Sierからコンサルへ転職する方法!志望動機やアピールすべきポイントも
現在、キャリアアップのためSIerからITコンサルタントへの転職を試みる人が増えています。この2つの仕事には、いったいどのような共通点があるのでしょうか?本記事では、SIerからITコンサルタントへの転職について、アピールできる強みの紹介や転職のコツについて紹介します!また、必要な資格などについても併せて紹介します。
目次
SIerからITコンサルタントへの転職は可能!親和性が高い理由4選
クライアントの課題を解決する仕事である
クライアントのニーズを経営的視点で解決を試みるか、またはユーザー的視点でそれを実行するかの違いはありますが、SIerとITコンサルタントの仕事内容は「クライアントの課題を解決する」という点で共通しています。
SIerはユーザー側とコミュニケーションを取りながらシステム開発をするといった課題解決を第一としていることに対して、ITコンサルタントは経営側との課題解決ミッションを重視し、ミッションを実行します。
また、SIerの業務範囲はサービスやプロダクトの納品までを行いますが、ITコンサルタントはシステム化への提案・業務要件定義といった課題解決の手法まで担当することが特徴です。
ITに関する知識が求められる
SIerは要件定義力、設計力、プログラミングスキルといったITの知識が必要とされます。
一方でITコンサルタントは実際に手を動かし実務を行うわけではありませんが、同様にIT知識は必要となります。
なぜなら、ITコンサルタントは実務的に携わらなくても、SE(SIer)に指示を出す必要があるため、同じ粒度での理解度が求められるからです。
元々IT知識等が深いSIerからITコンサルタントへの転職はアピールできる部分が多く、有利だともいえます。その知識はそのままITコンサルタントとして活用できます。
課題発見力やヒアリング力が求められる
SIerといえばそのIT知識や技術力に目が行きがちですが、SIerでもITコンサルタントのようにクライアントの隠れたニーズや課題を発見した上で提案することが求められる部分があります。
ユーザー側と経営者側といった立場の違いはありますが、ヒアリング能力がなければクライアントの求めているニーズを汲み取り、望んでいるシステムを開発するのは困難です。
SIerで得た問題解決のためのクライアントに対するヒアリング能力、ニーズを引き出す力はITコンサルタントの仕事にとってとても重要な一要素となります。
コミュニケーション能力が求められる
ITコンサルタントはクラアントワーク(クライアントからの依頼によって物を作ったり、サービスを提供したりすること)のため高いコミュニケーション能力も必要です。
SIerはプロジェクトマネジメント能力が必要な仕事であり、大規模なプロジェクトを任されることも多く、自分だけではなくプロジェクト全体の管理、つまり進捗状況や予算管理などのマネジメント能力も必要となります。
このようなコミュニケーション能力はITコンサルタントにも欠かせないものであるため、SIerとの親和性において、もっとも親和性の高い部分の一つです。
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SIerからITコンサルタントへ転職するメリット・デメリット
メリット①上流工程や大型のプロジェクトにかかわることが出来る
SIerがシステムの納品を成果として求められることに対して、ITコンサルタントの成果とは経営課題を解決して数字を好転させ、解決するといった高い水準のものが要求されます。
ITコンサルタントは経営者や企業の幹部と仕事をすることが多く、経営やビジネスについて常に意識を高く持ち続ける責任がありますが、それだけに上流工程や大型のプロジェクトに関われるチャンスも多くあります。
システムの要件定義や設計に入る前段階であるクライアントのビジネス課題の洗い出しなど、ビジネス的な視点を持ったアプローチである上流工程から携わることが出来るのもITコンサルタントの特徴です。
また所属するコンサルティングファームにもよりますが、官公庁や各分野トップクラスの大企業など有名企業がクライアントであることも多いです。
こういったものはシステム開発会社やSIerでは経験できないほどの大型案件が多く存在し、その中には数十億~数百億といった規模のプロジェクトも存在します。
メリット②年収アップが見込める
前提として本人のスキルやキャリアによりますが、SIerからITコンサルタントへの転職では、多くのケースで年収が上がっています。
SIerの平均年収が400万円〜650万円であるのに対し、ITコンサルタントはその知見やスキルにより、1,000万円以上の年収も見込めます。
