Web系サービスエンジニアの職務経歴書の書き方を解説!自己PRや経歴のまとめ方は?見本とともに紹介
職務経歴書はこれまでの実績を記載することで自分がどのように役立つかをアピールするツールです。基本的な記載内容はどの職種も変わりませんが、web系サービスエンジニアならではの書き方やアピールのやり方があります。ポイントを押さえてweb系サービスエンジニアの業務内容に詳しくない人にもわかりやすい理想的な職務経歴書を書けるようにしましょう。
目次
職務経歴書の記載内容
職務経歴書は自分がどのような仕事をどの程度できるか記載したものです。
web系サービスエンジニアの職務経歴書に書く内容も基本的には一般的な職務経歴書と同様のものになります。
もちろん、web系サービスエンジニアの職務経歴書だからこそ記載が必要な項目もあります。
例えば、取り扱える言語・OS・フレームワーク・参加したプロジェクトの実績などが該当します。
経歴のまとめ方
職務経歴書のまとめ方を大きく分けると、経歴の棚卸し・情報の整理・体裁を整える・チェックの4ステップです。
経歴の棚卸し
まずは、これまでに自分がどのようなことをやってきたのか、どのようなプロジェクトを担当したのか、あぶり出してみましょう。
この時点では思いつくまま書き出して構いません。
全部書き出した後に全体をわかりやすく整理できていれば大丈夫です。
構成
web系サービスエンジニアの職務経歴書は下記構成が基本的なものになります。
・職務概要(要約)
・志望先で活かせる経験・知識・技術
・職務経歴
・テクニカルスキル
・資格
・自己PR
構成に独自色を出す必要はありません。簡潔で分かりやすく職務能力を伝えるにはどうすればよいか、を意識してみてください。
レイアウト、枚数、各項目の文字数・行数など「このくらいの分量ならすぐ目を通せるな」と思わせるシンプルな職務経歴書がベストです。
書式
タイトルの「職務経歴書」はフォントサイズを1~2周り程度大きくし中央配置します。
次の行にくる日付「xxxx年xx月xx日現在」氏名「氏名:○○ ○○」は右寄せです。
最後は右寄せの「以上」で締めると職務経歴書の基本的な体裁が整います。
コンプライアンスチェック
web系サービスエンジニアの職務経歴書では企業名や取扱サービス名など、具体的な名称は出さないようにする配慮が求められます。
プロジェクトによってはクライアントの企業名や具体的な事業内容について秘密保持契約が交わされているものもあるからです。
ラストチェック
職務経歴書を書き終えた後、最低限必ずチェックしたいのが次の3つです。
・文法の間違いや誤字脱字がないか
・年月日、期間、金額といった数字が間違っていないか
・固有名詞はあっているか
web系サービスエンジニアが取り扱うソフトウェアは名称がライセンス登録されているものも数多くあります。
特に綴りの大文字・小文字には注意が必要です。
職務概要(要約)
職務概要は職務経歴書の導入文に当たり、この後に続く内容について興味喚起を促します。
スタートの1文目は現職の社名・どのような仕事にどれくらい従事しているのか、をシンプルに伝えましょう。
職務概要を見ただけでもこの後の内容がおおよそ把握できる3~4文程度の要約がベストです。
志望先で活かせる経験・知識・技術
経験・知識・技術の項目に記載すべき内容は下記となります。
・使用可能な言語、OS
・特に詳しい業界・業種
・リーダー経験とその時のプロジェクトの規模(チーム人数、予算など)
・プロジェクトではどのフェーズでどの業務を担当していたのか
また、語学力をアピールできるのであれば書いておくことをおすすめします。
職務経歴
通常、職務経歴書の書き方は2つあります。
1つは時系列順に年表のように書く方法、もう1つが携わったプロジェクトごとに書く方法です。
web系サービスエンジニアの場合はハイブリッド型で記載するのが一般的です。
前職の企業概要を記載した後、注目してほしいプロジェクトを2~3つ程度フォーカスして時系列順にまとめてみてください。
前職の企業概要
前職の企業概要欄には主に下記項目を記載します。
・勤務期間
・雇用形態
・企業名
・事業内容
・資本金
・売上高
・従業員数
・上場しているかどうか
前職の企業概要を記載することで、携わったことのあるプロジェクトをある程度推察できるからです。
プロジェクト詳細
プロジェクトの詳細欄には主に下記内容を記載します。一般的なテンプレートだと表形式を採用しているものが多いようです。
・プロジェクトの概要
・どのフェーズを担当したか
・具体的な業務内容
・プロジェクト実績
・使用言語
・使用OS
・使用データベース
・使用フレームワーク
・規模(メンバー数、予算) など
