【サーバーエンジニア】仕事内容から必要なスキル、その将来性まで徹底解説!
PCやスマートフォンでインターネットを利用する時、無意識に接続しているのがITサービスを提供するサーバーです。そして、そのサーバーを構築して運用や保守を行うのがサーバーエンジニアと呼ばれる技術者です。今回は、サーバーエンジニアの主な仕事内容や必要スキルを、将来性を含めて徹底解説します。
目次
サーバーエンジニアとは
ITサービスを提供するサーバー機器は、Webサービスやメール、その他サービスによって必要なミドルウェアが違います。それぞれのサーバーを用途に合わせ、構築から運用・保守に至るまでを手がけるのがサーバーエンジニアです。
また、サーバー構築における最初の過程となるサーバー選定や、用意したサーバーのキッティング、ラックへのマウントやLANケーブルをはじめとした配線の取り回しもサーバーエンジニアの業務範囲に含まれます。
ITサービスが稼働する前段階、プログラミング開発が行われる環境構築から始まり、サービス稼働後の運用や保守を行うサーバーエンジニアは、プロジェクトの全体像を把握しておく必要があるのです。
保守作業については、基本的には他のプロジェクトメンバーが休みの時を狙って作業をする必要がありますし、サーバールームに数十時間居続けることが日常茶飯事という現場もあります。
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サーバーエンジニアの仕事内容
それではサーバーエンジニアの仕事内容を詳しく見ていきましょう。
サーバー選定
ITサービスを提供するにはサーバーが必要です。サービス内容ある程度決まると、必要スペックを算出してサーバーの選定を行います。
サービス規模にもよりますが、サーバーにはプログラマー達が開発に使うサーバーと、サービスを稼働させる本番サーバーが必要です。
サーバーエンジニアは、開発用と本番用それぞれが滞りなく稼働できるスペックのCPUやメモリーを導き出し、プロジェクトの予算も考えながらハードウェアを選定します。
ですので、サーバーエンジニアはサービスが稼働した時にかかる負荷なども考慮する経験が必要となるのです。
ハードウェアキッティング
サーバー選定を終えて、実際にサーバー機器が手元に届いたらサーバー構築が始まります。
キッティングが終わっていないモノならば、CPUやメモリーを実装するといった作業から、キッティング済みのサーバー機器ならばラッキング(電源やLANケーブルの接続および取り回し)を行います。
サーバー構築
キッティングを終え電源を入れたら、次はOSのインストールです。サーバーで使われるOSは主にLinuxですが、Windows Serverの場合は既にOSがインストール済みの場合が多いでしょう。
例えばWebサーバーを構築する場合には、以下のような手順になります。
➀ OSのインストール
➁ ネットワーク設定
➂ ファイアウォールの設定
④ Webサーバー(Apacheなど)を含めたミドルウェア設定
⑤ 疎通確認
大まかな手順ですが、ここまでを構築してからプログラマーに引き継ぐのが一般的です。
サーバー運用および保守
サービスに必要な開発が終わり本格的に稼働を始めたら、次は状況に応じた運用です。
想定以上にアクセスがあればコンフィグのチューニングが必要ですし、帯域が足りなければネットワーク回線の見直しも必要でしょう。
サービスは定期的にバックアップを世代管理で行いますので、バックアップデータを捌くことも必要になります。
何かしらのトラブルがあれば、別サーバーにサービスを逃し、トラブル解決をしなければなりません。
もちろん、全てをサーバーエンジニアだけで行うわけではなく、プログラマーやネットワークエンジニアと連携しながら安定した運用・保守を実現していきます。
サーバーエンジニアに必要なスキル
それでは、サーバーエンジニアに必要なスキルを具体的に見ていきましょう。
ハードウェアに関するスキル
サーバーの選定から任されるサーバーエンジニアには、ハードウェアに関するスキルは必須です。
それは、CPUやメモリー性能にとどまらず、設置場所(ラック幅など)や電源の確保など、モノの設置にまで及びます。
データーセンターなどを見学し、配線の取り回しなどを学ぶことも一つのスキルとして重宝されるのです。
サーバー構築スキル
サーバー構築スキルには、サーバー機器の物理的な知識やOSについてはもちろんのこと、各サービスに必要なソフトウェア全般の知識が必要です。
代表的なサーバーとしては以下のようなものがあります。
・Webサーバー
・メールサーバー
・ファイルサーバー
・FTPサーバー
・プロキシサーバー
