アフターコロナの注目技術を紹介!コロナ後にこそ求められるIT技術と関連職種は?転職エージェントが解説
新型コロナウイルスの世界的な流行はITエンジニアの転職にも影響を与えており、希望に叶った転職を成功させるためには、今後社会でより求められる技術を習得していくことが必要です。この記事では、転職を考えるエンジニアが注目すべき、アフターコロナ社会を見据えた注目の技術を紹介していきます。
目次
アフターコロナのエンジニアに求められるリモートワークのインフラ整備
アフターコロナの社会でエンジニアに最も求められているといえるのが、企業でのリモートワークに関する技術です。
新型コロナウイルスの影響により、全国的にリモートワークの導入が進められるようになりました。
こうした働き方の変化はこれからもさらに進んでいくとみられますが、リモートワークの仕組み作りにはまだまだ不十分な面も存在しています。
IT業界に対してもリモートワークの普及に向けたインフラ整備への需要が高まっているのです。
まだまだ不十分なリモートワークの現状
2020年5月リモートワークの実施率は全国で34.6%、東京23区に至っては55.5%にも上りました。
しかし未だテレワークに対応できていない企業も多数存在しており、従業員数50名未満の企業では実施率が20%台とのデータもあるのです。
二極化するリモート
大企業のようにリモートワークのインフラ整備が進んでいる企業と、まだまだ不十分な企業とに二極化していることがうかがえます。
今後は中小企業においても、リモートワークがさらに普及するでしょう。
クラウドサービスを利用した社内外文書のやり取りやオンライン会議といった仕組みが導入されていくことが予想されます。
リモートワークで重要となるセキュリティ技術
リモートワークや電子契約のインフラ整備を行う上で、エンジニアに求められているのは大きく分けて2つあります。
まずはリモートワークが可能になるシステムインフラを構築する能力、そしてもう1つが安全性の高いセキュリティを構築する能力です。
リモートワークが普及するようになれば、社外のパソコンを使用して社内の情報にアクセスする機会も増えることになります。
会社の内部情報をインターネット上でやりとりするのは、何かとリスクを伴うものです。
そのため企業側も今まで以上に情報漏洩対策等のセキュリティ面に気を使うようになります。
そのため、エンジニアに対しても、リモートワークやオンライン会議などが行えるシステムインフラの構築が必要です。
システムを安全に利用することのできる、高いセキュリティも同時に求められます。
今後はネットワークエンジニアやサーバーエンジニアなどのインフラエンジニアが、より求められる時代になっていくでしょう。
日本のビジネスシーンを変革する「電子契約」サービス
インターネット上で契約を電子署名により契約を行う電子契約も、アフターコロナ社会のビジネスシーンにおいて注目される技術といえます。
企業における働き方でリモートワークの普及が進めば、企業同士の契約においてもリモートでの実施が増えていくことでしょう。
普及が見込まれる電子契約サービス
2001年には「電子署名法」が制定され、2020年には「電子帳簿保存法」の見直しが行われることとなりました。
日本においても電子署名や電子契約を導入しやすい環境が整いつつあります。
日本企業ではまだまだ紙の文書が多く使われ、特に契約のような重要な場面であればなおさら紙の契約書が重視される傾向にあるようです。
しかし、昨今では官庁でのハンコ廃止の動きがみられます。
電子署名を導入すれば業務を大幅に効率化することが可能ですし、これが普及すれば民間企業のなかにもそれに倣うところが増えていくはずです。
電子契約サービスの普及はこれまでの紙とハンコによる日本の伝統的な商慣習も変革をもたらすでしょう。
電子契約でも重要なセキュリティの技術
電子契約においても、リモートワークと同様、重視されるのは如何に安全にシステムを利用できるかに関わるセキュリティ技術です。
電子契約を導入する企業では、電子署名の暗号化や契約情報を保存しておくクラウドストレージの導入が増えつつあります。
企業のサーバー等のセキュリティ対策が重視されることにもなるでしょう。
ここでもネットワークやサイバーセキュリティに強いエンジニアが重宝されることになります。
学習にも導入されるリモート「e-ラーニング技術」
ネットを使った学習形態であるe-ラーニングはアフターコロナで注目される技術の1つとなっています。
人との接触を避けるアフターコロナ社会では、これまで対面で行われていた研修などリモートで実施される場合が増えていくことでしょう。
社内研修がe-ラーニングに切り替わる企業もあり、他にも塾や大学、英会話学校などで遠隔授業の需要が見込まれます。
大学のように少しずつ対面型の授業に回帰していくところもあるようです。
すべてがe-ラーニングによって代替されるわけではないでしょう。
しかし場所と時間を選ばないe-ラーニングの利便性には一定の需要が残るため、今後もe-ラーニングの普及が進んでいくことでしょう。
