WAmazing株式会社のビジネスモデル分析!新たな旅行体験の提供とは【トラベルテック企業に転職】
様々な業界にIT技術が参入しつつありますが、更なる拡大を期待されているのが観光業界と融合したトラベルテックです。トラベルテックに携わる企業の一つであるWAmazing株式会社では、日本を訪れる外国人観光客向けのサービスを展開しています。スマートフォンアプリやSIMといった若者向けに特化したサービスが特徴的な企業です。WAmazing株式会社の取り組みと今後の展開について解説していきます。
目次
会社概要
世界と日本の観光資源を結び付けるプラットフォーム事業を展開するWAmazing株式会社。
訪日外国人旅行者向けアプリや無料SIMサービスを中心に提供しています。
成長著しいインバウンド市場において、2016年に創業された注目のスタートアップ企業です。
社名は「WA=和」と「Amazing=驚くべき・素晴らしい」とを組み合わせて生まれました。
「WAmazing」の社名の通り、「日本の魅力を世界に発信し、旅行者に驚きと感動を提供する」というビジョンを掲げています。
2017年にはアジア圏からの訪日観光客をメインターゲットに、WAmazingアプリをリリースしました。
現地情報の収集から交通・宿泊等の予約および決済まで、スマホ一つで完了できるプラットフォームサービスを提供しています。
「手の中の旅行エージェント」を目指し、更なるコンテンツ拡充を図っているのです。
また会員登録後に利用可能な無料のSIMカードレンタルサービスも行っています。
インバウンド市場で課題となっていた日本国内の通信環境問題を解決に導き、業界へも大きなインパクトを与えました。
更に、都市部に集中しがちな訪日外国人旅行者の地方部への誘客も盛んです。
地域の観光産業の活性化に貢献すると共に、観光産業全体の活性化も目指しています。
ビジネスモデル:トラベルテック事業における、新規ビジネスモデル
観光業界にITを導入するトラベルテック事業おいて、何に注目しどう組み合わせて新たなビジネスモデルを展開しているのでしょうか。
具体例と共に分析していきます。
訪日外国人旅行者(インバウンド)へ向けたスマホアプリの提供
インバウンド市場は年々成長を続けています。
観光庁の掲げるインバウンドに対する目標数値は2030年までに6000万人です。
中でも現在のインバウンドの8割を占める、アジア諸国からの観光客は巨大なマーケットです。
また特にアジアからの旅行者の年齢層は20~40代と若いため、それに伴いアプローチの方法もスマホアプリに特化しました。
ダウンロード数も順調に伸ばしており、訪日外国人旅行者と日本の地域を結ぶプラットフォームとして活用されています。
無料SIMカードの配布
同社WAmazingアプリは、事前に旅行情報を検索し、交通・宿泊・アクティビティなどの予約から決済までを可能にしました。
その利用者獲得の一環として、以前からインバウンド市場で課題とされていた、日本のフリーWi-Fiなどの通信環境の問題に着手。
到着空港で無料SIMカードを受け取ることができるサービスを開始したことにより、利用者の利便性も格段にアップしました。
受取機はすでに成田・羽田など主要空港への設置が完了しています。
個人旅客をターゲットに、まだ知られていない日本の魅力を伝える
Wamazingアプリの利用者のほとんどが個人旅行者です。
アプリが提供する情報には、ガイドブックには載っていないような飲食店の情報や宿など、個人旅客の心をくすぐるものが数多くあります。
これらのニーズは以前から存在してはいたものの、業界が見過ごしてきたエリアでした。
同社はあえてそこにスポットを当て、プラットフォームサービスを推進してきています。
結果、利用者の旅行プランニングは大きく変化し、より簡単に知られざる日本の食や文化に触れることが可能になりました。
大きな驚きと感動の旅を与えています。
都市部から地方部への誘客と地域産業の活性化
観光庁の調査によると、訪日外国人の訪日回数と訪問地の関係は、訪日回数が多くなるに従い地方部への訪問率も高くなるという傾向が強いです。
また訪日リピート率が高い国の上位には、同社ターゲットである台湾・香港などのアジアの国々が名前を連ねています。
つまり同社のサービスは訪日外国人リピーターのニーズとマッチし、地方部への誘客をスムーズに行うことが可能になりました。
また彼らが地域で消費をすることで地産地消を促し、地域の雇用を生み、更にそれが地方創生につながります。
会社が解決する社会課題:知られざる地域の豊富な観光資源を世界へ
「和食」のユネスコ無形文化遺産への登録や東京オリンピックなど、世界の日本への関心度が高まっているのは事実です。
しかしながら、それらは都市部や人気の観光地に集中し、それ以外の地域は見過ごされてしまっています。
同社はこのような現状に注目し、もっと日本全国の豊富な観光資源を発掘・紹介すべく活動しているのです。
そしてその魅力を発信していくことで、日本人観光客だけでなく訪日外国人旅行客も地域へ誘客する狙いがあります。
地域産業の活性化と地域経済への貢献を目指している状況です。
今後の事業展開:コロナ禍を乗り越えた先にあるもの
2020年、観光業界は新型コロナウイルスによって大きな打撃を受けました。
しかしながらインバウンド市場は中長期的には必ず成長していく市場です。
ここからはその波に乗って同社が成長し続ける理由も含め、今後の事業展開について見ていきます。
