人にしかできない仕事とは?AI・人工知能により消える仕事や転職のポイント
近年AIや人工知能の進歩が著しく、人間の仕事が奪われるとも言われていますが実際にどのような仕事がAIに置き換わる可能性があるのでしょうか?この記事では人間にしかできない仕事、AIに置き換わる仕事について分かりやすく解説しています。
目次
AIとは?
「AI」とは「Artificial Intelligence」の頭文字をとった言葉で、日本語では人工知能と呼ばれます。
人間の知能を使った振る舞いを人工的に再現しようとした技術であり、間違いなく現在最も注目を集めているテクノロジーと言えます。
心理学の分野でも人間の知能については研究が重ねられており、年齢に対する知能の成長度合いを示す「IQ」といった知能の尺度は設けられてきました。
しかし、AIは従来とは異なるアプローチで知能の謎を解き明かそうとしている分野とされています。
実はガラケーに人工知能が搭載されていた?
実は、これまでもAIに近いものは実用されていました。
例えばドコモのガラケーに搭載されていた「しゃべってコンシェル」は、使用する人の傾向に合わせてぴったりな提案をしてくれるというものでした。
しかしこれは「あらかじめ指示しておいたこと」を実行してくれるプログラムに過ぎず、ほんとうの意味で個人の傾向にあったカスタマイズはされていませんでした。
現在のAIとは違い、「知能があるように見せていた」といえます。
何万人、何千万人という人間の数だけ思考や行動があり、それらに適応させる知能を持ったしゃべってコンシェルを作るには、膨大な量のプログラムを用意しなくてはなりませんでした。
しかし、現代はSiriやAlexaなどの会話形AIをはじめとした、個人用にカスタマイズされたAIが増えています。
その理由は、ディープラーニングという技術が開発されたことと関連しています。
ディープラーニングにより変化したこと
深層学習と訳されるディープラーニングは、機械やプログラムそのものがデータを蓄積していき、それを元に自らをアップデートしていくことを可能にしたものです。
この技術を応用することにより、囲碁や将棋、オセロ、チェスでは人間を打ち破るAIが複数誕生しました。
AIは何度も試合を重ねることで必勝パターンを圧倒的なスピードで理解し、実践できるようになっていきます。
ボードゲームには定石というものが存在しますが、これは先人たちが何年もかけて見出した「必勝パターン」で、ある程度の最善手はすでに確立されていました。しかし、AIには通用しません。
AIは「データから共通点を見出す」という行為が非常に得意です。
「勝った試合ではどこに打っていたか」「負けた試合ではどこに打たれていたか」を膨大なデータの中から見つけ出し、どんどん勝率を上げているのです。
それは定石をありえない速度で作り出しているともいえます。
こうした分析、演算の分野で人間がAIに勝つことは、おそらく不可能でしょう。
AIが得意なこと
- ・膨大な量のデータの記憶
- ・膨大な量のデータの高速な分析
- ・単純な作業を高速で正確に処理
AIは数値を扱うことに非常に長けているため、演算などはすでに人間では敵わないレベルになっています。
人間は元来、データ分析や共通点を見出すなど、見えない情報を扱う行為が下手でした。
統計学などの学問では、わかりやすくするために数値化したデータをグラフで表すなどして視覚情報に変換しています。
見えないものを扱うのが難しい人間にとって、AIは苦手克服のための心強いパートナーなのです。
他にも、単純作業はAIによって人間が行うより遥かに速い速度でこなせるようになりました。
例えばエクセルなどの表計算ソフトでは単純な計算、コピー、データの参照といった作業は数秒で終わってしまいます。
更に複雑なシステムであってもプログラムを組んでしまえば、データを入れるだけで必要な処理を終わらせてほしい結果だけを抽出できます。
これをさらに高精度にしたものがAIです。
パターン化できるものであればなんでも学習できるため、応用が期待される分野は数多くあります。
AIが苦手なこと
- ・明確な理由がない場合に答えを出す
- ・0から1を創る
考慮すべき部分が非常に多く複雑すぎてパターン化が難しい分野には、AIはまだ適用されていません。
例えば、人間とのコミュニケーションなどが挙げられます。
表面上会話は可能ですが、声のトーンに含まれる感情であったり、疲労など環境要因を加味できないため流暢なコミュニケーションは実現できません。
つまり、「なんとなく察すること」の部分をAIが網羅するのはまだ難しいのが現状です。
また専門知識が必要な仕事であったりクリエイティブな分野でも、AIの台頭はまだ先になると見られています。
自らまったく新しいことを生み出すのはAIにとっては難しいのです。
AIは膨大な量のデータを蓄積し、それらを分析した上で解答を出します。
そのため前例がないと答えを導き出す土台がないため、正しい回答を出せません。
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数年後にAIに置き換わる可能性のある仕事
業種や職種で見ると、単純作業が続くものや特別なスキル、知識がなくてもできる仕事はAIの普及によってなくなるといわれています。
- 製造業
- 小売業
- 交通関係
- カスタマーサポート職
- 経理・事務職
製造業
伝統工芸などを除く製造業は、特別熟練した技術を必要としないのでAIを取り入れやすい分野です。
