【確定申告】転職で源泉徴収票がないなら取るべき5つの行動!間に合わない時どうする?
転職の手続きで提出を求められる書類の一つが「源泉徴収票」です。転職先で年末調整を行うため、必ず必要になります。そんな源泉徴収票が何かしらの理由で手元にない場合は、どうしたらいいのでしょうか?今回は、転職時に前職から源泉徴収票がもらえない場合の対処法や、転職先でなぜ源泉徴収票が必要なのかを解説していきます。
目次
源泉徴収票とは何か
源泉徴収票とは、1月1日から12月31日までの1年間で会社から支払われた給与額とそれに伴って算出された所得税額が記載された書類です。
所得税の金額は給与所得によって変動するため、1年間の給与額が確定する年末に源泉徴収を行う必要があるのです。
仮に所得税を余分に支払っていた場合は、年末調整の際に差額が戻ってきます。
また、所得税の支払いが不足している場合は、追加で税金を支払うことになります。
転職時に源泉徴収票が交付されるタイミング
源泉徴収票は会社を退職してから1ヶ月以内に、退職した会社から交付されます。
雇用主は、社員が退職してから1ヶ月以内に源泉徴収票を交付しなければいけないと所得税法で義務付けられています。
そのため、退職者から会社に作成依頼をする必要はありません。
転職先へいつまでに提出する?
基本的に、転職後できるだけ早い提出が望ましいです。
年末調整の作業に間に合わせるために、遅くとも11月から12月までには提出しましょう。
なお、転職先では退職金に関する手続きは発生しないため、「退職所得」の源泉徴収票がある場合こちらは提出義務はありません。
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転職先で源泉徴収票を提出する理由
なぜ転職時に源泉徴収票をもらう必要があるのかについて解説します。
年末調整は1月から12月の1年間の給与所得を元に所得税額を確定するものです。
転職先で年末調整をする際に、転職先の給与金額だけではその年の所得税額が確定できないため、正確な源泉徴収ができません。
1年間に会社から支払われた給与金額がわからないと年末調整が出来ないため、前職の源泉徴収票を提出する必要があるのです。
転職先の社員は、たとえ経理担当であっても、前職の所得税額を調べることができません。
そのため、前職の正確な所得税額が記載された源泉徴収票が必要なのです。
源泉徴収票を提出しないと、転職先の経理が年末調整できず、自分で確定申告をしないといけなくなることもあります。
通常であれば何も手続きをせずにもらえるものなので、必ず受け取り、転職まで大切に保管しましょう。
【場合別】転職時に源泉徴収票がないときの対処法
- 紛失した場合は前の会社に連絡して再発行してもらう
- 会社が源泉徴収票の交付を忘れている場合は会社へ念押しの確認を
- 前会社が倒産した場合は給与明細をもって税務署へ相談を
転職先で必ず必要となる源泉徴収票ですが、何かしらの理由で手元にない場合があります。
ない場合でも対処することは可能なので、慌てる必要はありません。
まずは、比較的対処が簡単なケースから対処法を解説します。
源泉徴収票をなくしてしまった場合
一番多いのは、源泉徴収票を受け取った後になくしてしまうケースです。
転職時にはたくさんの資料を受け取るため、源泉徴収票が埋もれてしまったり、なくなってしまうことが多くあります。
この場合は、退職した会社に再発行依頼をすることが可能です。
前職の経理に、「源泉徴収票をなくしてしまったので再発行をお願いできますか?」と連絡すればOKです。
依頼をすれば何度でも無料で再発行をしてくれます。
会社を退職済みの場合でも発行依頼することが出来るので、なくなったとわかったらすぐに連絡をしましょう。
会社が源泉徴収票の交付を忘れている場合
源泉徴収票を受け取っていないのに、退職した会社がなかなか源泉徴収票を交付してくれないことがあります。
おおよその場合は経理担当が忙しく、うっかり忘れてしまっているだけなので、会社にリマインドをすることをおすすめします。
