制御系エンジニアとは?仕事内容や年収、転職に役立つ資格も紹介
制御系エンジニアは電化製品の操作設計を行う仕事で、要件定義から設計・開発などに携わります。昨今のIoT時代到来により需要が高まる制御系エンジニアについて、役割や仕事内容、必要なスキルや資格についてIT転職エージェントが分かりやすく解説します。
目次
制御系エンジニアはどんな仕事?
制御系エンジニアの仕事について
制御エンジニアとは、工場などで動いているロボットの作動をプログラムし、動作ボタンなどでロボットが動くようにシステムを作り込む職種です。
例えば、スマートフォンやテレビなど、身近な機械製品のシステムに対し、何か操作した時にその操作と連動して機械の中のシステムが作動するように作り込む開発を担います。
ボタンを押せば動作するのは制御エンジニアの仕事によるものです。
業務範囲は幅広く、クライアントへの要件のヒアリングから設計、開発、アフターフォローまでを行います。
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システムの要件定義
顧客が求める制御システムに対し、要望を正確に聞き取り全体の方向性を決めるのが要件定義です。
制御系エンジニアは、顧客に対するヒアリング力の他に、提案力や専門用語をかみ砕いて伝える力が求められます。
この要件定義によってプロジェクト全体の方針が決まるため、最も重要なフェーズだと言えるでしょう。
顧客の意向をいかにくみ取れるかが、プロジェクトの成功や信頼関係の構築に大きく作用します。
システム設計から開発
要件定義をもとに、まずは設計を行います。
システムやプラットフォームに対して、ベースとなる基本設計からプログラミングに関する詳細設計を設計書に起こし開発を進める作業です。
開発にはそれぞれ適したプログラミング言語が採用されるため、制御系エンジニアにはそれらを扱うスキルが求められます。
開発はチームで作業を行うことも多く、協調性や効率化が重要です。
システム導入からアフターフォローまで
単体テストや総合テストを繰り返して開発を終えたら、顧客へ納品します。
この納品がシステム導入と呼ばれるものです。
導入の際には顧客への説明やサポートなども制御系エンジニアが担いますが、これで業務は完了ではありません。
その後もトラブル対応やアフターフォローは制御系エンジニアに求められるため、顧客と築いてきた信頼関係が大きく影響します。
制御系エンジニアの平均年収
制御系エンジニアの平均年収は約540万円です。
ただしスキルや経験によって左右されるため、年収幅が広い職種だとされています。
必要なスキルについては後ほど詳しく解説しますが、情報処理に関する幅広い知識を網羅していることが求められるため、その専門性の高さから比較的年収が高い職種であると言えます。
また、近年のIoT分野や自動車産業などでの需要増も背景にあり、技術のスキルはもちろんマネジメントスキルなども身に付けた人材の市場価値は今後さらに高まると予想されるでしょう。
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制御系エンジニアと組み込み系エンジニアの違いは?
組み込み系エンジニア・計測制御エンジニア・制御設計エンジニアとの違い
制御系エンジニアと混同されがちなエンジニアの種類には、組み込み系エンジニア・計測制御エンジニア・制御設計エンジニアがあります。
それぞれ、役割が異なるもの、兼務することもあるもの、また全く異なり資格の名前という違いがあるため、制御系エンジニアへの転職を考える場合も周辺の職種を検討する場合も正しい理解が必要です。
以下、詳しく解説します。
組み込み系エンジニアとの違い
組み込み系エンジニアは、その名の通りシステムを機器に組み込むのが役割です。
制御系エンジニアが開発した制御システムの組み込みを担うのが組み込み系エンジニアであるため、両者は担当する役割が異なります。
また、「機器がきちんと動くための仕組みを作る」のが制御系エンジニアであり、「動作が正常に動くようにコントロールする仕組みを作る」のが組み込み系エンジニアである点も違いです。
計測制御エンジニアとの違い
計測制御エンジニアは、資格の名称です。
公益法人 計測自動制御学会が認定する資格で、計測や制御に関連したエンジニアの知識を有していることを証明します。
エンジニアの資格の一つですが、制御系エンジニアに転職するための必須資格というわけではありません。
制御設計エンジニアとの違い
制御設計エンジニアは、設計に特化したエンジニアです。
家電やIoT機器、工場の機器など扱う領域は制御系エンジニアと同じですが、より上流工程に特化している場合に制御設計エンジニアと呼称されます。
ただし企業によっては設計だけでなくプログラミングを行うケースもあり、明確な線引きはされず呼び方が違うだけであったり兼務することも多いのが制御設計エンジニアです。
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制御系エンジニアに必要なスキル
エンジニアとしてのスキル
組込みスキル標準(ETSS)
組込みスキル標準(ETSS)は、情報処理推進機構が策定した組込みソフトウェア開発に関する指標です。
体系的なスキルやフレームワークの指標であり、すべてのエンジニアが共有することでスキル不足の解決が目標とされています。そのため制御エンジニアを目指す際には役立つフレームワークです。
プログラミングスキル
制御システム開発にはC言語、C++、アセンブリ、Javaなどが用いられます。
開発するシステムによって適したプログラミング言語が採用されるため、特にキャリアアップや年収アップを狙うためには複数のプログラミング言語を扱うスキルがあると良いでしょう。
自動制御の基礎知識
自動制御システムは専門性が高く、他のシステム開発とは求められる知識が大きく異なります。
例えば設計には電子工学や回路設計などの知識や、設計図作成にはCADの取り扱いスキルも必要です。自動制御に関する基礎知識は欠かせません。
ハードウェアの知識
制御システムは独自のハードウェアを必要とする特性上、基本的なハードウェア知識に加えて制御システムに特化した知識も求められます。
