プラットフォームとは?その特徴から代表的なプラットフォームまで分かりやすくご紹介します
改めて説明を求められるとなんと説明すれば良いのか困ってしまう分かっているようで分かりにくいIT単語の1つがプラットフォームです。実に幅広い扱い方がされる単語だけに正しく理解しておくと認識のズレを未然に防げます。今回はIT用語におけるプラットフォームについてその特徴から具体的な代表例なども紹介して解説していきます。
目次
プラットフォームとは?
ITの世界でプラットフォームというと特定のアプリケーションから見て、そのアプリケーションが動作するのに必要な環境の事を指します。
どのアプリケーションから見るかでプラットフォームの対象は変化し、必ずしも1つのものを指すわけではありません。ITの世界の場合、プラットフォームの大元の土台はOSと言われる場合が多いです。
ほぼ全てのアプリケーションはどんなプラットフォームで動作するのかを予め想定した上で開発が行われているので、異なるプラットフォーム上で動作する事はありません。
その為、多くのアプリケーションはどんなプラットフォーム上で動作するのかを明記した上で提供しています。
プラットフォームとプラットホーム?どっちが正しい?
プラットフォームはプラットホームとも書かれる場合があります。アルファベットを無理矢理カタカナで書いているのでどちらが正しいと言われるとどちらも間違ってはいないといえます。
しかしITの世界で言う場合には比較的プラットフォームと書かれる事が多いです。
プラットフォームとインフラの違いは?
プラットフォームとよく似たイメージを持つのが、「インフラ」という言葉です。これらは具体的にどのような違いがあるのでしょうか。どちらも「基盤」という意味合いを含む点では近い言葉ですが、明確な違いがあります。
インフラは我々の生活をより根底で支えているようなイメージです。普段はあまり意識しないものという意味が込められます。一方でプラットフォームは、スマートフォンのアプリやコンピューターのOSなどの形でユーザーの目に直接触れることが多いものを指しています。
FacebookやAmazonのようなサービス
ウィンドウズなどのOSやハードウェア以外に「サービスのプラットフォーム」という観点があります。
ニュースなどで「Platformer」という英単語を聞いたことがあるのではないでしょうか。本来は「基盤」となるサービスを提供する事業者を指していましたが、現在はFacebookやAmazon等に代表されるインターネットサービス事業者がPlatformerと呼ばれることが多く、提供しているサービスがプラットフォームです。
AmazonやFacebookは、一つのアプリの中で相互の情報のやり取り、商品の売買などの様々サービスを提供し、日々機能追加が行われているのです。
また、これらのプラットフォーマーは消費者から集まる膨大なデータを分析してさらなる機能向上につなげるビジネスモデルを得意としています。
クラウド型のサービス
クラウドサービスは、各種アプリケーションの機能をWEB上で提供するものです。クラウドの活用が一般的になった昨今は、クラウド上で数多くの機能をリリースするケースが増えています。
例えば、GoogleはWEB検索のサービスだけではなくフリーメールやストレージといったサービスも提供しています。これらはすべてGoogleが独自に準備したクラウドサービスの上で稼働しており、クラウド型のプラットフォームといえるでしょう。
また、先述したAWSもクラウド型のプラットフォームです。AWSは企業が運用するシステムをAmazonが準備したクラウド基盤に移行することで、運用負荷やコストの低減を実現します。
プラットフォームの本来の語源
プラットフォームの語源は英語で周辺よりも高くなった水平で平らな場所という意味です。中世フランス語から英語に取り入れられた単語だと言われています。
元々は電車の駅にあるようなプラットホームなどのような場所を指して用いられており、そこから転じてものごとの基礎・基盤という意味合いでも使われるようになりました。
分かりやすいプラットフォームの例は?
Windows
プラットフォームのシンプルな例として紹介されるのがWindowsを始めとしたOSです。Windows上で動作するアプリケーションは基本的に異なるOSであるMacOSやAndroidOS、Linuxなどでは動作しません。
この場合OSは基本的にプラットフォーム側でありOSのプラットフォームはソフトウェア上では存在しません。
ただ物理的な事を言えば、OSが動作するのにはハードウェアが必要になる為、OSから見た場合のプラットフォームはハードウェアであるという事も出来ます。
もちろんWinsows上で動作するアプリケーションにとってもハードウェアもプラットフォームであるといえます。
ゲーム機
プラットフォームという単語の理解しやすさで言えば一番分かりやすいのはゲーム機です。それぞれのゲーム機で発売されるゲームソフトは、基本的にそのゲームソフトに対応したゲーム機でなければ遊ぶ事が出来ません。
ゲームソフトから見るとゲーム機がプラットフォームに当てはまります。その為ゲームの世界ではプラットフォームというと基本的にゲーム機本体の事を指す事が多いです。
近年のトレンドはクロスプラットフォーム
プラットフォームの例をいくつか紹介しましたが、最近では異なるプラットフォームでそれぞれに動作するアプリケーションを提供する場合も珍しくありません。
異なるプラットフォームにまたがって提供されるこれらのアプリケーションの事を、クロスプラットフォームと呼びます。
ただ間違えてはいけないのは、1つのプログラムで複数のプラットフォームに対応する必要はなく、あくまでも個々のプラットフォームに対応したものをそれぞれのプラットフォーム向けに複数提供していれば、それはクロスプラットフォームだと言えるという事です。
上記の例で言えば、WindowsでもMacでも動作するアプリケーションと言っても、実際にはWindows版とMac版というように表面上の内容は同じアプリケーションを2つ提供していれば、それはクロスプラットフォームと言えます。
クロスプラットフォーム化を推し進めたスマホ・タブレットの存在
元々クロスプラットフォーム自体はコンピュータ黎明期から行われていましたが、目に見えてクロスプラットフォーム化が謳われるようになったのはスマホ・タブレットの影響が大きいです。
それまで少なくともパソコンが必要だった多くのアプリケーションがスマホ・タブレットでも動作するようになり、現在では多くのパソコン向けアプリケーションがスマホ・タブレットでも動作するアプリケーションを発売しています。
プラットフォーム戦略とは?
