派遣社員から正社員になることは出来るのか?!転職する時に押さえるべきポイントを解説!
不安定な働き方の代表例として語られがちな派遣社員。
正社員になりたくてもなかなか正社員雇用が望めないことが問題視されています。
派遣から正社員になるにはどのような取り組みが必要なのでしょう。
正社員と派遣社員の待遇の違いや制度について解説していきます。
本気で正社員になりたい人はぜひご覧ください。
目次
転職するときに気をつけたいポイント
派遣でも正社員でも共通して、転職時に気をつけたいポイントは三つあります。
転職する理由、時期、場所です。
それぞれ見ていきましょう。
なぜ転職するのか、理由を明確にする
正社員になればローンも通りやすくなりますし、クレジットカードも持ちやすくなります。
契約更新に怯えなくても良いですし、風邪で数日休んだくらいで白い目を向けられることもなくなります。
でも、代わりにプレッシャーも大きくなります。
いざという時にプレッシャーをはねのけるためには、正社員でありつづける「理由」が必要になります。
転職前に、そうした理由や計画をしっかり立てておかないと、辛いことがあったときに崩れてしまうでしょう。
いつ転職するのか、時期を明確にする
転職時期はかなり重要になります。
あなたの年齢や景気、業界の雰囲気によっても変わってきますが、ある程度の計画を立ててから転職に踏み切らなければ、転職後に後悔することになります。
時期を定めるというのはそうした計画を立てることにもつながりますので、まずはそのあたりをはっきりさせましょう。
結婚を考えているのであれば◯歳までに彼女と籍を入れる……という計画のために◯年以内に正社員を目指すという逆算思考ができますよね。
逆に時期が明確でない転職というのは、その先にあるはずの目標がぶれている可能性が高いので危険です。
時間軸も交えた具体的な計画を立ててみましょう。
どこへ転職するのか、場所を明確にする
仕事をする場所、というのは本当にたくさんあります。まさに無限です。
勤務地、役職、雇用形態、どれも重要ですが、本当に大切なのはあなたのライフスタイルです。
QOLが重要視されはじめてからもうかなり経ちますが、未だに東京や大阪などの大都市で就業するのが一般的である状況は変わっていません。
本当は自然の中で暮らしたい、と考えていながらも仕事がないからしぶしぶ都会へ働きに……という方もいらっしゃるでしょう。
それはあなたのライフスタイルが仕事に負けていることを意味します。本当に自分がとりたいスタイルが取れていないのです。
エンジニアなどは経験を積めば独立していける風通しの良い業界です。
それこそ田舎でリモートワークをしながら開発を手がけるSEだってたくさんいます。
つまり勤務地だけでなく立場、という意味も含めて「場所」が重要になるのです。
自分が将来どのような場所で働きたいのか。
役職や立場、勤務地も合わせて希望のライフスタイルを思い浮かべてみましょう。
ここからは特に派遣から正社員への転職を望む際に気をつけたい部分について解説していきます。
派遣社員からの転職を目指すためには?
まず、派遣社員について理解を共有しましょう。
実は派遣社員には二種類のパターンが存在します。常用型派遣と、登録型派遣です。
常用型派遣の特徴
ある会社に直接雇用されている労働者が、一定期間他の企業に派遣されて業務を行う形態です。
期間が満了すればまた元の会社に戻り、次の派遣先へ向かったり、自社内で仕事をしたりします。
基本的に給与や有給などの制度面で正社員との違いはありません。
常用型派遣のメリット
常用型派遣(特定派遣・無期雇用派遣)は派遣法が改正されたことで多くなってきた「安定性のある」働き方です。
先に述べたとおり、正社員と変わらない月給が派遣会社から支払われます。
派遣会社の正社員・契約社員として働く「無期雇用」が常用型派遣最大のメリットです。派遣先が途切れようとも一定額の収入を見込めるのが良いところ。
さまざまな企業へ赴いてスキルアップ・キャリア形成の手段にもなります。
ボーナスや昇給制度、各種手当に福利厚生なども充実しており、まるで正社員のような待遇を受けられるでしょう。
常用型派遣のデメリット
1つ目は「採用枠が少ない」ということです。待遇の良さから常用型派遣での雇用を望む人は多くいます。
