ITベンダー資格の特徴を解説!難易度やおすすめは?転職に役立つ資格をエージェントが求人例をもとに紹介
実務に生かせる資格としてITベンダー資格を取得する人は増えています。時には国家資格よりも高く評価されるITベンダー資格ですが、転職のアピールポイントにするなら有利なものを見極めなければなりません。そこで今回は、ITベンダー資格の特徴や難易度、本当に転職に有利なおすすめ資格を転職エージェント目線で紹介します。
目次
IT資格の種類
IT業界への転職時に有利だったり、すでにIT業界で働く人たちがステップアップできる資格には種類があります。
ITベンダー資格の価値を知るためにも、解説に入る前にIT資格の種類を理解しておきましょう。
国家資格
経済産業省・文部科学省・総務省など国の機關がそれぞれ公式に認定する資格です。
特にITエンジニアの人たちに人気なのが経済産業省が認定する情報処理技術者試験でしょう。
国家資格は難易度が高いですが、信頼性・権威性が高いことや資格に有効期限がないのが特徴です。
ITベンダー資格
IT関連の製品を開発・販売している会社のことをITベンダーといいます。
日本の有名なITベンダーといえば、富士通株式会社や日本IBM(日本アイ・ビー・エム株式会社)、NEC(日本電気株式会社)などです。
世界ではMicrosoftやGoogle、OracleなどがITベンダーのトップ企業に名を連ねています。
ITベンダー資格とは、これらのITベンダー企業が自社製品について一定の知識・スキルがあると認定する民間資格です。
ベンダーニュートラル系資格
特定の企業やメーカーに依存しないIT資格のことをベンダーニュートラルといいます。
たとえば、情報処理系やインターネット全般の知識を問われるような資格は、ベンダーニュートラル系資格が多いです。
特にLPIC(Linux技術者認定試験)が実務に生かせる資格として人気があります。資格に有効期限があり受験料が高額になる傾向があります。
ITベンダー資格の特徴
ITベンダー資格は企業が自社製品の知識・スキルを認定する資格ですので、より実務的な内容が身につきます。
転職の際に国家資格よりもITベンダー資格の方が高く評価されたという話もよく耳にします。
企業は「現場での使用製品について知識・スキルがある=即戦力」とみなしますので、ITベンダー資格を優遇する場合もあるのでしょう。
基礎的なITベンダー資格の受験料は概ね30,000円以上で、国家資格の受験料よりやや高めになっています。有効期限を設けられている資格もありますので、資格を失効させないようにするのが大切です。
ITベンダー資格と国家資格ではどちらを取得するべき?
転職準備として資格の取得を考えている人なら、ITベンダー資格と国家資格のどちらを取得するべきか悩むかもしれません。
それぞれのメリット・デメリットを理解したうえで自分の目的に合わせて取得しましょう。
国家資格のメリット・デメリット
国家資格のメリットとして以下のことが挙げられます。
<メリット>
・資格に有効期限がない
・受験料が比較的安い
・国内の企業であれば転職時に説明不要
有効期限がないのでうっかり更新し忘れて資格を失効するリスクがありませんし、受験料が安いのはとてもありがたいメリットです。
日本企業の面接官であれば誰でも知っている資格になるので、詳しく説明しなくても評価されるのが国家資格のメリットでしょう。
反対にデメリットは以下のようなものがあります。
<デメリット>
・求められる知識の範囲が幅広く、勉強に時間がかかる
・実践的な内容とは限らない
・試験の機会が少ない
・国内でしか生かせない
国家資格は対象者を広く設定しているので試験内容も幅広い知識を問われるものが多いです。覚えなければいけないことが多く勉強にとても時間がかかります。
また、すぐに現場に生かせる実務的な内容かといえば、そうでもない資格が多いのもデメリットでしょう。
将来的にグローバルに活躍したいと考えている人は、日本の国家資格は世界では評価されない資格であることも知っておきましょう。
試験の機会も年に1回〜2回のものが多く、もし不合格になれば翌年まで待たなければいけないデメリットもあります。転職準備のために資格取得を急ぐ人にとっては不向きかもしれません。
ITベンダー資格のメリット・デメリット
ITベンダー資格のメリットとしては以下のことが挙げられます。
<メリット>
・内容が専門的なので現場の実務に生かしやすい
・試験の機会が多い
・転職時の強いアピールポイントになる
・世界基準の実力がつく
ベンダー資格は特定の製品知識・スキルが身につきますので、すぐに実務に生かせるのがメリットです。また、実務に生かせることが転職時の強いアピールポイントにもなります。
試験も常時開催・毎月1回など頻繁に開催されていますので、資格取得を急ぐ人にとっても嬉しいメリットでしょう。
ITベンダー資格の中には世界基準で認められているものもありますので、取得しておけば世界でも通用するでしょう。
反対にデメリットは以下のようなものです。
<デメリット>
・受験料が高い
・資格に有効期限がある
国家資格に比べてITベンダー資格は受験料が割高です。
気軽に何度も受験できる金額ではありませんし、数十万円かかるものであれば不合格のダメージは相当大きくなるでしょう。
また、資格に有効期限があるので更新を忘れてしまったら資格を失ってしまうリスクもあります。資格の更新に再試験を設けている場合もありますので、再試験の度に勉強しなければならないことをデメリットに感じる人もいるでしょう。
それぞれのメリットを解説しましたが、転職を考えているなら即戦力になれるITベンダー資格を狙うと良いでしょう。
ITベンダー資格の難易度は?
