SESの待機期間って?給与の変動や待機期間を有効に使う方法を解説
SES(客先常駐)は、企業との契約期間が終了すると基本的には現場を離れ、次の常駐先の現場に行くことになります。しかし、企業側の都合により、次の常駐先が決まらなければ、自社や自宅で待機する期間が発生することもあります。待機期間中の給与が気になったり、期間が長くなるほど不安になる方もいるかと思います。本記事ではSESの案件が決まらない「待機期間中」の給与の変動や、待機期間を有効活用する方法についても解説します。
目次
SESの待機期間とは
SESとは「システムエンジニアリングサービス(System Engineering Service)」の略で、エンジニアがクライアント企業に常駐して技術力を提供する契約形態を指す言葉です。
SES企業は自社のエンジニアをクライアントとの契約期間に応じて派遣するため、基本的に契約期間が終了すればSESエンジニアはその現場を離れます。
次の案件が決まっていれば契約開始にあわせて業務を開始しますが、次の案件が決まらない場合、自社もしくは自宅での待機期間となります。
待機期間が長引いてしまうことで、エンジニアにとって不安に感じることもありますが、有効活用することで、今後のキャリアにプラスになることもあります。
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SESで待機期間が発生してしまう理由
研修後の常駐先がなかなか見つからない
未経験者の場合、研修後にすぐ常駐先が決まらず待機期間が発生することがあるでしょう。
基本的に、未経験者は運用や監視業務を担う常駐先、または他の先輩社員がすでに常駐しているクライアントに割り当てられます。
多くの企業は、SESのエンジニアに技術力を期待しているため経験者が求められる傾向にあり、求められるスキルを満たしていないと常駐先が決まるまでに時間がかかることも多いのです。
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クライアントとの契約が急に終わってしまった
SES契約では、エンジニアの常駐期間を定めています。
しかしクライアント側の都合でプロジェクトが突発的に終了することや、技術力不足などSESエンジニア側の問題で契約が打ち切られるケースがあり、このような場合は、待機期間が発生することもあります。
次の常駐先が決まっていない
次の常駐先が決まらない理由には、SES企業に起因するものとSESエンジニア本人に起因するものがあります。
例えばSES企業の営業力が高くないために、取引先企業や案件数自体が少なく待機するエンジニアが発生するケースです。
SESのエンジニアは会社が新しい契約を獲得しなければ次の常駐先が決まらず、現在の契約が終了するとともに待機することになります。
一方でエンジニア自身のスキル不足も常駐先が決まるまでに時間を要する原因となることがあります。
常駐前にクライアントとエンジニアで行う面談においてスキル不足だとみなされた場合、プロジェクトにアサインできずそのまま待機しなければなりません。
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待機期間中の給与について
社内で待機するの場合の給与
待機期間中、社内待機となった場合SESエンジニアは自社へ出社して社内業務を行います。
この待機間が長引くと、自社内で他の職種の同僚や上司からの視線が気になる、自分より先に常駐先が決まる社員を目にすることになる等、モチベーションの維持が難しいこともあるでしょう。
ただし、出社して業務に従事するため給与は100%支給されます。
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自宅で待機する場合の給与
自宅待機の場合は主に自学自習を行うことになり、給与はSES会社が自宅待機を「勤務扱い」と「休業扱い」のどちらとみなすかによって支給額が異なります。
勤務扱いの場合は給与は100%支給され、休業扱いの場合は60%以上の支給が労働基準法の規定です。
(休業手当)
第二十六条 使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は、休業期間中当該労働者に、その平均賃金の百分の六十以上の手当を支払わなければならない。
(引用元:労働基準法『第二十六条』)
法律で定められているのは「最低で60%支給すること」であり、実際に支給される給与額は会社の規定を確認する必要があります。
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待機期間中のSESでの業務について
待機期間は、新しい常駐先が決まり次第終了します。
そのため、いつでも常駐先で勤務開始できるよう技術力の維持・向上が欠かせません。
自己研鑽のうえで、待機期間中は社内向けのツール開発や指導係など、会社の指示に従って業務に従事するのが一般的です。
自宅待機の場合、多くは自学自習の時間が取られるため、スキルアップにつながるよう有意義な時間にしましょう。資格取得のための勉強もおすすめです。
会社の規定で休業扱いでない限り、待機期間も勤務中であることに留意しましょう。
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SESの待機期間を有効活用する方法
待機期間が長引く場合は”転職”も検討してみる
待機期間が長すぎる場合、転職を検討してみてもよいでしょう。
今の会社でこれまでに積み上げてきた経験を活かして、キャリアアップしていきたい場合は、転職活動を始めるチャンスでもあります。
同じSES企業であっても案件の数や種類、給与水準は会社によって異なるため、業界研究などの情報収集を行い、転職に向けた準備を進めてみましょう。