自動制御の基礎知識とあわせて、一般的なシステム開発とは異なるポイントの習得を重視する必要があるでしょう。
ビジネスにおいてのヒューマンスキル
論理的思考力
エンジニア職種にロジカルシンキングは欠かせません。
プログラミングを担当する場合はもちろん、自分では手を動かさない場合であっても要件定義や設計には筋道を立てて考える力が必要です。
コンピューターへの指示といった技術面だけでなく、顧客の課題解決や効率化、提案や説明などすべてにおいて論理的思考が求められる仕事だと言えるでしょう。
コミュニケーションスキル
冒頭で述べた通り、制御系エンジニアにはコミュニケーションスキルも必須です。
チーム内でのやり取りや顧客との関係性を円滑にし、業務をよりスムーズに推進するためには、自ら人間関係を向上させるよう働きかけることができると役に立つでしょう。
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制御系エンジニアに向いている人
制御系エンジニアに向いているのは、先ほど解説した必要なスキルを持った人です。
特に高い論理的思考力を持ち、その考え方を的確に伝えて周囲と共有できるコミュニケーションスキルとのバランスが取れていると制御系エンジニアとして重宝されるでしょう。
正確に物事を捉え相手に伝える力も求められるため、感情的・感覚的なタイプよりは、冷静で細かいタイプの方が向いています。
また、特に日々技術革新がめまぐるしいIT業界では、新しい知識に対して常にアンテナを張る情報取集力と、最新の技術を業務や提案に活かす柔軟性があると役立ちます。
制御系エンジニアの転職に役立つ資格5選
ETEC(組み込み技術者試験制度)
JASA(一般社団法人組込みシステム技術協会)が主催する試験で、システム構築の工程や分析能力などを2段階のレベルで証明できるものです。
結果は合否ではなく、結果に基づいたグレードで評価されるという特徴があります。
2段階のレベルのうちクラス2は「上級者からの指導をもとに作業可能なレベル」が、クラス1は「中級技術者として実務可能なレベル」が認定されます。
OCRES(OMG認定組込み技術者資格試験)
組込みエンジニアを対象とした資格試験で、組み込みシステムのプログラミング知識などが問われます。
ファンダメンタル、インターメディエイト、アドバンスの3段階のレベルが用意されており、最も難易度が高いのがアドバイスです。
OCRESは130ヵ国以上で行われている世界標準レベルの資格試験であり、取得することで海外でも活躍できる人材が目指せます。
エンベデッドシステムスペシャリスト試験
IoTを含む組込みシステム開発スキルが問われる試験であり、同時に事業戦略や企画立案、セキュリティの知識も求められます。
取得することで、制御系エンジニアとしてIoTのような最新技術に携わることができるスキルレベルを証明できます。
国家資格であり、キャリア形成にも役立つでしょう。
応用情報技術者試験(AP)
応用情報技術者試験は、基本情報技術者試験の上位にあたる試験です。
ITエンジニアとして幅広い応用知識が求められるため出題範囲も広く、そのため難易度も高い資格として知られています。
実務経験者であっても入念な準備が必要です。
JSTQB認定テスト技術者資格
組み込みソフトウェアのテストに関するスキルが問われる技術者資格です。
「Foundation Level」と「Advanced Level」の2つのレベルが設けられており、制御系エンジニアにとって重要な工程であるテストの品質が保証できる人材の証明として有効だと言えるでしょう。
Foundation Levelは誰でも受験可能ですが、Advanced Levelは Foundation Level合格および実務経験3年以上が必要です。
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制御系エンジニアのキャリアパス
制御系エンジニアのキャリアパスは、スペシャリストとマネジメント職が考えられます。
マネジメント職ではプロジェクトマネージャーやITコンサルタントなどが挙げられるでしょう。
豊富な開発経験のほか、プロジェクト全体の知識や俯瞰する力、さらに経営者の視点などを身に付けるとキャリアアップに役立てることができます。
一方、スペシャリストとして技術力に特化した人材も求められています。
高い技術力を持った制御系エンジニアは不足しているため、必要なスキルを身に付け、さらに深めたり幅を広げることでより市場価値の高いエンジニアとして活躍することができるでしょう。
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制御系エンジニアに未経験からなるには
未経験から制御系エンジニアを目指すには、まずはプログラミングやテストなどの下流工程を担当しながら必要なスキルや知識を身に付けるのがおすすめです。
未経験可の求人であっても、業界やプログラミングの知識が全くない未経験の状態と、多少のスキルを学習した状態では後者の方が転職には有利だと言えます。
自身のスキルレベルの把握と、マッチする求人案件が知りたい場合は転職エージェントへの相談もおすすめです。
現在の市況感や、企業、求人案件の状況を踏まえてサポートを行います。
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制御系エンジニアを目指すならプロに相談しよう
制御系エンジニアは、最新技術や人気の業界でも需要が高まる制御システムを扱う仕事です。
需要に対する人材不足が目立つ職種でもあることから、将来性が高いと言えるでしょう。
未経験からでもより市場価値が高い人材として転職するためには、必要なスキルを身に付けることと同様に、理想とするキャリア形成に近づける転職を実現することも大事です。
IT業界の転職に強い転職エージェントのGeekly(ギークリー)では、制御系エンジニアに関わる職種や企業の情報を多数保有しています。
制御系エンジニアの仕事に興味がある方は、その後のキャリア形成も含めぜひお気軽にご相談ください。
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