しかし、常用型派遣の雇用対象には「高い技術力(スキル)」「雇用先で必要となる資格や専門的で高度な資格」「職歴」「実績」など、企業側が求めるニーズに合う人材となる必要があるのです。
勤務先の評価に値しない人材は常用型派遣として雇用されることはありません。
2つ目は「派遣先を自分で選ぶことができない」ということです。企業が求める人材に合致すれば、その企業へ派遣されることになります。
そのため、終業時間や場所、仕事内容(業務内容)などを選ぶことが難しいです。
3つ目は「人間関係に苦労する場合がある」ということです。コミュニケーションスキルが低い人や自分の性格に合わない派遣先で働く場合、1年~3年の雇用期間が果てしなく長く感じてしまうこともあるでしょう。
契約期間が終わるまではと自分に言い聞かせて黙々と仕事を続ける必要があります。
登録型派遣の特徴
こちらは派遣会社に直接雇用されている派遣社員です。
期間の定めがある契約で、こうした契約を有期雇用派遣契約と呼びます。
たとえば三か月という雇用期間が定められた契約を交わして派遣された場合、あなたがどれだけ頑張って仕事をしても、その三か月という期間がすぎればクビになってしまいます。
正確に言うと、雇用主が「切りますね」と言えばその時点で契約は終了してしまうのです。
こうした不安定な状況を抜け出すために、正社員を目指す方の気持ちは痛いほど分かります。
しかし、ここで一つ考えていただきたい事があります。
それはあなたが正社員を目指す理由は何か、ということ。
言い換えれば「安定」を手にしたい理由はなにか、ということです。
さきほど転職する理由や場所、時期を考えていただいたのは、ここで迷わないためです。
もしはっきりと正社員になりたい理由が口にできない場合は、もう少し良く考えてから転職するのも一つの手です。
派遣社員から見れば正社員になるのは難易度が高いと思われるかもしれません。
しかし、本気で正社員への道を切り開きたいと考えている方に関しては、難易度はそれほど高くありません。
登録型派遣のメリット
登録型派遣の一番のメリットは「自分の都合に合った仕事環境を手に入れることができる」ところです。自由度が高いので、プライベートを充実させたい人にはおすすめできる働き方といえるでしょう。
登録型派遣は派遣会社に登録し、派遣会社経由で派遣スタッフとして企業に就業するという雇用契約を結ぶ仕組みとなっています。
自分の希望する勤務地やシフト時間などを聞き入れてもらいやすい傾向にあります。
時給制を採用している派遣会社が大半であるため、派遣スタッフを残業させたり休日出勤させたりすると、派遣先企業は元来支払っている金額にプラスして残業代分を派遣会社に支払う必要が生じます。
そのため、「派遣スタッフは残業・休日出勤させない」という企業も多いです。「残業や休日出勤はしたくない」という人も安心して働けます。
万が一、残業が発生したとしたらその分残業代は支給してもらえるのもメリットといえるでしょう。
給料に関しても、フリーターやアルバイト、パートタイマーなどと比較して有利な高収入を見込めます。
大手企業など、通常であれば入社が難しい企業で働ける魅力も。
登録型派遣のデメリット
登録型派遣のデメリットとして必ず覚えておいてほしいのが「有期雇用」ということです。登録型派遣は契約期間が決まっています。
「登録型派遣の特徴」でも述べましたが、たとえば3ヶ月の契約で雇用関係を結んだとしましょう。もし派遣先の企業が「契約を延長したい」といえば契約更新ということで再び3ヶ月契約期間が更新されます。しかし、更新されずに契約満了となる可能性も考えられます。
すぐに次の派遣先が決まれば問題ないのですが、待機期間が生じた場合は要注意。登録型派遣の場合、次の派遣先が決まるまでの間、給料は保証されません。そのため、「切られること」を意識して生活しなければならないストレスが生じるでしょう。
しかも、登録型派遣には「3年」という就業の上限が存在します。同じ職場で3年働いた派遣スタッフは、派遣先企業に直接雇用されるもしくは派遣元で無期雇用派遣に切り替える、新しい職場に派遣先を変更するなどの措置が必要です。
その他にも、「賞与(ボーナス)がない」「交通費が支給されない現場が多い」などの不利な点もあります。
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そもそも派遣社員と正社員の違いって?
