SES企業を簡単に見分ける7つのポイント!優良企業、ブラック企業の見分け方
「SES企業の見分け方を知りたい」IT業界の企業は様々な業態があり、見分けにくい!と感じる方もいるのではないでしょうか?本記事ではIT業界のSES企業の見分け方とSES企業の中でもホワイト企業、優良企業の見分け方も合わせて解説します。求人選びの際にぜひご活用ください。
目次
SES企業とSIer企業や自社開発企業の違い
SES企業と混同されがちな形態に、SIer企業や自社開発企業があります。
まずはSES企業との違いを確認しておきましょう。
SES企業とSIer企業の違い
- ・SES(準委任契約):客先にて常駐し技術力や労働力を提供、報酬対象は時間
- ・SIer(請負契約):自社勤務が多くシステムやサービス等の成果物を提供、報酬対象は成果物
契約上の違いとして、SESは準委任契約、SIerは請負契約と呼ばれる契約形態です。
SES企業は客先常駐としてクライアントにエンジニアを出向させ、技術力を提供する準委任契約を結びます。
それに対し請負契約のSIerは、主に請負契約システムの開発や設計・開発・運用を一貫して行い、その成果物を納品することを契約として結んでいます。
準委任契約のSESではエンジニアが稼働した時間に対して報酬が支払われ、請負契約のSIerでは成果物が報酬の対象です。
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SES企業と自社開発企業の違い
- ・SES:依頼された範囲のみ担う
- ・自社開発:開発における上流工程を担う、SES企業に業務を依頼する
自社開発企業は主にエンドユーザーの立ち位置であることが多く、SES企業や受託開発会社に仕事を依頼する立場です。
それぞれが担う領域も、自社開発企業のエンジニアは作業工程の上流部分である企画や仕様に関わることが多く、それに対してSES企業はクライアント企業から指定された業務のみ担当するという違いがあります。
また自社開発企業の中には大手企業も多く、自社でゲームやWeb開発、アプリ製作などを行っており、対ユーザーなど一般消費者向け(BtoC)や企業・公的機関など法人向け(BtoB)開発業務なども行います。
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SES企業を見分ける求人のポイント7つ
求人の内容からSES企業を見分けるコツを7つ解説します。
以下のような特徴がある場合はSES企業に該当すると考えられるため、求人を確認する際にチェックしましょう。
求人の事業内容に「システム・エンジニアリング・サービス」と記載されている
「System Engineering Service(システム・エンジニアリング・サービス)」は企業先に客席常駐として派遣されたエンジニアがシステム開発、運用から保守などの業務を行う事業で、SESはそれを略したものです。
この「システム・エンジニアリング・サービス」が求人案件の事業内容に記載されているかどうかで、SES企業かどうかを見分けることができます。
もし明記されていないにも関わらず、SES業務を行っている企業があった場合は注意が必要です。
勤務先が「顧客勤務地による」と記載されている
一般的に企業の採用サイトなどで、勤務地や勤務時間が明記されているケースは社内業務がほとんどです。
しかし「顧客勤務地による」のように曖昧に記載されている場合は、SESなど客席常駐の仕事である可能性が高いです。
必須スキルがあいまいで特定技術が記載されていない
使用するツールやプログラミング言語の記載が曖昧に書かれている求人案件にも、注意が必要なケースがあります。
たとえば「ITテクノロジーに関する何かしらの言語スキル、もしくは開発経験者」というように、はっきりしない条件が記載されている求人案件はSESや客先常駐の企業である可能性が高いからです。
勤務地・勤務時間が「プロジェクトによる」と書かれている
「首都圏勤務」「勤務地は関東圏内」また「勤務時間はプロジェクトによる、もしくは客先に準ずる」というように、勤務地や勤務時間の情報が特定されていない求人案件はほぼSES企業や客先常駐の仕事でしょう。
勤務地は会社や営業所の所在地が、終業時間は「9:00~18:00」などのように、明確に定められていることが一般的です。
未経験可で大人数のエンジニアを募集している
もしもSES企業で大人数のエンジニアを募集していたら、以下のような背景があります。
- ・クライアント(客先)企業に派遣するエンジニアの多さがそのまま自社の売上に繋がる
- ・エンジニアの入社・退社が多く、人材の流動性が激しい
SES企業を見分けるポイントとして、大人数のエンジニアを募集しているかどうかという点もひとつの指標です。
激務を強いられる、労働環境の問題がある等の理由でエンジニアの入退社が激しく、大量募集せざるを得ない背景があるとも考えられるためです。その場合、常に人手不足に陥っている可能性もあり、将来性に不安が感じられます。
しかしその一方で、研修制度が充実しており大人数を募集できるケース、事業拡大で大幅な増員が必要なケースもあるため、慎重に見極める必要があるでしょう。
「帰社日」が書かれている
帰社日を設けているのはSES企業の特徴です。
日常的にクライアント先に出向いていることで自社に対する帰属意識が薄くなりがちなエンジニアに対して、帰社日を設けて自社仲間同士のコミュニケーション促進を狙うのが帰社日の目的とされています。
