リファラル採用って何?リファラル採用で転職するメリットデメリットについてご紹介します!
近年、採用手法としてリファラル採用を取り入れている企業は増えています。採用する企業側にメリットがあることはもちろんですが、転職希望者側にはどのようなメリットがあるのでしょうか。本記事ではリファラル採用で選考に進む際のメリットや気を付けるべきポイントを中心に解説いたします。
目次
リファラル採用とは
リファラル採用とは、自社の社員経由で人材紹介をしてもらい、採用していく手法です。
社員自身の知人や友人などを推薦してもらうことで進めるため、企業側としては採用コストを下げることも可能となります。
採用コストが下げられるということは企業側にとっては大きなメリットです。
そもそも企業が人材を採用するにあたって、選考に進める人材を確保するまででもコストが発生するためです。
リファラル採用を取り入れる企業が増えている
リファラル採用を実施している企業は全体の14.5%で、前年比では2.4%増となっています。(参考:リクルート「就職白書2022」)
上述したように、企業の求人募集というのは、人材紹介サイトで募集をかけても費用はかかりますし、自社で募集するケースでも求人用のコンテンツを作成するなどやはりコストがかかります。
リファラル採用であれば、自社を理解した社員が「自社の社風にあう人材」「今企業に必要なスキルを持った人材」を、コストをかけずに採用できます。
企業の事情や、日本の生産人口の減少などからくる慢性的な人手不足から、ベンチャー企業を中心にリファラル採用は増え続けています。
最近では大手企業でも増える傾向が見受けられます。
低コストで迅速に不足している人員の補充をするということこそが、企業側のリファラル採用に求めている主な目的です。
縁故・コネ採用との違い
血縁や友人関係などによる縁故・コネ採用は、スキルやキャリアが転職先に見合ってなくとも、入社できるケースがあります。
では、社員の紹介によって採用を決めるリファラル採用とはどう違うでしょうか?
リファラル採用はコネ採用と変わらない部分もありますが、転職先に勤める知人・友人といった社員の紹介に加え、その企業に必要とされるスキルや社風に合致したキャリアが必要となります。
つまり、いくら社員である友人・知人の紹介や推薦があるといっても、それだけで簡単に採用されるというシステムではないのです。
キャリアやスキルの不足している人が、仮に企業へリファラル採用で推薦されても上手くいかないでしょう。
イメージとしては、ポジティブな印象として捉えることのできる新しいスタイルのコネ採用ともいえます。
リファラル採用で転職するメリット
転職後のミスマッチが起こりにくい
一般採用や求人サイトなどから転職をする場合、企業側はあくまで本人が発信する情報だけで採用の判断をしますし、転職者も企業側と同様に表面的な情報を頼りに応募します。
一方でリファラル採用は、社員が自分と繋がりのある友人・知人を直接紹介・推薦するため、企業と転職者双方により深いデーターが集まります。
そのため、企業側も転職者側も働き方や必要としている、またはされているスキルなどがマッチしやすくなります。
結果として、企業側は理想の人材が確保しやすくなり、転職者は希望の企業に採用される確率が上がりますので、転職後のミスマッチを防ぐことにも繋がるのです。
新しい環境にも馴染みやすい
リファラル採用で転職を果たした人の企業定着率は高いといわれています。
転職後の離職原因には「職場の雰囲気が想像していたものと違った」または「希望していた仕事内容と違う」など実際に働いてみて始めて分かることが多々あります。
リファラル採用ですと、あらかじめ友人・知人から企業の雰囲気や求められる業務、仕事のスピードやフローなど前もって知っておくことができます。
すると、企業に対する理解が深い状態からスタートできるため、組織の雰囲気や仕事運びなどにストレスを感じることなく、自分の能力を発揮しやい環境で働ける可能性が高いです。
採用率の高さ
