社内SEのキャリアパス例7つ!年収アップできる転職方法も解説します!
大小規模に関わらず、現在の企業ではIT化が進んでいます。もともとITに明るくない企業は、PCはもちろんネットワークやOA機器にも手間取ることがあり、業務に支障をきたします。そこで必要なのがIT技術に詳しい社内SEの存在です。
今回は、社内SEとはなんなのか、その仕事内容やキャリアパス、経験を生かせる仕事を紹介します!
目次
社内SEとは
IT化された現代社会では、社内SEは企業規模に限らず必要な技術者です。しかし、社内SEに就いているのが必ずITのプロフェッショナルというわけではありませんし、社内SEをクラウドソーシングしている企業もあります。究極には社内SEを置いていないという企業もあるほどです。
社内SEというポジションがなかなか重宝されない理由としては、一重に「直接の利益を生み出さない」ポジションだからです。
社内で利用するOA機器をはじめ、PCやソフトウェア、ネットワークやインターネットなど、”あって当たり前“のものを構築・維持・管理するからです。
社内SEが保つ会社の基盤(インフラストラクチャー)は、会社全体が利益を上げるための資産なのですが、社内SEである従業員が外から利益を運んでくることはありません。
これが、企業が社内SEを“重宝しない”原因です。非常にやり甲斐のある仕事ですが、何故か肩身がせまいという職場も少なくないのです。一方、何かしらのITトラブルが発生した場合には、一番に頼られる存在でもあります。
このジレンマは、どのような企業規模でもつきまとうものですが、社内SEはいわば“縁の下の力持ち”というポジションですので、それを意識してプライドを持つ必要があります。
社内SEの仕事
社内SEの仕事は会社のIT資産管理から、社内全体のネットワーク構築など幅広い業務を行います。中には総務の仕事も兼任するということもあるでしょう。
社内SEの主な仕事は次のようなものがあります。
・PC選定・設置・設定・保守(トラブルシューティング)
・OA機器の選定・設定・保守(トラブルシューティング)
・業務に必要なソフトウェアや機器の選定・導入(トラブルシューティング)
・インターネットおよび社内ネットワークの選定・設計・構築・運営・保守(トラブルシューティング)
・社内のIT機器やソフトウェアで、より業務を効率化するための提案や調査・実行
・社員のメールアドレス発行・管理
・PCやネットワークにおけるセキュリティ管理・保守(トラブルシューティング)
・社屋の物理的なセキュリティ導入・管理
業務に関わる(一連の業務が行える)環境を整えた後は、それら全ての管理・保守(トラブルシューティング)が主な業務です。
また、急速にIT化が進んでいる企業では、その企業に合ったIT化を主導していくことになります。一度導入した仕組みを途中で投げ出すことはできませんので、導入前に行う塾考は非常に重要なステップです。ここで成功するか否かの8割が決まります。
社内SEのキャリアパス
社内SEからのキャリアパスは、その知識量から幅広い可能性が生まれます。
社内SEがキャリアパスを描く必要性
キャリアパスを描き将来的な理想をイメージすることは、今するべきことが分かるだけでなく可能性を広げることにもつながります。
他事業部も横断して業務の流れを見ることができる社内SEの特性上、どのようなキャリア形成を考えるかによって必要なスキルや考え方も異なるのです。
ビジネスの現場に近いところに身を置くからこそ、ただ社内SEとしてスキルアップする以外にも多くの選択肢を得るチャンスがあります。
中小企業の社内SE
社内SEの基礎的な業務を満遍なく会得するのであれば、まずは中小企業の社内SEをめざします。
規模の小さな企業ほど、社内SEが行う業務の幅は広くなります。特にIT企業以外の会社であれば、自分以外にはIT知識が無いことがほとんどですので、”IT“というキーワードに関わるものは全て社内SEが担当することになります。
社員のPC選定・設定・保守はもちろん、最小限必要なネットワーク機器の選定・設定・設置・保守、更にはOA機器(複合機など)の選定・設置・保守も社内SEの役割になります。
ビル内のワンフロアに拠点を構える企業であれば、会社への出入りをするためのセキュリティ機器の選定を行うこともありますし、急遽テレビ会議を行うとなれば、その日までにどうにかして環境を構築するといった機転も必要になります。
比較的小規模の企業では、これらの業務を一手に引き受けるため思った以上のスキルアップが望めるのです。
ただし、中小企業で社内SEを採用している企業は少なく、狭き門であることは確かですので、どうしても社内SEを目指したい人は根気よく就職活動をおこなう必要があるでしょう。
キャリアパス例① マネージャーを目指す
社内にマネージャーのポジションがあれば、キャリアアップを目指せます。
予算や進捗を管理したり、マネジメントする能力が必要となります。
また、自社製品や理念へのより深い理解も求められるでしょう。
キャリアパス例② 社内SEとして転職する
もし自社にマネージャーのポジションがなければ、より規模が大きい企業への転職もキャリアパス例のひとつです。
アプリケーションやインフラなど、担当して来た得意分野以外にも知見を広める事、近年重視される傾向が高まっているセキュリティに関する知識も身に着けておきましょう。
大手企業での社内SE
