ベンチャー企業の定義って何?特徴や転職するメリットをプロが解説します! |
「ベンチャー企業」の定義とはなんなのでしょうか。以前より遥かに身近になってきたとはいえ、その特徴や勤務する上でのメリットについてはまだまだ知らない人も多いかと思います。今回は求人でよく見かける「ベンチャー企業」という企業形態について、その定義から働く上で求められる人物像まで詳しく解説します!
目次
ベンチャー企業の定義とは
「ベンチャー企業」が以前よりも一般的な存在になってきている現在。特に就職・転職を考えている人にとっては身近なワードだと思います。
ですが、「ベンチャー企業」が具体的にどういう企業形態か、どんな特徴を持っているのかははっきりと定義しにくい人も多いのではないでしょうか。
ここではどのような企業が「ベンチャー企業」と呼ばれるかをお話します。
新しい事業を積極的に開拓する挑戦的な新進気鋭の企業
実はベンチャー企業に明確な定義はありません。強いて言うのであれば「中小企業の中の1つの企業形態」というものが公的に適切な表現となるでしょうか。
しかし、ベンチャーと呼ばれる企業にはいくつかの特徴や傾向があります。詳しくは次の『ベンチャー企業の特徴』にて触れますが、ざっくりとまとめてしまうと
・掲げるポリシーに沿って新しい事業を実行しようとする企業
・設立からそれほど年数が経っていない企業
・社員の年齢層が比較的若い企業
この3つの要素を持っている企業がいわゆる「ベンチャー企業」と呼ばれやすいと言えます。
ベンチャー企業の特徴
強いポリシーを持っている企業が多い
どの企業にも「ビジョン」や「ミッション」といった、企業の事業・経営方針があります。ただし、とにかく利益ばかりを追求する企業の場合は、勤めている人がそこまで強く意識することはあまりないかもしれません。幹部ではない社員が事業や経営方針の設計の部分に関わる機会は少ないからです。
一方ベンチャー企業といわれる企業は、経営者と社員の距離が近い企業の比率が他の企業形態よりも非常に高く、社員の声が経営に影響する場合も少なくありません。そして「経営者と社員との距離が近い」ということは、ビジョンやミッションが企業全体に強く浸透しやすい土壌が整っているということでもあります。
掲げたビジョンやミッションなどのポリシーを強く意識し、事業を行っている企業が多いというのがベンチャー企業における1つの特徴です。
設立から日が浅い傾向も
既存の企業や市場の在り方に疑問を持ち、設立したという経緯の企業も多くあります。「これまでの社会の在り方」「労働の在り方」など、ある種「伝統」とされているものに懐疑的な若年層がベンチャー企業を立ち上げるのです。
そのため、必然的に設立から日が浅く、経営者・社員ともに若い傾向が見受けられます。考え方や働き方を刷新しようとする世代が企業経営の場に現れ始めた、と言い換えることもできるでしょう。
予算面・人材面ともに成長過程である
設立して間もないために、予算面と人材面のどちらにおいてもまだ成長過程である企業が多いというのも特徴と言えます。
予算面に関しては、資金調達のしにくさが挙げられます。まだ実績が何も無い状態で易々と資金調達を受けられるとは限られません。先行投資で事業開発を行い、事業での実績を上げるまでの間、赤字で経営を続けるという企業が多いのも確かです。
人材確保も大きな課題です。特に立ち上げたばかりのベンチャー企業では「リスクが高い」と判断されることも多く、求人を出しても応募が集まらない事態も考えられます。現在の職場とベンチャー企業を天秤にかけたとき、どうしても「事業の安定性」という面でオファーを断られるケースも。
ベンチャー企業で働くことで得られるもの
多種多様な経験
「人材が足りない」ということは「自分が担当できる仕事も多い」ということの裏返しでもあります。これまでの職場では決まった領域の仕事しかできなかったという人でも、他領域の仕事に携わることが可能なのです。
裁量が大きいため、自分がこれまで知らなかった領域の仕事も同時並行で経験できる。経験を重ねるごとに自分の可能性も広がり、行える仕事の選択肢も増えます。これはベンチャー企業以外の企業ではなかなか得られないものですよね。自分はどのような職種に適正があるのかを見極めることもでき、自分が今後どのようなキャリアを描いていくべきかを考える材料が多く手に入ることでしょう。
チャレンジ精神
新たな事業を展開しようとするベンチャー企業において、チャレンジ精神は欠かせない要素です。これまでにあまり見られなかった事業を行う上で、失敗はつきもの。失敗を恐れて怖気づいていたら話になりません。
もし失敗してもそれをバネに、「何が悪かったのか」「どうしたら成功するのか」と分析し、再度チャレンジできる強いメンタルはベンチャー企業では醸成されやすい傾向があります。なぜなら企業や経営者、他の社員も失敗を積み重ねてきているため、「失敗しただけでは責めない」「自分が培ったノウハウを共有する」文化があるためです。