企業のことを熟知した社員の紹介・推薦なので、企業側も転職者の求めているスキルやだいたいの人間性・業務理念も理解してくれています。
通常の一般採用だと、書類審査で落とされることも多々ありますが、リファラル採用は比較的面接までスムーズに進むことが多いといわれています。
また、面接においても友人・知人から企業の情報を得ることができますから、面接の場で企業の意図を把握して質疑応答や自己アピールできるため、自然と採用率が高くなるでしょう。
リファラル採用で転職するデメリット
人間関係に問題が生じることも
「やっぱりこの企業とは合わない」と、リファラル採用で友人・知人から紹介された企業を退職や、内定辞退をしてしまうと、紹介してくれた相手にも迷惑をかけることになります。
十分に注意しましょう。
他社との比較がしずらい
リファラル採用は友人・知人などが勤めている企業の内情など詳しい情報まで知ることができる反面、競合他社など他の企業については個人で調べなくてはならないデメリットがあります。
リファラル採用での転職を決めても、その後に「同職種にも関わらず、年収が他企業とかなり格差があった」ということになっても後の祭りです。
リファラル採用の場合に限ったことではないですが、その他の転職支援サービスを利用して、比較検討は必ず行いましょう。
リファラル採用の転職を行なうときの注意点
キャリアビジョンを明確に
いくら友人・知人が紹介してくれたリファラル採用の転職だからといって、「給与が高いから」「休みが取りやすい」などといった単純な要素だけで即断即決してしまうのはおすすめしません。
キャリアビジョンを十分に描けていない状態で、転職してしまうということはその後のキャリアに大きな落とし穴が待っている可能性があります。
転職した時点で待遇や仕事内容に不満はなくとも、後々自分の立場が大きく変化するようなことがあるとしっかりとした目標がないため、不満が溜まりやすくなり辞職してしまう人も多いのです。
そうなると、紹介してくれた友人・知人にも迷惑がかかり、自分にもデメリットしかありません。
いくらリファラル採用の話があっても、一旦立ち止まって考えを整理して充分に考える時間を設けるようにしてください。
雇用契約の交渉を本人が行なう
リファラル採用では、個人で年収やその他待遇の雇用契約を交渉しなければいけません。求人サイトなどから応募して採用されるならあらかじめ記載されていますが、リファラル採用の場合は違います。
ここでしっかり自分が納得した待遇で企業と雇用契約を結べないと、後で不満を持ち、辞めることにも繋がります。
交渉事が苦手な人は、リファラル採用の転職もとても魅力ですが、企業との雇用契約交渉も円滑に行ってくれる転職エージェントに頼ってみるのも一つの手です。
面接の準備を怠らない
次の項目で解説しますが、リファラル採用では面接がとても重要です。
面接前には次の準備をしっかり行いましょう。
企業研究
事前に紹介者から聞いた情報に頼るのではなく、自ら企業研究を行いましょう。
業務内容や主力となっている商品・サービス、業績、戦略や課題など事前に確認しておくことでミスマッチを防ぐ事にもつながります。
ペルソナ・募集ポジションの確認、自分の価値観と社風が合っているかどうかも気にしておきたいポイントです。
入社後の業務内容の確認
実際に入社したらどんな組織でどんな業務を任される事になるのか、深掘りしておきましょう。
自分が参加するチームの雰囲気や、どのような人が活躍していて、それぞれがどのような役割をになっているのか、そこで自分は具体的にどのように活躍できるのかイメージします。
具体的にイメージできれば、入社後の活躍も期待できるはずです。
逆質問の準備
上述した内容を元に、逆質問の準備もしておきましょう。
リファラル採用では、企業からの期待が高いものです。
その期待を超える人材であるとアピールするためにも、入社後をイメージした逆質問はとても効果的と言えるでしょう。
紹介者から聞いている事を採用担当者に尋ねる事で、一貫性を確認する意味合いもあります。
リファラル採用ではどのような選考フローが行われるのか
リファラル採用は書類選考が少ない?
