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VUCA(ブーカ)ってどういう意味?VUCA時代でも活躍する人材になるためのポイント!

「VUCA(ブーカ)」とは、予測不可能で不確実・不安定な世界の状態を表す言葉です。IT技術やマネジメント、マーケティングなど、VUCAはビジネスのあらゆる面に影響を及ぼしています。この記事では「VUCA」の意味と、VUCAの時代に活躍するポイント、VUCA時代に取り残される企業の特徴を解説します。

「VUCA」とは予測不可能で複雑に変化する世界を表す言葉

 

 

まずは「VUCA」が具体的に何を意味するのかを知っておきましょう。「VUCA」は単語ではなく、次の4つの英語の頭文字をつなげた言葉(アクロニム)です。

 

・V =不安定なこと(Volatility)

・U =不確実であること(Uncertainly)

・C =複雑であること(Complexity)

・A =不明確であること(Ambiguity)

 

「VUCAの時代」「VUCAワールド」など、いろんな使い方がされています。では1文字ずつを詳しく見ていきましょう。

 

VUCAの「V」=Volatility

 

VUCAのⅤは「Volatility(ボラティリティ)」の頭文字。Volatilityとは不安定で変動的という意味です。

グローバル化やIT化など世界規模でさまざまな変化が急激に起こっている今の時代、何においても「絶対こうだ」といえるものはなくなってきたのではないでしょうか。

日本の例を挙げれば「大企業だから安泰」でもありませんし、「正社員だから安心」でもありません。

国や企業などあらゆる規模で、あらゆるものが「いつどうなるかわからない」という不安定な状態になっているのです。

 

事例:マーケティング手法の変化

IT技術の進化は世の中に大きな変化を与え続けているもののひとつです。

例えばインターネットが起こしたライフスタイルの変化のひとつに広告が挙げられます。インターネット広告の出稿はすでに既存のテレビや新聞、雑誌、ラジオなどのマス広告を大きく上回っています。

 

VUCAの「U」=Uncertainly

 

VUCAのUは「Uncertainly(アンサートゥンリー)」の頭文字。Uncertainlyとは不確実で予測ができないことをいいます。

予測不可能な大規模災害や事故、各国の政治の変化やテロ事件など想定外のさまざまな出来事が、社会にその都度大きな影響を及ぼしていることは明らかです。

 新型コロナウイルスの蔓延によって「ニューノーマル」な時代がきたと言われていますが、あらかじめ予見できていなかったからこそ、世界中の誰もが大きな変革を余儀なくされています。

 

VUCAの「C」=Complexity

 

VUCAのCは、「Complexity(コンプレキシティ)」の頭文字。Complexityとは複雑であることです。

例として、グローバル化により社会が複雑に絡み合ってきたことや、さまざまな事業が自由化されたこと、各企業がこれまでの事業とは異なる分野への進出を始めたことなどが挙げられます。

電力会社がガスを売り、ガス会社が電力を売ることもすでに普通のことになりました。自動車会社がモビリティサービスに着手するなど、これまでの常識を超える動きが加速しています。

個人単位でも副業が認められるなど、雇用関係や働き方がより複雑化していくことが予想されます。

「Coconala(ココナラ)」などのスキルマーケットビジネスもその1つでしょう。

 

事例:新たなビジネスの障壁

ビジネス構造が入り組んだことで、新たなビジネスモデルも続々と誕生しています。

例えば「Uber」のようなシェアリングサービスです。しかし、日本では法律の違いを理由にアメリカと同様の普及の仕方とはなりませんでした。規制や習慣がビジネスの展開に影響する事例だといえるでしょう。

またX-Tech(クロステック)が目覚ましい発展を遂げるなかでも、Fintech(金融×テクノロジー)の分野においては、外資系企業が参入しづらい、ブロックチェーンや暗号資産を利用したサービスが伸びづらいといった日本特有の複雑さも垣間見えています。

 

VUCAの「A」=Ambiguity

 

VUCAのAは「Ambiguity(アンビギュイティ)」の頭文字。Ambiguityとは不明確で曖昧、両義性を持つことをいいます。

両義性とは、2つの相反する事柄がともに成り立つことです。SNSの世界的普及によって、誰もが意見を発信できるようになり、多様な価値観が認められるようになってきたこともその1つの例だといえるでしょう。

人々のニーズも多様化してきたことから、いわゆる「経験値から導き出す正解」が必ずしも正解とは言えなくなってきています。 

このような「これまでの常識が通用しない、不安定で不確定、複雑で不明確な状況」を「VUCA」と呼びます。

 

 

VUCAに注目が集まる背景

 

未来

 

背景①グローバリゼーション

 