仕事をする中で失敗しないことはないでしょう。しかし、居心地が悪くなったり、自信満々で臨んだ仕事で失敗しても必要以上に責められなかったりというのはベンチャー企業ならではの気風といえます。
自分で考え自分で実行する思考力と行動力
『チャレンジ精神』の部分で述べたように、「失敗しただけでは責めない」文化がベンチャー企業に存在する可能性は比較的高いといえます。だからといって「いくら失敗してもいい」わけではないことを胸に留めておいてください。
失敗は成功の母、と言われるように、多くの失敗が成功を生む側面はあります。しかし、ただ失敗しただけではどれだけ時間をかけても成功には辿り着けないでしょう。なぜ失敗したのか、要因は何か、どの条件を変えれば結果が変わるか。それを毎回常に問い続け、実行に移すことを繰り返して初めて「成功」できるのです。
ベンチャー企業で求められるものにも共通する部分があります。経営者や他の社員も多くの失敗を経験してきているはずです。ただし、失敗しただけで黙って教えてくれるとは限りません。自分なりに考え、仮説を立て、そして尋ねに行くという「思考からの行動」がなければ、自分自身のみならず企業そのものの成長に繋がらないのですから。
これまで指示を出された通りのことを行う仕事をしていた人は戸惑うかもしれませんね。そのような人でもベンチャー企業に入社することで否応なくそのスキルを磨かれます。自分で考え、自分で実行する能力はどんな仕事でも重宝されますし、日常生活でも大切な能力です。慣れないうちは大変だとは思いますが、一生物の宝になりますよ。
ベンチャー企業で働く上での注意点
一般的な企業よりも事業が不安定
新しく開拓するということは「0から1を生み出す作業」に他なりません。既存の知識やノウハウがなく、トライ・アンド・エラーを何度も行うこととなるのに加え、成功する保証も前例もないのです。既存事業で拡大している企業や、ノウハウが蓄積されている領域で起業した会社と比べるとどうしても事業が不安定になってしまいます。
事業自体が不安定ということは、雇用や収入面でも不安定であるということです。転職の選択肢にベンチャー企業を入れる場合には、その点を留意しておきましょう。
背負う責任も大きい
できる仕事が多く、裁量も大きいというのはそれだけ一人にかかる責任も大きいということでもあります。特に任されたポジションが自分一人であった場合では、そのポジションに関わることや自分が決定した事項に全て責任を負う必要が出てくることも…
そこまでいかなくとも、少人数で業務を行っているベンチャー企業では多くの社員を抱える一般企業よりも一人あたりの責任は非常に大きいものとなりがちです。(ベンチャー企業でない=責任が無い、ということは勿論ありませんが。)
自分が事業に関する大きな責任を負う覚悟があるかどうか、転職前に問い直す必要があります。
ベンチャー企業で求められる人物像
現代社会に問題意識を持っている人
ベンチャー企業は「今の社会の課題を解決、もしくは改善しよう」という意識を持っており、その問題意識、課題解決意識をビジョンやミッションに掲げている企業が数多く存在します。
つまり必然的に「ビジョンやミッションに共感してくれる人材」が求められるのです。そのためにもベンチャー企業への入社を目指すのであれば、日頃から社会に対して関心を持っていなければなりません。
もしあなたが現代社会に何らかの問題意識や、解決したい課題を見出しているのであればベンチャー企業向きだと判断できるでしょう。
何かと何かを結びつけて考えられるアイデアマン
世の中には既に多くの事業が展開され、人々に密接に関わる領域のほとんどがレッドオーシャンです。その中で新規事業開拓をするためには、領域という垣根を超えて事業を考えるアイデアが必要となります。
例えば「福祉」と「医療」の領域はこれまでも非常に深く関わり合っているものです。そこに「エンターテイメント」の領域や「就労」の領域を組み合わせることで、他にはないサービスを提供できる可能性が出てくるのです。
そのためにはアイデアと「事業のターゲットになる人々の具体的な選定」が大切になってきます。「こういう人々にはこういうサービスやシステムが必要なのではないか」と想像し、それを実行に移すためのアイデアを思いつく人はベンチャー企業にとって魅力的な人材ですよね。
自己管理能力が高い人
ベンチャー企業で働いていくにあたり、最も重要と言っても過言でないのが「自己管理能力の高さ」です。どんなに問題意識を持ち、それを解決するためのアイデアとプランを考えられたとしても、スケジュールを守れなかったり、各所への手配がおろそかになってしまえば元も子もありません。
自己管理は体調のみならず、自分のキャパシティの把握や仕事量の調整、自らが関わる人々への対応なども含みます。いわば、「自分が行うことに対する自分自身のコントロール」全般が自己管理と呼ぶことができます。
