奨学金返済を転職時に減額する方法を解説!収入なしの場合に活用できる支援制度は?減額審査の内容もご紹介
転職する時に収入が減ってしまうと、一時的に奨学金を返すことができなくなる場合があります。収入がなくなってしまった場合に活用できる支援制度を紹介します。これらの支援制度を使用するにあたっては減額の審査もあるので、合わせて紹介します。
目次
奨学金の返済に困ったら
経済的な事由で奨学金を返済できなくなる場合があります。
奨学金の返済に困った人向けの制度を見ていきましょう。
多くの社会人が奨学金の返済義務がある
奨学金は学生を金銭的に支援する制度で、多くの社会人が学生の頃にこの制度を利用しています。
多くのケースが返済を伴うもので、就業後に借りたお金の返済にあたっています。
安定した収入があればいいですが、失業や転職等により一時的に収入を確保できない場合もあります。
返済計画は無理のないものを立てているはずですが、計画が崩れてしまうこともあるでしょう。
そんな時にも無理せずに返済を進めていくための制度があります。
奨学金の猶予制度
奨学金は学生が安心して学ぶことを目的に経済的支援を行うことを目的としています。
利子がつく場合でも、その金利は極めて低いものです。安心して返済できるように、猶予制度など様々な制度が整備されています。
失業等で経済的に困った場合でも、この制度を活用して安全に返済を見直すことができます。
返済の仕方に困ったらまずは制度の内容を確認してみましょう。
日本学生支援機構の制度
奨学金は日本学生支援機構(JASSO)が管轄しています。返済に関する窓口は基本的にJASSOです。
制度を利用するにあたって必要な書類等はJASSOのWebページで入手することができます。
スカラネット・パーソナルは無理なく奨学金を返済するためのツールです。奨学金の返済状況や返済金額をネット上で調整することが可能です。
返済者が無理なく返済できるように支援してくれる制度ですので、困ったら相談しましょう。
減額返還制度
減額返還制度では、毎月の返済額を減額することができます。
制度の利用には所定の審査が必要です。
毎月の返済を減額
減額返済制度は毎月の返済を減額するものです。当初約束していた支払方法では返済が困難な場合にこの制度を利用できます。
例えば、毎月2万円ずつの返済を12か月とするものを、毎年1万円ずつの返済を24か月とするなどです。
減額には申請と審査が必要であり、審査にはある程度の期間を要します。
また、返済を延滞しているとこの制度は使えません。資金の計画は前もって準備しておく必要があります。
返済総額が変わるわけではない
減額返済制度は経済困難などの理由で支払いが困難な場合に、支払方法を変えるものです。
返済する総額が変わるわけではなく、減額をしたことにより返済期間はそれだけ長くなります。
なお、第二種奨学金の場合はこの制度を利用しても利息が変わるわけではありません。この制度を利用しても一時的な減額になるにとどまります。
減額した分だけ奨学金を返済する期間は長くなりますので注意してください。
申請の際は期限にゆとりを持つ
減額返還の申請は2か月前までと規定されています。
申請してただちに減額されるわけではないので、ゆとりを持った返済計画を持つことが必要です。
転職のスケジュールにある程度見込みがある場合は、2か月前に申請を検討するべきでしょう。
1年ごとに審査が必要
減額制度を利用する場合は1年ごとに審査が必要です。
また、減額制度の期間は15年間が上限です。
返還期限猶予制度
返還期限猶予制度では返還期限を所定の期間猶予されます。
猶予されるにあたっては所定の審査が必要です。
返還そのものが難しいときは
返還期限猶予制度は、失業などによる経済困難により返還そのものが難しいときの制度です。
一定期間の返還を猶予するものであり、返済するべき総額や利息が変更するものではありません。
手続きの方法
手続きにあたっては返還が困難である理由とともに申請書をJASSOに提出する必要があります。
申請書のフォーマットはJASSOのホームページより入手できます。申請の際にはマイナンバーカードのコピーの提出が必要です。
審査には一定の期間が必要ですので、制度を利用される方は早めに申請をしましょう。
減額審査とは
奨学金の減額審査にはどのような内容があるでしょうか。
必要な書類とその確認事項について確認していきましょう。
減額審査の内容
減額には所定の審査があります。
書類に不備がないことを機構で確認した後、承認通知が本人に返送。本人のほかにも連帯保証人や振替口座の名義人にも通知が届きます。
所得証明書が必要
減額審査には所得証明が必要です。本当に返済することができないを確認するためです。
所得証明には源泉徴収票などが代表的です。
失業後にはハローワークでの書類が所得証明になる場合もあります。
経済困難による審査
減額審査は経済困難によるものであるかどうかが重視されます。
給与所得者の場合は、年間325万円を超えているかどうかが目安です。
かつては年間325万円以上の給与所得があったが、失業により収入が減額した場合はどうなるでしょうか。
減給により収入が減ってしまった場合は、その期間に該当する給与明細などが証拠になります。
失業中である場合はハローワークで使用する書類のコピーが必要です。雇用保険受給資格者証などがそういった所得を証明する書類に該当します。
利息について
奨学金の利息はどのようなものがあるでしょうか。具体的に確認していきましょう。
第一種奨学金と第二種奨学金
奨学金は第一種と第二種に分けられます。
第一種は返済のときに利子を必要とせず、第二種は利子を必要とします。
一般的に第一種の方が人気であり、利用者も限られていることから第二種を利用している方が多いです。
延滞には利息がかかる
奨学金の返還を延滞してしまうと、延滞分の利息がかかってしまいます。
この延滞分の利息は、割賦金のみにかかります。延滞した奨学金には延滞料金として利息が請求されます。
利息は返済の期日によって異なってきます。例えば、令和2年3月28日以降は年利3%の利息です。
延滞して余計な利息がかかることのないように、計画的な返済を心がけましょう。
奨学金を延滞してしまうとどうなる?