様々な場所にも応用できる「VR・AR」配信技術
アフターコロナ社会ではVRやARといった映像に関する技術に対する需要も高まることが予想されます。
これらは主にゲーム等で使用される技術という印象が強いかもしれません。
しかし最近ではイベントやライブ・コンサートをはじめ、仕事や観光、さらには不動産などの分野でも利用されるようになっています。
VR・ARの違いとは
VRはバーチャルリアリティの略で、専用の端末を利用して自分が実際に仮想世界のなかにいるような体験を味わうことができるものです。
一方のARは “Augmented Reality”の略で拡張現実と訳され、現実世界の映像などにバーチャルの情報を重ねて表示する技術のことを指します。
周囲から隔絶されてバーチャルの世界に入り込むVRと現実世界にバーチャルを加えるARは似ているようで全く別の技術といえます。
応用範囲の広いVR・AR
アフターコロナ社会において、VR・ARの映像技術は非常に応用の幅が広く、今後様々な分野に取り入れられていくとみられます。
特にコロナ渦では開催が難しくなっているイベントやライブをリモート配信で行う際に利用されることが多いです。
さらにVR・ARを利用して、バーチャルで観光を行うスマートツーリズムといった技術も生まれています。
ほかにも、ショッピングサイトでもARを利用した試着、不動産ではVR内見、AR広告など多彩な分野で活用されているのです。
これらを踏まえると、まだまだ多くの可能性を秘めた成長性の高い技術といえます。
ITが医療を変える「遠隔医療」
新型コロナウイルスの流行で重要な役割を果たす医療業界で今後注目されるのが、ITを利用した遠隔医療です。
数ある仕事の中でも、医療業界はリモートワークの実施率が低い業種の1つになっています。
さらに新型コロナウイルスで患者が急増し、医療従事者の負担が増していくことも問題です。
現在の医療体制を維持して私たちがきちんとした医療サービスを受けることができるよう、医療業界のIT化の推進が求められています。
医療業界のIT化
2020年現在、大半の医療行為は患者との対面形式で実施されている状況です。
ここに遠隔医療を導入していくことで、医療従事者の負担軽減を図ることができます。
遠隔医療の代表的なものとして、リモートでの診療・診断技術が上げられるのです。
遠隔医療は日本だけでなく海外でも注目されている仕組みで、AI診断のアシスタントになるシステムとなっています。
患者が病院に足を運ぶ必要がなくなるため、ウイルスの感染拡大を抑える効果が期待されているのです。
同時に医師の側でもAIのサポートにより負担が軽減され、双方にとってメリットがあります。
医療現場に求められるAI技術
他にも医療業界では、電子カルテ管理や医療の高度化、医薬品開発など幅広い分野でAIの利用に関しての期待が高まっているのも事実です。
その他にも、個人向けのヘルスケアサポートアプリなど、遠隔医療は裾野が広いといえます。
エンジニアにとっては、様々な技術を活用することができる分野なのです。
企業の国内回帰に伴うオートメーション化の促進
アフターコロナ社会においては今よりもさらに企業や工場におけるオートメーション化がさらに進むとみられています。
自動化技術に対する需要も高まっているのです。
コロナウイルスによる産業の国内回帰
現在でも製造業では、ベルトコンベアや生産機械を利用した自動化が導入されています。
今後はさらにIT技術を用いたオートメーション化を推進していくでしょう。
新型コロナウイルスの影響により、海外からの部品や製品の輸入が減少しました。
国内の経済・産業活動にまで影響を及ぼしたのは記憶に新しいところです。
この状況を見た日本企業では、生産拠点を海外から国内へと回帰させる動きが起きています。
自動化に求められるIT技術
以前から人手不足が叫ばれている日本社会では、この動きに応じてさらに生産現場での自動化が推進されるとみられています。
これからのオートメーション化はクラウドやAI、IoTなどのIT関連技術を利用したものとなることが予想されているのも実情です。
そのため、こうした技術に強いエンジニアが求められるようになります。
アフターコロナで求められるエンジニアとは
新型コロナウイルスは私たちの社会に予想もしないほど大きな変化をもたらしました。
今後はIT業界やエンジニアも、アフターコロナに対応していくことが求められます。
リモートでの仕事も増えるため、今までよりも個人のスキルを伸ばすことが要求されることでしょう。
開発全般を手掛けることができるフルスタックエンジニアやマルチエンジニアが求められるようになります。
上で紹介した注目技術を身に着けることももちろん必要です。
しかし基礎的な技術だけでなく、それを応用してシステム全体を開発できるスキルを身につけること。
これこそがこれからの時代に必要とされるエンジニアといえるでしょう。
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