MVCモデルとは?役割やメリット・デメリットを分かりやすく解説!
ソフトウェア開発における設計パターンの1つであるMVCモデル。「Model」「View」「Controller」の3つに分けてコードを管理し、効率的にアプリケーション開発を行う概念の1つです。今回は基本概念やメリットやデメリットを解説します。
目次
MVCモデルとは
MVCの概念
MVC は機能ではなく、Webフレームワークで一般的に取り入れられているアプリケーション設定を整理するための概念の一つです。
モデル(Model)頭文字「M」、ビュー(View)頭文字「V」、コントローラー(Controller)頭文字「C」で「MVC」と言います。
「アプリケーション設計」が必要な理由としては、アプリケーション全体を考えないでただプログラミングを書いていくと次第にコード数が膨大になり、コードの破綻が起きて不具合やバグの原因になる恐れがあるからです。
実装の前に決定する概要がアプリケーション設定であり、そのアプリケーション設計をするにあたって必要となる概念が「MVC」です。
新しい機能の実装時にどこにファイルを作成すべきか、どこにファイルがあるのか即座に判断するためのディレクトリ分けや、役割ごとに意味のある単位で機能を実装し管理しやすいくするために欠かせません。
以下、MVCそれぞれについて解説します。
【モデル】
システム内のビジネスロジックを担当します。システムの設計や機能をどうするかがここで行われます。
【ビュー】
実際に表示したり、入力する機能の処理を行うのがビューです。
【コントローラー】
コントローラーは、ユーザーの入力に基づきモデルとビューを制御する役割を担っています。「クライアント」「モデル」「ビュー」の橋渡し役となります。
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MVCそれぞれの役割
MVCの役割はさまざまありますが、ここでは一般的に考えられている役割について説明していきます。
モデル(Model)
モデルでは、データベースとデータのやり取りを行う機能を実装したり、データベースから取得したデータをプログラムで扱いやすい形式でデータを変換する役割を担っています。
データベースとやり取りを行う場合は、データベース内のデータを取得したり、「更新」「削除」「新規作成」といった機能を実装します。
例えば日付の変換機能では、データベースが日付の保持を行う際に2019‐11‐11と保持されるのが一般的です。しかし、データベースの保持している表示はアプリケーションに表示される一般的な形式とは異なります。
そこで「2019年11月11日」のように一般的に読みやすい形式に変換する役割です。
ビュー(View)
Webブラウザに表示するHTMLを動的に生成する部分がビューです。
「動的にHTMLを生成する」とは、データベースから取得したデータをHTMLに埋め込んでアクセスするたびに、異なる HTMLを生成することです。このようなサイトを動的サイトと呼びます。
動的サイトのわかりやすい例としてX(旧Twitter)があります。常にリアルタイムで変動し、タイムラインが新着順で表示される動的サイトの代表例です。
常に更新されているのは、「アクセスするたびにデータベースから最新の記事を取得して、最新のタイムラインをトップページに表示する」という処理をしているからです。
毎日更新しているブログの新着記事が、アクセスした時点での最新記事が閲覧できるのも動的サイトの事例で、こういった動的部分を担っているのがビューです。
コントローラー(Controller)
コントローラーはクライアントから来たリクエストURLに応じて、あらかじめ設定した処理を行います。
リクエストURLと処理を紐付ける事を「ルーティング」と呼びます。動的なページを生成する際は次のような処理を行います。
- クライアントからリクエストをコントローラーが受け取る
- 受け取った値を、データベースからモデル経由でデータを取得する
- 取得したデータをビューに渡す
- 動的生成されたHTMLをクライアントにわたす
このようなモデルとの橋渡し、ビューとの橋渡しで、クライアントとの橋渡しの部分がコントローラーです。
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MVCモデルのメリットとデメリット
メリット
- 役割で効率的にアプリケーション開発が効率的に行える
- 「M」「V」「C」それぞれで分割して専門性が高い仕事が可能
- 独立性が非常に高く、変更などの対応も柔軟に行なえる
専門性の高い業務を分けることで、作業効率とクオリティーが向上します。
更に、独立性の高い上に別れている分野ごとに異なった専門性に特化しているため、高度なバグ修正やトラブルにも柔軟に対応できるというメリットがあります。
デメリット
- 情報データの管理が大変
- コントローラーの処理が大変
- 「V」と「C」の依存性が高い
製品の規模が拡大していくことにより、モデルの負担が大きくなり、結果として管理が大変になってしまう点がデメリットです。
コントローラーも同じで、機能拡大を行うことでコントローラーで行う処理も増加し、処理が大変になります。
複雑な出力要件が多くなるほど、コントローラーとビューの依存性が大きくなり、結果として修正も困難になる場合があります。
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MVCのデメリットを解消するためには?
コントローラーとモデルでのやり取りを拡張しすぎない事でデメリットを軽減出来ます。
コントローラーはビューとモデルの管理を担っている部分になるため、どうしてもモデルが増えることにより、コントローラーで管理し呼び出すモデルが増えてコントローラーの依存性が高くなります。
この様な状態になってしまうとメリットである高い独立性が保てない状況になってしまいます。
この状態を回避するにはコントローラーからビューに渡すモデルを見直し適切な内容のモデルかどうかを厳選して、モデルの増加を抑えることです。結果として依存性も低くなり、独立性が保たれます。
またファサードパターンを採用する方法も有効的です。「ファサード」とはコントローラーとモデルのはやり取りをする際に仲介してコントローラーの負担を軽減する役割を担います。
開発者に利点があるMVC
機能の部分を分割することにより、独立性が高くなります。
開発する側としては「M」「V」「C」で分割されているため、とても開発しやすくなり、快適に仕事が進みます。開発作業の効率が高くなり、独立性が高いため他の要素とのやり取りが少なくすみ、依存性が抑えられます。
つまり、単体でも独立性が高いく、再利用できるほどの高い精度で開発が行なえます。他にも独立性が高い事により、専門性の高い担当者で構成されるため、トラブルやメンテナンスでは、専門性の高い担当者が対応可能です。
専門性の高い分野での柔軟な対応ができ保守性も優れていることが分かります。
MVCモデルを理解して市場価値を高めよう
- MVCモデルとは、M=モデル V=ビュー C=コントローラー
- 作業を分担することで、作業効率とクオリティが向上
- 作業規模によって、負担がかかるパートがでてしまう
MVCはシステム開発する上で関わる概念です。一般的には知られていませんが、開発でなくても会社の構造や仕組みにも当てはまります。
円滑に仕事をして行くヒントになるかもしれないため、覚えておくと役立つ知識となるでしょう。
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