協調性があると評価されるでしょう。
企業にとって社風や理念にマッチする人材が求められています。
面接の場では、謙虚さや失敗を認める姿勢が伝わるように意識すると良いでしょう。
例えば成功体験や失敗談、自己PRなどで素直さがアピールできます。
ストレス耐性が高い
ストレス耐性の高さは、あらゆる仕事でプラスになります。
自分が何をストレッサーだと感じるのか、またストレスとの付き合い方を心得ている人材はどの業界でも重宝されるでしょう。
コミュニケーション力が高い
接客業のような人との会話が主な仕事内容の職種に限らず、仕事を円滑に進めるためにコミュニケーションは不可欠です。
コミュニケーション力や協調性が高い人材は、取引先とも社内の同僚とも円満な人間関係を構築します。
人物を重視する企業にとって、顧客や同僚と良好な関係を結びそうだと期待できる人は、とても良い人材と言えますね。
将来性を感じられる
人物重視で採用を行うからといって、いつまでも「性格が良いからOK」ではありません。
たとえ業界や職種未経験で採用されたとしても入社後には、学び経験し、プロフェッショナルになる必要があります。
採用担当者に「この人ならすぐに仕事を覚えそうだ」「この分野への興味関心が伝わってくる」と感じさせると合格に近づくでしょう。
ビジネスマナーが身についている
将来性の他にビジネスマナーも必須です。
一概にビジネスマナーと言っても幅広いものですが、言葉遣いや所作、身だしなみは面接の場でも最低限の水準であると示すことが可能です。
挨拶や表情からも判断されますので、面接の場のみでなくその前後のやり取りにも十分気を配りましょう。
「人物重視」の求人にもかかわらず書類選考で不採用となる理由
人物重視の求人にもかかわらず書類選考で不採用になると、自分の人間性を否定されたように感じるかもしれません。
いったいどのような理由で落とされてしまうのでしょうか。
最低限のスキルが伴っていない
転職者に向けての人物重視の求人が打ち出されている場合、最低限のスキルを保有していることが条件の場合があります。
一般的に新卒の就職活動より転職活動の方が、求められる条件が厳しくなるでしょう。
そのため、募集要項に記載されている「実務経験○年以上」や「要資格」などを満たしていなければ不採用になるかもしれません。
もし自分が条件を満たしていなければ対策が必要となりますので、応募前にはよく確認してください。
応募者が多数で全員と面接ができない
採用担当者の人数や面接に割ける日数に限りがある場合、キャパを超える応募があれば書類選考が必要となります。
その場合、応募者同士を履歴書からの情報で比較してふるいにかけます。
あなた自身が十分に魅力的な人材でも、より経験や人柄が良さそうだと感じられるライバルがいれば、不採用になるかもしれません。
合否を決定づけるのはあくまでその会社が求めている人材とのマッチ度です。
あなたの人間性を否定されているわけではありませんので、必要以上に落ち込む必要はありません。
履歴書などの応募書類から人柄が見えてこない
応募者全員に面接が行われるなら、あなたの人物像は面接で存分に伝えられるでしょう。
しかし、応募者多数などの理由で書類審査される場合、まずは履歴書で人柄を伝えなければなりません。
履歴書や職務経歴書があまりに端的で事務的だと、「会ってみたい」と感じてもらいにくいです。
志望動機や自己PRにあなたの性格がわかるようなエピソードを紹介すると良いでしょう。
また、不備がある・空欄がある・読みづらい応募書類は、それそのものが悪い印象を与えます。
期限を過ぎてから提出される書類も同様で、それらが理由で選考から外される恐れもあるので注意が必要です。
その他の悪印象を与える要因
いくら人柄を重視したい企業であっても、悪印象を与える要因がある場合はその限りではありません。
例えば業界研究や企業研究が足りていない、求人情報の要件にマッチしていないという印象を与えてしまうと、やみくもに応募したと思われてしまいます。
書類の不備などの準備不足も悪印象です。
人柄重視=人柄さえ良ければ採用するという意味ではありませんので注意しましょう。
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「人物重視」の求人で書類選考に合格するための対策
人物重視と言えど書類選考が行われる場合もあるため、まずはこの壁を突破しなければ先はありません。
書類選考で落とされない為に、次のような点に注意してください。
・丁寧な字で読みやすい履歴書を作る
・企業研究をしっかり行う
・会社の求める人物像を理解しながら書類を作成する
・スキルが伴わない場合、自分の人となりを特にアピールする
・期日を守って提出する
まずは丁寧で正しい応募書類を作成する必要があります。
字に自信がない方もいらっしゃるとは思いますが、特別綺麗でなくても「丁寧に」書かれたかどうかは字を見れば伝わるものです。
字が苦手だからと言って投げやりにせず、最後まで丁寧に書いてください。
また、企業がどのような人材を求めているのかを知らなければ、アピールするべき内容もわかりません。
スキルや資格が足りない企業にチャレンジする場合は、特に企業研究に力を入れる必要があります。
その会社にマッチする自分の特長や性格を探り、志望動機や自己紹介に盛り込みましょう。
「人物重視」の求人にもかかわらず面接で不採用となる理由とは
