ビジネスモデル例一覧!フレームワーク6選と4要素で作り方も解説します
ビジネスモデルとは利益を生み出すための仕組みのことを指します。このビジネスモデルについて考えるうえで、4つの重要な要素があることはご存知でしょうか。本記事ではビジネスモデルについて解説したうえで、代表的なモデルについてもご紹介します。
目次
ビジネスモデルとは
ビジネスモデルとは、利益を生み出すための仕組み全般を示しています。
現代経営学として有名なピーター・ファーディナンド・ドラッカーはビジネスモデルを考える上で重要なのは「顧客ターゲット」「顧客が感じる価値」「適切な価格提供の仕組み」を重視する事と言われています。
ビジネスモデルを考える上で構成要素があり、今回はそれらの要素についても説明していきます。
そもそも、ビジネスモデルがどのようなものか分からない方には必見です。
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ビジネスモデルの要素
ビジネスモデルの要素
ビジネスモデルは大きく分けてこの要素から構成されています。
会社や大きな組織が機能する構造ではこの4つの要素が重視されています。
・Who(誰が)
・What(何を)
・How(どうやって)
・Why(なぜ)
また、この4つ「Who(誰が)」「What(何を)」「How(どうやって)」「Why(なぜ)」が一つでも欠けてしまうと、ビジネスモデルは不完全なものとなってしまいます。
この4つが明確になっていれば必ず成功するわけではありません。
しかし、反対にこれらの要素が明確になっていない場合は失敗して終わってしまう可能性は高いです。
つまり顧客の満足にならない商品であれば売れないので倒産しますし、企業の利益が取れない商品でも倒産します。
極端かも知れませんが現実的にこれらのロジックを構築した会社が生き残ります。
ビジネスモデルの4つの要素の意味
先程の4つの考えをビジネスに結び付けて言葉にすると以下の通りとなります。
・Who:顧客となるターゲット層やペルソナはどこに絞るのか
・What:顧客に商品やサービスを提供するに当たって何の価値を提供するのか
・How:どうやったら商品やサービスに価値を付け顧客に提供できるのか
・Why:なぜその商品やサービスが利益を生み出せるのか
この全ての要素が揃って始めて収益を生むことが出きますが、どれか1つでも弱すぎる要素がある場合は機能しないと言われています。
また、客観的にビジネスモデルを見定めていかなくては、ビジネスは軌道に乗らせることはできません。
つまり、全体の要素を見定めた上で一つ一つ内容や矛盾などのズレがないように作り込む必要があります。
これをしっかりと定めることにより、避けていきたいリスクを回避できるようになり、継続的にビジネスを拡大していくことが可能になるのです。
ビジネスモデルをつくるメリット
冒頭で述べた通り、ビジネスモデルとは利益を生み出すための仕組みです。
そのため最大のメリットは企業価値を高め、事業で収益をあげる事と言えます。
なぜならビジネスモデル構築にあたり、企業理解を深める事で課題を見つけアプローチしやすくなると同時に、自社の強みを訴求できるのです。
長い目で見た時に、事業の原点に立ち返るための基点ともなりえます。
ビジネスモデルは企業の成長と共に変化していくものではありますが、商品やサービスの軸とも言える部分でしょう。
DXを取り入れた最新ビジネスモデルも
最新のビジネスモデルの傾向として「DX(デジタルトランスフォーメーション)」の視点をもったものが増えています。
例えばデジタルによる業務効率化をはかったり、第3のプラットフォーム(クラウド、モビリティ、ビッグデータ/アナリティクス、ソーシャル技術)を利用した製品やサービスの創出です。
リアルだけでなくネットの面でも顧客が感じ取るメリットを変革させようという視点を持った新しいビジネスモデルは今後も増えるでしょう。
代表的なビジネスモデル一覧
販売モデル
商品販売をして報酬を得るビジネスモデルです。
ここでは家電製品でお話します。
家電製品を買いたい顧客に対して、顧客の求める家電製品を作り提供し、その対価としてお金を受け取るビジネスモデルです。