企業にとって正社員はリストラしにくい存在ですから、労働者にとってみれば安定が望めます。毎日同じ時間に同じ場所で働けば固定給がもらえるので、未来の予定も立てやすく家庭だって持てますよね。
でも、そのかわりに辞めづらくなります。
正社員として働く上でこうしたリスクをゼロにすることは、おそらく不可能でしょう。
派遣社員であれば期間満了すればその職場からおさらばできるので、嫌な人間関係に悩まずに済みます。かわりに、ボーナスがなかったり昇給しなかったり、退職金がなかったりします。
他にはどのような違いがあるのでしょうか。
給与
基本的に正社員として勤務していれば昇給しますし、昇進もします。
他社へ転職するとなっても、前社での経験や待遇が考慮されますので社会的地位がどんどん上がっていく、それが給与にも反映されることでステータスにもつながります。
派遣社員はそもそも昇給しなかったり、したとしても水準が低かったりします。
結果、転職時に前職の給与を話しづらかったり、その企業が年収を能力と比例するものだと考えていた場合、実際より能力を低く見積もられてしまう可能性があります。
福利厚生
保養所があったり、社内に食堂があったりしますので働くうえで社員が快適な生活を送りやすくなります。
派遣社員の場合はこうした保障がすくなかったり、そもそも存在しないケースがほとんどですので、正社員に対して劣る点だといえるでしょう。
厚生年金などの生活保障
基礎年金だけでなく厚生年金まで払われている可能性があります。老後の懸念がなくなり、この会社で頑張っていこうと思えますよね。
他にも確定拠出年金を導入していたり、ストックオプション制度があったり、社員の未来を見据えた保障を打ち出している企業はありますが、派遣社員ではこうした保障を受けるのはほぼ不可能でしょう。
正社員にならないほうがいい場合もある?
ここまで見てみると「やはり正社員にならないと未来が不安だ」と思われるかもしれません。
ですが、正社員になることで失われるものだって多くありますし、我慢しなければならないことは多くあります。
近頃よく聞く意見として「やりたいことがみつからない」というものがあります。
若い人だけでなく30、40代になっても本当にやりたいことが見つからないと嘆いている方がいらっしゃるほど、現代は自分の「熱狂」を見つけにくくなっているのでしょう。
そんな方にこそ、派遣社員という選択をおすすめしたいと思います。
派遣社員であればいろいろな地域、いろいろな職種から仕事を選ぶことができますし、向いていないなと思っても期間を満了すれば後腐れなくやめることができます。
派遣社員は待遇がさっぱりしている分、正社員よりも気軽に就業できるメリットがあります。
正社員にこだわりすぎず、まずは自分の未来を考えてみるとよいかもしれません。
やりたいことが見つかってから、就きたい業種や職種を絞りこみ、入りたい会社を選んだって遅くありません。
無期雇用派遣という選択肢
無期雇用派遣と一般派遣の最大の相違点は、「無期限で雇用される」という点です。
前項目で説明したように、熱狂できるものを突き詰めるために派遣社員を選択するのも良いでしょう。ですが、派遣社員でいるのには「いきなり収入が途絶えてしまうかもしれない恐怖」が潜んでいます。
そんな恐怖を拭い去ってくれるのが、無期雇用派遣(常用型派遣)です。無期雇用派遣は派遣会社の社員または契約社員として派遣先へ赴きます。
そのため、派遣先企業との雇用関係が契約終了し、次に派遣される企業が決まっていない状態でも一定の収入を見込めるでしょう。
また、一定期間経てば契約が完了するためブラック企業に勤め続ける必要もありません。慢性的なストレスを抱えながらお仕事を続けなくて良いというのは注目すべきポイントの1つです。
正規雇用ではないため、転勤をともなう異動が生じる可能性も低いでしょう。
ですが、「確かに無期雇用派遣もアリだというのはわかったけれど、やはり正社員雇用を希望する」と強く願う気持ちはわかります。
そこで、次項目では正社員になるための具体的な方法についてご説明しましょう。
正社員になるためには?