また、携わったプロジェクトが多すぎるのであれば、どのプロジェクトにフォーカスするのか、応募企業ごとに変更すると効果的です。
例えば、特定業種に特化している企業であれば近い業種のクライアントに携わった経験をアピールするなど、工夫してみてください。
テクニカルスキル
テクニカルスキルの項目には業務上問題なく扱えるテクニカルツールを記載します。
・OS
・言語
・データベース
・フレームワーク
記載項目はツール名・スキルとして扱えるようになってからの期間・どの程度扱えるのか、です。
できるだけ表形式で箇条書きにし、固有名詞は公式サイトで正式な表記を必ず確認しましょう。
資格
資格の項目は取得した時系列順に箇条書きで記載します。資格の名称・取得年・取得月を間違えないように正確に書くのが最優先事項です。
もし、記載できる資格が多すぎる場合は応募した求人内容にマッチしたものに絞って構いません。
志望動機
志望動機の大きなポイントはオリジナリティです。
- なぜこの業界なのか
- その中でなぜこの企業なのか
これらの理由は、一般的なものではなくより具体的かつ自分だけが言える内容である事が求められます。
自身が目指すようにまでなった心動かされた実経験や考えから、応募先企業に結び付く接点を探してください。
「うちでなくても良いのでは」と思われてしまわないよう、自分だけのエピソードを話しましょう。
自己PR
自己PR欄ではこれまでの職務経歴を通して得た自分の強みをアピールします。
ポイントを2~3つに絞り、根拠となるエピソードを交えながら4~5文程度で簡潔にまとめましょう。
各ポイントに簡単なタイトルをつけるとレイアウトの面でも見栄えが良くなります。
スキルアップに対する積極性をアピール
積極的にスキルアップに取り組む姿勢はアピールポイントとして有効です。
どのようにスキルアップを図ったのか、具体的な事例とともに記載してみてください。
・専門誌の定期購読
・メルマガサービスの利用
・セミナーやイベントへの参加
・インプットした最新情報のアウトプット
・職業訓練スクールへの入学 など
あわせて、スキルアップの取組を実際の仕事にどのように還元したか書けると効果的です。
スキルをアピール
自信があれば、スキルを活用してクライアントにどのようなプラスがあったのかをアピールしてみてください。
例えば、UIのデザイン力をアピールするのであればUIデザインの工夫・それによるリピーターの増加などを記載します。
もし、書けるのであればxx人増・xx円増など、数字を出して想像しやすくする工夫が効果的です。
リーダーシップをアピール
プロジェクトリーダー経験がある人ならリーダーシップも有効なアピールポイントとなります。
・チームのメンバーに対してどのように気を配ったか
・どのようなことに気づきどのような対策を行ったか
・結果どのような成果を出したか など
具体的なチームへの働きかけを記載しましょう。
見本
web系サービスエンジニアの職務経歴書見本を紹介します。
架空の人材・プロジェクトを題材にしているため、実際とは違う点もありますが参考にしてみてください。
【職務概要】
私はxxxx株式会社に入社後、主にBtoCサイトの開発・設計業務をx年間担当してきました。
システムエンジニアとしてのテクニカルなスキルを習得しながら、入社x年目以降はプロジェクトリーダーも担当しました。
クライアント・チーム内メンバーシップを重視し携わったすべてのプロジェクトで納期5日前納品、既存顧客更新率131%を達成しています。
【活かせる経験、知識、技術】
・PHP、Javaでのプログラミング経験
・Oracleでのデータベース設計経験
・介護・福祉業界で必要な業務知識
・およそ20名規模のプロジェクトリーダー経験
・新規サイト構築にクライアントヒアリングから携わった経験
・TOEIC最高スコア850
大学時代台湾へ2年留学、その内1年は現地のITベンチャー企業でインターンとして勤務。
その時の経験から台湾語・北京語いずれもビジネスレベルで対応可能。
【職務経歴】
<前職の企業概要>
事業内容: Webサービス開発・運営事業
資本金:xx億円(xxxx年xx月xx日時点)
売上高:xx億円(xxxx年xx月xx日時点)
従業員数:xxx人
未上場
<職務経歴 プロジェクト内容>
プロジェクト期間:xxxx年xx月xx日~現在(x年xヶ月)
全国展開している大手学習塾の採用サイトリニューアル、ブランディング
<プロジェクト内容>
・採用サイトの情報提供から応募に至るまでの動線構築
・十分なキャリアを持ったハイクラス層に好まれるデザイン・UIへの仕様変更
・規模・役割:チームx名/システムエンジニア、プロジェクトリーダー
・担当業務・担当フェーズ:要件定義、設計、開発、テスト、運用保守、プロジェクト進捗管理
