エフェクトデザイナーとは?仕事内容や求められるスキル、年収や転職のポイントを解説
エフェクトデザイナーとは、ゲームの爆発や破壊シーン、戦闘シーンなどの演出に特化したデザインを担当する職種です。今回はエフェクトデザイナーの仕事内容や年収、必要なスキルや資格、転職する方法を現状のスキルや状況別にIT転職のプロが解説していきます。
目次
エフェクトデザイナーとは
エフェクトデザイナーとは、ゲーム中で起こる自然現象やイメージ演出をコンピューターグラフィックで表現するデザイナーです。企業によってはエフェクター、VFXアーティストと呼ぶこともあります。
ミッションはゲームを盛り上げるCG演出を作り、プレイヤーの没入感やゲームのエンターテイメント性を高めることです。
時には0コンマ何秒という一瞬の演出ですが、ゲームの世界観を固め、面白さや魅力をより的確に表現する役割を担います。
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エフェクトデザイナーの仕事内容
エフェクトデザイナーの仕事は、ゲーム内で起こったアクションに応じたエフェクト効果の演出です。
例えば炎の爆発や、攻撃がヒットした際の衝撃、落雷、宝箱を開いたときの光などが該当します。
「リギング」と呼ばれるCGキャラクターを滑らかに動かすための設定を行い、続いてプログラマーやデザイナーなどと連携しながらエフェクトを作成し、システムに組み込んでいくのがエフェクトデザイナーの仕事です。
見た目の楽しさや華やかさだけではなく、ゲーム内で何が起きているのかをプレイヤーに伝える「機能性」も求められます。
エフェクトデザイナーが手掛ける2種類の主なエフェクトについて、解説していきます。
攻撃・ダメージエフェクト
攻撃した時、攻撃を受けダメージを受けた時、回復した時など、バトル中の動作にそれぞれ適切なエフェクトを制作します。
例えば、シューティングゲームの爆撃による炎や煙、RPGで魔法を使った時の光の演出など、ゲーム中の画面をより華やかにします。
その攻撃で五感はどのように感じるのか、視覚的にわかりやすくする効果があり、ゲームの爽快感を演出するために不可欠な要素の1つです。
演出エフェクト
バトル中以外の場面や、ムービー演出中に必要なエフェクト制作を行います。
例えば、キャラクターのステータスや心情を表現したオーラ、重要なアイテムのみにかかっているエフェクトなどです。
リズムゲームで、タップした時の演出やコンボが続いた時の盛り上がりを促すCGもエフェクトデザイナーが制作しているものです。
ゲーム内で何が起こっているのか、プレイヤーが直感的にわかるように伝える視認性向上の効果があります。
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エフェクトデザイナーの年収
エフェクトデザイナーとしてのスキルアップやキャリアの蓄積は、収入面でプラスになりえます。
多くの場合、エフェクトデザイナーの年収はおよそ300~400万円台からのスタートとなっていますが、上限を600~700万円で設定されており、個人のスキルや実績による開きが大きな職種となっています。
中には800~1,200万円を上限として設定している企業もあるため、エフェクトデザイナーとしてスキルアップすることができれば、キャリアアップも十分に狙うことが可能です。
年収を上げる方法
エフェクトデザイナーとして年収を上げるためには、グラフィック制作スキルやデザイン力を磨き実績を積み重ねることが必要です。
頭に描いたエフェクトを正確に表現するためには高いスキルが欠かせません。
独創的なデザインのために日々さまざまな情報をキャッチアップする必要もあり、発想力を鍛え続ける主体性を持っていれば、業務の幅を広げ年収を上げることも可能でしょう。
また、スキルを証明できる関連資格の取得が効果的な場合もあります。
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エフェクトデザイナーに向いている人
エフェクトデザイナーに必要なスキルを分析すると、エフェクトデザイナーに向いている人が見えてきます。
特に、下記に当てはまる人は、エフェクトデザイナーとしての才能が眠っている可能性があります。
・観察力に自信がある
・現実ではありえないことを想像するのが好き
・映画やドラマを見ている時は演出に注目する
・新しいテクノロジーに興味がある
・新しいものに興味や好奇心がある
・新しい知識やテクノロジーに出会うとワクワクする
・自分が他の人からどう見えているか、を考える客観性を持っている
・他人の意見を素直に取り入れることができる
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エフェクトデザイナーが不足?需要と将来性
エフェクトデザイナーの需要
エフェクトデザイナーは、いまゲーム業界でも特に注目されている職種です。
ゲーム業界ではキャラクターや背景のデザインに人気が集まる傾向があるため、エフェクトを手掛けられるスキルを持つ人材は多くありません。