VUCA時代に大きく関わる要素としてグローバリゼーションが挙げられます。

なぜなら国や人種といった垣根を越えたビジネスには、先述したような複雑な要因がいくつも絡んでいるからです。インターネットの普及により、世界中の企業が競合と化したことで、ビジネスシーンの競争はより激化したと言えるでしょう。

世界中の企業がグローバル化に踏み切ったことで、国内で成功していたビジネスモデルが他国では通用しないという複雑性にも直面します。

それによって既存の価値観から、よりそれぞれの国の特徴が反映されたビジネス展開が求められるようになりました。

 

背景②IT技術の発展

 

完全自動運転、IoT、5Gなどの新しい技術は関連する新しいビジネスモデルも生み出しています。

例えば動画配信サービスで知られるNetflixは、実はもともとDVDのレンタルサービスを行う会社でした。ところが通信技術の発達により、オンラインで手軽に高画質な動画を楽しめるようになったことで、動画配信サービスの開始に踏み切ったのです。

このように時代の変化に対応できる企業だけが生き残る傾向はますます強くなるでしょう。

自動運転車の「Google Car」音楽ストリーミングサービスの「AmazonMusic」などは、異業種に参入を始めた事例として挙げられます。

 

背景③少子高齢化

 

少子高齢化も不確実性に関わる要素です。

なぜなら、少子高齢化がさらに進んだ社会は前例がなく、どのような事が起こるか予測が立てられないからです。特に高齢化による労働人口の減少は、現在のビジネスモデルの維持に大きな影響を及ぼすでしょう。

予測がつかないが故にビジネスを困難にする要因とされています。

 

VUCAに対する日本政府の動き

 

経済産業省は、2019年の「人材競争力強化のための9つの提言(案)~日本企業の経営競争力強化に向けて~」でVUCAに触れています。

それによると、やはり「グローバル化」「デジタル化」「少子高齢化」を経営変化として捉えており、人材マネジメントに関する3つの大原則のひとつがVUCAだとしています。

 経営競争力・人材競争力を強化するための方策は、報酬やキャリアパスの整備を始めとした個々の成長をバックアップする制度やミドルリーダー育成の大切さについて言及するものになっています。

 

 

VUCA時代に活躍できる人になる!5つのポイント

 

 

「人生100年」といわれ、終身雇用が常識ではなくなったこの時代、長く・どこででも活躍できる人材になることが必要です。 今の会社に居続けるにしても、転職するにしても、有用な存在だと認められなくてはいけません。

そのためには、主に5つのポイントがあります。ビジネスパーソンとしてのニーズを高める、そのメソッドを見ていきましょう。

 

VUCA時代に活躍するポイント:①主体性を持って行動する

 

まずは、「自分のキャリアは自分で構築していくもの」という意識を持ち、自ら動く主体性を持つことがVUCA時代に活躍できるポイントです。

長く在籍していても、かつてのように年功序列で昇給されキャリアアップできるとは限らず、雇用関係さえ盤石ではありません。

指示されるのを待っているだけでは、活躍どころか「やる気がない」と見なされ評価が低くなったり、不要な人材と判断されたりする恐れがあります。

自分で意思決定し、他人事でなく自分事として責任感を持って仕事をする。これをするかしないかで、将来は大きく変わってくるはずです。

 

VUCA時代に活躍するポイント:②スピード感を持って行動する

 

業務にはスピード感を持つこと、これもVUCA時代に欠かせないポイントです。

環境の変化や技術革新のスピードが速くなっているのですから、事業もその流れに乗っていく必要がありますよね。効率よく業務をこなし、トライ&エラーのサイクルも速くして生産性を高めることが必要なのです。

じっくりと時間をかけて丁寧な仕事をすべき場面もありますが、それだけではVUCA時代に適応できません。

 

VUCA時代に活躍するポイント:③多様なメンバーをまとめるリーダーシップを持つ

 

リーダーシップを取れる人材は、IT業界では特にこれからのVUCAの時代に必要とされる存在です。

 「リーダー」といっても従来の支配型、個人の意思決定をもとに周りを引っ張るリーダーではありません。メンバーひとり一人の能力や個性、意見を理解し、それぞれが主体的に動ける環境を作ることがVUCA時代に求められるリーダーシップです。

 そのためには、まず周りの人間と自ら密にコミュニケーションを取ることから始めましょう。自分をはじめメンバー全員の能力や個性を把握し、生かそうとすることが生産性を高め、あらゆる変化に対応できる組織を作る土台となります。

 

VUCA時代に活躍するポイント:④勉強して自分を高め、成長し続ける

 

IT業界にいる人なら、勉強し続けることの大切さはすでに理解しているでしょう。技術の進化や環境の変化に対応するには、常に勉強し、自分を高めようとする姿勢が不可欠です。