奨学金を延滞してしまうと、借りた本人にとってもよくないことが多いです。
奨学金を延滞してしまうことがないように計画を立てましょう。延滞した後では審査が通らなくなる場合があるので、早めに減額等の申請をしましょう。
延滞すると督促が来る場合がある
奨学金を延滞してしまうと、通常の借金と同様に督促がいきます。
債権回収会社を仲介して、法律に基づいた文書や電話での支払督促が本人へいきます。ただちに資産を差し押さえるものではなく、返済状況の確認をするものです。
延滞した後だと減額などの申請を受け付けられない場合もあります。必ず返済状況を確認して、返済期日を守るようにしましょう。
信用に傷がつく
奨学金を延滞していると、個人信用情報機関に個人情報が登録されます。
登録される内容としては、個人情報のほかに延滞情報などです。このような情報が登録されると、経済的信用が低いとみなされることがあります。
クレジットカードを作るときや、ローンを組むときなどに審査がおりなくなるケースがあるでしょう。
そうした事態にならないために、延滞となりそうなときはなるべく早めに手続きをとりましょう。
転職時の収入減に備える
無理せずに安定した収入を得るためには就業する必要があります。
転職エージェントと相談しながら転職活動を進めていきましょう。
転職で収入が減る場合
前職に勤めながら転職を実現できた場合はいいですが、失業状態になる場合もあります。
そういった時に収入が減ってしまうと生活や奨学金の返済にも困うでしょう。
転職時に収入がなくなりそうな場合には、早めにJASSOに減額・期限猶予の申請を行ってください。
失業期間中には雇用保険の申請などで経済的支援を受けることもできます。
転職エージェントに相談しよう
収入源による経済困難で返済が滞らないために、退職後は早めに定職につくことが求められます。
転職エージェントでは様々なバックグラウンドを持つ方の転職支援を実現しています。
万が一のために資金面で慌てることがないように、早めに転職のスケジュールを立てておきましょう。
奨学金は未来の学生のための制度でもある
奨学金は本来、学生を支援するための制度です。
誰かが返済を滞ってしまうとその分将来の学生が困ってしまいます。
無理なく奨学金を返せるように制度が整っています。未来の学生たちが不便なく奨学金制度を利用するために、必ず借りたお金は返すようにしましょう。
奨学金と自己破産
奨学金が返せずに自己破産をするという事例が増えていて、社会問題になっています。
自己破産をすると、連帯保証人が債務を背負うことになります。また、自身の財産も差し押さえられてますます生活が苦しくなってしまうでしょう。
奨学金は自己破産をしなくても返済ができるように制度が整っています。
一時的に資金繰りに困ってしまったら、まずは制度を活用して返済する方法がないか考えましょう。
まとめ
奨学金の返済について制度などを見ていきました。
奨学金は本来学生を支援するための制度です。
返済計画は無理のないものを立てているはずですが、計画が崩れてしまうこともあります。返済が難しい場合でも無理せずに奨学金を返していける制度が整っています。
経済的に困ることがないように、まずは落ち着いてこれらの制度を活用しましょう。
猶予された期間で落ち着いて転職活動をして収入を確保できます。
転職活動をする場合には転職エージェントを利用することをおすすめします。転職を急いでいる旨を伝えると、それに配慮した転職活動の案内がされるでしょう。
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