【分析手法】SWOT分析って何?その方法を具体例とともに紹介します!
分析手法には様々なものがありますよね。その中でもSWOT分析は有名な手法です。やり方自体は簡単でありながら、多くの戦略が立てられるのが魅力の一つ。今回はそのSWOT分析はどんなものなのか、どうやって行うのか、そしてメリットやデメリットまでご紹介していきます!
目次
SWOT分析は4つの視点から分析する手法
強みと弱み、機会と脅威
「SWOT分析」とは
Strength=強み
Weakness=弱み
Opportunity=機会
Threat=脅威
の4つの視点で分析を行う方法です。
このうち「強み」と「弱み」が内部環境、「機会」と「脅威」が外部環境と分類されます。各視点の具体的な内容については後述の「SWOT分析の流れ」で詳しく説明しますね。
5フォース分析やPEST分析の併用もおすすめ
SWOT分析で外部環境を挙げる際には、他の分析方法を併用することがおすすめです。
・どのような脅威があるのかを把握するのに役立つ5フォース分析
・自力では変化させるのが難しい外部環境を観測できるPEST分析
はSWOT分析を進めていく上で特に有効な手法と言えるでしょう。内部環境はある程度自分の力でコントロールできる部分がありますが、外部環境はそうもいきません。
また、上記の分析を用いることでSWOT分析が主観に左右されるのを防止できます。取り巻く問題を正しく捉えられなければ、せっかく分析した意味がありませんからね。
クロス分析をすることでより実践的に
異なる環境をかけ合わせた分析は戦略立案に有効
「強み×脅威」「弱み×機会」といった内部環境と外部環境をクロスして分析すれば、提案できる戦略の幅がぐんと広がります。
たとえば「高品質のものを安定して生産できる」という強みと「低品質でもコストを抑えたい顧客が増えた」という脅威があったとしましょう。
これらをクロス分析にかけると、「低コストに重きを置く顧客の需要を満たすよりも、品質の高さを求める顧客を新規開拓する」などの戦略が立てられますよね。内部と外部の環境を客観的に分析することで、事業拡大のチャンスを掴んだり、リスクを回避したりできるのです。
企業と個人のクロス分析で適材適所に人員を配置できる
クロス分析ができるのは環境要因のみではありません。企業と個人というマクロ-ミクロ間でもその力を発揮します。
企業がある事業やプロジェクトを遂行するとき、適性がある人を配置した方が効率的に進められますよね。事業・プロジェクトの内容や必要となるスキルをはっきりさせ、無理な配置をしないことが企業にとっても個人にとってもプラスに働きます。
SWOT分析の流れ
①目的の明確化
まずは「何を目的としてSWOT分析を行うのか」を明確にする必要があります。目的が定まったら、そこまで辿り着くために必要な情報を集めてください。
もし「業績を伸ばすこと」を目的としているのであれば、同業他社や業界全体の動向を把握しておかなければなりません。また、現在自分たちが業界においてどのような立ち位置にいるのかも理解しておきましょう。
目的が複数ある場合には優先順位をつけて検討していくのがおすすめですよ。
②各項目に当てはまるものを洗い出す
次に4つの視点に当てはまる要素を洗い出す作業を行います。それぞれの視点には
強み:他にはない、もしくは他には負けない部分。スキルやノウハウ、実績等
弱み:他に及ばない部分。技術不足や人手不足、予算の限界等
機会:自力で引き起こすことが難しいが、チャンスとなるもの。景気の変動、需要の変化等
脅威:自力で解決するのが難しい問題。場合によっては機会にもなる。需要低下や経済の悪化等
のようなものが当てはまります。先に出した他の分析を活用して、これらの要素をしっかりと洗い出しましょう。
③クロス分析を行い、具体的な戦略を導き出す
②で洗い出したものをクロス分析にかけ、「何が問題か」「問題を解決するにはどんな方法があるか」を導き出します。
このクロス分析では
強み・弱みの「内部環境」×機会・脅威の「外部環境」
を組み合わせて分析を進めていくことになります。例を挙げると、強みと脅威をクロス分析した際には、「脅威に対して強みを生かしてどう立ち向かっていくか」について戦略を立てていく、といった感じですね。
強みや機会といったプラスの面は「巡ってきたチャンスをどう生かすか」、弱みや脅威といったマイナスになりうる面は「苦手や苦難をどのように克服するか」が主軸となる傾向があります。特に「強みと弱みとの向き合い方」は戦略を立てる上で非常に重要となるでしょう。
SWOT分析を行うメリット
①多種多様な戦略を立てることが可能
SWOT分析の特性上、複数通りの戦略を立てることが可能です。戦略の幅があるということは、より最適な選択をしやすいとも言えます。
ある問題に対して1つしか戦略がない場合と、複数の戦略が考えられる場合とでは後者の方がリスクの少ない選択をしやすいですよね。また、もしその戦略が上手くいかなかったとしても、別の戦略を取ることもできます。
そのときは採用されなかった戦略も、今後活用できる機会があるかもしれません。その場限りのものだけではなく、この先も使える戦略を立てられるのも大きなメリットと言えるでしょう。
②これまで気づかなかった長所・短所がわかる
分析を通して言語化することにより、今までは気づいていなかった長所や短所が見つかる可能性もあります。普段であれば当たり前のように思えていたものでも、状況や業界を照らし合わせると他にはない強みであったり、逆に周りではもっと効率化されていたり…
自分たち以外に目を向けないと、良くも悪くもひとところで完結しがちです。結果、得られるはずの利益を得られていなかったとしたら、これほどもったいないことはないですよね。
新たな「希望」を見つけられるという点でも、SWOT分析は大きな役割を果たしてくれます。
SWOT分析を行う上での注意点
①要素をただ並べるだけでは内容に偏りが生じる
SWOT分析は闇雲に強みや弱みなどを並べればいいというものではありません。主観に基づくものばかりになってしまうと、かえって分析の妨げとなってしまいます。
実行する際には、
・裏付けできるデータや数字があるかどうか
・一部の人間の意見や考えに左右されていないかどうか
・他人から見ても妥当と思われるものかどうか
を念入りに確認してください。客観的にも納得できる要素でなければ、適した戦略を立てることはできません。
②問題となっている要素を正しく見極めなければならない
内部環境と外部環境を混同してしまうと、正しい分析はできませんよね。
「人々の需要が変化したものの、ノウハウがなかったために生産ができなかった」という場合、
・人々の需要が変化(外部環境の問題)
・ノウハウがなく生産不可能(内部環境の問題)
が混ざってしまっています。複数の要因があるにも関わらず、「1つの問題」として扱ってしまうと、適切な対策を立てにくくなってしまうおそれも。
内部環境と外部環境の線引きを意識して、それぞれの問題への対処を考えましょう。
多面的な分析が成功に繋がる
SWOT分析はあらゆる方向から問題を分析できる画期的な方法です。一方面からしか見ていないと、どうしても気づけない部分というのが出てきてしまいます。
問題の原因や所在、改善が必要な部分を明らかにするためには多面的な分析が必要不可欠。上手に利用して業務を成功に導きましょう!
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