エアモビリティの市場規模について解説!国内外の動向は?実現化に向けた取り組みを転職エージェントが紹介
SF映画やドラマだけの世界と思われているエアモビリティ(空飛ぶクルマ)の実装化は着々と進んでいます。いよいよ普通に稼働できる未来が目の前に来ていることはご存知でしょうか?今回はエアモビリティ実現に伴う市場規模やその価値・国内外での動きや現在の取り組みなどについて解説していきます。
目次
エアモビリティとは
エアモビリティの現在
それまでは単なる空想やSFの世界でしかあり得ないと思われていたのがエアモビリティ(空⾶ぶクルマ)の日常化です。
空輸できる乗り物は旅客機・ヘリコプターなどごく一部に限られているのが当然と思われていました。しかしここ数年の間で一般実⽤化に向けての構想に勢いがあり、関連会社やトレンドに敏感な企業が次々と発表しています。
今のところエアモビリティをメインとした法案や規制などが定義されていません。その上で構想が発表されたのは、電動型の垂直離着陸が可能なeVTOL型エアモビリティが目立ちます。
エアモビリティのメリット
エアモビリティが一般化した場合のメリットは移動時間が大幅に短縮できることです。時間短縮が今よりもさらに実現できれば、新ルート開拓など事業活動での生産性向上につながります。
また緊急時輸送ルートを確保できるメリットも生まれるでしょう。仮に東京駅から成田空港までの移動には電車や自動車で70分前後が平均です。
ところがエアモビリティを利用するとわずか15分で完了すると予測されています。大都市圏よりも離れた地方の自治体にとっても今まで以上に経済的効果が上回る期待が寄せられています。
エアモビリティの今後の市場規模
物資や人の移動も想定できるエアモビリティが今後、普及するにあたってどれくらいの市場規模が考えられるのでしょうか?
まだ始まったばかりの分野であるエアモビリティの市場規模について簡単に述べていきましょう。
最初の名乗りはアメリカ
もともとエアモビリティの実現を本格的に考え始めたのはアメリカの配送サービス大手であるUber Technologiesが最初でした。
2016年に空飛ぶクルマでのモビリティ構想を発表し着々と準備を進めています。Uberでは「Uber Air」と称した機体開発について発表をしました。
2020年1月の垂直離着陸(VTOL)機業界イベント「Transformative Vertical Flight 2020」の壇上で公表しています。
急成長する商用ドローン市場の後押し
エアモビリティの市場規模は2040年までに世界で130兆円を目指せるだろうと予測されています。
ただし、それは現行のドローンの普及次第といえます。エアモビリティの発展に貢献しているのがドローンの急激な普及です。
ドローン市場は現在急成長を遂げていますが、それと同時に未知の領域でもあるため市場の予測が難しいのも現実です。
日本では2018年後半に初めてのドローン配送を商用でスタートさせています。しかし、まだ完全な一般実用までには至っておらず課題も多く残されたままです。
商用ドローンでの市場規模は2020年で1.4兆円を予測しています。まずは無人のドローンがどこまで伸び率を示すかが左右するのでしょう。
エアモビリティ業界の競争化
空飛ぶクルマは今まで映画の世界にだけあるイメージでしたが、すでの実現に向けた動きが活発で、それは世界中にて加速しています。
BoeingやAirbusといった大手航空製造企業でも開発や試験飛行を開始しています。米国ヘリコプター製造業者のベルヘリコプターでは「Bell Nexus」という機種をコンシューマー・エレクトロニクス・ショーにて展示しました。
このよう世界各国の大手企業もエアモビリティの可能性を求めて歩み始めたばかりです。これからもますます激化していく業界になると期待されています。
国内外エアモビリティ企業の動向
国内外にてさまざまな専門企業がエアモビリティの開発に取り組み始めています。
中でも顕著なのがUber(ウーバー)・Airbus(エアバス)・Boeing(ボーイング)・SkyDrive(スカイドライブ)などです。
ではエアモビリティの国内外の企業の特徴を見ていきましょう。
海外企業
Uber
世界で最初にエアモビリティへ着眼した企業はUberです。2020年より試験飛行を開始して2023年にはサービス実現化を目標としています。
その際のスタートアップさせる都市としては、ロサンゼルス・ダラス・メルボルン(オーストラリア)であると意気込みを感じさせる企業です。本来のUberでは、自動車・自転車・電動キックボードといった地上モビリティサービスの提供をしています。
そこへeVTOLでの空輸も加えた理想的な展開を試みる近未来的な発想の企業です。
Airbus
米国航空製造業の大手としても既に知られていて、その開発力を生かしたプロジェクトを展開し始めています。
やはりAirbusの特徴はテクノロジーの高さを生かした機体作りです。
2019年には「Vahana」という試験機による7分間飛行に成功し垂直離着陸も実現させています。ヨーロッパの同系列会社においては電動型マルチコプター「CityAirbus」を開発中です。完全電動型4人乗りを想定した試験飛行もおこないました。
またAirbusでは都市部輸送サービス「Voom」を展開し、スマートフォンアプリにてヘリコプター予約ができるシステムも開始しています。
Boeing
旅客機としても馴染みのあるBoeing社も電動航空機開発の強化に着手し始めています。