すでに大量生産を行う工場などでは作業員を減らしてロボットやAIを導入しています。
例えば自動車メーカーにおいて、塗装などの工程は人間より機械の方が早く、正確です。
しかし車内の組み立てのような精密な作業はまだまだ人間が担う必要がある分野だといわれています。
小売業
すでにスーパーなどではセルフレジが導入され、効率化が図られています。
店頭に立ってセールスを行うショップ店員なども今後はいなくなると予想されていますが、実は接客業においては二極化が進むと予想されています。
例えば飲食店においても、ファミリーレストランなどでは配膳ロボットの活用が広まりました。
しかし三ツ星レストランなどで同様にロボットが普及するとは考えづらいのではないでしょうか。
つまり高い接客レベルを求められる高級店で一流のサービスが施せる人は重宝されますが、ただ売ることしかできない販売員は淘汰されていくと考えられているのです。
交通関係
自動運転の普及によって、車両を運転する仕事は減少すると見られています。
物流や宅配の分野でも、amazonがドローンによる即日配達を実現したうえに、日本郵政も配送試行を開始しました。
複数の機体を飛行させるために空の交通整備の必要性も唱えられて来ましたが、テクノロジーの進化により2025年頃から一般的なドローン配送が実現するとの見込みもあります。
今後は軽量かつ短距離の物流はドローンによって補完される可能性があるといえるでしょう。
また、純粋に運転して回るだけの仕事であれば自動運転で事足りてしまうため、タクシーやバスなどの運転手も代替される対象と考えられています。
そのため近年では、朝食付きのタクシーなど付加価値をつけた高級有人サービスが創出されはじめている傾向です。
カスタマーサポート職
カスタマーサポートなどはすでにAIによって仕事がなくなりつつあります。
チャットボットという新技術の普及によって、CS部門で顧客対応に追われることがなくなり、大幅な人件費削減を実現しました。
きめ細かな顧客対応を通して営業に繋げられるようなプロフェッショナルを残して、多くのCS職は淘汰されると見られています。
経理、事務職
経理や事務はすでにパターン化されたことをこなす仕事が主であるため、大部分がAIで事足りてしまいます。
例えば仕訳や伝票の整理についても、一定のパターンに沿って勘定科目を当てはめたり計算していくだけの業務は、あらかじめ決められた作業を高速でこなせるAI技術の十八番です。
貸借対照表や損益計算書、キャッシュフロー計算書から企業分析が行えるようなプロフェッショナル以外は淘汰されるでしょう。
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人間にしかできない仕事とは?
何でもこなせると思われがちなAIですが、まだまだ未熟な部分は数多く残っています。
例えば文章執筆や描画といったクリエイティブな部分は、AIではまだ実用できるレベルではありません。
他にも感情を扱う心理職や、専門的技能が必要になる医師、弁護士などの職業は残るといわれています。
- 頭脳労働
- 高度な技術が必要な専門職
- 人間の心理を扱う仕事
頭脳労働はAIの適用が難しい
例えばあなたが犯罪を犯し、その弁護をAIが行うとなったらどうでしょうか。
論理的にあなたの無実を証明してくれたとしても、引っかかる部分があると思います。
そもそも人間が犯した罪を人間が裁くために法律があり、それでも足りない部分を補うためにある職業が弁護士や検事といった法曹系の仕事です。
人間の哲学や感情に深く関わる部分にAIを持ち込むことは、意思決定や世界のあり方を機械に任せることになるため、抵抗が強く実現しないと見られています。
高度な技術が必要な専門職はAIの適用が難しい
医師などの、高度な知識と経験が必要になる専門職はAIを取り込みづらいといわれています。
とはいえ放射線治療やCTスキャンなど、テクノロジーの恩恵をまっさきに受ける分野であり、先進的な技術がはじめに取り入れられるのは医療分野です。
それでも、実際にオペを行うのは人間であり、診断を下すのも人間です。
こうした高度な技術が必要な職業に関しては、現段階ではAIはあくまでサポートを行う立場にとどまっています。
人間の心理を扱う仕事はAIの適用が難しい
小説家や画家といったクリエイター職は、人間の心を動かし人生に彩りをもたらすのが仕事です。
つまり感情を刺激し感動させる作品を創り出すことであり、これはAIが苦手とする分野だといえます。
AIが文章を書いたり、絵を描いたりする技術は実現されていますが、それによって人間が感動できるかどうかといわれれば現状はまだその段階にありません。
いずれ感情が想起されるパターンがはっきりすれば、逆算して「感動させる文章」「感動させる絵」を作ることは可能になるといわれていますが、具体的な見込みはまだ立っていない状態です。
同様に人の心を扱う専門職であるカウンセラーなどの仕事も、AIが入り込む余地は当分ないと見られています。
AI・人工知能のメリットとデメリット
AI・人工知能のメリットとは
AI技術を活用すれば、業務の効率化が進むことで業界によっては大幅な人手不足解消が実現できるでしょう。
これまで人の手で時間を掛けておこなってきた作業が、短時間かつ正確に行えるAIが担うことで負担も削減できます。
またAIは膨大なデータを扱うことに長けているため、市場の動向を分析して予測を立てることも得意です。