「1つのことを深く掘り下げて極める」という勉強の仕方がこれまでの一般的な勉強方法だったかもしれません。それも大切ですが、VUCA時代におすすめする勉強方法は「関連する他分野にも視野を広げて学ぶ」ことです。

他分野についても勉強することで、自分の強みがたくさんできます。それが自分のキャリアを多様化し、将来の選択肢や可能性を広げてくれるに違いありません。

 

VUCA時代に活躍するポイント:⑤イノベーション体質を強化する

 

VUCAに乗り遅れないために、企業は「イノベーションを起こしてくれる人」を求めています。

市場や時代の流れに敏感で新たな視点で課題に気づける人、そしてその適切な解決策を生み出せる人はVUCA時代にも確実に活躍できます。

「イノベーション」というと難しそうなイメージで「限られた人にしかできない」と思われがちですが、そうではありません。

必要なのは常に情報収集のアンテナを張り、周りを見て状況を把握することや、社内外でのコミュニケーションを大切にすること、そして自分の意見を周りにはっきりと伝えることです。

 

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VUCA時代に対応するための「OODAループ」とは

 

 

「VUCA」と共によく耳にするのが「OODA(ウーダ)」という言葉です。もともとアメリカなどで軍事的に利用されてきた理論ですが、現在ではビジネスに応用されています。

「OODA」は、品質管理や企業の目標達成のために用いる「PDCAサイクル」に変わる、VUCA時代に合ったフレームワーク(枠組み、構造)だと言われています。

一般的なPDCAサイクルとは、次のようなプロセスを踏むものです。

 

1、Plan(計画する)

2、Do(実行する)

3、Check(検証する)

4、Action(改善する)

 

一方、VUCA時代に適しているといわれるOODAサイクルは、次のようなプロセスで動きます。 

 

1、Observe(観察する)

2、Orient(状況判断する)

3、Decide(意思決定する)

4、Act(行動する)

 

OODAとPDCAの最大の違いは、OODAには「計画」と「検証」がないことです。それによって、状況に合わせたスピーディーな対応を繰り返し、変化する環境についていく体制を作ることができます。

ゆっくり計画をしている間に、状況が変わってしまう。それがVUCAの時代なのです。

 

 

VUCA時代に取り残されるおそれのある会社とは

 

 

自分がVUCA時代に活躍できる人材となることも重要ですが、会社がVUCA時代に生き残っていけるかどうかも気になるところでしょう。今いる会社、転職先がVUCAに対応していける環境かどうかは、今後の自分のキャリアにも影響を与える重要な問題です。

次のいずれかに当てはまる企業は、VUCA時代に適応できないおそれがあります

 

・トップがワンマン型である

・経営方針やビジョンが明確でない

・自分の意見が言いづらい、他部署の情報が入ってこない

・状況に合わせた柔軟な対応ができない

・過去の成功に満足し、変化を望まない

・従業員の健康に配慮がなされていない

・管理職が機能していない

 

VUCAの時代、企業にとってはさまざまなバックグラウンドを持つ人材を認めてその能力を生かす取り組みが重要です。

なぜなら、それがVUCA時代を生き残るための「組織の強み」になるからです。さらに一企業や業界などの枠にとらわれず、あらゆる可能性を模索して事業を展開していかなくてはなりません。

事業の内容が多岐にわたっても、経営の軸はブレず明確なビジョンを持っていることが大切です。従業員を大切にしない企業もまた、優秀な人材を確保・留保できず苦労することになるでしょう。

もちろん、この条件に当てはまっても利益を上げられる会社はあります。しかし働く側としてその会社でこのままやっていけるのか、やっていきたいのかは、この先のキャリアも踏まえてじっくり考えてみてください。

 

 

まとめ

 

 

「VUCA」とは、予測不可能で急激に変化する時代を表す言葉です。不安定で不確実、複雑で不明確な世界、そう聞くと不安になりがちです。

しかし考え方を変えれば、VUCA時代にはあらゆるところにチャンスがあると言えます。

会社側には、従業員の経験やスキルを最大限生かす経営を行い、VUCA時代に適応する必要があります。働く側は経験やスキルに合う仕事に就ける期待が高まる一方、活躍するためには「求められる人材」でなくてはなりません。

主体性やスピード感をもって仕事をするなど、会社から必要とされる人材になることができれば、今いる環境で活躍できるだけでなく、今後どんなキャリアを歩むのにも役立つでしょう。

今の職場ではVUCAに対応できない場合は、転職を考えるのも1つの方法です。転職すべきかどうか迷う人も相談してみてください。

 

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この記事の監修者

ギークリーメディア編集部

主にIT・Web・ゲーム業界の転職事情に関する有益な情報を発信するメディアの編集部です。転職者であれば転職市場や選考での対策、企業の採用担当者様であればIT人材の流れ等、「IT業界に携わる転職・採用」の事情を提供していきます。

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