・要件定義:クライアントとの仕様決定ミーティングに参加、クライアント・Webプロデューサーなどが参加するSlackワークスペースを作成
・設計開発:エントリーシートの入力フォームデザイン・機能設計
・進捗管理:チームリーダーとして担当部門の進捗管理、クライアントも参加するミーティングではファシリテーターを担当。
・実績・取組:
リニューアル後、採用サイトを経由した応募者中、旧帝大理系の理数科目に対応できる人材が13%→45%に増加。
Google Search Consoleを分析した結果、応募者のうち85%以上が採用サイトから流入
<開発環境>
・言語:PHP、JavaScript、CSS
・OS:Windows
・DB:SQL Server、Oracle
・フレームワーク:Laravel
【テクニカルスキル】
<OS>
・Windows x年 インストール・環境設定・構築まで可能
・Linux x年 インストールが可能
・UNIX(AIX) x年 環境設定・構築が可能
<言語>
・PHP xx年xヶ月 最適なコードの記載、チェック、改修指示
・Javascript xx年 最適なコードの記載
・HTML/CSS xx年 最適なコードの記載、チェック、改修指示、新人研修
・Python xx年xヶ月 簡易なプログラミング
<DB>
・SQL Server x年 インストール、データベース構築
・Oracle x年xヶ月 データベース構築
<フレームワーク>
・Laravel
・Spring Framework
・Apache Struts
・AngularJS
・BootStrap
・UIKit
【資格】
・普通自動車第一種運転免許 xxxx年xx月取得
・ITパスポート xxxx年xx月取得
・基本情報技術者試験 xxxx年xx月合格
・応用情報技術者試験 xxxx年xx月合格
【志望動機】
<医療機器メーカーのサービスエンジニア>
私が貴社を志望したのは、医療は人と大きな関わりを持つ大切な事業であり、それを支えるサービスエンジニアになりたいと思ったからです。
医療分野への興味は以前からあったのですが、自身が怪我で入院した際に病院の最先端医療機器を目にしてとても興味が強くなりました。
私が安心できたのは、診断機器によって適切な処置をすぐに受ける事ができたからです。
医療機器はサービスエンジニアとしては特にミスが許されないような職種だと考えます。
私のような患者にも多くの命を預かる医師にも安心できる診療環境を提供するために、これまで続けて来たスポーツで培われた精神力と集中力を活かしたいと考えております。
【自己PR】
<積極性と行動力でクライアントの期待を超える>
私はクライアントの期待を上回る提案が得意です。期待値を超えるため、クライアントとの協力関係構築を特に重視しています。
例えば、学習塾の採用サイト制作ではSlackのビデオ会議と週に1度の対面ミーティングを欠かさず継続しました。
密な関係性構築に取り組み続ける姿勢を評価いただき、プロジェクトを担当した顧客更新率の社内平均比131%を達成しました。
<離れていても常に顔が見える状態を維持>
メンバー10人中7人が在宅勤務せざるを得ない状況でプロジェクトチームのリーダーを担当しました。
特に、空間的距離をリカバリするため報連相しやすい環境整備に注力しました。
例えば、毎日の進捗報告MTGに加え、Slackのビデオ会議を常にONの状態にしメンバー全員の顔が見える状態で制作を進めました。
各担当タスクの進捗・情報共有の風通しが良くなり、携わったすべてのプロジェクトで期日5日前納品を継続できました。
以上
自己分析からキャリアプラン作成まで
役立つワークシート
こんな方におすすめ
- キャリアプランを見つけたい
- キャリアの方向性を再確認して仕事のモチベーションを上げたい
- 能力や興味に合った新しいキャリアの方向性を見つけたい
まとめ
これまでに携わってきた仕事の内容や取り組み方を記載し、自分にはどのような能力があるのかを伝えるツールが職務経歴書です。
それを伝えるためにこれまでの経験・スキル・資格・具体的な業務内容などを記載します。
職務経歴書を記載する時、特に重要なのがweb系サービスエンジニアの業務内容にあまり詳しくない人でもわかりやすく書くこと。
そのためには、web系サービスエンジニアの仕事に詳しくない人の立場から俯瞰できる客観性が役に立ちます。
もし、どのように書けばよいのかわからないのであれば転職エージェントへの相談も検討してみてください。
転職のプロという目線から職務経歴書の添削相談も対応できます。
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