「帰社日」が求人案件に記載されていたら、その企業はSES企業と思ってほぼ間違いないでしょう。
正社員だけでなく契約社員でもエンジニアを採用している
契約社員でエンジニアを雇用している企業は、SES企業の可能性が高いです。
正社員でエンジニアを採用してしまうと、経営状況の悪化など事態が急変した際に解雇しにくいという理由から契約社員を雇用する傾向があります。
契約社員であっても、契約期間途中での解雇や契約更新の拒絶には法律上の強い制約がありますが、経営悪化を理由とする整理解雇の対象となり得る可能性は正社員よりも契約社員の方が高いです。
また求人案件では正社員としてエンジニアを募集しているにもかかわらず、実際には研修期間や試用期間と称して契約社員のまま勤務を続けることが強いられるSES企業もあるため、確認しておきたいポイントです。
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SESのホワイト・優良企業の見分け方
エンジニアの教育制度が整っている
未経験者の採用も多いSES企業において、研修など教育制度の充実は大きな判断材料になります。
そのため教育制度・研修制度の内容を確認するのがおすすめです。
他にも社内勉強会の有無やスキルアップのための資格取得に対する費用を負担してくれる等、エンジニアの教育に対する制度が整っていると、ホワイト企業の可能性が高まります。
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エンジニアの評価制度が明確
SES企業ではエンジニアがクライアントに常駐して働いているため、正当な評価が難しい環境です。
エンジニアにとっても自社へ勤務状況や進捗、スキルアップをアピールする機会が少ないため、SES企業とエンジニアの双方にとって評価制度を明確にしておく必要性が高いのです。
SES企業は、以下のような観点で評価制度がはっきりと設けられているかどうか確認しましょう。
- ・スキルの評価基準がしっかり定められている
- ・社員との頻繁な面談など、コミュニケーションの機会が設けられている
- ・エンジニアが業務のFBを適切に行なっている、または行える環境である
- ・20.30.40代と年代別のキャリアパスがある
評価方法が明記されていて適切であるSES企業は、ホワイトな環境である可能性が高いです。
昇給・昇進の基準が曖昧で、エンジニアとの面談やフィードバックを怠っているSES企業は、転職先としてデメリットの方が大きいと考えられます。
社員の有休消化率が高い
健全な経営・環境でエンジニアが業務を行っているSES企業は社員の有休消化率が高く、離職率が低い傾向にあります。
法令を遵守すると同時に、従業員の仕事に対するモチベーション維持やストレス緩和への配慮に重きを置く企業は、エンジニアにとって働きやすい環境が整えられた優良企業です。
なお、令和4年の1年間に企業が付与した年次有給休暇日数の平均は労働者ひとりあたり17.6日で、このうち労働者が取得した日数は10.9日、取得率は62.1%で過去最高でした。
有給休暇取得率は「有給休暇取得日数÷有給休暇付与日数×100」で計算でき、取得の状況や離職率などの情報は、企業へ直接聞くか転職エージェントでも確認できます。
(参考:『令和5年就労条件総合調査の概況』)
若手エンジニアだけでなくベテラン層も活躍している
20代の若手エンジニアが多いSES企業には一見すると活気があるように見えるものの、若年層ばかりのSES企業は年数を重ねて築けるキャリアパスが不透明であり、離職者も多い可能性があります。
その一方で、若手エンジニアだけでなく30代、40代の中堅・ベテランエンジニアも定着して活躍している企業は魅力的な労働環境である可能性が高く、エンジニアに対する制度も充実していると考えられるでしょう。
30代、40代のエンジニアが安定して活躍しているということは、20代の若手社員の時期から定着し、スキルを磨いて経験を積むことができたということです。
人材流出が顕著でない安定した組織を見極めるために、30代以上のエンジニアが約半数在籍している構成が望ましいとされています。
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やばいSES企業に注意!SESのブラック企業の特徴
多重下請け構造の下層部分を担う企業
一般的にIT業界は、自社でプロダクト開発を行なっている、売上ランキングでは上位に入るような大手企業などを筆頭にしたピラミッド型の多重下請け構造になっています。
より下流工程を担うSES企業ほど報酬額も下がる仕組みです。
そのため、3次請けや孫請けと呼ばれる下流工程のみを請け負っているSES企業はブラック企業の特徴を持つとが多く、エンジニアは薄給かつ激務を強いられがちです。
SES企業への転職を検討する際には、2次請け以上の上流工程に携わることができるSES企業が推奨されます。
エンジニアの仕事とは関係ない仕事に配属される
エンジニアとして採用されたにも関わらず、コールセンターや電子機器販売または家電量販店販売などの業務に配属されるケースもあります。
企業は研修期間や試用期間という言葉を用いてこのような業務を命じることも多く、実際は期間を終えてもエンジニア業務に携わることができない場合、ブラック企業の可能性が高いです。
入社後に行う業務に関して、面接などの場で事前に確認しておくとよいでしょう。