コロナ禍で、より注目されるトラベルテック事業
WAmazingアプリなどのトラベルテック事業は、コロナ禍をきっかけに、より注目されるようになると予想されています。
コロナ禍後の新しい形の社会生活において、極力人との接触を減らすためには、アプリやウェブ上で全てを完結できるシステムは有用です。
よってITを活用したトラベルテックが、観光業界の今後の成長を担っているといっても過言ではありません。
訪日観光客が必ず戻ってくる理由
人は生きるための安全が確保され物欲が満たされると、次に必ず無形消費欲求が現れます。
つまり非日常という空間や時間・体験などを求めるようになるのです。
パンデミックが収まった後は、こういった動きが起こることは確実であり、訪日外国人旅行者が戻って来るであろうと予想されるのです。
来るべき需要増加に備えた基盤づくり
同社は訪日外国人の増加を見越し、引き続きアプリを通じて手配できる観光商材の拡充を続けています。
また、従来の台湾・香港・中国マーケットに加え、シンガポール・タイ・オーストラリアなどの英語圏地域への展開も強化しました。
そのため中国語に加え、英語版のサービスもリリースしています。
新たな分野への事業拡大
またコロナ禍をきっかけに事業の多角化も図っているWAmazing株式会社。
その一つが、同社が抱える外国人従業員のスキルを活かした翻訳受託事業です。
また新たに日本人観光客向けの旅行商材の販売にも着手、開発も含め新たなサービスを展開しようとしています。
今までインバウンド向けプラットフォームサービスだけに特化していた事業基盤を、より強固なものにすることが可能です。
転職採用例:多様なバックグラウンドを持つ仲間とダイバーシティな環境
同社のメンバーの4割は外国籍であり、社内での公用語こそ日本語ですが非常にダイバーシティな環境となっています。
また「リクルート」「ヤフー」「DeNA」「ランサーズ」など様々な企業・職種からの転職組も数多く活躍している企業です。
転職ポイント:IPOも視野に入れた積極的な人員採用
同社は全ての職種において、積極的な人員採用を行っています。
その際、能力や経験はもちろんのこと、特に重要視されているのは以下のような人物像です。
・インバウンド(訪日外国人観光)への興味・関心があるか。
・同社ビジョンに共感できるか。
・自己研鑽に積極的に取り組めるか。
・自身の業務だけに囚われず、自ら仕事を取りに行けるか。
・ダイバーシティな環境でチームワークを重視、仲間への信頼・尊敬の気持ちを持って業務を遂行できるかどうか。
・変化を恐れず楽しめるか。
また、スタートアップ企業ということで、必要に応じたオペレーション改善も重要です。
このように、マルチタスクを効率的に処理する能力も求められています。
会社情報:垣根のないフラットな職場とパフォーマンス向上への充実したサポートが魅力
WAmazing株式会社の職場環境や社員へのサポートについて見ていきましょう。
フレンドリーな職場環境、フレキシブルな業務スタイル
様々なバックグラウンドを持つメンバーと、台湾・香港・中国など多国籍なメンバーが在籍しています。
それぞれが相性で呼び合うなど、風通しのよい職場環境が魅力です。
また新たな働き方として注目を集めているフレックスタイム制や、リモートワーク制を導入しています。
ライフスタイルの変化にも対応しやすく、社員自らが自由に、創意工夫しながら働ける環境を目指している企業です。
社員のパフォーマンス発揮と能力アップのための充実したサポート体制
次に企業で働く社員のために行っているサポートを解説しましょう。
WAmazing株式会社では社員のパフォーマンス最大化のために、会社として最大限のバックアップをしています。
開発用マシンは無論最新鋭のものを用意し、必要に応じて4Kディスプレイも支給。
語学学習支援としては定期的に中国語講師を招き、中国語レッスンを開催しています。
業務知識向上に必要な書籍購入については、会社が費用を負担しているのも特徴です。
セミナーや勉強会参加費用も、全額会社が負担します。
食事面のサポートとしては、社内で軽食やスナック類も用意しています。
ヘルスサポートとして、通常の健康診断に加え、インフルエンザの予防接種も会社負担で受けることが可能です。
※各制度は2020年11月時点での情報です。
まとめ
2020年の観光業界はコロナの影響を受け、当初の予想を下回る伸び率でした。
WAmazing株式会社もインバウンド事業ということで、少なからず影響を受けてはいます。
しかしながら、同社はこの状況をチャンスと捉えています。
一時的とはいえ日本の観光業界から外資が離れたことで、日本企業にとっては再興への猶予が与えられたと考えているからです。
そこで同社はインバウンド以外の事業にも取り組み始め、成長への歩みを維持しています。
加えて政府の対策により、国内観光需要から徐々に回復の兆しもみられ、今後のインバウンド事業にも光明が見え始めました。
一度スタックしたからこそ、近い将来インバウンド市場は一気に増大することが予想されています。
またトラベルテックへの期待と利用者ニーズも多様になり、需要拡大は確実です。
同社は現在、「その時」を見据えた基盤の強化に取り組んでおり、まさに大きく飛躍する直前の助走状態であるといえるでしょう。
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