ABMツールのおすすめ4選を解説!ABM導入に欠かせないツールとメリットは?転職エージェントがご紹介
日本でも活用が広まりつつあるABMは、日本のビジネスと親和性が高い概念として注目されています。マーケティング業界に転職するなら深く知っておきたい手法です。ABMで成果を上げるには各種ツールの活用がカギとなります。今回はおすすめのABMツール4つの特徴やメリットをご紹介します。
目次
ABM(アカウントベースマーケティング)とは?
日本ではまだ浸透していないマーケティングの手法ですが、どのような市場や環境に向いているのでしょうか?
どのような手法をABMと称するのかを踏まえて解説します。
アメリカではじまったマーケティング手法
ABMとはアカウントベースとマーケティング(Account-Based Marketing)の略で、最近聞かれるようになった営業手法です。
もともとはITSMA(IT Services Marketing Association:ITサービスマーケティング協会)が概念を提唱しました。
ITSMAは2004年にABMを提唱しましたが、欧米のマーケティング業界でもてはやされるようになったのはここ数年、日本ではごく最近です。
マーケティングの対象を企業(アカウント)ベースとするマーケティング手法を指します。
つまり企業の中の個人を対象としてマーケティングするのではありません。
ある企業をターゲットとして決めたら、企業内のリソースを結集してその企業全体を対象としてアプローチするという意味です。
実は日本のビジネス環境には合っている
ABMは新しい概念のようですが、日本のビジネス環境に合致する概念といえます。
というのは、日本は以前からお客様をよく知る家族的な付き合いが多いからです。
それに反して欧米は以前からジョブごとに仕事を捉える慣習があり、ABM自体が目新しい概念なのかもしれません。
しかしこれまでの対個人マーケティングを行なうより、企業情報を集めて対企業目線でマーケティングを行なうのが効果的とされるようになりました。
ABMツールの機能
日本の市場にマッチしているとはいえ、どのようなツールでどのような機能を持っているのか。
ABMツールを習得したい方は是非参考にしてみてください。
名寄せ・データクレンジング
ABMとは継続的な取引を通じて1社からの売上を最大化し、LTV(顧客生涯価値:Life Time Value)を最適化しようとする試みです。
ABMツールの機能の中には名寄せ・データクレンジング機能があります。
例えば企業データの中に表記の揺れが存在すると、別の企業として判断してしまい正確な意思決定ができなくなります。
データクレンジングとは表記の揺れを一定化する機能、名寄せとは同一の企業情報を統合する機能です。
企業データベースの提供
世間にある膨大なデータ(企業データ・顧客データ)を提供します。
また財務情報などのさまざまな情報をもとに、企業の情報を示すシナリオデータ(超高成長・アジア進出・働き方改革など)を紐付けします。
成約見込みの高い企業の抽出
上記の企業データから、成約見込みの高い企業を抽出します。
すなわち、顧客情報から分析を行ない見込みの高い企業(既存顧客・潜在顧客)を抽出する機能です。
顧客管理手法について
近年、温度感の高い顧客を把握したり、顧客とのやりとりを保存し共有するためにも必須なツールとなりました。
おすすめのツールをご紹介いたします。
MA(マーケティングオートメーション)とは
ABMに使用される手法にMA(マーケティングオートメーション)があります。
顧客開拓におけるマーケティング活動を可視化・効率化するツールです。
例えば展示会に来た人のうち、セミナーに参加して更にHPにアクセスした人にアクションするというように、ある一定の行動をとった人をトリガーとします。
リード(見込み顧客)を獲得するリードジェネレーションや獲得リードをスコアリングして、優先順位を決定するためのツールです。
SFA(セールスフォースオートメーション)とは
ABMに使用される手法にSFA(セールスフォースオートメーション)があります。
これは営業支援システムのことで、営業活動を可視化・効率化するツールです。
例えば顧客情報・案件・商談などを数値化したり、営業パーソンの行動を管理したり、予実管理を行なったりします。
こうすれば管理者側のほうでも視覚的に進捗を見ることができ、人員配置の施策や営業施策などの意志決定に役立ちます。
CRM(カスタマーリレーションシップマネージメント)とは
ABMに使用される手法にCRM(カスタマーリレーションシップマネージメント)があります。
これは受注後の顧客管理に使われるツールで、アップセルやクロスセルなどに有効です。
受注後には会社情報・技術情報・顧客のニーズ・意図・企業に対するエンゲージメントデータ(過去の営業実績・Webでの行動など)が必要になります。
これらを管理して顧客とのよりよい関係構築に役立てるのです。
ABMツールのオススメは?