その背景にはロジカルシンキングや分析力、プレゼンテーション能力など、ITコンサルタントは高度なスキルや専門性が求められるために、高い利益率のビジネスモデルを形成しているからです。
さらに高い難易度と専門性を求められる職業は比例して報酬も高くなります。
そしてコストが主に人件費のみであり、1案件あたりが80~200万円と高単価でもあることがITコンサルタントの高い利益率を生み出す要因の一つになっているのです。
デメリット①残業や仕事量が増えてしまう可能性がある
ITコンサルタント業は一人複数の案件の担当を兼務することがあります。
案件が多数ある中で困難な経営課題の解決のため、クライアントと良好なコミュニケーションを築く必要があります。
他にもクライアントの経営会議や営業会議などに参加する機会も多く、常に最適な質の高い提案を考える必要があるのです。
こういった背景からITコンサルタントの仕事量は膨大になり、納期にも追われるため、仕事が過密スケジュールになりやすく、結果として残業や仕事量が増えてしまう可能性があります。
デメリット②インプットの多さについていけなくなる可能性がある
ITコンサルタントはIT知識だけでなく、クライアントや業界の情報、資料作成やリサーチなどインプット作業が多い仕事です。
日々知識を更新し、クライアントの経営課題に活かさせるようにしているのです。
新しいITテクノロジーのキャッチアップやクライアントを取り巻くビジネス環境の移り変わりなど、常に情報をインプットしておく必要があります。
しかし、インプットの多さにキャパオーバーを起こしてしまうと、業務ミスも増えて業務の質を低下させることになり、最悪のケースではクライアントが期待する成果が出せない結果になりかねません。
【例文付き】SIerがITコンサルタントへ転職するときのアピールポイント4選
志望動機
ポイントとしては「応募企業のどこか魅力的なのか?」「その企業でどう具体的に自分が貢献できるのか?」「どのような仕事がしたいか?」といったことを含めた志望動機を作成します。
現職ではプログラマーとして〇年、SEとして〇年勤務してまいりました。
SIerではシステム開発の実務に携わることが多く、クライアントとの距離が遠い仕事であったため、クライアントと近い距離で課題解決に取り組む仕事がしたいという思いがあります。
そのため、ITコンサルティングファームでより経営に近い領域に従事したいと考え、御社を志望しました。
御社ではITエンジニアとして得たITスキルやプロジェクト管理能力を活かして貢献したいと思っています。
エンジニアとしての技術力
ITコンサルタントへの転職では、SIerは要件定義、設計、開発、テスト、運用など、業務で培ってきたエンジニアとしての技術力で、クライアントの様々な課題に対応できるというITスキルをアピールしてください。
私は前職でSEとして◯年、PMとして◯年働いた経験があります。
SEとしては主にインフラ整備の業務に携わり、PMとしては特にスコープ管理や品質管理、リスク管理に力を入れてきました。
御社ではこれらIT技術や開発プロジェクトの知見を活かしたいと考えています。
顧客折衝の経験
コンサルタントは経営課題を解決することが業務ですが、それは経営側だけではなく、クライアントともコミュニケーションを頻繁に取らなければいけません。
そしてコミュニケーションを取りながら、課題を論理的に解決していくのです。
例えばクライアントの抱える悩みについて、ヒアリングを通し課題を発見したといった経験など、SIer時代にクライアンとの折衝経験があれば大きなアピール材料になります。
前職では開発エンジニアとして◯年間働きました。
開発エンジニア時代には急なクライアントの仕様変更や仕様追加を経験し、より一層ヒアリング力の向上を目指して努力してきました。
またヒアリングを通して顧客折衝に新たな発見もあり、自身の成長意欲の向上にも繋がっています。
プロジェクトマネジメント力
ITコンサルタント業務は、SIerや下請けに指示を出してサービスやシステムを構築します。
そのため、SIerとしてプロジェクト完遂のために取り組んだ経験に裏付けされた能力があれば、ITコンサルタントに転職をはかる上で大きな武器になります。
私はこれまでにSEとしてシステムの開発・運用・保守に〇年間携わってきました。
中でも私の強みは開発現場やプロジェクト管理に幅広い知見を持つ部分です。
QCDを企業やユーザーの課題ごとに整えることに注力してきた経験や、プロジェクト管理の経験が御社でも発揮できると自負しています。
SIerがITコンサルタントを目指す際に身につけた方が良いスキル
論理的思考力
