ビジネスデザイナーに必要なスキル3選!DX人材に求められる能力とは?
ビジネスデザイナーは企業が手がける新規事業の課題を発見し解決してプランを構築する職業です。世間的に認知度がまだまだ低いこともあり情報量が少なく、転職を希望していても業界全体の動向を知ることが難しいこともあるでしょう。この記事ではビジネスデザイナーについて詳しく解説します。
目次
ビジネスデザイナーとは
ビジネスデザイナーは、製品やサービスをビジネスとして成立させるための仕組みを構築する人です。
アイデアはあるのだけれど、それをサービスや製品として価値を持たせることができないという人もいるでしょう。製品やサービスにすることができたとしても、報酬につながらないというケースもあるかもしれません。
ビジネスデザイナーは、こうした人たちに対してビジネスをどのように成立させるかをアドバイスする存在です。
ビジネスデザイナーに必要なスキル3選
ビジネスデザイナーはビジネスの構築をサポートする職業です。ビジネスデザイナーに求められるスキルについて3点解説します。
①事業推進計画書の作成
事業推進計画書は経営コンサルタントが作成することもあります。
ただ、ビジネスデザイナーが作成する事業推進計画書は少し異なる点があります。
通常の事業推進計画書は5カ年計画や中長期的な計画をトップダウンで理想的展望を描くものです。
ビジネスデザイナーが行うのは最終的な事業案ではなく、どのように事業を開始していくのかというところからスタートします。最終目的に向かうためにはまず何をはじめればよいのかという点を明確にすることがビジネスデザイナーです。
新しい事業を行うために明日から何をするのかというところまで計画を具現化することができるスキルが求められます。
②新規事業の構築スキル
事業推進計画書が完璧に作成できたとしてもそれを実行に移していく力がなければ意味がありません。
ビジネスデザイナーには、計画書にそって事業を構築していくスキルも求められます。事業を進めていく企業の側で伴走者のようにともに計画を進めていくことがビジネスデザイナーの仕事です。
ポイントとしては足し算と引き算がうまくできるかどうかです。
計画書、事業展開というと新しいものをどんどんと足していきたくなるのが大半です。ただ足し算ばかりをしていくのではなく引き算をして不要なものを取り除くこともデザイナーとしてのスキルが問われる部分です。
シンプルでわかりやすい計画を提案できることが求められます。何をやって何をやらないのかを明確化することでスムーズに事業を進めていくことができるようになります。
③ビジネスコーチングスキル
企業の事業担当者や企業家に対してビジネスコーチングを行うスキルもビジネスデザイナーに求められるスキルです。
経営コンサルタントの場合は事業計画を立てることはしても実行に移すところまでは関わらないケースもあります。
ビジネスデザイナーは、経験を積むほどもちろん失敗の経験も出てきます。こうした自分自身が経験してきた失敗から学んだことを武器として生かすことができるのがビジネスデザイナーです。
DX推進人材の定義
DX人材とは、IPA(情報処理推進機構)が定義しているDXやデジタルビジネスの企画・立案・推進などを担う人材のことです。
DXとはデジタル・トランスフォーメーションを指します。
DXの必要性に気がついて、スタートさせようとしたタイミングでありがちなのは誰にアサインすればよいかわからないという問題です。
特にはじめてDXに取り組む企業にとってはどのようなスキルに持った人にアサインするかは重要なターニングポイントになります。
DX人材に求められるスキル3選
DX人材に求められるスキルについて解説します。
①課題発見力
事業計画を構築していく段階で課題を発見する力はDX人材に求められるスキルです。
さらに発見した課題に優先順位をつけて解決すべき課題を洗い出すことができる高い能力があれば有利です。
ビジネスデザイナーにあてはめた場合、事業を展開しようとしている企業が抱える課題を発見できるかどうかになります。新規事業計画の課題をしっかりと見つけ出し、まず何から解決すればよいかを明確にできる人材が求められています。
②解決策構築力
課題を発見して優先順位をつけたら解決していくための手段を提案することが必要です。
DX人材に求められるのは解決策の構築力です。解決策を構築するためには現在の技術力で何がどのようにできるのかを理解している必要があります。
現在のテクノロジーの限界、どの技術を用いることで課題を解決できるのかを判断する力を身につけましょう。
さらに技術者と会話をしながら要件定義をすることができるスキルも必要です。実際の事業では企業が求める目標に向けてプロジェクトを動かしていく必要があります。
課題を発見して解決策を構築することでプロジェクトの目標に向かって企業とともに進んでいくことができます。
③プロジェクト推進力
課題解決策の構築ができたら実行に移す必要があります。
DX人材は1人で要件定義をすることができるスキルが求められます。解決策構築の段階では、いかに効率的かつ効果的に進めることができるかが重要視されます。
最低限のリソースを用いて課題を解決に導くスキルが求められます。
DX推進人材を構築する職種
IPA(情報処理推進機構)が定義しているDXやデジタルビジネスの企画・立案・推進などを担う人材をDX推進人材と呼びます。
IPAはDX推進人材の種類として6種類の職業を定義しています。
プロデューサー
プロデューサーについては、DXやデジタルビジネスを推進するリーダーと定義されています。
クライアントやパートナーなどと良好な関係を構築することが求められる職種です。
プロジェクト構築だけでなく維持・統括を行うスキルも必要です。ビジネス・マネジメントを行うために事業の全体を把握して投資や経営資源の配分などに対して的確な決定ができる必要があります。
さらに、社内にとどまらず業界全体を把握してビジネスを取り巻く社会や経済の変改と動向を読み解く力も求められます。