しかしその一方で、高グラフィックなゲームや没入感のあるゲームが求められるようになり、エフェクトデザイナーの需要が増しています。
規模の大きな制作プロジェクトの登場や、システムの複雑化を理由にゲーム内に登場するエフェクト制作も専任化が進んでいることから、エフェクトデザイナーの将来性は高いでしょう。
3DCGの需要増による影響
近年、映画やPV、広告などの映像作品のほかにソーシャルゲーム・コンシューマゲームでも3DCGが多様されています。
エフェクトデザイナーの需要増に特に関連しているのがスマホゲーム市場の拡大です。
スマホゲームの日本国内市場はすでに1兆3005億円という規模に拡大しています。これは国内ゲーム市場全体の実に3分の2を占める割合です。
ゲーム市場規模とエフェクトデザイナーの需要は、比例して拡大していくと考えられるでしょう。
(参考:Yahooニュース)
不足している理由
需要が増加しており今がエフェクトデザイナーに挑戦するチャンスではありますが、不足している理由にその難易度の高さが挙げられます。
人々が目にする映像が綺麗になるにつれ、エフェクトデザイナーに求められる技術も高くなっているからです。
グラフィックツールも新しいものが出続けるなかで、技術力をつけることはもちろん、情報収集力やトレンドを察知する力、キャッチアップし続ける努力がベースとして求められます。
エフェクト専門の学校もまだ多くはなく、人材を育成できる人材も十分とは言えません。
しかしこの難易度の高さによる人材不足の状態が、将来性につながっている一因であるのも事実です。
エフェクトデザイナーの将来性
エフェクトデザイナーは、ゲーム制作のデザイナーのなかでも将来性のある職種でしょう。
先に述べたように、現在は高グラフィック、高クオリティのゲームがつくられるようになっています。それにともなって求められるエフェクトの需要も高まります。
また、エフェクトデザイナーがもつグラフィックのスキルは、アニメへの転用も可能です。
汎用性のあるスキルという点では、非常に将来性のある職種です。
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エフェクトデザイナーに転職する方法
エフェクトデザイナーを目指して転職する場合、現状のスキルや状況によってロードマップが変わります。
ある程度のスキルを持っている場合
元々、CG制作やデザインに関する知識・スキルがある方は、エフェクトデザイナーに転職するハードルは高くありません。
例えば、他の業種でWebデザイナーをしている、3Dモデラーとして活躍している場合が挙げられます。
また、レベルにもよりますが、趣味でグラフィックソフトを使った創作活動をしているという方もチャンスは少なくありません。
完全な未経験からの転職
未経験からエフェクトデザイナーを目指すのであれば、大学や専門学校、スクールで学ぶ方法、書籍やネットを活用して独学で学ぶ方法、そしてアルバイトなど現場で働いてみるという方法が考えられます。
CG制作ソフトを触ったことがないというレベルの場合、研修制度が整っている企業でないと、転職後のアジャストに時間がかかります。
もしもまったくの未経験から目指すのであれば、CG制作やデザインについて学べる専門学校でのスキル習得を検討してもよいでしょう。
専門課程がある教育機関は、実戦的なスキルや専門知識を身に着けられるメリットがあります。さらに、学んでいく中でポートフォリオの作成も同時進行できるため、スキルのアピールにつながる武器づくりもできます。
未経験だからこそ、ポートフォリオで伸びしろをアピールできれば転職の希望を叶えるチャンスはあるでしょう。
ポートフォリオが重要
ポートフォリオに記載するのは主に次の事項です。全体を通して文字を詰め込むよりも視覚的な分かりやすさを意識するのがポイントです。
文字の大きさやフォント、読みやすいかどうか確認しましょう。
①自己紹介ページ
名前や生年月日といった基本的な情報を顔写真と共に記載するページです。これまでの経歴とともに、使えるツールやマネジメントなどのビジネススキルを保有していれば記載しましょう。
詳細の記載が必要な箇所以外は、ひと目で分かるような工夫をするとよいです。
②作品掲載ページ
実績を掲載します。特に自信のある作品や、応募する企業に関連の深いものを5~10作品程度厳選しましょう。
掲載方法は、YouTubeなどにアップロードした動画URLか、5分以内のデモリールをテキストデータとともに載せます。テキストデータはプロジェクトの概要はもちろんですが、制作に用いたソフトやスキル、そしてどのような考え方を持って行ったかというプロセスが大事です。
仮に作品数が足りない場合、無理にクオリティの作品を増やすよりも自信があるもののみ掲載する方が効果的です。
③自己PRページ
自己PRは強みや得意なツール、仕事への考え方などをまとめましょう。人柄が伝わるようにするのがポイントです。