販売モデルはビジネスモデルに必要な4つの全ての要素を満たしていることになります。
小売モデル
販売モデルと同様に、商品提供の対価としてお金という利益を得る仕組みです。
違いは販売モデルのように商品を作り出すのではなく、外から仕入れます。
身近な例ではコンビニエンスストアや百貨店などの小売業、そしてインターネットの通販サイトなどです。
このビジネスモデルでは競合他社と同じものを販売してより利益をあげなければならないため、差別化が重要となります。
商品以外の部分でいかに付加価値を見出すかが重要なビジネスモデルです。
販売モデル・小売モデルと似ているモデルとして、転売モデルが挙げられます。
広告モデル
広告モデルは、自社の商品を広めたい顧客に対して、それを広める機会を提供し、基準をクリアした時に報酬を得るビジネスモデルです。
よくあるのは、広告の種類としては「バナー(画像埋め込み)」「文章(文字埋め込み)」としてリンクに飛ぶように設定されており、そのリンクに飛んで、提供している広告企業の条件をクリアしたものだけが利益を出せる仕組みになっています。
もちろんその条件はいろいろで広告を掲載するだけで収益を発生させるケースもあります。
サブスクリプションモデル
月額制のサービス提供ビジネスです。
例えば月に2000円払う代わりに、商品やサービスを月単位で受けられるといったサービスを指します。
これはニーズがある人にとってはとても良いサービスですが、そこに魅力を感じない人にとっては有効的ではありません。
そのため、サブスクリプションサービスを受けたいと思うターゲット層は限定されます。
しかしそのターゲット層を獲得することでコアな利用者となり、継続的に利用してくれる可能が高いため安定した収益を見込めます。
顧客も会社も安定的に利点を感じるビジネスモデルとなります。
レンタルモデル
サブスクリプションモデルと似ているビジネスモデルとして、レンタルモデルが挙げられます。
サービスによるものの、サブスクリプションの場合は複数のサービスや商品を取り替えたり戻したりと、自由に行えるのが特徴です。
一方で、レンタルでは1つのものを借りる形態を指します。
これがレンタルとサブスクリプションの大きな違いです。
課金モデル(フリーミアムモデル・従量制課金モデル)
主にインターネットサービスなど無形のものに用いられ、お金を課金することで対価を得られるビジネスモデルです。
ゲームでの課金であればフリーミアムモデルが存在します。
これは、「プレミアムプラン」で無料版から有料版に切り替えるビジネスモデルもあります。
サービスの使用量に応じて請求金額が変動するモデルは従量制課金モデル(リカーリング)と呼ばれます。
ライセンスモデル
キャラクターがヒットした時などに、そのキャラクターの利用権利を対価に報酬をもらうビジネスモデルです。
有名なキャラクターなどの力を借りて知名度を向上させたいと望む企業に、ライセンス料を払うことにより、使用して良い許可を出します。
マッチングモデル
人材紹介などがこのビジネスモデルに該当します。
「働き手が欲しい企業」と「働きたい人材」の間に入ってお互いにメリットを感じる所にマッチングさせます。
そうしてうまくマッチング発生した場合に報酬を受け取るのがこのモデルの特徴です。
他にも恋愛したい人をマッチングさせるなど、需要がある同士のマッチングでビジネスが成り立つモデルになります。
消耗品モデル
メンテナンスが必要などの商品は消耗前提で購入するため、購入ループができます。
例えばプリンターのインクなどです。
他にも、車のタイヤや、長い目で見るとパソコンも消耗して使えなくなります。
こういった消耗品モデルでは商品が良いほど長い間購入し続けてくれるビジネスモデルになります。
また、消耗品からの収益をメインとして本体の価格を可能な限り下げる手法も一般的です。
コレクションモデル
商品をパーツで販売するビジネスモデルです。
統一性をもたせた商品を部品ごとに販売することによって、消費者のコレクト意欲を刺激します。
例えばシリーズごとに販売して、「1つ買ったのだから全部揃えたい」という心理をつくのがこのビジネスモデルの特徴です。
収集したくなるパーツを出し続け、完成系の魅力を伝えることも重要です。