リファラル採用にも書類選考はありますが、例えば足切りのような書類審査のみで行われる一次審査はあまりないといわれています。
企業が欲している人材に対して、その社員である転職者の友人・知人がスカウトしてきた人材なわけですから、一次審査で知りたいような内容は既に企業側も知っているからです。
そのため、多くのリファラル採用のケースでは、選考が面接からスタートという企業が多い傾向にあります。
一般的なリファラル採用の選考フロー
①友人・知人などの紹介
転職先を友人やその他知人の推薦などで紹介してもらいます。人事もしくは採用担当者に、履歴書や職務経歴書等を送付しましょう。
② 面接へ
書類が通れば、面接はほぼ一般採用の転職と変わりません。一次二次など(企業によって変わりますが)面接を重ねてそこで質疑応答を受け、自己アピールをし、最終面接へ向かうといった形です。面接を通じて役員と話す機会や、実際に自分が働く部門の担当者とも話す機会があるでしょう。
③採用の合否
最終面接終了を得て、後は採用の合否を待つだけです。
一般採用とそれほど選考のフローに変化はないといって良いでしょう。しかし、リファラル採用の方が一般の転職に比べれば、面接までがスムーズに進みやすいといえます。
せっかく友人・知人といった人から紹介・推薦をしてもらうのですから、紹介してもらった転職予定の企業情報もしっかり聞いて企業分析をし、面接対策をしておきましょう。
リファラル採用でも落ちる?不採用になる理由は?
結論から言うと、リファラル採用でも落ちる事は少なくありません。
理由は冒頭で述べた通り、縁故・コネ採用と違い書類や面接を公平に審査して採用が決まるからです。
リファラル採用でも落ちる理由として次のようなものが挙げられます。
不採用になってしまう主な理由
志望動機が薄い
友人や知人による誘いからスタートするリファラル採用ですので、どうしても油断してしまいがちです。
ところが、志望動機を考えぬく必要があるのは一般的な採用面接と同じです。
社員からの推薦があるからと言って「なぜこの会社で働きたいのか」という一番重要な軸が抜け落ちないようにしましょう。
企業研究不足
こちらも油断から生じてしまいがちな理由のひとつです。
リファラル採用で不採用となってしまった人の感想として一番多いと言われているのが、準備不足です。
企業研究が足りないと、入社後に何をしたいのか・自分のどんな経歴を活かす事ができるのかといった筋道をたてたアピールができません。
企業が求める人物像ではなかった
社員の推薦があったからと言って、本来企業が求める人物像と合致しているとは限りません。
面接の結果異なるとなれば、当然採用は見送られます。
そもそもリファラル採用における相互のメリットは「つながりを利用して、マッチングの精度を向上させる事」です。
高いスキルを持ち、経験豊富であったとしても、企業が求める明確な人物像に当てはまらない限りは不採用となるのです。
逆に言うと、基本的な面接対策を抜け漏れなく行っていれば受かるとも考えられます。
再度チャンスがある場合も
実はリファラル採用は、企業側も求職者側も柔軟に動ける事が特徴です。
一般的な採用活動であれば、一度不採用になった企業に再度エントリーはしません。
企業側からも連絡は来ないのが社会通念とされています。
ところがリファラル採用における不採用の理由としては「現時点ではまだ求める人材ではない」というパターンもあるのです。
その場合、一度採用を見送ったものの新規事業の立上げや事業拡大のために再度声がかかる場合もあります。
どうしても入社したいという強い気持ちがあるなら、スキルを磨きながら採用担当者と連絡がとれるようにしておきましょう。
最後に
リファラル採用で何より大きいのは、中で働いている社員の生の声を元に転職を考えられることです。社風や組織の雰囲気をあらかじめ知っておけるのは転職においてとても安心できます。
企業側も求人コストをかけず、自社にマッチした人材を得ることが可能ですから、転職者と企業どちらにもメリットがあるシステムがリファラル採用といえるでしょう。
もちろん良い部分だけではありませんが、この記事で紹介したリファラル採用のメリット・デメリットなど、もしリファラル採用の転職機会があれば参考にしてみてください。
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