これらのプラットフォームの考え方をベースに近年爆発的に広まっているのがプラットフォーム戦略です。
プラットフォームとして多数のサービスや製品を用意し、1つの登録で色々なサービスを受ける事が出来る戦略の事です。
顧客と企業を繋ぐ中継役という事も出来るこれらのサービスは実に色々な形で取り入れられており成功例も多いです。
非常にメリットが大きい事からプラットフォームサービスを提供出来るプラットフォーマーになる事を目指す企業も多くなっています。
近年ではさらに、既に1つの形として成功しているプラットフォーマーがこれまでとは異なる業界をも取り込んで、さらに巨大なプラットフォームを提供する事も珍しくなくなっています。
個人と企業がそれぞれに繋がる事のがプラットフォーム戦略のキモで、「1人で1億稼ぐのではなく、10人で100億稼ぐ為のビジネスモデル」とも言われます。
プラットフォーム戦略の具体例は?
プラットフォーム戦略を取り入れた例は現在非常に多いです。
ショッピングを中心とした「Amazon」や「楽天市場」などのようなECサイトは物を売りたい人(企業)と買いたい人を繋ぐタイプのプラットフォーム戦略です。
買いたい側からみると個別のやりとりでは買いづらいもの、目につかないものに触れる事ができます。また似たような製品が並ぶので比較もしやすく選択肢を増やす事が出来ます。
売りたい側としても、本来顧客になりえなかった層からの購入を望むことが出来ます。ひいては社名を知ってもらうきっかけにもなりえるといえます。
その他には「Facebook」や「Twitter」のようなSNSも1つのプラットフォームの形です。個人と個人を繋ぐ事で利用者を増やし、企業としては広告を目にしてもらう機会を増やす場ともなりえます。
それ以外にも「Hulu」や「Netflix」、「Youtube」のような動画配信サービスもプラットフォーム戦略の1つです。
ユーザーは膨大な数の動画を視聴する事が可能で、動画製作者も動画を見てもらう機会が増えるので利用者も多いプラットフォーム戦略です。
また少し変わった形のもので言えば、個人ワーカーが利用するクラウドソーシング「クラウドワークス」もプラットフォーム戦略の1つの形と言えます。
個人ワーカーとしては手軽に複数の企業とやりとりを行って仕事をする事ができ、企業としても潜在的な働き手を確保する事が出来るようになります。
- ECサイト(Amazon・楽天市場)
- SNS(Facebook・Twitter)
- 動画配信サービス(Hulu・Netflix・Youtube)
- クラウドソーシング(クラウドワークス)
プラットフォーム戦略の優位性とは?
圧倒的な質を確保できる
プラットフォーム戦略の大きなメリットの1つが扱うサービスの種類を増やしやすく、1つの会社だけでは到底実現出来ないような質を確保出来るという事です。
それによって本来顧客になりえなかった層の副次利用なども期待でき、利用者が増える程にメリットが増えるタイプのプラットフォーム戦略も多いです。
情報量が増える
利用者が増えるという事はそれだけ情報量が増える事になります。プラットフォーム戦略の強みはこの情報量がビックデータとも言われる程に膨大な情報量になるという事です。
これらの情報は少数が集まっても傾向などは見えてきません。多数の情報が集めやすいプラットフォーム戦略を利用している事で見えてくるものも多いです。
リソースを活用できる
プラットフォーム戦略は基本的なリソースが既に存在している状態のところに参入出来るので導入までがスムーズだというのも1つのメリットです。
商品を売ろうと思っても自社だけでは販売サイトを作り、商品を登録、さらには会員登録情報の管理など全ての事を自社で行う必要がありますが、プラットフォーム戦略を利用すれば既にあるものを利用することで多くの作業を行わずに商品の販売を開始出来ます。
プラットフォームを活用するメリット
ここでは、プラットフォームをうまく使うことのメリットを紹介します。
まず、一定の範囲内であればほとんどのサービスは無料で提供されています。日常生活で利用するメールやファイルストレージなどはプラットフォームとして提供されているものを使えば、節約につながります。
また、一つのサービスに登録すれば同じプラットフォームに存在する他のサービスも使えることもメリットです。例えば、Googleのアカウントを作成すれば、メールやストレージ、ハングアウトなどの会議システムも使えます。
企業であれば、Microsoft 365を利用することでメールやビジネスチャット、オンライン会議システムを利用することができます。
まとめ
プラットフォームは動作環境という意味で利用されるIT用語で同時に現在では多数のサービスを展開する場としても使われています。
場面に応じて何を指すのかが変わる場合も多く正しく理解しているとより作業をスムーズに行う事が出来るIT用語でもあります。
単語として利用する機会は多くはなくとも既にITの世界に無くてはならないものになっているのでしっかり認識しておきましょう。
- ITの世界におけるプラットフォームは動作に必要な環境を指す
- サービスのプラットフォームという観点も存在する
- プラットフォームの例としてWindowsやゲーム機が挙げられる
- プラットフォームは戦略としても取り入れられている
- プラットフォームは企業と利用者双方にメリットがある
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