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ビジネスモデルの成功事例
物販モデルの成功事例「俺のフレンチ」
高級フレンチの味を圧倒的なコストパフォーマンスで提供する「俺のフレンチ」は、物販モデルの成功事例です。
顧客のニーズに応えるかたちで、コストを抑えつつ味を保証するために、ミシュラン星付き級の料理人が腕をふるい高級店の3分の1の価格で提供しています。
実現のために、店舗面積を小さくして回転率を上げて原価率を高めるというビジネスモデルを構築しました。
展開する俺の株式会社は、他にも天ぷら・イタリアン・Bakery・Grand Market · スパニッシュ · 割烹 · 焼き鳥・焼肉・おでん・そばなどで同様のビジネスモデルを成功させています。
広告モデルの成功事例「Google」
Google、そしてFacebookは広告モデルの成功事例に挙げられます。
「より多くの人を喜ばせること」に注力し、結果として利用者増加の仕組みを構築したと言って良いでしょう。
検索エンジンの利便性を高めてユーザーを増やし、広告枠を設けて広告主から収益を得ることで提供されるさまざまなサービスを、ユーザーは無料で利用できます。
利益が発生しない期間が続いたFacebookでしたが、このビジネスモデルによって再度ユーザーの拡大に成功しています。
サブスクリプションモデルの成功事例「Amazonプライム」
「Amazonプライム」は、Amazonが手掛けるサブスクリプションモデルです。
月額500円でプライム会員になることによって、荷物の配送特典のほか動画や音楽を無料で視聴できます。
その会員数は世界で2憶人を突破、日本でも500万人以上が利用しているといわれています。
マッチングモデルの成功事例「メルカリ」
マッチングモデルの成功事例が、フリマアプリの「メルカリ」です。
不要なものを売りたい出品者と、ほしいものを買いたい購入者をマッチングさせるサービスで、日本およびアメリカで展開しています。
メルカリは取引成立の際に販売金額の10%を販売手数料として差し引き、自社の収益とします。
ビジネスモデルの作り方
ビジネスモデルを構築する4ステップ
①業界を分析する
②新しいビジネスモデル例をたくさん挙げる
③付加価値の観点で練り直す
④実現性で選ぶ
まずは進出する業界の市場調査をしっかりと行いましょう。
新たなビジネスモデルを構築するには、既存のモデルを熟知している事が必須です。
先述の4要素のうちのどれに該当するモデルが多いのか、なぜそのビジネスモデルが使われているのか、特に成功事例を分析します。
こうして業界の特性をつかんだら、既存のものとは違う「新しいビジネスモデル」例をできるだけたくさん考えます。
より多くのモデルを考案する事が成功率を挙げるからです。
次に、その中から顧客の課題を解決できる、つまり付加価値を提供できるビジネスモデルに絞りブラッシュアップします。
最終的に候補が絞られたら、その中で技術や資金面においてより実現性の高いものを選びます。
はじめから実現性にこだわりすぎるとアイディアが狭まってしまう可能性があるため、実現性に関しては最後に詰めるようにすると良いでしょう。
ポイント①既存のモデルを参考にする
基本として、自社オリジナルのビジネスモデルを構築する場合でも既存のビジネスモデルをベースとして参考にする方法がおすすめです。
同規模や同業種の企業が採用しているビジネスモデルを参考にすると、スムーズな設計が行いやすいからです。
より発展的なビジネスモデルの構築も、ベースがある方が比較的容易です。
ポイント②顧客に「より良い製品・サービス」と認識してもらう
顧客にとって、まったく新しい製品やサービスをビジネスモデルとして提示されてもハードルが高いと感じられてしまうリスクがあります。
ところが、すでに購入済みの製品や利用中のサービスに関して「より安い」「より高品質」といったポイントでのアプローチは受け入れられやすいと言えるでしょう。
これは、従来の製品・サービスの価格や時間、質に対するコスト意識を顧客に持ってもらうという方法です。
ポイント③参入する際の妨げになるものを想定する
