スパイラルモデルとは?開発概要を解説!プロマネに転職するならメリット・デメリットや開発事例も確認!
スパイラルモデルとはどのような開発手法なのでしょうか。この手法について知っているとプロマネで仕事する上で大変役に立ちます。今回はそんなスパイラルモデルについて、概要からメリット、デメリット、事例まで紹介していきます。キーワードはサブシステムとこまめなフィードバックです。
目次
プロマネの基礎を復習しよう
スパイラルモデルはプロマネで働く上で必要なシステム開発方法です。
スパイラルモデルについて解説する前に、まずはプロマネの基礎から復習していきましょう。
プロジェクトについて再確認しよう
プロジェクトでは達成すべき目標が設定されており、その指標はQCD(品質、コスト、納期)です。
期間も定められており、遂行にはチームを編成して取り組みます。
プロジェクト管理を構成する10要素
プロマネの主な仕事はプロジェクトを管理することです。
プロジェクト管理はプロマネの選定などを含む仕上げから計画、実行及び監視の流れを経て完了へと至ります。
そのプロジェクト管理を構成する要素は10種類に大別されます。
その要素とは日程、コスト、調達、リスク、要因、スコープ、意思疎通、品質、ステークホルダー、そして統合管理です。
スパイラルモデルとは何か
プロマネの基礎を復習し終わったところで、いよいよ今回のメインテーマであるスパイラルモデルへと移りましょう。
スパイラルモデルとはシステム開発で使われる工程モデルのひとつです。
ここではスパイラルモデルの概要について説明していきます。
サブシステムに分ける
スパイラルモデルの特徴はまず、各サブシステムに分けるところにあります。
サブシステムに分けたら、次は各サブシステム内で設計、開発、テストの流れを作ります。
ここまではサブシステムに分ける点を除いて、ウォーターフォールモデルと基本的な部分は同じです。
螺旋を描くようにバージョンアップする
サブシステムに分けると前述しましたが、厳密には段階ごとにサブシステムに分けます。
そのため、最初のサブシステムでテストまで完了したら、その結果を基に次のサブシステムへと移行します。
次のサブシステムでまず行うのは最初のサブシステムのテストの結果を基にした設計です。
そこから再びテストまで行い、次のサブシステムでも同様に2回目のテストの結果を基に設計からテストまでを行います。
なお、初段階では詳細を細かく決めないため、各サブシステムの結果を基に最終的にゴールが決まります。
この一連の流れが螺旋状に表現されるため、スパイラルモデルと呼ばれるのです。
スパイラルモデルを用いるメリット
前項ではスパイラルモデルの概要について説明しました。
しかし、スパイラルモデルを用いることにはどのようなメリットがあるのでしょうか。
スパイラルモデルのメリットは主に2点に大別され、そのいずれもウォーターフォールモデルの弱点を克服しています。
仕様変更等への柔軟対応が可能
スパイラルモデルはサブシステムに分割していることで、仕様変更等に柔軟対応がしやすいです。
ウォーターフォールモデルではサブシステムに分割していないことから変更が生じると最初からやり直しになってしまいます。
しかし、ここではサブシステムに分割していることで、各サブシステムで完成した時点で顧客に確認してもらうことができます。
そのため、仕様変更が求められれば次のサブシステムに変更点を組み込んで開発することができる仕組みです。
また、このような仕組みになっていいることから顧客とのコミュニケーションを多頻度で行えます。
この一連の流れを繰り返すことで、目標としている品質へと向上させていくことができます。
問題点を迅速に発見できる
スパイラルモデルは柔軟対応が可能であると共に、問題点の発見も迅速にできます。
開発工程がサブシステムごとに細かく分割されていることで、段階ごとのフィードバックから発見することが可能です。
ウォーターフォールモデルではサブシステムに分割されていないことから問題点があると大きく出戻ることになります。
他方、スパイラルモデルでは出戻りは最小限の範囲で抑えることが可能です。
スパイラルモデルを用いるデメリット
スパイラルモデルは柔軟対応が可能で、出戻りが最小限で済む点では魅力的といえます。
しかし、それとは裏腹に弱点も抱えていることも事実です。
スパイラルモデルのデメリットは主に3点に大別されます。
時間面でのリスク
各サブシステムに分割することでピンポイントでフィードバックをもらえる反面、長期化するリスクもあります。
特にステークホルダーの多い大型案件ほどチェックやフィードバックの確認で所要時間が増えやすい傾向があります。
また、後述しますが全体像をつかみにくいことによるスケジュール管理の難しさも長期化の原因のひとつです。
全体像をつかみにくい
先述したように、初段階では詳細は決めません。
そのため、テスト段階でのフィードバックはこまめに受け取れても、その前の進捗状況の確認が難しいのです。
さらに、プロジェクトが進展するに連れて、想定よりもサブシステムが多かったと発覚することがあります。
これはコストにも関わることなので気を付けたいポイントです。