コンサルティングサービスには論理的思考力が必要とされます。
なぜなら論理的思考力はクライアントの課題を解決する際に必要な能力だからです。
例えばクライアントの経営課題がどこにあるのかを考える際にも、クライアント側がよりよく理解できるように客観的かつ物事を論理的に判断します。
インプットした情報を吟味・分析して自分に落とし込み、さらに得られた情報の裏にある問題を洞察するなど、事実に裏付けされたロジカルな提案にまとめあげていきます。
物事を分かりやすく噛み砕き、クライアントにプレゼンテーションをする際に論理的に伝える能力も重要です。
プレゼンテーションスキル
仮によりよい課題解決方法を提案できたとしても、それをクライアント側に正しく理解してもらえなければ反発されることもあります。
そこでクライアントの課題を解決するため、「どのようなシステムを導入すべきなのか?」「どのような施策を打つべきか?」をクライアントに提示し、納得してもらうことがITコンサルタントには求められます。
具体的には、以下のような能力が求められます。
・具体的かつ限定的に絞り込まれた提案構成
・想定される指摘への的確な回答
・冷静で論理的な折衝
上記の他に、語学力も必要となる場合があります。通訳のフィルターを通さないことで熱量や細やかなニュアンスが伝わりやすいからです。
領域ごとの専門知識
ITコンサルタントは活動領域によって専門的な知識が求められることがあります。
例えばSCMコンサルタントであればサプライチェーン業務の知識が必要です。
業務効率化のために導入されるERPを扱うERPコンサルタントは、企業の経営課題に理解が求められます。
ERPの導入経験や、導入に伴う分析スキルも必須だと言えるでしょう。
経営やビジネスに関する知識
ITコンサルタントの仕事は経営に深く関わります。
経営者とコミュニケーションをとる機会も多いため、ビジネスの最新情報や業界の動向に関する情報収集は積極的に行う必要があるでしょう。
常に新しい情報を取り入れるためには、トレンドにアンテナを張っておくことが求められます。
同時にキャッチアップを続ける習慣も身につけておくと良いです。
SIerがITコンサルタントを目指す際におすすめの資格
ITコーディネータ資格
ITコンサルタントに転身するためには、ITコーディネータの資格の取得をおすすめします。
これはITを経営に活用することを目的に、適切なアドバイスが実現、支援できる人材であることを証明することができるからです。
ITコーディネータはITコーディネータ協会(ITCA)が所管する経済産業省推進資格であり、経営戦略を実現するためのIT化支援サービスを行うスペシャリストです。
つまり、ITコンサルタントの業務と共通点が多く、ITコンサルタントとしてのレベルの高さを証明できる資格でもあります。
ITストラテジスト
独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の国家資格です。経営戦略に基づいてIT戦略を策定する難易度の資格です。
難易度は高いものの、企業の経営戦略に基づいて、IT技術を活用し事業改革のための基本戦略を推進可能な人材であるとみなされる資格でああり取得をおすすめします。
プロジェクトマネージャ
日本プロジェクトマネジメント協会が認定する資格であり、取得していればプロジェクトの責任者に必要とされる知見やスキルを証明することができます。
この資格はプロジェクトのスケジュール進捗やパフォーマンス、コストなどを管理するスキルを有しており、プロジェクトマネージャとして業務を適切に遂行できるレベルであるとみなされます。
中小企業診断士
中小企業診断士の資格は国家資格であり、難易度は1次試験、2次試験の合格率20%程度で、試験全体では約3〜5%という難関試験ですが、コンサルティング業に携わる多くの方が取得しています。
この資格では経営戦略や経済学、運用管理、財務・会計など、IT分野に限らず経営全般に関して知識レベルが問われます。
中小企業が抱える経営課題に関し、適切な助言を行うプロフェッショナルであるという証明ができる資格です。
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SIer(SE)からITコンサルタントへの転職について強みやコツの解説を中心に紹介してまいりました。ITコンサルタントではSIerのエンジニアが持っているIT知識がおおいに重宝されます。
したがって、SIerで働いていたキャリアにおいてマネジメント能力などを研鑽してきた人は、ITコンサルタントへの転身はおすすめできるものです。
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