・DHCPサーバー
・DNSサーバー
・DBサーバー
など。
WordPressを使うようなメディアサービスを行うにはWebサーバーが必要ですし、プログラマーが開発する環境にはファイルサーバーやFTPサーバーも必要になるでしょう。
特定のネットワーク接続が必要なサービスならばプロキシサーバーをたてる必要がありますし、ネットワークをコントロールするためにDNSサーバーを自らたてる環境も少なくありません。
サーバー機器は1台でも、その中には複数のサーバーを立ち上げ、それらを安定稼働させるのがサーバーエンジニアのスキルです。
ネットワークのスキル
サーバーエンジニアの多くは、ネットワーク周りの作業も兼任することがほとんどです。ですので、ネットワークに関する知識習得も必須となります。
ネットワーク周りの作業で必要な知識は以下のようなものがあります。
・TCP/IPの知識
・プロバイダーの知識
・ルーターの知識
・スイッチングハブの知識
・DHCPの知識
・LANおよびWANの知識
・無線LANの知識
など。
ネットワークは物理的な機器の故障から、些細な設定ミスにより、致命的な障害を発生させます。
ネットワークのスキルを身につけておかなければ、迅速なトラブル解決ができないだけでなく、サービス全体に広がる大規模障害へと繋がってしまうのです。
規模の大きな企業であれば、サーバーエンジニアとネットワークエンジニアの担当が分かれていることもあります。しかし、ほとんどの場合はサーバーエンジニアとネットワークエンジニアは“インフラエンジニア”という括りとなり、幅広いスキルが必要とされます。
セキュリティに関するスキル
サーバーエンジニアとして重要なスキルが、セキュリティに関する知識です。
稼働するサーバーのほとんどがWAN(インターネット)と接続されています。顧客情報などの重要データを保管するサーバーはもちろん、全てのサーバーに対して万全なセキュリティを施す必要があるのです。
Linuxサーバーであれば「iptables」を設定する事になります。ここに設定するセキュリティは主にアクセス制御です。
国別のIPアドレスを把握したり、アタックの多いIPアドエレスを弾くといった基本的なセキュリティは、サーバーエンジニアが把握しておく重要な知識となります。
サーバーエンジニアの将来性
インターネットが日常生活の基軸となっている現代、サーバーエンジニアの将来性は明るいと言えますが、必要なスキルも大幅に増え続けています。
ITサービスが増え続ける中で、比例してサーバートラブルも頻発しているのです。ネットワークを含めたサーバートラブルの中では、トラブル解決に強いサーバーエンジニアとしてのスキルを磨くことで、需要は大きく高まります。
サーバーエンジニアの年収は、経験値とスキル、また業務範囲に比例しますが、約400万円から約1200万円といった求人も存在します。スキルと経験を重ねることで、それは年収にも反映されるということですね。
サーバーエンジニアのための勉強方法
サーバーエンジニアになるための勉強方法としては、独学である程度の知識をつけて、企業で実践するというステップが効率的でしょう。
もちろん、独学と実践を同時進行すると経験とスキルは飛躍的に伸びます。
独学による勉強方法
サーバーエンジニアの知識を独学で勉強するにはLinuxが最適です。Windows Serverはライセンスが非常に高いため、個人的に購入するにはハードルが高すぎます。
Linuxはオープンソースですので、使わなくなったPCや、現在使っているPCに自由にインストールすることが可能です。
Linuxを利用すれば、自宅でWebサーバーを構築し、インターネットへ公開することもできますし、ファイルサーバーを構築して家庭内のNASを作ることも容易です。
自ら目的を持ってサーバーを構築することで、自然にスキルは身につきますし、何より大切なリサーチ力が培われます。
実践による勉強方法
実践によりサーバーエンジニアの勉強を行うならば、もちろん企業へ就職するか、派遣社員としてITインフラ企業に属するのが最短の道です。
その際には、独学でサーバー構築を行った経験が活かされることもあるでしょう。
まとめ
サーバーエンジニアは、需要の高いエンジニアです。必要なスキルは幅広くありますが、常に知識を吸収し続け、トラブルも含めた多くの経験を積むことで、需要の尽きないエンジニアだと言えます。
今後はビッグデータやAIと言った新しい仕組みを理解することで、更にサーバーエンジニアとしての価値を高めることができるでしょう。
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