ITベンダー資格は特定の製品について深い知識が求められるので、難易度は高いものが多いです。
中には国家資格よりも難しい資格もあるほどなので簡単には取得できないでしょう。その分、ベンダーのソフトウェアに関するスキルを客観的にアピールできるので転職には確実に有利になります。
年収が高いITエンジニアが取得している資格も多いので、キャリアアップを目指す人にとっても取得する価値はあるでしょう。
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本当に転職に有利なITベンダー資格4選
ネット検索すれば「転職に有利」といわれる資格がたくさん紹介されていますが、実際はそれほど評価されない資格も紹介されています。
ここでは、転職成功者から「面接で評価された」との声が多い本当に有利なITベンダー資格を厳選して紹介します。
Oracle Master
データベースエンジニア向けの資格で、シェアNo.1を誇るデータベースソフト「Oracle Database」の知識・スキルを認定しています。
「Bronze」「Silver」「Gold」「Platinum」の4種類があり、Platinumは最高難度のIT系国家資格と同レベルの難易度といわれています。
実務に生かすならBronze取得で十分です。
ただ、Silver以上は国際基準の資格でもあるため、世界でも通用する知識・スキルを身につけることができるでしょう。Gold以上は有料の研修を受ける必要があり、受験料もかなり高額になります。
ちなみに、Platinumに合格するまでの受講料・受験料は総額90万円近くになるため、多くの人はSilver取得をゴールに目指すようです。
Java SE – Oracle Certified Java Programmer
Oracle社が主催する、Javaの知識・スキルをレベル別に認定しているITベンダー資格です。
「Bronze」「Silver」「Gold」の3つのグレードがあり、Silver以上は世界的に評価されるレベルとなります。
BronzeはJava初心者向けなので難易度は低めですが、Silver以上はプログラマー経験者でないと合格は難しいでしょう。
Javaはよく使われるプログラミング言語なので、Javaプログラマーを目指す人が取得しておけば様々な場面で活躍できるでしょう。
Android技術者認定資格
アプリケーションエンジニア向けの資格で、「アプリケーション技術者認定」と「プラットフォーム技術者認定」の2つがあります。
難易度別に「ベーシック」と「プロフェッショナル」に分かれています。ベーシックについては受験者の約半数が合格しているので難易度は低めでしょう。
アプリ・プロフェッショナルの合格率は公開されてないので明確な難易度はわかりませんが、偏差値は59と発表されています。
Oracle Master Goldの偏差値が64ですので、アプリ・プロフェッショナルはIT資格の中でも難易度は高めとなります。
モバイルアプリ開発におけるエンジニアの需要は高まっているので、Android OSに的を絞って専門性を高めるのも良いかもしれません。
シスコ技術者認定資格
ネットワークエンジニア向けの資格で、世界最大手のネットワーク機器メーカー「シスコシステムズ社」の認定資格です。
主力商品「Ciscoルータ」「Catalystスイッチ」の技術力や、TCP/IPなど基礎的なネットワークスキルの証明になります。
難易度が低いものから「エントリー」「アソシエイト」「プロフェショナル」「エキスパート」「アーキテクト」に分かれています。
全体的な資格の難易度としては「中程度〜やや難しいランク」になるでしょう。
世界基準の資格であり、ネットワークエンジニアの世界では最も人気のある資格でもあります。
ITベンダー資格の勉強法
ITベンダー資格の勉強方法には大きく2通りあります。
自分で決めた取得までの期間やライフスタイルに合わせて最適な勉強法を選びましょう。
書籍や参考書で勉強する
書籍や参考者を購入して独学で勉強してもITベンダー資格の取得は可能です。
未経験者や初心者にとってはITベンダー資格は難解なものが多いので、イラスト入りなどの分かりやすい本がおすすめです。
参考書や書籍以外に問題集も販売されていますので、基礎を勉強し終えたら問題集を解いて不明な点を参考書で確認すると良いでしょう。
オンライン学習
短期間で効率的な学習をしたい場合はオンライン学習がおすすめです。
無料で学べるプログラムがたくさんありますし、最近ではYouTubeでも資格の講座動画がたくさんあります。
有料ですがIT資格向けの通信講座も多くの種類があります。
また、ITベンダー資格の場合は公式のWebセミナーが開催されているものもありますので、積極的に活用しましょう。
ITベンダー資格を取得する時の注意点
ITベンダー資格の勉強を始める前に、その資格が転職先で役立つ資格かどうかを見極めましょう。たとえば、転職先でOracle製品を使用していないのにOracle Masterを取得しても、転職に有利にはなりません。
また、転職先の職種に必要な資格かどうかも見極めるようにしましょう。希望の職種がインフラエンジニアでもないのにインフラ系の資格を取得するのは、遠回りになってしまいます。
マイナーな資格もアピールポイントになりませんので、有名な資格かつ転職先で求められる資格を優先的に取得しましょう。
そして、何よりも忘れてはいけないのが「資格の取得がゴールではない」ということです。
IT業界では資格よりも経験が重視されますので、資格で身につけたスキル・知識を生かしてどう仕事の成果に結びつけるかが大切です。
資格取得はあくまで転職を有利にするためやステップアップの手段であり、目的ではないことを理解しておきましょう。
ITベンダー資格を武器に転職を成功させよう
ITベンダー資格は受験料も難易度も高くなりがちですが、転職に有利なだけでなく転職後の即戦力になれるものです。
おすすめなのは、ベンダー資格を取得して即戦力で転職し、転職後にステップアップとして汎用的な国家資格を取得することです。「資格は意味がない」という人もいますが、資格取得のプロセスで身につけた知識・スキルは必ずあなたを成長させてくれます。
特に未経験から転職する人は資格取得がアピールポイントになりますので、ITベンダー資格を取得してIT業界への転職を成功させましょう。
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