リマインドをしたらすぐに対応してくれることがほとんどです。
また、できたばかりの会社や社員数が数人程度の会社の場合は、交付義務を知らないこともあります。
その場合は、転職先で源泉徴収票が必要になることを伝えた上で、源泉徴収票の発行をするよう依頼しましょう。
前職が倒産してしまった場合
源泉徴収票が受け取れない理由によっては、対処が難しかったり時間がかかる場合があります。
ここからは少し特殊なケースの対処法を解説します。
退職後に会社から源泉徴収票をもらおうとしたら、前職が倒産してしまった、という場合はどうしたらいいのでしょうか。
会社が倒産するとき、破産管財人が倒産後の事務業務を行うことが一般的です。その場合は、破産管財人に源泉徴収票の発行を依頼することができます。
ただし、会社によっては倒産時に破産管財人がいない場合があります。
倒産した会社で破産管財人が選任されていない場合、源泉徴収票を受け取ることはほぼ不可能となってしまいます。その場合は、給与明細の提出により確定申告が可能になる場合があるので、税務署に相談しましょう。
源泉徴収票の代わりとして書類を提出する場合たとえ銀行口座の記帳など給与所得を証明するものがあっても、源泉徴収票の代わりにはなりません。
口座への振込金額だけでは給与所得の総支給額がわからないため、必ず会社から渡された給与明細である必要があります。
万が一のときのために、給与明細を日頃から保管しておくことをおすすめします。
会社に催促をしても源泉徴収票をもらえない場合
このケースは稀ですが、退職する会社に催促をしても源泉徴収票を発行してもらえない場合があります。
この場合は、年末でなければ源泉徴収票を発行しなくて良いなど、会社の経理担当が間違った認識をしている可能性があります。
まずは、退職時の源泉徴収票の交付は会社の義務であることをしっかり伝えましょう。
相手を説得する際は、所得税法で退職の1ヶ月以内に源泉徴収票の交付をすることが義務付けられていること。交付されない場合は行政指導の可能性もある旨を伝えることが有効的です。
最終手段として税務署からの行政指導が可能
根拠を持って会社を説得しても源泉徴収票が交付されない場合、税務署で「源泉徴収票不交付の届出手続き」を行うことができます。
この手続きを行うことで、国から会社に行政指導を行なってくれます。
源泉徴収票を交付しないことで会社が罰則を受けることもあるため、行政指導を受けた会社はすぐに対応してくれることがほとんどです。
管轄の税務署で提出することも出来ますし、国税庁のホームページで交付の届出書をダウンロードして郵送で送ることも出来ます。
必要とわかったらできるだけ早く提出しましょう。
このやり方は手間がかかるだけでなく、前職との関係性悪化にもなりかねません。
どれだけ説得しても源泉徴収票を渡してくれない場合のみ、最終手段として使うことをおすすめします。
会社から源泉徴収票が発行されない場合の最終手段は税務署で「源泉徴収票不交付の届出手続き」
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転職時に源泉徴収票を発行できないケース
転職する際に、そもそも退職する会社で源泉徴収票をもらえないことがあります。
ここでは源泉徴収票が交付されないケースを解説します。
雇用形態が業務委託や個人契約だった場合
社員ではなく業務委託や個人契約という形で契約をしている場合、会社と雇用関係ではないため、源泉徴収票を発行してもらうことができません。
個人事業主も同様です。
よくフリーランスは税金の手続きが大変だといわれますが、会社が行ってくれる確定申告の手続きを自分で行わないといけないことが理由です。
源泉徴収票の代わりになる書類は?
役所で発行される「所得・(非)課税証明書」が代わりの書類となる場合があります。ただし、必要とされる書類として認められるかどうかは提出先の判断によりますので必ず確認が必要です。
個人事業主は、過去の確定申告書および添付書類、課税証明書、納税証明書が収入証明書として有効になる場合もあります。
アルバイトやパートの場合は源泉徴収票が発行される?