新しいビジネスモデルを構築するにあたり、他社の分析も欠かせません。
競合他社が参入できないモデルや、競合が存在しない領域をリサーチしたうえでの参入障壁の想定が必要となります。
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ビジネスモデルに活用できるフレームワーク6選
3C
3CはCustomer(市場・顧客)、Competitor(競合他社)、Company(自社)の頭文字です。
市場、競合他社、自社の経営資源を分析して自社の戦略に活かすフレームワークを指し、競合他社との差別化を図るために使われます。
自社の分析、競合他社の現状と強み、市場・顧客のニーズを整理したうえで、自社にしかできない取り組みや持っているリソースの活かし方を検討します。
4P
4PはProduct(製品)、Price (価格)、Promotion (販売促進)、Place(流通)の頭文字です。
マーケティング戦略立案のためのフレームワークで、製品を主軸に置いた考え方です。
販売促進方法や流通経路を製品中心にする事で一貫した商品開発に活かす事ができます。
4Pは4Cと呼ばれるCustomer Value(顧客にとっての価値)、Cost(顧客が費やすお金)、Convenience(顧客にとっての利便性)、Communication(顧客とのコミュニケーション)の分析方法を併用する事で、より顧客に寄り添った分析を可能にします。
ピクト図解
ピクト図解は、ビジネスの仕組みを見える化するためのフレームワークです。
「誰が誰に何をいくらで売るか」というビジネスの仕組みを図で表現する事で視覚的に捉えられるようになり、文章よりもさらにまとめやすくなります。
知識がない分野であっても使いやすいという点もメリットです。
複雑なビジネスの場合は抽象的に感じにくいというデメリットもあります。
9セルフレームワーク
9個の質問に答えることでビジネスモデルを論理的に見える化・分解できるフレームワークを9セルフレームワークと呼びます。
9個の質問は3×3のマスから構成されており、縦にはビジネスの構成要素、横にはビジネスのコンセプトがとられたものです。
具体的には「顧客価値」「利益」「プロセス」と「Who」「What」「How」それぞれを掛け合わせたものになっています。
比較的簡単なフレームワークであり、質問に答えた結果を評価するだけでビジネスとしての有効性、不足点、実現性などがチェックできる便利さがあります。
ビジネスモデルキャンバス
ビジネスモデルキャンバスは、ビジネスの仕組みを9つの要素で視覚化し、その要素がどのように関わりあってビジネスとして成立するかを描く方法です。
一見複雑そうに見えるビジネスモデルに有効な方法です。
複数人で作成が進められるという大きなメリットがあります。
既存のビジネスでも、このツールに当てはめると全体像が俯瞰でき改善の分析に利用できます。
SWOT
SWOTはStrength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(機会)、Threat(脅威)の頭文字です。
自社の内部環境と外部環境を整理して戦略を立てるためのフレームワークです。
マトリックス上に組み合わせることで、強みを生かして機会活かす戦略、強みを生かして脅威を避ける戦略、弱みを補って機会を生かす戦略、脅威を最小限に抑えるなどの戦略を立てる事ができます。
SWOT分析はビジネスモデルキャンパスを書き出す前に活用すると良いでしょう。
最後に~ビジネスモデルの種類は無数にある~
今回、ビジネスモデルの要素や例について紹介させて頂きました。今回紹介させて頂いた例はごく一部にすぎません。「Who / What / How / Why」を意識することで今後も様々なビジネスモデルが生まれてくるでしょう。
今後、何かにお金を払う場合は「Who / What / How / Why」を意識してどのようなビジネスモデルで成り立っているのか考えてみるといいかもしれません。自分で新しいビジネスモデルを考える練習にもなるでしょう。
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