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案件が決まらない間に給料が満額でない
SES企業で働くエンジニアは、企業が案件を獲得してはじめて業務が発生します。
案件がない期間は待期期間と呼ばれ、この期間が長いSES企業には注意が必要です。
また、待機期間中の給与支給に条件がある、満額支払われないという場合はブラック企業の可能性があります。
優良企業であれば複数のクライアントと取引があるため業務の案件数が安定しており、待機時間も短い傾向です。
それだけでなく、案件の有無に左右されず、待機期間中であっても給与は満額で支払われます。
給与の支払いが不明瞭なSES企業はその他の労働条件が悪いケースも多く、避けた方が無難でしょう。
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長時間労働を強要される
ブラックと呼ばれるSES企業で働くエンジニアの中には、残業や休日出勤を強いられる人もいます。
一般的にSESエンジニアの指揮系統はSES企業にあるため、クライアントはSES契約のエンジニアに対して直接指揮命令することができません。
しかし実際には、SES契約のエンジニアへの指揮命令権がないにも関わらず、直接指示して残業や休日出勤をエンジニアに強いるクライアントもあるのが実情です。
SES企業はこのようなトラブルを防ぐために、クライアントに管理者を置く等の対応が求められる一方で、配慮を怠るケースもあります。
なぜなら冒頭で解説したように、SES企業の報酬対象は労働時間であり、エンジニアの働き方を考慮しないブラック企業であれば自社の売上を優先してしまうからです。
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SESのホワイト企業に転職する方法
SES企業への転職を検討する方向けに、優良企業へ転職するためのポイントについて解説します。
自己分析
自己分析を行う際に特に注力したいポイントは、キャリアとスキルの棚卸しと転職軸を決めることです。
以下、それぞれ詳しく解説します。
キャリアとスキルの棚卸
SES企業のエンジニアとして働くことを想定し、現時点でどのような経験とスキルがあるか、キャリアやスキルの棚卸しを行い箇条書きにします。同時に自身の強みと苦手な部分も掘り起こしてみましょう。
キャリアとスキルの棚卸によって、入社した際に具体的にどのような貢献ができるか明確になり面接対策に役立つだけでなく、将来のキャリアパス形成にも有効です。
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転職軸を決める
SESエンジニアとして働くことで何を実現したいかを具体的に考え、転職軸を決めましょう。
SES企業で働く大きなメリットのひとつは、様々な業界・職場での経験を通して知見の幅を広げられることです。転職軸が明確になることで、キャリアチェンジの足掛かりとなります。
口コミサイトを見ながら企業研究する
SNSや業界別に分けられている転職関係の専門サイトの口コミを参考にし、企業研究する手段もあります。
ただし匿名性が高いために、信用しすぎず参考程度にとどめることをおすすめします。
ホワイト企業の特徴を兼ね備えているか、極端にブラック体質だと感じられる口コミが多くないか等を確かめるためには役立つでしょう。
IT業界の転職のプロに業界の最新の情報を得る
IT系に特化した転職エージェントを活用することで、優良なホワイト企業を見つけ、ブラック企業を避けられる可能性が高まります。
業界に特化した転職エージェントのメリットは、企業の内情や市況感を熟知している点です。
転職エージェントでは、非公開求人の紹介や、書類作成、面接など転職におけるさまざまな工程に関するサポートを行っています。
ホワイト企業を見極めて転職するための情報源として、転職エージェントの活用もおすすめできます。
転職軸に合わせて求人を探す
転職軸が「ひとつのスキルを極めること」なのか、それとも「上流工程に携わりたい」「キャリアパスの可能性を広げたい」なのか、もっとも大切にしたい仕事の価値観によってマッチする求人案件は異なります。
しっかりと転職軸に合った求人案件に応募することで、自身の強みが企業にとってもメリットであるとアピールしやすくなるでしょう。
価値観に合った求人案件に絞って応募することは、自分にとってのホワイト企業へ転職を成功させる近道でもあります。
ホワイトなSES企業への転職はIT業界の転職のプロに相談
SES企業は「やめとけ」「ブラック企業が多い」と噂されることもあります。
しかしさまざまな業界・企業で経験を積み、業務の幅や人脈を広げる機会が多い仕事でもあるため、SESでの経験はキャリアパスの選択肢を広げるための足がかりになるでしょう。
SES企業への転職を検討する際は、その転職において自身が実現したいことは何か、「自分にとってのホワイト企業」の条件にはどのようなものがあるか明確にしておくことで、転職を成功させることができます。
「エンジニア経験を活かしてSES企業でキャリアを積みたい」
「IT業界で転職して年収を上げたい!」
「もっと将来性の高い環境で働きたい!」
などのキャリアのお悩みは是非、「IT・Web業界の知見が豊富なキャリアアドバイザー」にご相談ください!
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