2019年に電動有人試験機の初飛行に成功し、その成果を生かして他社とのパートナーシップ構築も進めている現状です。すでにKitty Hawkとのエアタクシー分野での連携やポルシェとのeVTOL共同開発も公表しています。
また日本の政府機関や企業とも積極的な交渉をし、経済産業省と技術協力の合意を締結しました。
EHang
アジア圏内で活発にエアモビリティ開発をしている会社はEHang(イーハン)です。
中国の民間航空局から自動操縦旅客航空機サービスのパイロット企業に認定を受けています。現在は広州市でのエアタクシーのネットワーク構築プロジェクトを始動させ、本格的運用を目指すほど勢いを持っているのが特徴です。
EHangが誇る商用機は「VoloCity」と呼ばれ航続距離は約35km・最高飛行速度約110km・2名までの有人飛行が可能とされています。
日本企業
SkyDrive
日本国内で積極的な展開を試みているのがSkyDriveです。
2018年からすでに有志団体メンバーによって設立されました。愛知県豊田市を拠点にしながら、エアモビリティの研究開発を進行中です。SkyDriveではすでに産業用カーゴドローンの予約販売を開始しています。
JAL
JALでは、「ドローン」の2023年度の事業化を目指しています。
医療や買い物へのアクセスが難しい離島や中山間地での物流課題の解決、災害時の緊急物資の輸送等に向けて継続的に準備を進めています。
また、環境にやさしく機動性の高い「空飛ぶクルマ」は2025年度の事業化を目指しています。空港を起点とした移動手段や観光利用だけではなく、救急医師搬送や災害時の対応なども想定しています。
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エアモビリティの実現はいつ頃?
予定通り順調に進めば2023年には商用サービスの開始も夢ではないとされています。
エアモビリティは国内だけでも実証実験が次々に行われ始め、いよいよ実現できる段階も目前となっています。そのため物資輸送や災害救援・観光といった幅広いシーンでの利用が見込まれ経済活動の一角を担うはずです。2018年にはロードマップの素案が発表されて、具体的には2023年での事業化を目指しています。
おそらく2030年代には一般的な事業拡大も夢ではありません。
国内企業ではSkyDrive社に期待
エアモビリティを開発する国内企業としてはSkyDrive社の取り組みが目立ちます。
2019年には有人飛行試験を始めて技術検証を進めている最中です。実用化の目標も2023年だろうと見据えています。
まずは2020年代に第1段階の実現化
官民の動きは活発化してはいるものの、一般向けサービスとして普及するまでにはある程度の時間は掛かるとされています。それは技術面だけのことではなく、規制や安全面での法整備も含めたものがあるからです。
まずは2020年代にて公的なエアモビリティの実用化を目指しています。
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実現化に向けた今後の課題
近未来では通勤や通学などの移動手段から気軽な旅行も含めて、有人によるエアモビリティ社会が完成すると予想されています。確かにそうなれば生活は便利になるかもしれませんが、それとともに生じてくる課題や問題点も考えられます。
ではエアモビリティ社会の実現化に伴う今後の課題に触れていきましょう。
安全性の確保
エアモビリティの実用化を進めるにあたって最も重要なのが安全性の考慮です。
一般的な自動車による事故でも大きなものでは死者が出てしまいます。それが空の上ともなればさらに上回ってしまうのは明白です。
事故をゼロにすることは不可能かもしれませんが、できる限りの安全な機体とシステムの開発は命題ともいえるでしょう。
法律の整備
道路交通法などがあり、車やバイクはそれに従って運行しています。
同様なルールや規制をエアモビリティにも定義させる必要が出てきます。一定のルールがないまま飛ばしてしまうと無秩序な場所になってしまい、事故や事件が多発する危険な状態に陥ってしまうからです。
実用性とともに早めに措置をとる必要があります。
企業間の競争激化
エアモビリティが完成し、日用化されると同時に企業間での競争も激化するでしょう。
設計や生産技術の向上・資金・人材確保といった企業側の事情も大きく変わっていくことが予想されます。
常に新製品の開発や登場を目論んで技術進歩も激しくなるはずです。そこに対する行政からの法的な取り決めも増えていきます。
インフラやプラットホームの確保
エアモビリティが無法なまま運行されては危険だと前述したように、それを確実に管制するシステムが必要です。
離着陸場ができるインフラ整備やプラットホームの確保も必要になることが予想されます。とくに既存の航空機などとの共存と安全対策も考えなくてはなりません。
騒音などの近隣との調和も含めて都市構造全体を改編する可能性も出てきます。
まとめ
今までは空想上の世界とされていた空の実用化はすぐそこまできています。
きっと近い将来にはタクシーや自家用としてエアモビリティも実用化されていくでしょう。誰もが気軽に空の旅をできたり、空輸によって生活がより豊かになることが予想されています。しかし、当面の間は解決するべき課題も山積されていくことは分かっています。
それらを1つずつクリアしていけるかどうかです。今後もエアモビリティについての情報に注目していきましょう。
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