スリープテックとは?睡眠改善に期待できる効果とサービス事例をご紹介
スリープテックとはIT技術を用いて睡眠を改善する商品やサービス、もしくは概念そのものを指します。いま注目の領域ですが、なぜスリープテックは注目されているのでしょうか。本記事ではスリープテックが挑む社会課題や、注目されている背景、具体的な事例などを網羅的に紹介しています。注目のスリープテックについて理解を深めましょう。
目次
スリープテックとは
「Sleep(睡眠)」と「Technology(技術)」を掛け合わせた造語をスリープテック(SleepTech)と呼びます。
この造語はITやAIにより睡眠を科学的視点から分析したり、睡眠改善のための製品やサービスを示す言葉として使われています。
睡眠負債が問題視されている国内では、需要の高まりに伴いますます市場の広がりを見せています。
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スリープテックが取り組む睡眠時間の課題
以下にスリープテックが取り組む主な課題を2つ紹介します。
世界的に問題視される「睡眠負債」
多忙な日々の中で蓄積された睡眠不足による心身へのダメージを「睡眠負債」と呼びます。
フィリップス社の世界睡眠調査によると、世界中で睡眠に満足している人はわずか55%。
世界的な社会課題となっている睡眠負債は単なる寝不足だけでなく、集中力低下、認知症やうつ病といった精神の病を引き起こす原因になるといわれています。
参考:PHILIPS『Global Sleep Survey』
特に睡眠時間が少ない日本人
日本人の睡眠についてはさらに問題視されており、下記のような社会課題が浮き彫りになっています。
・睡眠による欠勤時間(年間):約480万時間
・慢性的な睡眠不足による経済損失(年間):約15兆円
日本人は世界的に見ても睡眠時間が短く、睡眠時間によっておこる社会的課題が国家的な損失にも繋がるためスリープテックが注目されているのです。
いまスリープテックが注目されている背景
睡眠改善の需要増加
睡眠の問題がピックアップされることが増え、睡眠に対する問題意識も高まってきています。
結果として睡眠改善の需要も高まり、テクノロジーを活用した睡眠改善サービスに着手する企業も増えてきました。
Global Market Insightsによると、2020年にスリープテック機器の世界市場は1.3兆円を超え、さらなる成長が見込まれています。
日本国内に絞っても、2022年の市場規模は20億円に成長するといわれているのです。
参考:Global Market Insights『SLEEP TECH DEVICES MARKET SIZE BY PRODUCT』
IT技術の進歩
ITやハードウェア技術の進歩もスリープテックが注目される要因です。
AIの高性能化やIoT技術の進化、ハードウェアのコンパクト化といった流れにより、ウェアラブルデバイスによる睡眠記録やデータ送受信ができるようになりました。
IT技術が応用されることにより、スリープテック業界にも多様な製品やサービスが登場しているのです。
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スリープテックの注目企業と具体事例を紹介
具体的なスリープテックの事例について、注目企業と共に紹介していきます。
入眠・起床のサポートデバイス
Modarnity:「Dodow」
Dodowはフランス企業発の入眠サポートデバイスです。
デバイスが天井に映し出す光に集中し、その光の点滅に呼吸を合わせる「光のメトロノーム」の機能を備えています。これにより心身をリラックスさせ、自然な睡眠へ導くサポートデバイスです。
Withings:「Withings Aura」
Withings Auraは、睡眠ステージに合わせて入眠や起床をサポートする光センサーと、敷きパット型のセンサーのセット。
スリープセンサーはユーザーの心拍数や呼吸数を感知し、睡眠サイクルを記録します。
計測されたデータはもちろんスマートフォンから確認ができます。
ニューロスペース:Fitbit
手首に装着するウェアラブル端末「Fitbit」を活用して睡眠データを収集し、ドライバー向け睡眠改善アプリを提供しています。
長距離運転の多いドライバーの居眠り運転を防ぎ、交通事故や労災を予防します。
センサー付きベッド・マットレス
フランスベッドホールディングス:「睡眠モニタリング機能付電動リクライニングマットレス」
IoTマットレスと呼ばれ、マットレス内に温度・湿度を測定する睡眠モニターが内蔵されています。
これをアプリと連携することで睡眠状態がリアルタイムで計測され、アプリ上での可視化が可能となる仕組みです。