現状のスキルの棚卸しをする
SESエンジニアは新しい現場へ行くためにスキルシートを用意することが一般的です。
これまでに得た経験やスキルを言語化する際に、目指したいキャリアパスも考えてみると良いでしょう。
スキルの棚卸しをしながら、3年後、5年後の姿を思い描くことで、次に携わりたい案件への要望もまとまります。
待機期間は引継ぎ業務などもほぼないため、時間をかけてこれまでの業務を洗い出し、自分の強みや強化したいポイントを明確にする最適なタイミングです。
また、目指したいキャリアパスがある程度固まっていると、次の現場を決める面談でも役立つでしょう。
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エンジニアとしてスキルアップのための自己研鑽をする
待機期間の有意義な過ごし方として、新しい技術に関する情報収集や、資格取得のための勉強などスキルアップのための自学自習もおすすめです。
エンジニアとして必要な自己研鑽をしておくことで、希望する案件にアサインされる可能性も高まります。
自己研鑽の内容は、キャリアプランから逆算して現在不足しているスキルを補うような学習が効果的でしょう。
自分のキャリアや、今後携わる業務に活かすことができる知識を優先的に身に付けると、理想的な働き方や希望する将来像に近づくことができます。
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転職のプロにキャリアの相談をしてみる
待機期間は、SES企業で得た経験やスキルを活かして今後どのようなキャリアを構築すればよいのか、将来について考え直すよい機会です。
より働き方を安定させたり希望するキャリアを実現するためには、転職が必要な場合もあるでしょう。
待機期間を有効活用し自分のキャリアを再検討する際には、転職エージェントを活用し情報収集を行う方法もおすすめです。
転職エージェントは求人案件だけでなく、業界・企業の最新情報も多数保有しているため、自己研鑽に努めながら効率的にスキルアップ、年収アップの手段を明確にするためのノウハウを得ることができます。
より有意義な待機期間にしたい方、現在のSES企業に不安を感じる方、SES以外のIT企業への転職を考える方のサポートも行っています。
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あなたの会社は大丈夫?やめたほうがいいSES企業の特徴4選
入社後、研修なしで自宅待機になってしまう
SES企業は一般的に、未経験者に対しては入社後に研修を行います。
未経験者であるにも関わらず入社後すぐに自宅待機となった場合には、エンジニアとしての成長は見込めず先行きは期待できません。
そのため未経験でSES企業へ入社する場合は、研修の有無や研修後の常駐先は確認しておきましょう。
また、経験者で即戦力として評価され採用に至ったにも関わらず自宅待機を命じられる場合は、企業が案件を持っていない状態で採用した可能性があります。
紹介できる案件がない状態が一時的なものなのか、常態化しているのか、応募前に企業の評判や業績などを確認しておき見極められるようにしましょう。
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待機期間が1ヶ月以上長引いている
待機期間が1ヶ月を超えるような場合は、SES企業として案件を獲得できるだけの競争力を持っていない可能性が考えられます。
営業力が低く取引先が少ないと、結果として待機する人が発生してしまうからです。
納得できる理由の説明がなく待機期間が1ヶ月以上続く、高単価の案件がない、希望にマッチした案件にアサインされないという状態が続くような場合はSES企業としての将来性は高くないかもしれません。
待機中の給与が減額される
先述の通り、待機期間中であっても社内待機であれば給与は100%支給され、自宅待機で休業扱いとされる場合は60%以上の支給が法律で定められていると解説しました。
しかし、60%減額されることが一般的ということではありません。
待機しているエンジニアの割合が低ければ、ほかのエンジニアの売上によって待機中のエンジニアの給与も補填できるため、減額を迫られることはないでしょう。
待機期間中の給与を60%減額することは違法ではないものの、企業の経営面やリスク管理の観点から避けた方が無難です。
待機しているエンジニアが多い
待機中のエンジニアの割合が高ければ、常駐しているエンジニアの売上では補えなくなります。
その結果、待機中のエンジニアの給与が減額される事態が起こりやすくなるだけでなく、SES企業としてのリスクも上がります。
入社前にエンジニアの待機者数を正確に把握することは難しいため、同僚との会話などから不安を感じたら転職を検討してもよいでしょう。
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SES企業から転職しようと思ったら、IT業界の転職のプロに相談
SES企業は未経験でも挑戦しやすい求人案件もあり、幅広い業界での経験を積むことができるため、エンジニアのファーストキャリアとして選択する人も多い業界です。
しかし待機期間に不安を抱え、転職を検討する人もいるでしょう。
中には待機期間を長引かせて退職を促す悪質なケースも存在するため、入社前に把握しておきましょう。入社後に待機中のエンジニアが多いと感じたら、転職活動を始めるよいタイミングかもしれません。
SESエンジニアにとって待機期間は、自分の市場価値を上げるチャンスであると同時に、今後のキャリアを再検討する機会でもあるのです。
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