魅力があると感じてもらえるポイントを理解したら、NGポイントも把握しておきましょう。
社風にマッチしないと判断された
面接で採用担当者は、書類だけでは分からない一面が知りたいと思っています。
しかし例え人柄自体が良いと判断されても、他の社員と雰囲気が合わないと判断されれば企業は採用に踏み切れないのです。
もしも採用基準を十分に満たしたスキルセットを保有しており、真面目で黙々と業務をこなせるタイプとして前向きな評価を得たとしましょう。
しかし、アグレッシブで発言力があるタイプが多い企業では、周囲から浮いてしまうかもしれないと懸念される可能性があります。
そういった意味でも、求められる人物像の把握は欠かせません。
求める年齢層とマッチしなかった
「人物」つまり「人柄」の意味合いが企業によって異なる場合もあります。
例えば「若手で伸びしろがあり、育てていきたい」という企業の意図が隠されていることもあれば、「キャリアがあり、実績と説得力で引っ張ってほしい」という狙いの場合もあるのです。
企業にとっては明確な人材のイメージがあるものの、求人案件に年齢制限を設けていないケースではこういったミスマッチも起こりえます。
人格否定されたと落ち込む必要はない
上記いずれも、ただ企業が求める人物像とはマッチしなかっただけであり、決して候補者の人格を否定する意味合いではないことが分かります。
もしあなたが面接で合格できなかったとしても、落ち込む必要はありません。
スキルなど募集要項に記載された条件面をクリアしているにも関わらず不合格だった場合は、このようにただ単にマッチしなかっただけというケースもあるのです。
「人物重視」の求人で面接に合格するための対策
書類選考を突破し面接まで到達したなら、次のような点に注意して面接に挑み採用を勝ち取りましょう。
・服装や身だしなみを整える
・姿勢よく礼儀正しく面接を受ける
・面接官の話をよく聞く
・企業研究と自己分析をしっかり行い、マッチしているポイントを理解しておく
面接で身だしなみが大切なのは転職活動に限ったことではありません。
ただ転職の場合、新卒の就職活動時よりスーツそのものに慣れてしまい、緊張感が薄れています。
いつも着ているスーツや靴をいつものように着ると、思わぬ汚れやシワに気付かないかもしれません。
改めて身だしなみをチェックし、履歴書作成の際に行った企業研究と自己分析のおさらいをしてから面接に臨みましょう。
特に企業研究を掘り下げておけば、先述したような根本的なミスマッチは回避できるはずです。
面接中は面接官の話によく耳を傾け、何を聞かれているのか、どのような回答を求められているのかをしっかり理解してくださいね。
面接官が「魅力ある人物」と感じるのはどのような人?
人物重視の求人で企業側が求めているのはどのような「人物」なのかまとめます。
面接で面接官の心を掴む言動について解説しますので参考にしてください。
礼儀正しくマナーが良い
礼儀やマナーなど社会人としてのルールが身についているかどうかは、面接ですぐに伝わります。
礼儀正しくマナーの良い人は、気持ち良く一緒に仕事する姿や顧客との安心感のあるやり取りを想像させ、非常に好印象です。
特に、ある程度キャリアを積んだ年配者の転職活動では注意しましょう。
面接官の方が若年だった場合など、経験豊富なベテランの応募者の態度に横柄さがにじみ出てしまうことがあります。
そのような応募者は「プライドが高く入社後も扱いづらいかもしれない」と感じられても仕方ありません。
あまりにへりくだった態度は慇懃無礼になりますが、転職活動の際は謙虚な態度と正しいマナーで面接官の心を掴みましょう。
自己PRの内容が会社の雰囲気とマッチしている
面接でほぼ間違いなく聞かれるのが「自己PR」や「志望動機」です。
これらのアピール内容が会社の雰囲気とマッチしていると、大きな魅力に感じてもらえます。
受け答えがしっかりしていて理解力が高い
面接中のやり取りがスムーズかどうかはとても大きな選考基準となります。
質問に対して正しい内容で、はっきりとわかりやすく回答できる人は価値ある人材と評価されるでしょう。
逆に、自己アピールしたい気持ちが優先して質問内容とは的外れな回答をしてしまうと、大きく減点されます。
何を聞かれているのかを理解するためにも、まずは面接官の話をよく聞くようにしましょう。
まとめ
「人物重視」の求人なのに書類選考で落ちる理由や対策について解説し、以下のようなポイントがあるとわかりました。
・人物重視でも書類選考が行われる場合がある
・転職採用の場合、スキルや資格を持っていることが前提の場合もある
・人物重視の求人で企業が求めているのは会社との相性の良さ
・社会人としてのマナーと常識も期待されている
・スキル不足でチャレンジする場合、履歴書でも性格や人柄をアピールする
・企業研究と自己分析に力を入れ、求められている人物像を理解する
人物重視の求人で求められているのは「会社と人材とのマッチ」です。
企業が人物重視の採用を行う理由のひとつには、社員の早期退職の防止があります。
たとえ素晴らしい経験をお持ちでも、書類選考や面接の段階で会社の理念や雰囲気とのミスマッチを感じると不合格になります。
企業のこと、ご自身のことをよく理解したうえでの応募が非常に大切と言えるでしょう。
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