業務委託とよく混同されるのがアルバイトですが、アルバイトは社員と同じく源泉徴収票の交付が義務付けられています。
短期のアルバイトであっても源泉徴収票が交付されるので、もし受け取れない場合は、正社員と同じように会社に依頼をしましょう。
なお、パート勤務の場合であっても雇い主は源泉徴収票を発行する義務があります。
転職先での年末調整に間に合わないケース
- 転職のタイミングが年末になり退職元からの源泉徴収票の発行が遅れるため、年末調整が間に合わないケースがある
- 年末調整の時期に会社へ属してない
- 12月に転職した場合、給与が支払われなければ会社は年末調整が行えないケースが発生する
退職時期によっては、源泉徴収票の発行が年末調整に間に合わない場合があります。
年末調整のタイミングで源泉徴収票がない場合は、自分で確定申告を行わないといけません。
ここでは、源泉徴収票の発行が年末調整に間に合わないケースについて解説します。
年末調整の直前で退職する場合
一般的に毎年12月に源泉徴収票が交付され、翌年の1月までに年末調整を行います。
それに合わせて1年間の源泉徴収を行うため、源泉徴収票の交付は必ず年末になります。源泉徴収票が12月の給与明細と一緒に渡されることも多いです。
例えば、転職先の会社の年末調整が12月末に行われるとします。
11月に会社を退職をし12月の中旬に転職先に入社する場合、退職した会社で源泉徴収票の発行が遅れたら12月末の年末調整に間に合いません。
年末調整の期限は会社により異なりますが、12月~1月であることに変わりないので、できるだけ年末の転職は避けたほうが良いでしょう。
年末調整の時期に会社に属していない場合
年末に転職をすると、年末調整が行われる11月から12月の間にどちらの会社にも所属していないケースも出てきます。
例えば、10月に退職をし少し休暇を取って年始から働き始める、という場合などです。
その際は、会社に年末調整をしてもらうことができません。
たとえ転職先が決まっていたとしても、年末調整の期間に転職先の会社に属していない限りは年末調整ができないのです。
そのため、この場合は自分で確定申告をする必要があります。
転職先の会社で12月の給与が支払われない場合
12月に転職先に入社した場合、締め日と支払日の都合で12月中に給与が支払われない場合があります。
12月に給与明細と一緒に源泉徴収票を渡す会社が多いため、12月に給料を支払わないのであれば年末調整は行えないことがあります。
この場合、12月に会社に所属していたとしても、自分で確定申告を行わないといけないケースもあります。
ただし、年末調整が1月までの会社もあるので、12月の給与が支払われなくても年末調整をしてもらえる場合もあります。
転職時期を決める際に転職先の人事担当に確認を取りましょう。
転職先に前職の給与所得を知られたくない時は?
前職の職種や働き方を転職先に知られたくない場合はどうすればいいのでしょうか?
年末調整ではすべての所得額を提示する必要があります。
副業などの源泉徴収票を出せない場合、業務委託と同じように副業分の税金を自分で確定申告しないといけません。
自分で確定申告する場合は源泉徴収は不要
平成31年度(2019年度)の税制改正によって、2019年4月1日以後に提出する2019年分の確定申告書類からは源泉徴収票の添付が不要となりました。
これは確定申告書にマイナンバーを記載することでデータを管理できるようになったためです。
諸事情により自分で確定申告を行う場合には源泉徴収票は不要ですが、状況が変わることも考えられますので、必ず受け取っておくべきだと言えるでしょう。
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源泉徴収票がないと転職後に損をする場合も
- 転職時に一年分の差分金額を損することがある
- 無自覚ではあるが結果として脱税など法に触れる罰則を受ける場合も
年末調整は面倒臭いから自分はやらなくていいや、と思っている方もいますが、年末調整はやらないと損をしてしまうことがあります。
また、脱税をしてしまった場合はペナルティが科せられる場合があるので、年末調整は必ず行わないといけません。
税金を払いすぎる場合
年末調整の一番のメリットは、1年間の所得税額が確定された際に、差分額が戻ってくることです。
毎月の給料から天引きされていた所得税額の一部が戻ってくるのは嬉しいことだと思います。
もし転職時に源泉徴収票がない場合、転職先で年末調整ができないため、所得税の差分金額1年分を損することになります。
税金未申告のペナルティがある場合
例えば、昇給等で給料の金額が上がった場合、おのずと所得税額も上がります。
その場合、年末調整で1年間で支払った所得税より高い税金がかかると発覚する可能性があります。
その際に年末調整を行っていないと、脱税をしてしまうことになります。
無自覚であっても脱税は違反であり、罰則が科せられます。自分の身を守るためにも、必ず源泉徴収票の提出を行いましょう。
スムーズな転職のために源泉徴収票は必ず保管を!
- 年末調整には源泉徴収票が必要
- 源泉徴収票は大切に手元へ保管しておくことでスムーズに転職手続きが行える
- 源泉徴収票がない場合は退職した会社へ再交付を依頼する、または税務署に相談するなどケースに応じて適切に対処を
- 12月といった年末の転職は退職した会社からの源泉徴収票の発行が遅れ、転職先の年末調整に間に合わないケースがあるので注意
源泉徴収票は転職先でスムーズに年末調整を行うために必要不可欠な書類です。
受け取ったらすぐに保管し、転職までなくさないように取っておきましょう。
たとえ源泉徴収票をなくしても、大抵の場合は再発行依頼でもらうことができるので、慌てず適切な対処をしましょう。
必要な書類が揃わず手続きに不安があれば、ぜひ転職エージェントにご相談ください。
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