面接では志望動機についても話すため、ここで一貫性のある内容を意識すると良いでしょう。
エフェクトデザイナーになるには?必要なスキルや資格
エフェクトデザイナーに必要なスキル
ビジュアルやデザイン的な素養
エフェクトデザイナーとして活躍するために、自然現象や科学に関する知識は、ゲーム中の攻撃や魔法を表現するエフェクトを施す際に役立ちます。
例えば、炎をモチーフにした魔法は化学の知識、雷をモチーフにした魔法は気象や天文学の知識があれば、よりリアルな表現ができます。
・自然現象、科学の知識
・デザイン、色彩理論
・造形力
・美的センス
・演出力、演出技術
・柔軟な想像力、発想力
・独創性
・表現力
また、デザインや色彩理論も重要です。継続的にダメージを受ける毒攻撃を受けた時、毒々しいイメージのエフェクトを施すことで、何が起こっているのか一目でわかります。
つまり、デザイン・色彩に関する知識で色のイメージを利用した直感的な演出ができるようになるのです。
さらに、エフェクトの出し方やタイミングといった演出力、オノマトペを視覚的なエフェクトとして表現する想像力、発想力も大切です。
テクニカルスキルの素養
エフェクトデザイナーの仕事では、さまざまなデザインツールを使用する機会があります。
よく使われるツールとして名前が上がるものが下記です。
・Maya(3DCG制作ソフト)
・Adobe After Effects(グラフィック制作ソフト)
・Illustrator、Photoshop(2DCG制作ツール)
・3ds Max(3DCG制作ツール)
・Unity、Unreal Engine(ゲームエンジン)
・BISHAMON、PopcornFX(エフェクター専用のソフトウェア)
この他にも物理シミュレーションのスキルやスクリプト言語に関する知識もあるとベターです。
エフェクトデザイナーとしてスキルアップするために、すぐに勉強を始められるので、取り組みやすいものから始めてみましょう。
ビジネスパーソンとしての必須スキル
エフェクトデザイナーはクリエイターでもありますが、企業に採用される以上、社会人でありチームプレイが必要です。
・ゲームの世界観やゲームプランナーからの要求を的確に理解し汲み取る力
・観察力
・分析力
・コミュニケーションスキル
・新しいスキルを身につける努力を惜しまない好奇心、柔軟性、吸収力、向上心、向学心
この中でも特に重要なのが、コミュニケーションスキルです。
エフェクトデザイナーはゲームプランナーや他のCGデザイナー、プログラマーとの連携が多い仕事で、分業化が進むゲーム制作現場で他のクリエイターやディレクターと信頼関係を築く協調性は、プロジェクトを円滑に進めるために欠かせません。
また、ゲーム業界は技術革新やトレンドが移り変わるスピードがとても速い業界です。多くのゲーム作品や最新技術に対する好奇心は、エフェクトデザイナーとしてのキャリアアップにも役立ちます。
エフェクトデザイナーに必要な資格
エフェクトデザイナーになるために必須の資格はありません。
ただし、あると役に立つ資格、履歴書や職務経歴書に記載してアピールできる資格は以下の通りです。
・CGクリエイター検定(エキスパート)
・Photoshopクリエイター能力認定試験
・Illustratorクリエイター能力認定試験
・色彩検定(デザイン分野)
この中でも特に注目したいのがCGクリエイター検定です。
エフェクトデザイナーに必要とされるテクニカルなスキルやデザインへの理解を問われます。
また、2DCG、3DCGを使ったモデリング技術など、出題範囲の幅広さも特徴です。
履歴書にはエキスパートを記載したいところですが、未経験であればベーシックから挑戦できます。
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エフェクトデザイナーのキャリアアップ
エフェクトデザイナーとして活躍していく中で、さらにステップアップしていく道もいくつか考えられます。
エフェクトデザイナーが目指せるキャリアパス
ゲーム制作現場の中で考えられるキャリアアップとして、下記が挙げられます。
・CGプロデューサー
・CGディレクター
・キャラクターデザイナー
・モーションデザイナー
・テクニカルアーティスト
・アートディレクター
方向性の1つとして、ディレクションスキルを磨き、現場でのリーダーシップを発揮する道があります。
その場合、制作チームの進行管理やクライアントとの打ち合わせ、成果物のチェックといった業務が加わります。
相手の意見に耳を傾ける姿勢やスケジュール管理能力、根拠を明確にして意見を述べる姿勢などが求められるでしょう。
また、他領域のクリエイターとの連携をスムーズにするために、キャラクター・モーションデザイナーとしてのスキルを磨くのもおすすめです。
さらに、エフェクトデザイナーの主戦場は現在3Dゲームですが、映画などの映像コンテンツを制作する他業界でも活躍の場が増え始めています。
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