こういったAIの長所を活かせば、消費者のニーズをいち早く正確に把握したり、生産性向上に役立てることができる点は大きなメリットだといえます。
消費者にとっては生活の利便性が向上したり、質の高いサービスや製品を選択することが可能です。
AI・人工知能のデメリットとは
最も懸念されるAIによるデメリットが、雇用の減少だといわれています。
また、AIに任せてしまうと情報漏洩などのリスク管理にも高度な技術を要するうえに、セキュリティ事故発生時に責任の所在が分かりづらくなってしまう点にも留意する必要があるでしょう。
さまざまな業務に導入することで生産性向上を叶える業界や企業が多いなかで、人が関わらないことで思考プロセスが明確でない点もデメリットとして捉えられています。
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減った代わりに増える仕事がたくさんある
ここまでAIによってなくなる仕事を紹介してきましたが、実はなくなった仕事の代わりに、新しい仕事がどんどん生まれて来てもいます。
先見の明を持つ人が輝く時代の到来
例えば数十年前の常識が今では見向きもされなくなっているように、今の私達が感じている常識は数年後には消え去っているでしょう。
仕事も同じです。一大産業となっているIT業界は、三十年前には存在しませんでした。
介護士も今より少なく、電気屋にスマホのPRスタッフが立っていることなんて想像もしていなかったでしょう。
時代は変わります。仕事や、需要、供給に大きく影響を与えながら、私達を巻き込んで変化していきます。
そんな時代の先端に立つ私たちに必要なのは過去を振り返って昔の仕事に縋り付くことではなく、先見の明を研ぎ澄まし未来を想像することなのではないでしょうか。
AIに「奪われる」ではなく「創り出す」という思考を持つ
AIはまだまだ発展途上にある技術です。
今後さらなる発展が見込めるAIのプログラマーという仕事は需要があると見込まれます。
あらゆる仕事が効率化されれば、産業は二極化する予測です。
飲食店であれば「安ければ接客がロボットでもいい」「高くても本物のサービスを受けたい」というそれぞれのニーズに応えるビジネスモデルが確立するでしょう。
市場のニーズをいち早く察知し、新しいサービスを創り出すためにAIを活用するという思考が求められるのです。
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将来無くならない仕事に携わるために
最新情報をつかむアンテナを持つ
社会のニーズは常に変化しています。
市場の動向に目を向け、最新情報をキャッチアップするスキルは役立つでしょう。
情報収集ツールを複数持っていたり、日常的に習慣化している人は新しい仕事を察知する力にも優れています。
ニュース、新聞、書籍、インターネット上の情報、また勉強会や交流会などの人脈形成も効果的です。
現状を分析し将来を予測する視点を意識しましょう。
資格取得でスキルアップする
AIに負けないという思考にとらわれず、自身のスキルアップ・キャリアアップを図ることも重要です。
現在の仕事で「人間にしかできない領域」を担うためには何が必要か、そのスキルレベルの証明には資格の取得も効果的でしょう。
人間にしかできないとされている業務は、専門性の高い仕事、人の感情を読む必要がある仕事、クリエイティブな仕事、パターン化できない仕事、責任を負う仕事です。
これらAIには真似できない仕事に関する資格を取得するための学習も、自身のスキルアップに役立ちます。
目指す業界や職種の研究をする
将来なくならない仕事に就くためには、業界研究も欠かせません。
業界の現状や動向に関する情報には常に意識を向けましょう。
もしも転職やキャリアチェンジを考えるのであれば、目指す業界・職種に関する情報をできるだけ集めて検討することをおすすめします。
将来の展望を予想することが転職成功の秘訣です。
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AIは人間の生活を豊かにしてくれるもの
- AIはパターン化できるものであればなんでも学習できる
- 単純作業や特別なスキルのいらない仕事はAIの普及によってなくなる
- 複雑でパターン化が難しい分野にはまだ適用されていない
- 感情を扱う職、クリエイティブ職などへのAIの適用は難しい
- なくなる仕事の代わりに、新しく生まれる仕事もある
- 仕事は「AIに奪われる」ではなく「創り出す」という思考が大切
仕事が奪われる、という視点で物事を見ている方にとっては、AIの台頭は恐ろしい出来事に見えるかもしれません。
しかし本来、AIは私たちの生活をより便利に、豊かにすることを目的として誕生した技術です。
これまで多くのコストを必要としていた工程をAIに任せることで、人はさらに先進的な部分に注力することができます。
IT業界には、そのようなAIを扱う側として活躍できる仕事も多いため、自身のスキルアップに努めることでより市場価値の高い人材を目指すこともできるでしょう。
IT・Web・ゲーム業界の転職に強い転職エージェントのGeekly(ギークリー)では、AIに関わる職種や企業の情報を多数保有しています。
IT業界で特に将来性の高い分野での仕事に興味がある方は、ぜひ一度お気軽にご相談ください。
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