自分の手に余ることは周りに相談する、他の人に任せるなど、業務に支障が出ないよう配慮できる人こそ、ベンチャーでは必要とされるのです。
優良なベンチャー企業を探すには
ベンチャー企業もピンきりです。この綱目では優良なベンチャー企業を見極める判断材料となるポイントを紹介します。
ベンチャーキャピタルの投資が行われている
未上場のベンチャー・スタートアップ企業に投資を行う機関をベンチャーキャピタルといいます。
主に銀行だけでなくノンバンクや保険会社、証券会社などの関連企業が行っているケースが多いです。
ベンチャーキャピタルは将来有望な成長が見込めるベンチャー企業に投資するので、100%とまではいえませんが将来有望なベンチャー企業の可能性があります。
受賞歴があるか
あらゆるベンチャー企業が乱立するなかで、選択する指標として受賞歴があります。
はばたく中小企業300社
中小企業や商店街を中心に地域活性化といった地元への貢献や、製品開発で他の企業の模範となった企業を表彰する賞です。
中小企業賞:https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/sapoin/monozukuri300sha/index2019.htm
日本ベンチャー大賞
経済産業省が社会的にインパクトを起こした企業や、今後の若者が起業する上でローカルモデルになるようなベンチャー企業を評価し表彰する賞です。
国が高く評価して表彰する賞ですから、受賞歴のあるベンチャー企業は多くの人から今後も期待されていることになります。
経済産業省:https://www.meti.go.jp/press/2019/05/20190523003/20190523003.html
ベストベンチャー100
ベンチャー企業通信が期待のベンチャー企業を選ぶ賞です。
ビジョン・成長理由・売上高・営業利益において一定の水準を見対しているベンチャー企業から選ばれます。審査員も経済界のトップである企業のCEOや社長・会長らが行います。
実際に経済界のトップが審査するだけあって、ベンチャー企業にとって大変名誉な賞でしょう。
主催のベンチャー通信はベンチャー企業界隈の活性化に古くから尽力しています。
ベストベンチャー100:https://best100.v-tsushin.jp/about/
上記のような受賞歴はあくまで優良なベンチャー企業を探す上で一つの指標にすぎませんが、ベンチャー企業を客観的に分析する良い材料になります。
ベンチャー企業を選ぶ上では社長の人物像が大事なポイントに
ベンチャー企業では社長がSNSなどで積極的に情報を発信するケースが目立ちます。
中にはカリスマ社長としてマスコミにも取り上げられ、進んで企業の広告塔になっている人も見受けられますね。
そういった社長から発信される事業ビジョンや経営理念、人柄もチェックしておきましょう。
ベンチャー企業の社長だと、採用面接へ積極的に参加する人がいます。
そういったフットワークの軽いベンチャー企業の社長は、柔軟な姿勢を持ち合わせ、なおかつ人材の重要度がベンチャー企業の運営にとって重要なことをよく分かっている人です。
そのため、こういった社長が舵取りするベンチャー企業は経営ビジョンがしっかりしており、将来性が期待できるでしょう。
また、ベンチャー企業やスタートアップ企業と呼ばれる企業は大企業よりも社歴が浅く、業務の内容も新しい分野が多いことがあります。
そういった場合に個人で調べるよりも、転職エージェントといった転職のプロの手を借りてはいかがでしょうか?
転職エージェントで優良なベンチャー企業を探そう
ベンチャー企業やスタートアップ企業と呼ばれる企業は、大企業よりも社歴が浅く、業務の内容も新しい分野が多いです。
そういった場合に個人で調べるよりも、転職エージェントといった転職のプロの手を借りた方が効率も良くなります。
個人では情報収集が難しい、職場の雰囲気や実際に働いている社員の声など転職エージェントを利用すれば知る機会に恵まれます。
ぜひ、転職エージェントを利用して転職を効率よく転職を進めてみてください。
転職エージェントは無料でサポートが利用できますので、気軽に登録してみましょう。
責任とやりがい、どちらも両立できるのが魅力
まとめ
ベンチャー企業に対する世の中の人のイメージは様々です。安定性に欠けるといったマイナスな側面に目を向ける人もいれば、自分の能力を高めることができるとプラスの評価をする人もいます。
あなたが仕事をする上で大切にしたいことはなんですか?
ベンチャーで働くことが良い、大手で働くことがいい、という問いには答えが無く、働く理由にも正解はありません。だからこそ、自分自身が何を求めて働くのかを見つめ直すことがよりよい転職をするための第一歩となるのです。
あわせて読みたい関連記事
この記事を読んでいる人におすすめの記事