ビジネスデザイナー
ビジネスデザイナーは前項で解説したとおり、DXやデジタルビジネスの企画・立案・推進などを担うスキルが求められます。
クライアント企業や市場のニーズをしっかりくみ取り、ビジネスを構築していくことがビジネスデザイナーの仕事です。
アーキテクト
アーキテクトは、DXやデジタルビジネス関連のシステム設計ができる人材です。
つまりIT関連の技術が求められる仕事ということになります。アーキテクチャの設計、設計技法などIT関連のスキルが求められます。
さらにクライアントとのやり取りに必要なコミュニケーション能力やリーダーシップも必要なスキルとして定義されています。
データサイエンティスト/AIエンジニア
データサイエンティスト/AIエンジニアは、膨大なデータからビジネスに必要なものを引き出すことができる人材と定義されています。
IPAとは異なるデータサイエンティスト協会が存在し、DX推進人材と関係なく一般的通念がある程度形成されている職種です。ビジネス力、データサイエンス力、データエンジニアリング力が求められる職種でもあります。
データサイエンティストとしてのスキルをはかるには協会が提示しているDSスキルチェックを用いることが可能です。
UXデザイナー
UXデザイナーは、DXやデジタルビジネスに関連したシステムでユーザー向けのデザインを担当する人材です。
Webデザイナーとほぼ同様の職種と考えることができます。
UI専門のエンジニアですが求められるスキルはWebデザイナーとほぼ同等です。インターネット概論・ワールドワイドウェブ法務・ウェブデザイン技術などが求められるスキルとなります。
スキルレベルの確認基準に用いられているのがウェブデザイン技能検定です。転職を希望する場合には3級〜1級のいずれかを保有していると有利です。
エンジニア/プログラマ
エンジニア/プログラマは、デジタルシステムの実装やインフラ構築などを担う人材とされています。
ITエンジニアとほぼ同等の職種と考えることができます。特にITスペシャリストやアプリケーションスペシャリストはエンジニアのなかでも中心的役割を担います。
スキルレベルの確認基準には情報処理技術者試験のなかの基本情報技術者試験と応用情報技術者試験の2つが用いられています。
ビジネスをデザインするメリット
ビジネスをデザインするという表現に曖昧さを感じる人もいるでしょう。
ただデザインがビジネスにもたらすメリットは多くあります。
わかりやすい例をあげれば、商品やソフトウェアのデザイン性が向上すれば使い勝手がよくなりユーザービリティが向上します。複数のボタンが並ぶリモコンよりもボタンが少ないもののほうが使いやすいということです。
さらに優れたデザインを採用したソフトウェアであれば作業効率が向上するでしょう。安全性・競争力・利益性・ウェルネス・クオリティーオブライフやクオリティオブワークの向上もあげられます。
一見するとビジネスとは無関係に思われるデザインも利用の仕方によってはビジネスをよりよいものにするツールとなります。
ビジネスデザイナーはこのようなメリットを最大限に引き出すための作業を行う人材です。
ハイスペックなビジネスデザイナーになるには
ビジネスデザイナーと一言でいってもレベルはそれぞれで異なります。業界で求められているのはハイスペックなビジネスデザイナーです。
もちろん未経験からのチャレンジも可能です。そこからキャリアアップしていけば経験値もあがりハイスペックなビジネスデザイナーになることができるでしょう。
求められる+αのスキルとは?
発想力
ハイスペックの定義は高度な課題に対してオリジナルのフレームワークを作成してクライアントの事業を推進していくスキルです。資料の作成だけでもいかに見やすく説得力のあるものが作成できるかが重要視されます。
つまりとにかく事業を進めていけばそれでよいというわけではないという点がポイントです。
企画構築力
新しいビジネスアイデアを生みだしたら、それを事業に落とし込む力が必要です。
ほかのデザイナーとは異なる角度から事業展開に切り込んでいける広い視野と豊富な知識、情報量が求められます。常に学ぶ姿勢を忘れない人にこそビジネスデザイナーは向いているといえるでしょう。
コミュニケーション力
ビジネスデザイナーがやり取りする相手はステークホルダーです。現場でファシリテーターとして意見をまとめ、サポートするだけのコミュニケーションスキルは欠かせません。
実務に役立つおすすめ資格
ITコーディネータ試験
経済産業省の推奨資格です。ITの知識はもちろん、それを経営者の視点で活かす方法が証明されます。
戦略的なDX推進・IT活用が求められるビジネスデザイナーの仕事に役立つでしょう。
ITストラテジスト試験
国家資格のひとつです。高度なIT活用スキル、経営戦略にもとづいたIT戦略の策定スキルの構築に役立ちます。コンサルタントを目指す人が取得しています。
プロジェクトマネージャー試験
国家資格のひとつです。ITプロジェクトのマネジメントスキルを証明します。マネージャーとして必要なリソースの活用、全体の意思決定といったマネージャーとしての資質、ビジネス全般の知識や経営者視点なども求められる資格です。
転職エージェントを活用してビジネスデザイナーになろう
ビジネスデザイナーは世間的にはまだそれほど認知されていない職種といえます。そのため転職を検討して活動していても情報が少なく何からはじめればよいかわからないという人もいるでしょう。
転職活動は行き詰まってしまうと悩みを抱えてしまうことになるためすっきりと解決していくことが大切です。
そこでおすすめなのは転職エージェントの活用です。転職エージェントは人材を求めている企業と直接やり取りをしているため豊富な情報を持っています。
ビジネスデザイナーに転職したいならば転職エージェントを活用して業界全体の動向について知ることも大切です。
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