本章ではマーケティングツールやABMを強化するツールを紹介いたします。
それぞれのツールののメリットや導入が向いている企業を解説しますので、導入の参考にしていただけたら幸いです。
FORCAS
FORCASはABMを強力に支援するクラウドサービスで、有価証券報告書や財務情報をもとにシナリオデータを企業に紐付けします。
また「AMツールを利用」「営業職を募集」といったような利用サービスや求人情報も付与できます。
そのため営業部門とマーケティング部門が感覚をそろえてターゲット企業を特定できるのです。
成約見込みの高いターゲット企業のリスト作成ができます。
企業名をリスト化したExcelシートをアップロードするだけで、FORCASのデータベース企業と照合して既存の顧客傾向を解析することも可能です。
現在使用しているMAツールやCRMツールと連携しやすいというメリットもあります。
企業データをアップロードするだけでFORCASの企業データベースの情報に名寄せが簡単にできるのです。
FORCASは特定の商品をどの会社からどのくらい売上げたいのか決まっている企業に向いています。
一方、親和性のスコアが落ちるため既存の契約者数が少ない企業はFORCASに向いていません。
Marketo
Marketoはアドビ社が開発したマーケティングツールで世界で5,000以上の企業に導入されている実績を持っています。
顧客の行動データを収集して長期的な関係構築に役立ちます。
特徴は顧客とのエンゲージメントに基づいたマーケティングを実現するために開発された商品であるということです。
マーケティングオートメーション機能の充実が特徴として挙げられます。
例えばメール送信・モバイルコミュニケーション・ソーシャルメディアとの連携・デジタル広告・Web広告の機能です。
さらに700以上のパートナーソリューションと連携させることができ、FORCASとの連携もできます。
日本で一般的に使用されているslackやChatworkなども連携可能です。
コミュニティが充実していることも特徴の一つで、ユーザー分科会やオンラインコミュニティがありサポートを受けることができます。
サポート体制が充実していて、コンサルティングサービスやMarketo Universityという無料のトレーニングコースもあります。
uSonar
uSonarは顧客データを統合するツールです。
マーケティングを行なう際データベースを運用していく中でリードが増えるため表記揺れが生じます。
その表記揺れを「名寄せ」「データクレンジング」することにより効果的なマーケティングを行うことが特徴です。
uSonarを使用することでABMを実現する流れを紹介します。
・社内に散在する取引先データやWebログや名刺情報、資料請求などのデータ統合
・重点アプローチ企業群(ホワイトスペース)の可視化
・日本最大の企業データ「LBC」を保有しており正確な可視化が可能
・セールスフォースなどのSFA、CRM・MAの連携を行う
Salesforce
Salesforce(セールスフォース)はクラウド型営業支援システムで世界No.1のSFAツールです。
見込み顧客や商談の管理・営業活動の記録をはじめとした機能が搭載されています。
これによりマーケティング・営業・サービスを統合するプラットフォームで顧客エンゲージメントを促進します。
Salesforceは見込み顧客の発見から受注・売上回収までの営業活動を優れた営業プロセスを実行できることが特徴です。
Excelのシート管理では実現困難な一気通貫な顧客管理を実現することができます。
Salesforceでは獲得したリード(見込み顧客)を入力するとデータをコンバートして取引先顧客として扱われ、取引先責任者や商談などの情報が非常に扱いやすいのです。
ABM導入のメリットや課題とは
ABMツールの利便性についてはご理解いただけたかと思います。
本章では実際に導入する際のメリットと今後の課題について解説いたします。
ABMのメリット
ABMを導入するにはメリット・デメリットが存在します。
メリットはABMによって積極的にアプローチすべきリードとそうではないリードの選別が容易にできるようになるということです。
これにより個別の企業に合わせたアプローチができます。
ABM導入に向いている企業とは重点的にアプローチしたい顧客があり、大口顧客を持っている企業です。
また特定の顧客と継続的な取引をすることによって売上を最大化したいと思っている企業は導入することをおすすめします。
ABMの課題
ABMを導入するには課題も存在します。
ABMへの取り組みを開始してから運用が軌道に乗るまで、それを営業部門に理解してもらうまでに時間がかかる点です。
中には理解してくれないセールスパーソンも存在しますが、その際はマーケティング部門と営業部門の連携が大切になります。
商材の単価が低く、取引社数を増やすことによって売上を上げようとする企業は向いていません。
また顧客である取引先企業に窓口がひとつしかない小規模企業の場合には、ABMを導入しても意味がありません。
ABMにはトップのコミットメントが重要
ABMを導入するにあたってはトップがコミットする必要があります。
今までハイパー営業が経験と勘を使用して行なってきた営業活動が、データ・チーム・マーケティングオートメーションを活用して行なうのがABMです。
成果が実感できないのは、マーケティング部門主導で営業へ繋がずにマーケティングを行なっているケースです。
成果を出すためにはマーケティング部門と営業部門の連携が必要であり、トップのコミットメントが必要になります。
ABMは1人の営業で行なうべきなの?
ABMはデータとチームを使って組織としてマーケティングを行なう施策です。
しかし全ての見込み顧客に全力を注いでいると時間の割に成果が出ないという結果になりかねません。
したがって過去に接点があった顧客の中で受注見込み・受注見込み金額・継続可能性の高い顧客に絞って営業活動を行なうという選択もあります。
これが効率を最大化する動きだといえるでしょう。
まとめ
現代のマーケティング活動において、営業パーソンの経験と勘ではなく高機能なツールを使用して営業していくことが大切です。
MA・SFA・CRMといった代表的なサービスの特徴を理解しておく必要もあるでしょう。
ABMツールを使いこなせる人材はこれからのIT業界で必須といえます。
自身のスキルが最も活かせる企業を探すために、ぜひ転職エージェントをご活用ください。
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