コスト面でのリスク
サブシステムを作る際に気をつけなくてはならないのがコスト面でのリスクです。
先述したように、サブシステムが多いとそれだけコストの増大につながります。
しかも、その最たる難点は想定しにくいことです。
サブシステムのフィードバック結果を基に新たにサブシステムに移行する仕組みにそれは由来しています。
修正や変更の回数が多いほどサブシステムも増え、想定を超えるコストの負担へと波及していきます。
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アジャイルとの違いを正しく理解しよう
これまでスパイラルの概要とメリット、デメリットについて紹介してきました。
さらに理解を深めるために、アジャイルモデルとの違いについて説明するのですが、共通点もあります。
サブシステムを使う点は共通している
アジャイルモデルもスパイラルもサブシステムを用いる点では共通しています。
また、サブシステム内ではウォーターフォールモデルのように設計、開発、テストの流れがある点でも共通しています。
アジャイルとスパイラルモデルとの間で違いが生じるのはこの後の段階です。
各サブシステムのテスト後の対応が違う
スパイラルモデルでは先述したように、テスト後のフィードバック結果を基に次のサブシステムへと移行します。
この繰り返しで全体が完成するまで品質を高めていくのがスパイラルモデルです。
しかし、アジャイルモデルの場合は該当するサブシステムで完成するとそこでリリースします。
リリースしているサービスは稼働したままにし、ユーザーの反応を見ながら次のサブシステムへと移行し、再びリリースします。
つまり、アジャイルは短期間でリリースとサブシステムの構築を繰り返しながら品質を高めていく手法なのです。
スパイラルモデルを使うことがある案件
これまでの解説でスパイラルモデルの仕組みやメリット、デメリットなどについて理解いただけたかと思います。
しかし、これではまだ、スパイラルモデルがどのような場面で使われるのかが分かりません。
そこで、スパイラルモデルが使われることの多い案件についてこの項では紹介していきます。
品質重視の案件
スパイラルモデルは各サブシステムごとにこまめに確認できるため、品質重視の案件にはもってこいです。
スパイラルモデルに精通した人材が不足していると小規模なものに限定されがちですが、そうでなければ大型案件でも使います。
特に大規模のシステム開発については時間をかけてでも品質を担保したいため、スパイラルモデルとの相性がいいです。
ただし、先述したように、全体像が把握しにくい点については気を付けてください。
特に大型案件ほど要注意です。
顧客がシステム開発に慣れていない場合
顧客がシステム開発の受注に慣れていない場合はスパイラルモデルを使うのが無難です。
先述のように、初段階では詳細を決めないため、最初は大まかなイメージを基にサブシステムを完成させることになります。
その上で各サブシステムごとのこまめなチェックを通して、完成品のイメージを固めてもらいながら進めていくことになります。
ここで注意しておきたい点として、サブシステムの数が想定を上回る可能性があることが挙げられます。
つまり、コストもサブシステムが追加されたことに比例して増大するということです。
BtoCの案件
これまで先述してきた2点に加え、BtoCのwebサービスなどといった案件でも使われることがあります。
BtoCの場合は先述したように、必ずしも顧客が慣れているとは限らないのでこまめにチェックできる強みが活かされます。
最新技術を取り入れた案件
最新技術を取り入れた案件もスパイラルモデルの適用対象となります。
このような案件は急ぎ足では問題が発生しやすいため、各サブシステムごとのこまめなフィードバックが重要です。
プロマネに転職するなら転職エージェントに相談してみよう
これまでスパイラルモデルの特徴や使われる案件について紹介してきました。
使う際に注意が必要なスパイラルモデルですが、精通しているとプロマネでは大変大きな強みになります。
スパイラルモデルの知識を活かして転職したいのであれば、まずは転職エージェントに相談してみましょう。
転職のプロですので、求人紹介はもちろん、あらゆる面でサポートしてもらうことができます。
スパイラルモデルを使って転職先で効果を発揮させよう
今回はスパイラルモデルについて、概要とメリット、デメリット、使われることの多い案件を中心に紹介してきました。
スパイラルモデルとは複数のサブシステムに分割し、こまめなチェックをしながら品質を高め、全体の完成へと導きます。
時間がかかったり、全体像が把握しにくいなどといった難点もありますが、その点を気を付ければ大変有用な手法です。
また、プロマネで働く上でも、スパイラルモデルの知識があると大変心強い上、効果も発揮できます。
これを機に、プロマネに転職しようと考えているのであればまずは転職エージェントに相談してみましょう。
そこからが転職活動のスタート地点となります。
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