具体的に正社員になる方法はいくつかありますが、代表的なものを三つご紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。
スキル、経験を積んで直接応募
ほとんどの企業には採用情報のページが存在しますよね。
そこには新卒や中途という区分ごとに採用情報が記されています。
全くの未経験で応募ができるかはわかりませんが、こうしたwebサイトから直接応募するという手段は有効です。
IT業界であれば経験を問われたり、ポートフォリオの提出を求められることもあるでしょう。
予め企業を調査し、条件を満たしてから応募することで通過率がアップしますので、入念な下調べが必要になります。
人脈を作る
SNSなどで気軽に友人が作れるようになりました、これを利用しない手はありません。
自分の行きたい業界をリサーチしつつ、実際にその業界で働いている方と繋がることで業界の雰囲気を知ることもできます。
よく「人脈」を「利用できる人間」だと思っている方がいますが、それは間違いです。
人脈とは「何かあったときに助けてあげたい人たち」で構成された輪のことです。
互いが互いを助けようと思っている人たちがつながることで、相互扶助を可能にしたコミュニティのことです。
初めから「就職するため」につながるのではなく、純粋に友人を増やし、その業界に明るくなるためにつながるようにしましょう。
いずれ有益な情報に出会えるようになるでしょうし、そこから就職につながる可能性だってあります。
就職支援を利用する
IT業界であれば弊社のような転職支援サービスを利用するのもよいでしょう。
転職エージェントがあなたの要望を聞き、最適な企業とのマッチングを手助けしてくれます。
また、無料で利用できますので登録して話を聞いてみるだけでもかなり有益な情報が得られます。
転職エージェントは毎日企業の動向や求人案件を眺めているのですから、求人や媒介のプロです。
自分が明るくない業界への転職を目指す場合、情報収集という意味でも利用しない手はないでしょう。
正社員になりやすい業界とは?
ここからは、正社員になりやすい業種について紹介していきます。
先日決まった入管法改正の目的として、慢性的な人材不足の解消が挙げられています。
深刻な人手不足に陥っている業種であれば、未経験からでも正社員として就職できる可能性が広がります。
IT業界
IT業界と一口に言っても分野は膨大ですが、エンジニアとしてこれからキャリアを積めばさらに活躍の場は広がっていくでしょう。
IoTやRPAという言葉が浸透したことからも分かるように、これからもどんどん生活のなかにテクノロジーが組み込まれるようになります。
黎明期だった2000年代、IT業界はブラックだという噂が横行したため職種としてあまり人気がありませんでしたが、法整備が整った現在ではそうしたブラックな会社は減少しています。
エンジニアとしての就職先は、大きくSIerとWeb系にわけられます。
SIerとは開発を受託してシステムや開発の一部や全部を請け負い、利益を上げる会社のことです。
自社で開発したアプリやサービスを売るのはWeb系で、一般的にこちらの方がスキル、経験を問われやすいといわれています。
未経験からの就業としてはまずSIerに就職してスキルを学び、実力を身に着けてから自社開発を行うWeb系へステップアップ、という流れがおすすめです。
福祉業界
介護初任者研修などのスキルを身につければ全国どこでも求人がある福祉業界もおすすめです。
近年は制度が改正され、処遇改善手当という名目で国から助成金が支払われるようになりました。介護士の待遇が良くなり、これまでのような薄給激務の職場は減少しています。
介護士の上級資格も設けられ、これからさらなる高齢社会を迎える日本にとって一大産業となることが見込まれている、伸びしろのある業種です。
飲食業界
人手不足の業界として有名な飲食業界も、正社員にはなりやすいです。
また昇進が早いことも特徴で、離職者が多いことも要因となり上のポストへ就きやすくなっています。
筆者は21歳で店長を経験しましたが、かなりの激務でした。
23,24歳で店長の上であるスーパーバイザーなどに就く方もザラにいる業界で、年齢よりも実力を重視する風潮があります。
独立も目指せる、夢のある仕事だと思います。
ゴールは正社員になることじゃない!
仕事をする上で必要なものは肩書だけではありません。
自分がたどり着きたい未来から逆算してキャリアを考えてみると、もっと柔軟な考え方で自分の未来を想像できるようになります。
例えば一日数時間のアルバイトをして、残りの時間はフリーランスとして働き、自由な時間を確保する。といったように、フレキシブルな働き方が認められ始めています。
YouTuberや、リモートワークなんて言葉もささやかれるようになった現代社会において、正社員になることはすでに絶対の正解ではなくなっています。
しかし、働きながら経験を積む、教えてもらうという視点に立ったとき、正社員で勤務するというのはかなり魅力的な選択肢です。
未経験からでも勉強したい業界に飛び込む勇気を持てば、あなたはいまから何者にだってなれるのです。
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