大手企業では、社内のIT技術を一手に引き受ける部門を持つ企業が多くあります。IT部門での作業は膨大ですが、基本的には他社で培った社内SEの知識が役に立ちます。
大手企業では、IT部門でも多くのメンバーを雇用していることが多く、業務による役割分担も行われています。
規模の小さな会社の社内SEであらゆる業務を担当していた人ほど、部門として存在する場所ではより専門性を高めた業務に就くことが望めます。
社員のIT機器(PCなど)のサポートが得意だったならば、社内機器のトラブルシューティングを主に担当することも可能ですし、サーバーやネットワークの構築・保守をもっと極めたい場合は、ITインフラの知識を深めていくこともできるでしょう。
キャリアパス例① ITコンサルタントを目指す
経営戦略やIT戦略のスキルを磨き、基幹業務や会計の知識を身に着ける事で目指せるのがITコンサルタントです。
自社でのキャリアアップ、もしくは転職するのであればSI企業やコンサルティング企業となります。
もしコンサルティング企業への転職を希望するのであれば、30代前半までの求人案件がほとんどですので注意してください。
キャリアパス例① CTOを目指す
PGやSEとしてのキャリアパスとしては、最高峰のひとつとも言えるポジションがCTOです。
社内SEから目指すのであれば、AI・機械学習・ディープラーニングといった最先端技術に関連するシステム開発に積極的に関わり知見を深めましょう。
自主的なキャッチアップは欠かせません。
IT企業での社内SE
更に専門性を高めスキルアップがしたい場合には、IT企業の社内SEを経験することで、最先端とされる技術の導入で新しい知識を得ることができます。
また、IT企業では社内SEが開発用のサーバーを選定・構築・保守を行なったり、ネットワークの設計・設定・保守を行うところがほとんどです。
社内SEが用意したインフラの上で、自社開発のソフトウェアなどが開発されるという構造になります。
また、開発段階のソフトウェアでは、特に通信を利用する機能部分でネットワークのテストも行います。その際には、ソフトウェアのテスト環境ネットワークを構築するといった臨機応変な対応も必要です。
IT企業では、それ以外の企業よりも専門用語が飛び交います。全てを把握しそこに必要な技術や機器を素早く用意し対応するといった能力も磨かれるでしょう。
社内SEを目指すならば、IT企業でも通用する深い知識と臨機応変さ、そしてコミュニケーション能力を培う必要があります。
キャリアパス例① CIOを目指す
マネージャーや部門長といった管理職やITコンサルタントで経験を積んだら、CIOを目指す事ができます。
技術よりも戦略の知識や携わってきた経験が重視されるポジションです。
資格の取得が有利にはたらくケースもあります。
キャリアパス例② キャリアチェンジする
IT企業で社内SEとして勤めていると、特定の分野に関する興味が深まる人も多いのではないでしょうか。
より専門性の高いSEとしてキャリアチャレンジするケースもめずらしくありません。
キャリアパス例② 独立してフリーランスになる
専門知識を得て経験を積んだり、幅広い領域を網羅できるようになると、独立という道も目指す事ができるようになるでしょう。
本人のスキル次第ではありますが、年収アップが叶う可能性もあります。
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経験を活かせる仕事
社内SEを経験することで、その会社全体の仕組みを把握する能力を培うことができます。その能力はIT企業だけでなく、さまざまな企業で活かすことができるのです。
インフラ系:社内ネットワークやPC管理
インフラ系としては社内ネットワークやPC管理の能力です。社内SEは社内のネットワークをはじめ、資産であるPCやOA機器を全て把握しコントロールしなければなりません。IT機器やネットワークを把握するということは、会社全体の機能を把握するということです。
もちろん、自社製品ではない複合機やネットワーク機器、あるいはPCなどの機能や物理的な構築方法までを把握するという意味ではありません。
求める結果を得るために、どこに相談すればよいのか、トラブルが起こった時にどのように立ち回れば良いのかを熟知しておくということです。
ですので、社内SEは外部のお客様(例えばメーカーの担当者など)とのコミュニケーションも非常に重要な仕事となります。
開発系:サーバー・ネットワークエンジニア
開発系で活かせる能力としては、やはりサーバーやネットワークの知識と実践です。開発系の企業では、サービスを構築するためのサーバーやネットワークは社内SEが担当することがほとんどです。
どのようなサービスを行うのかを把握し、開発者がどのようなインフラを望んでいるのかを完璧に把握する必要があります。
その上で、円滑に開発ができるサーバーやネットワークの環境を構築します。ここで重要なのは、開発者との密なコミュニケーション能力です。
自社が提供する具体的なサービスが始まる最初の土台を作るのですから、ミスは許されません。また、サーバーは物理的なキッティングからの業務もありますし、機器のコストを考えた選定も重要な業務のひとつとなります。
管理:資産管理
社内の資産となるPCやOA機器、インターネットの契約などの管理も社内SEが請け負うことがほとんどです。その際には、分かりやすい管理表や定期的なチェック、各機器に管理ナンバーを付与する業務なども含まれるでしょう。ですので、管理能力も重要な業務になります。