パラマウントベッド:「Active Sleep」
睡眠状態計測器から受け取るデータに応じて角度が変わるベッドです。
眠りにつくと深さによって自動でベッドの角度が変わり、やがてフラットな形になります。起床時にはベッドの角度がゆっくりと上がり、快適な目覚めが得られます。
西川:「快眠環境サポートサービス」
センサー搭載マットレスから睡眠のデータを取得し、それをパナソニック家電の自動制御に活用できるというサービスです。
センサーが取得したデータを元に、エアコンが適切な温度や風量を調節するといったことも可能です。
さらにマットレスをアプリに連動することで、睡眠状態をグラフやチャートで把握することができます。
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おすすめのスリープテックアプリ
睡眠アプリの選び方
睡眠の質改善が目的の方にオススメなのが、睡眠時間の記録機能です。
睡眠中の呼吸音や動きを元に寝ている間のデータを記録してくれるため、眠りの深さを知る事ができます。
目覚めが悪い人はアラーム機能も兼ねているものが良いでしょう。
いびきや無呼吸症候群が気になる方は録音ができ、後にデータを出力できるものがベターです。
より正確なデータが必要であればスマートウォッチと連携できるものを、過去データまで遡りたいのであれば有料版の導入も検討してみてください。
複数利用してもみて、使いやすさやデータの見やすさ、ライフスタイルに沿っているかなど、自分に合ったアプリを探しましょう。
人気の睡眠アプリ6選
熟睡アラーム(株式会社C2)
ダウンロード数200万突破の日本製睡眠計測アプリNo.1が熟睡アラームです。
睡眠アプリといびきアプリの機能を持つアプリで、目覚ましとして利用するだけで眠りの悩みを可視化、一人一人にあった睡眠の実現をサポートします。
Sleep Meister(Naoya Araki)
Sleep Meister(スリープ・マイスター)はAppStoreで総合ランキング1位のアプリです。
特徴は、スマホの端末に内蔵されているセンサを用いて体の動きを感知し、眠りの浅いタイミングでアラームを鳴らしてくれる機能です。ヘルスケアアプリとの連携も可能で、睡眠を多角的にとらえる事ができます。
Sleep Cycle(Sleep Cycle AB)
人間の眠りのステージを研究し作られたSleep Cycleは、独自の技術で個人の睡眠パターンを記録します。
使い方は簡単で、アプリをオンにして枕元に置くだけです。有料のプレミア機能によって、長期間にわたる睡眠の傾向分析やクラウドへの保存、さらに世界の統計データとの比較も可能です。
いびきラボ(SnoreLab Ltd)
いびきラボは数百万人のユーザーのいびき問題解消をサポートしています。
医師や歯科医への相談にも活用できるよう、音声データのEメール送信が可能です。ヘルスケアアプリとの併用で、睡眠ならびに身体データが記録できるようになっています。
REAL SLEEP(KDDI CORPORATION)
スリープテックの代表企業と言える株式会社ニューロスペースがKDDIと共同開発したアプリがReal Sleepです。
心拍・呼吸・寝返りといった体の動きなどの細かな計測により、改善する様子もしっかり可視化されるのが魅力です。睡眠専門企業によるデータ分析、睡眠スコア算出からのアドバイスを受ける事ができます。
睡眠アプリ(ABISHKKING LIMITED.)
睡眠周期をモニターして日ごと・週ごと・月ごとの睡眠レポートを作成してくれるアプリです。
いびきや寝言を録音する機能も搭載されており、自分が寝ている間にいびきをしているか、いびきの大きさがどれくらいかを計測する際にも使えます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回はスリープテックについて紹介しました。
睡眠不足・睡眠の質低下は世界的にも重大な問題であり、スリープテックでの睡眠改善対策は個人・企業のパフォーマンス改善、ひいては国の活力にも繋がります。
睡眠は毎日行う行為だからこそ、市場は常に存在しており、スリープテック界隈の市場に参入する企業も増えています。
今後ますます注目の分野として、スリープテックの動向はぜひチェックしておきましょう。
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転職やキャリアチェンジをお考えの方は、お気軽にご相談ください。
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