社内SEの年収相場とアップする方法
社内SEの仕事の平均年収は約496万円で、これは日本全体の平均年収と比べると高い傾向です。
年収帯の分布は493〜566万円が最も多く、平均年収もここに含まれています。
一方で、幅を見ると300万円未満から1000万円以上ととても広い事も分かっています。
これは、勤め先や領域といった仕事の条件、そして何よりスキルや経験といった実力による差と考える事ができます。
年収アップの方法① 実務経験を積む
社内SEはIT業界のほとんどの仕事がそうであるように、実力が年収を大きく左右します。
まずは日々の業務でしっかりとキャリアを積みましょう。
自身の担当する仕事の領域はもちろん、仕事上で関わる他の分野にも常に知見を広げる意識でいると、情報をキャッチしやすいはずです。
特にAIやディープラーニングといった最先端技術、需要が高まっているセキュリティに関する知見は、キャリアプランをも左右する場合があります。
年収アップの方法② 資格を取得する
常に更新され続けているIT業界ですので、新しい技術の取得ももちろん欠かせませんが、今ある実力を証明できるものを持っておく事も大事です。
資格の取得は自身が学べるだけでなく、知識・スキルの証明にもなります。
ITエンジニアとしての基礎知識を証明できる国家資格「基本情報技術者試験」と、その上位資格である「応用情報技術者試験」。
責任者として評価したり、人材を育成する能力を証明できるのが「プロジェクトマネージャー試験」「システム監査技術者」といった資格です。
現在の業務だけでなく、自身のキャリアパスに適した資格の取得を目指すと良いでしょう。
年収アップの方法③ 転職する
先ほどの例でもあったように、エンジニアは実力重視の仕事です。
ところが、企業の業績によっては実力に見合った給与が支払われていない場合もあります。
現に、自身の適正年収を気にするSEはとても多いのです。
実力に見合った年収が支払われていないと考えられる場合は、転職が年収アップにとても有効に働く可能性があります。
ただし業績が良い企業を目指しましょう。
自身の市場価値を測る参考としても、次の項目で保有するスキルをチェックしてください。
社内SEに必要なスキル
コミュニケーションスキル
コミュニケーションスキルはどのような業種でも必要ですが、それは社内SEも例外ではありません。社内において特にコミュニケーションを必要とする業種と認識した方が良いでしょう。
インフラを構築したあとは、トラブルシューティングなどが業務のメインとなる時期があります。その際には、社員と密なコミュニケーションを取らなければ、トラブル解決が難しくなってしまうのです。
ITに明るくない社員ならば、その人に合わせた説明を行わなければなりませんので、語彙力を含めたコミュニケーションスキルを必要とします。
ネットワークのスキル
近年の社内は、ほとんどの場合社内ネットワークが構築されています。PCや複合機はもちろん無線LANを導入している企業も少なくありません。
社内のITをコントロールするためには、LANに関するネットワークスキルは必須です。TCP/IPのネットワーク機器の仕組みを理解しておかなければ、社内のネットワークを把握することは難しいでしょう。
サーバーのスキル
IT企業でなくても、NASなどを用いたファイルサーバーを利用している企業は増えています。ファイル管理ひとつとっても、ファイルサーバーであるSambaの知識を身につけておくことで、設定や保守を容易にします。
また、自社で管理するサーバーがある場合には、Windows ServerやLinuxサーバーなどのサーバースキルを持っておくことで、構築・運用・保守を手間取ることなく遂行することができるでしょう。
面接でキャリアプランを答える際のポイント
転職の面接でキャリアプランについて回答する場合には、採用担当者の質問意図を把握しておく必要があります。
企業がキャリアプランを通して知りたいと思っているのは、自社の方向性や長期的な目標と、あなたのビジョンがマッチしているかどうかです。
入社したもののミスマッチであった場合は早期離職にもつながりかねません。
社内SEは社内の基盤を支え、有事に最も頼りたい存在です。
その経験を積んだ人材は、転職先の企業でも重宝されるでしょう。
企業研究をしっかりと行い、自身の市場価値や方向性を具体的に伝えることで、「これまでのキャリアをどのように活かそうと思っているか」「将来的にどのような存在になりたいと考えているか」を伝えるのがポイントです。
まとめ
社内SEは評価されにくいポジションだと思いがちですが、その成果をしっかりと表現できる職種です。また、様々な人から「ありがとう」と言ってもらえるポジションでもあります。
社内SEは社内の機能の大半を把握しているため、唯一無二のポジションを自ら構築することもできますし、その業務範囲は膨大ですので、長く続ければそれだけ多くのスキルを身につけることができます。ただし、一度定着するとなかなか離職しにくいポジションでもあります。
IT技術からコミュニケーションスキルまでを習得したい人も、それらを更にスキルアップしたい人にもやり甲斐のある業種だと言えるでしょう。
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